2009年3月31日火曜日

カルラ

ゲーム「新桃太郎伝説」に登場。
 
伐折羅王の腹心。鳥の姿をした鬼。口癖は「ケーケッケッ!」。
伐折羅王には全幅の信頼を寄せられており、
ダイダ王子のお目付け役でもある。自分の力が足りずに
コンプレックスを抱いているが、あまりにも冷酷非情で強欲な性格で
人間はおろか、自分以外の全ての生き物を自分が成り上がるための
道具あるいはゴミとしか思っておらず、他の鬼の手柄を横取りして
今の地位を築いた。そのため部下からの信頼は薄い。
幾度も桃太郎たちの前に現れ、卑怯な手段を用い、自らは戦わず、
配下を差し向けてくる。配下が敗れると容赦なく殺害し、
しかし、鬼族の長である伐折羅王にはあくまで桃太郎が
殺したかのような報告を行う。さらに伐折羅王の長男である
ダイダ王子が桃太郎に敗れ改心したことに腹を立て、殺害してしまう。
その後、大地を支えていたかぐや姫も殺害し、世界は鬼が島と、
一部の高台の島を除いて全て水没してしまう。 鬼が島に乗り込んだ
桃太郎一行は伐折羅王に勝利し、改心させる。
伐折羅王はやっとカルラに騙されていたことに気がつく。
このときカルラは伐折羅王を配下に殺害させ、自分が王たらんとするが、
すでにカルラを信頼する部下はいなくなっていた。
そこでカルラは自ら手を下そうとするが、伐折羅王の次男である
アジャセ王子に阻まれ、失敗。しかし、傷を負って倒れたアジャセ王子の
生き血を飲んで究極の体を手に入れるが、桃太郎たちの友情の力に敗れ去り石化してしまう。
 
ケーッケッケッ!人間のくせに桜なんぞ楽しみやがって!燃やせ!燃やせ!みんな燃やしてしまえ!
ええい!役立たずめが!おまえなど死んでしまえ!
ケーッケッケッ!おまえとのつきあいもだいぶ長くなってきたな!
どうだ?そろそろわしの部下にならぬか?一万両あげてもよい!
おまえ達があしゅらまで味方にするとは思わなかった!
どんな手を使ったのだ?金か?女か?土地か?なぜ笑っておる?
な、何?何だと?バ、バ、バカな!おまえ達は何の見返りもなしに
動いているというのか?ふざけるな!そんなやつがいるか!
ケーッケッケッ!まだわからぬのか!人間の力など鬼に遠く及ばないことを!
人間はすぐなまける!人間はすぐ思い上がる!人間はすぐ気持ちが変わる!
贅沢がしたいんだろ!女がほしいんだろ!人の上に立ちたいんだろ!
それがおまえ達の本当の夢なんだろ!なぜ夢に向かって走らない!
わかっただろ!オレ様こそ本当に夢を追いかけている男なのだ!ケーッケッケッ!
さあ!愚かなる人間どもの大地に毒の雨を降らすがよい!
人間どもには毒の沼地がお似合いだ!ケーッケッケッ!ケーッケッケッ!
オレ様の野望がわからぬやつなどただの虫けらだ!
えんま!伐折羅!夜叉!アジャセ!あしゅら!風神!雷神!
しこめ!酒呑童子!浦島!金太郎!
そして自分の愚かさにも気づかぬあわれな桃太郎!すべての虫けらどもよ!
醜く死ぬがいい!ケーッケッケッ!ケーッケッケッ!
ケーッケッケッ!愚かなダイダ王子!
しょせんあなたは王の器ではなかったのだ!伐折羅王様には、
桃太郎に負けたくやしさで切腹したと伝えてあげますよ!
後の鬼の世はこのカルラに任せたと言ったこともお伝えしますよ!
ケーッケッケッ!ダイダ王子!ゆっくり休むがいい!
永遠に目を開けずにな!ケーッケッケッ!
ケーッケッケッ!ああ!いやだいやだ!まったく!このオレ様が
人間などと戦うとはな!ああ!汚らわしい!早く戦いを済ませて
酒でも飲まねば、このうさは晴れぬわい!
下手に出ていればいい気になりおって!
まこと地獄を背負い世を動かしてきたのはこのカルラ…
カルラ様ではないか!伐折羅!おまえなどはオレ様の
操り人形になっておればよかったのだ!
今までオレ様の言いなりになったふりをしていたかと思っていたが…
そこまで頭が良くなかったか!ケーッケッケッ!ケーッケッケッ!
まあよい!すべてはこれで終わりだ!全員揃ってくれたんで、
いちいち殺す手間が省けたというものよ!
残った鬼達にはオレ様から伝えてやるよ!
伐折羅はカルラ様の邪魔をしては申し訳ないので自害したとな…ケーッケッケッ!
ケーッケッケッ!桃太郎!月の血はオレ様に大いなる力を与えてくれたぞ!
こんなことならはじめからかぐや姫の生き血でも飲んでいればよかった!
見よ!こんなに美しい体を!見よ!こんなに強い力を!見よ!
こんなに賢い知力を!オレ様はすべてを手に入れたのだっ!
これから月に行き月の血を浴びるほど飲むのだ!
どうだ桃太郎!おまえもオレ様と一緒に月へ行かぬか?
ケーッケッケッ!誰が月の血をおまえにわけてやるものか!
この空も!あの海も!あの大地も!森も!林も!家も!蔵も!金も!
あらゆる富は集まるべくしてオレ様の元に集まったのだーーーーーッ!!!」
 
某FFの人と共通点が多くある悪人、それがカルラだ。
まさかの「桃太郎伝説」で純粋な悪党である。
出世のために桃太郎を倒すべく、策を弄すわけだが
出世のためなら平気で仲間や部下を裏切り、殺害、詐欺、なんでもする。
最大の悪行は鬼と人間が共存している「新しい村」の村人を
毒を降らせて皆殺しかぐや姫を殺して大地を不安定にして
水没させることに尽きる。しかも上記二つが行われるとき、
わざわざ苦しんでいる人間の声を聴かせられるので、ますますえげつない。

オノレンジャー

ゲーム「スーパーマリオRPG」に登場。
 
マリオワールドの征服を企む武器世界からやって来た
カジオー軍団の一員であり、スターピースを奪うため
マリオの前に現われる五人のカジオー戦隊。
レッド、グリーン、ピンク、ブラック、イエローで構成される悪の戦隊であり
レッドがリーダーで、グリーンがオカマ、ピンクが女性。
巨大戦艦オノフォースを操る。しかし、レッドは目が回った、
グリーンは貧血(レッド曰く運動不足)、イエローは腹が減った
(そのくせに戦闘前にカレーを食ったとレッドは言う)、
ブラックはサングラスが割れた(安物だったらしい)、
ピンクは化粧が崩れた(レッド曰く厚化粧)などの
つまらない理由で戦線離脱し、常にまとまりがない。
レッドは通常攻撃、グリーンは攻撃魔法、ピンクは回復魔法、
ブラックは連続攻撃、イエローはカウンター攻撃を駆使する。
武器世界では彼らの量産型が現われる。
 
レッド「この世の悪を守るため!
ブラック「人々の心に、にくしみと悲しみをもたらし
グリーン「こんとんとしたはめつの世界を作るのよ
ピンク「それが、私達のはかなくも美しいりそうきょう
イエロー「我等、カジオーせんたい!
全員「オノレンジャー!!
レッド「このスターピースは、人々に希望をあたえる星!
こんなぶっそうなものを、お前達にわたすわけにはいかない!!
 
個人的に名作ゲーム「スーパーマリオRPG」。
数々のキャラクターが存在し、その中でも一風変わっているのが
オノレンジャーだ。戦隊モノでまさか悪役が現われるとは
誰もが思わなかっただろう(少なくとも筆者は思わなかった)
ちなみにゲームの技の中に「なにかんがえてるの?」というものがあり
相手のHPが調べられるだけではなく、相手の考えてることもわかるというもので
彼ら(量産型も含めて)の頭の中は見た目以上にまとまりがないので必見である。

エクスデス

ゲーム「ファイナルファンタジーⅤ」に登場。
 
強力な暗黒魔道士。封印を解かれてからは第一世界では
タイクーン王に憑依し、第二世界ではギルガメッシュを率いて行動する。
名前の意味は「死を超えるもの」。約1000年前、不死の魔術師エヌオーが
『無の力』を使い世界を支配しようとしたが人々は12の伝説の武器を使い
エヌオーに打ち勝ち、さらに世界の安定を保つクリスタルを分割する事で
世界を分け、2つの世界の次元の狭間に無の力を封じる事で平和が訪れた。
それから1000年に近い時が経ち、ムーアの大森林に存在した1本の樹に、
邪悪な心が集まり、意思を持ってエクスデスとなり、
かつて存在した無の力を求めて暗躍する。だが30年前にガラフ、ゼザ、
ドルガン、ケルガーの暁の四戦士に倒された後はクリスタルの力で
主人公バッツ達の住む世界(通称・第一世界)に封印された。
しかしシド博士の機械「クリスタル増幅マシン」によってクリスタルが砕けてしまい、
エクスデスの封印の力も弱まり、エクスデス配下の魔物達の謀略により
バッツ達はクリスタルを守ることができず、エクスデスは復活を遂げ、
自分の世界(通称・第二世界)へと戻っていった。それを追って
第二世界にワープしたバッツ達を捕らえ、バリアが構成される前の
エクスデスの城にバッツ、レナ、ファリスは、ガラフと彼の城の軍が
攻撃できないようにさせるための人質にした。しかし、ガラフが一人で
エクスデス城へ進入して三人を救出し、その直後4つの塔から発生する
強力なバリアが完成してエクスデス城は難攻不落の城と化すが、
そのバリアは4つの塔のうち1つを破壊すると解除された。
その後もクリスタルを捜し続け、遂には、長老の樹と呼ばれる古木の中にある
第二世界のクリスタルを手中に収め、これを操る。
その時暁の四戦士の一人ガラフが友人達を守るために、
クリスタルを破壊しながらも戦い、殺害。その後エクスデス城最上階で
バッツ達との決戦となるが、残りのクリスタルも破壊され世界は再び一つに戻る。
『無の力』の存在する、二つの世界の次元の狭間が一つになった
世界(通称・第三世界)に現れ、エクスデスはそこへとたどり着き
次元の狭間に封じられていた太古の魔物たちを配下とし、
『無の力』との接触を図る。その力で、世界の半分の都市を
次元のはざまに吸い込んでしまう。この際に『無の力』でタイクーン城や
バッツの故郷であるリックスの村などを『無』へと飲み込む。
その後は、本体は次元のはざまにて行動するも、
精神のみエクスデスソウルとして第三世界で活動する。
バッツ達が次元の狭間のエクスデスの元へとたどり着いたのと
ほぼ同時期に、遂に『無の力』を手中に収め、バッツ達に味方する
人間のいる場所を全て『無』に飲み込み、さらにバッツ達を無へと
飲み込もうとするが、『無』の中で暁の四戦士達、
さらにはタイクーン王の力を借りたバッツ、レナ、ファリス、
そしてガラフの孫娘クルルと最終決戦を迎える。
そこで完全に制御下においたと考えていた『無の力』に自身が飲み込まれてしまう。
しかしエクスデスとしての自我は崩壊してしまったが、全てを消し去り
自らも消えるネオエクスデスへと変貌した。だが光の戦士たちは
ネオエクスデスをも倒し、無に飲み込まれた世界を元に戻すのであった…
魔道士としての姿と、最終決戦時は巨大な樹木の化け物のような姿を見せ、
そしてネオ・エクスデスでは様々な生物、魔物が融合したような巨大な怪物の姿をしている。
 
ファファファ!
カメェェェッー!
次元のはざまへ行くがいい!
死の世界へ行くがいい!
なぜだ! 無の力を手に入れたのに……無とはいったい……うごごご!!
「…うごごご!!私はネオエクスデス。すべての記憶、すべての存在、
すべての次元を消し、そして私も消えよう、永遠に!!
 
最近ファイナルファンタジーにハマり始めた筆者。
エクスデスが結構好みである。魔道士なんていうインドアのイメージが強い
職種でありながら、ガタイがあってマッチョな体型。
自我を失い、無へと返そうと襲い来る姿がなんともいえない。
そういえばエクスデスの目的は無の力を手に入れることだったけど、
手に入れたその後はどうする気だったのだろう?
ついでにいうとディシディアにも登場しており、最期の言葉がなんとなく切ない。

ゴードン・フリーマン

ゲーム「ハーフライフ」シリーズに登場。
 
マサチューセッツ工科大学大学院卒業の理論物理学博士。27歳。
ニューメキシコ州のブラックメサ研究所に着任し、
最初の仕事である特殊物質の実験に参加。しかし実験が始まると
異常が発生。研究所には異次元世界"Xen"からのエイリアンが侵入、
壊滅寸前の状態に陥ってしまう。ゴードンはHEVスーツを着ていたおかげで
生き残ることができたが、破壊された研究所の中で侵入したエイリアンと
事件の揉み消しのために派遣された大統領直属の海兵隊との
三つ巴の戦いをしながらブラックメサからの脱出、事件の真相解明に挑む…
 
通称「カナテコおじさん」ことゴードンさん。
所謂突発的事故に巻き込まれてしまう苦労人、
のはずだがどうみても貧弱そうなのにカナテコ一丁で
兵隊もエイリアンも皆殺しにしてしまう驚くべき戦闘能力の持ち主。
何故そんなに強いのかと聞こうとしても無口なため、謎である。
一作目以降はG-MANという謎の男の下僕になり、英雄になったり、
異世界に飛ばされたり、レジスタンス活動に勤しんだり、
皆殺しにしたりと色々忙しくまた上官G-MANに逆らえないあたり、
やはり苦労人である。

ザ・ヴィジター

映画「怪奇異星物体」に登場。
 
郊外の町シェラ・ビスタに引っ越してきた心理療法士のスティルマンは、
余所者を嫌う町の人々からの冷たい視線の中、配属された学校に向かう。
彼女は学校でいじめを受けているベンという少年と知り会う。
スティルマンはベンとの関係を築こうとするが、少年の父親で
医師のマイケルからかまうなと言われてしまう。あとで、実はマイケルは
その少年の本当の父親ではなく、母親を亡くした少年を
引き取ったものだということを知るスティルマン。
ベンは、亡くなった母親から、自分は宇宙人との間にできた
子供だと聞かされていた。そして、医師マイケルが外出した夜、
ベンは家でTV映画を観ていた。そして宇宙人の父親が
迎えにきた気配を感じ、家を飛び出す。その日、町で次々と殺人事件が発生する。
夜闇に乗じて現われた謎の怪物が犯人だった。怪物は度々ベンの前に現われ、
なんらかの目的を持って殺戮を繰り返す。実はベンの母親が死んだ原因は
怪物に殺された人々だったのだ。ベンは一種の超能力者であり、
自分がさっき見たTV映画の宇宙人(怪物)を無意識に創り出し、
そして知らぬ間に復讐を行っていたのだ。遂には義父のマイケルを殺し、
怪物はベンの前に現われる。母や自分の過去を全て思い出したベンは、
自分の力で怪物を消し去るのであった…
(名前はフィギュアから)
 
イドの怪物ふたたび!映画「怪奇異星物体」。
ついでにいうと邦題に偽りあり。宇宙人が来訪するのではありません。
少年の想像の産物が来訪するのであります。何気に結構凶悪で、
顔面の皮剥がしたりするあたり、えげつねぇ。
怪物の正体は実にあっけないものだったが、ラストを思う限りこの映画、
ハッピーエンドとはいえないだろう。だって無意識とはいえ
結局犯人はベンなのだから、な~んも解決してないやんけ

2009年3月30日月曜日

案山子男

映画「案山子男」シリーズに登場。
 
死んだ者の魂を取り込み、殺戮を繰り返す案山子。
それは陰気な少年レスター・ドワーヴィックから始まった。
レスターはアル中の母親とトレーラーで暮らしている高校生で、
同級生や教師からも嫌われるイジメられっ子だった。
嫌なことは絵を描いて忘れる、惨めな生活。だが彼はジュディという
女性に恋心を抱き、惨めな生活から脱却できるかと思われた。
しかし、ジュディがレスターを苛める男とキスしているのを見てしまう。
自棄になった彼は家に帰ると、母親の愛人に八つ当たりするが、
愛人に逆に殺されてしまう。レスターの死体はそのままトウモロコシ畑に放置された。
その一部始終を見ていた案山子。案山子はレスターの怨念に反応し、
レスターの魂は案山子に取り込まれる。こうして案山子男が誕生した。
案山子男は、かつてレスターをいじめていた連中を次々と殺し、
さらに無関係な人々まで殺していく。だが、母親には手をかけられなかった。
だが彼の殺戮は留まる事を知らず、ついにはジュディもその手にかけようとする。
しかしジュディにより案山子男は燃やし尽くされるのであった。
事件後、そのトウモロコシ畑の案山子は呪われた案山子といわれる。
そしてその噂を聞いたデイヴィッドとカールは伝説となった案山子を
農場から盗み出そうと計画。しかし、案山子男が甦ったと勘違いした
農夫によってデイヴィッドは殺されてしまう。やがてその魂は、
“案山子”に吸い取られ。再び、案山子男が復活する。
復讐鬼となったデイヴィッドは、次々と怨んでいる人間たちの惨殺を開始した。
そして、愛する女性メアリーにその魔の手が忍び寄る。
メアリーを自分の花嫁にしようというのだ。案山子男は新たに作った案山子に
メアリーの魂を乗り移らせようとした。親友カールが案山子男となった
デイヴィッドを止めようと邪魔をする。だが逆に殺されてしまう。
しかしその魂はメアリーが乗り移るはずだった案山子へと吸い込まれていく。
案山子男となったカールはデイヴィッドと対決する。案山子男同士の戦いは
熾烈を極めるが、カールはデイヴィッドにより倒されてしまう。
だがデイヴィッドはメアリーによってバズーカで粉砕されるのであった。
さらに数年後、とある高校でサムという青年が部活の年長者マイクに苛められていた。
そんなサムに同情したジャックは彼の意中の女性である
ベスに引き合わせてやろうとする。しかしジャックもベスのことが好きで、
マイクと共謀する。そんな彼らは春休みを使ってビーチに遊びに行くことにした。
サムは強制的に彼らと共にビーチへ。開放的なビーチで興奮が
ピークに達した彼らは、悪ふざけのつもりでトウモロコシ畑に立つ
案山子にサムをくくりつけ、放置する。サムは元々体が弱く、
そのまま昏睡状態になってしまう。実はその案山子の下には、
彼らの部のコーチが昔殺した人間を埋めた、忌まわしい過去があった。
長い年月が立ち、案山子は邪悪な意思をため続けた。
そしてサムの邪念を吸い取った案山子は、一人でに動き出す。
またしても案山子男が復活したのだ。案山子男はマイクの仲間を
次々と殺し始める。知らぬ間に残ったのはジャック、マイク、ベスの三人だけだった。
襲いかかる案山子男から逃げた三人は、昏睡しているサムを見つける。
彼らは噂どおりなら、サムが意識を取り戻せば案山子男をなんとかできると考え、
病院へサムを搬送する。だがサムはなかなか意識を取り戻さない。
そして案山子男は病院に現れる。なんとか電気ショックで
サムが意識を取り戻すと、案山子男は消えうせた。その数週間後、
マイクはすっかり丸くなり、サムと友好的な関係になっていた。
サムも彼の今までの所業を許しているように見えた。
しかし、サムはマイクを殺す。鏡に映るサムの姿は、案山子男になっていた。
案山子男の怨念がサムに乗り移っていたのだ。
元凶であるコーチは殺害され、ジャックとベスに魔の手が迫る。
サムの姿をした案山子男に追い詰められたジャックは痛めつけられる。
そしてジャックは自分の姿を鏡で見ると、なんと案山子男になっていた。
自分を失いたくないジャックは自殺するのであった…
 
B級映画界に現れたニューヒーロー(!?)「案山子男」。
第一作目はアクロバティックな動きと、トウモロコシが凶器だったのが
印象的でしたがしかしそれ以後は色々と煮詰まりすぎて?
なんだかわけわからんがとりあえずなんともいえないという
カオスとも駄作ともいえないみょうちきりんに!
(もはや三作目はストーリーが意味不明)だがしかし、
そんなつまらない映画なのに続編が三作もできれば立派である!

イドの怪物

映画「禁断の惑星」に登場。

宇宙移民がはじまった2200年代。アダムス機長が率いる
宇宙船「アンドロメダ号」は、20年前に移住し、
その後連絡を絶った移民団の捜索のために、
惑星第4アルテアに着陸した。アルテアには、移民団の生き残りとして、
わずかにモービアス博士と、アルテアで誕生したその娘のアルティラの
2名だけが生存していた。モービアス博士は、アルテアには
先住民族であり大変な進化をとげたクレール人がいたこと、
そのクレール人は解明されていない理由である日突然に滅亡したこと、
移民団は正体不明の怪物に襲われて自分たち以外は
死んでしまったことなどを語った。また、モービアス博士は、
クレール人の遺跡を調査し、残していった設備を使うことで、
モービアス自身の能力を飛躍的に増進させているということも。
そして、おそらくアンドロメダ号も怪物に襲われるだろうと予告し、
早くこの星を離れるよう求める。事実、怪物はふたたび登場し、
アンドロメダ号を襲って、乗組員を殺しはじめた。
しかしアダムス機長は、アルティラと恋仲に陥ってしまったこともあり、
即時の離陸を拒否。モービアスとアルティア、せめてアルティラだけでもと
地球に連れ帰ろうとする。怪物がアダムス機長、モービアス、
アルティラに襲いかかろうとする。そのとき、クレール人の遺跡が
最大出力で動いていた。アダムスは、その怪物の正体が
モービアス博士の潜在意識であり、自我そのものであり、
その怪物は「イドの怪物」とでも呼ぶべきものだということを見破る。
移民団の殺戮も、アンドロメダ号の乗組員の殺害も、
実はモービアスの潜在意識のなせるわざであった。
意識の暗黒面を正視したモービアス博士は、クレール人の滅亡の意味も理解し、
アルテアもろとも滅びることを選ぶ。アダムス機長は、
アルティラを伴ってアンドロメダ号に戻り、アルテアが爆発する寸前に
なんとか船を離陸させたのだった…
(名前は私がつけた仮称です。“イド”とは“潜在意識”の意味)
 
SFに哲学的テーマを入れたカルトSF「禁断の惑星」。
“潜在意識の怪物(イドの怪物)”というなんとも捻くれたテーマの映画。
怪物はチープだが、後の映画に影響を与えたのはいうまでもない。

ヴィー

映画「妖婆 死棺の呪い/魔女伝説 ヴィー」に登場。
 
魔女の呼びかけに応えて現れた、巨体の土の精。
ずんぐりむっくりとした姿で、瞼が長く、重いため、
他の怪物に手助けされないと瞼を持ち上げられない。
教会で祈祷し続ける神学生ホマーを捕らえようとする怪物と魔女。
しかし床にチョークで描かれた円の中だけは見ることも触れることも出来ない。
そこで魔女はヴィーを呼んだ。ヴィーは巨体を引き摺り、教会に現れる。
しかし瞼が重く、目が見えない。朝日がもうすぐ昇るとわかり、
勝利を確信するホマー。だが他の怪物により瞼が上げられたことにより、
ホマーを見つける。ホマーは怪物たちに襲い掛かられ、命を落とすのであった…
 
魑魅魍魎、奇妙奇天烈な怪物たちが勢ぞろいする映画「妖婆 死棺の呪い」。
原作はゴーゴリの「妖女(ヴィー)」ですが、タイトルにもなっている
「ヴィー」は周りの魑魅魍魎以上に怪奇な、なんともいえない姿。
日本で映画が公開されたときは土の精となっておりロシアの民話か
何かに登場するのかと思いきや実際はヴィーという妖精や妖怪の類はいないようです。
まぁなんにしてもこんなトンデモな怪物が作るとは、世の中まだまだ広いもんだ。

妖女

映画「妖婆 死棺の呪い/魔女伝説 ヴィー」に登場。
 
魔女。その姿は老婆だが、ときとして美しい娘に姿を変える。
中世ロシア。まもなく、クリスマス休暇がはじまろうとしている
古都キエフのブラッキー修道院。神学生で寄宿生の一人、
ホマー・ブルートは、故郷へと向かった。仲間二人と共に、
やっと見つけた小屋に宿を求めた。その夜、老婆が彼に寄って来て
彼の背に飛び乗った。一度舞い上がり、再び大地に足が着いた時、
打ちのめした筈の老婆は、美しい娘に変わっていた。
ほどなくたって、ホマーは、コサック部落の地主に呼ばれ、
若くして死んだ娘のために古い教会で三晩祈祷をあげるように命ぜられる。
ホマーは理由を問うと、娘は死の間際に、ホマーを指名したのだという。
不気味な棺の傍でただひとり、夜、祈祷書を読み上げるホマー。
やがて、起き上がったその娘は、なんと、あの老婆が変身した美しい娘であった。
魔女は襲い掛かろうとするが、彼がいるチョークで描かれた円の中には入れない。
しかし数々の怪奇現象のあまりホマーは逃げ出そうともするが、
半ば強制的に祈祷をやる羽目になる。祈り続けて三日目の夜を迎えた日、
教会を風が吹き抜け、壁から次々に姿を現わす怪物たち。
踊り出す骸骨、異様な眼光を放つ娘。魑魅魍魎の集う場と化した教会で
ホマーは一人、祈祷を続ける。魔女は業を煮やして「ヴィーよ、来い!」と叫ぶ。
そしてゆっくりと教会に入ってくる怪物ヴィー。しかしヴィーは大きな瞼のせいで
ホマーを見つける事が出来ない。ホマーはもうじき朝だとわかり、希望に満ちていた。
だが他の怪物たちの手によりヴィーの瞼が開き、ホマーは見つけられてしまう。
襲いかかる怪物たち。為す術もなく、ホマーは倒されてしまう。
しかしそれと同時に朝日が昇り、怪物たちは散り散りになり、
魔女は娘から老婆へと姿を変え、本当に絶命するのであった…
 
ロシア(ソ連)で作られたとってもファンタスティック・ファ~ンタジ~!
怪奇映画である「妖婆 死棺の呪い」。魔女が棺に乗って空飛ぶ姿や、
箒持った婆さんが坊さんに乗っかって空飛ぶ姿など
なんともエキセントリックシュールな光景が続くのが頭に残った。

2009年3月29日日曜日

ダニー・バターマン

映画「ホットファズ 俺たちスーパーポリスメン!」に登場。
 
のどかな田舎町サンドフォードの警察署で働く警官。
サンドフォード警察署の署長フランク・バターマンの息子である。
刑事モノやアクションモノの映画ファンであり、いつか銃撃戦がしたいと思っている。
エリート警官ニコラスのパートナーになり、念願のカーチェイスや
銃撃戦ができると喜ぶ。ニコラスからの教訓を得て成長していくと同時に、
ニコラスに私生活について教訓を与える。村の重大な秘密を知り、戸惑うが…
 
トロくて、お人よし、だけど憎めない警官ダニー。
エンジェルと出会い、頭の固いエンジェルに影響を与えながら
私生活との切り替えのため自分の好きな「ハートブルー」や「バッドボーイズ」を観せる
犯人に立ち向かう。派手な銃撃戦、カーチェイスと、自分のやりたいことを
一日で体験できるあたり、最も羨ましい人間だろう。
しかし実は本作一番の重大な決断に迫られたりするあたり、苦労人でもある。

ニコラス・エンジェル

映画「ホットファズ 俺たちスーパーポリスメン!」に登場。
 
大学を首席で卒業し、警察学校でもトップの成績を残し、
幾度もの表彰を受けた頭脳明晰、スポーツ万能のエリート警察官。
ピースリリーに水をやるのが日課。唯一の欠点は仕事とプライベートの
切り替えができないこと。首都警察の特殊部隊に勤めていたが、
その有能さが祟って、上司や同僚たちによって田舎町サンドフォードに左遷されてしまう。
サンドフォードで彼を待っていたのは呑気でいい加減な仲間たちと
退屈な仕事に従事するばかりの日々。首都警察の頃と同じ調子で
働く彼は周囲と馴染めず、ここでも浮いた存在となっていく。
しかし、この一見平穏な村には、ある恐ろしい秘密があった。
次々と残虐な殺人事件が起き、捜査に張り切るエンジェルだが、
村人も警察の仲間も、皆事件を「事故」として片付けようとする。
署長の息子ダニー・バターマンと共に、事件の謎を追う…
 
エリート!万能!優秀!首席!ありとあらゆる良い所取りしたような
絵に描いたエリート警官、それがニコラス・エンジェル!
常に本気(マジ)な彼は優秀な成績だがやや人間味に欠けている、
マジメで堅物な警官。しかし、村の秘密を知ってからの
ハッチャ気ぶりが凄まじい!刑事モノの映画でバッチリ復習
警察の押収品で完全武装恐ろしい犯人相手に銃撃戦を繰り広げ
カーチェイス巨大化(!)して怪獣バトル、最後は大爆発!
刑事モノをオマージュ!トリビュート!リスペクト!パクり!何でもありだ!
しかも犯人を一切殺していないあたり、その辺のマッポより有能である。

ビル・マニー

映画「許されざる者」に登場。
 
本名ウィリアム・マニー。
列車強盗や殺人で悪名を轟かせていたアウトローだった男。
妻クローディアと出会ってからは銃を捨て、2人の子供と農場を
営みながら密かに暮らしていた。1880年のワイオミング州。
小さな牧場を営むウィリアム“ビル”マニーは11年前に妻と出逢ってから
改心し酒も止めた。二人の子供にも恵まれたが作物は満足に育たず
3年前に妻にも先立たれてしまった。そんなマニーのもとに
スコフィールド・キッドという若いガンマンが訪ねてくる。
とある売春宿で客の牧童が「1人の娼婦の顔を切り刻み、
目玉を抉り出し、乳首を切り取る」凶悪事件が発生。
しかも街を取り仕切る保安官のビル・ダゲットは自らの権力を
盾に馬7頭分の賠償金を支払うだけで牧童を解放したらしい。
そして娼婦仲間が加害者の牧童二人に1千ドルの賞金を懸けたとのこと。
キッドは冷酷無比であるという伝説を持つマニーと手を組み
賞金を得ようと考えたのだ。しかしマニーには11年という永いブランクがあった。
馬も自由に乗りこなせなくなり、二人の子供もまだ幼い。
それでも、不当に殺された娼婦の敵討ちをすれば大金が手に入り、
生活が楽になると考えたマニーは悩み抜いた末、11年ぶりに銃を手にする。
マニーのかつての相棒ネッド・ローガンが同行することになり、
3人は町へ向かった。その頃、保安官のリトル・ビル・ダゲットは
強引なやり方で町を牛耳っていた。伝説的殺し屋のイングリッシュ・ボブと
同行していた小説家ボーチャンプが町を訪れるとボブを痛めつけ、
町から追放するダゲッド。マニーら一行が町に到着すると、
ひとり酒場にいたマニーをダゲットは激しく殴りつけ、重症を負わせる。
そんなマニーを献身的に看護したのは傷つけられた娼婦だった。
結局のところ、噂に尾鰭がついており、娼婦は顔を傷つけられただけだった。
立ち直ったマニーはネッドとキッドに追いつき、追っていたカウボーイを発見して
1人を射殺するが、ネッドはもう人を撃てないと悟る。マニーは去ろうとする
ネッドに「賞金は三人で山分けなのは変わらない」と言い、ネッドに別れを告げた。
カウボーイたちの家を見つけ、残るひとりを仕留めたキッドは、
マニーに初めて人を撃ったと告白する。その頃、町では捕まったネッドが
ダゲットの激しい拷問にあい、命を落とした。賞金を受け取る際に
その話を聞いたマニーは、キッドから拳銃を受け取り、子どもたちと
ネッドの妻とキッドの4人で賞金を分けるように言うと町へと向かった。
酒場の前にネッドの死体が放置されているのを見つけたマニー。
店に入ると容赦なく店主を射殺し、ダゲットに銃を抜かせる暇を与えず、
店にいる者のほとんどを殺す。そして子どもたちの待つ家へ
マニーは帰っていった。その後クローディアの母が娘の墓参りにきたが、
マニーとその子どもたちの姿はなかった。噂では西海岸で繁盛したらしい。
クローディアの母は最後まで札付きの悪党だった男と
一緒になった娘の気持ちがわからなかった…
 
この馬、昔の俺に仕返ししてるんだ。死んだ母さんに出会う前の
若い頃の俺にな。気が小さくて、よく動物をいじめたもんだ。
だから、この馬や向こうにいる豚どもは仕返ししてる、残酷な父さんにな。
いつもこんな馬をひどくムチ打ったもんだ。そんな俺を諌めたのは母さんだった。
 
女房のクローディアのおかげだ。酒もきっぱりやめた。
今度殺しをやるからって、昔の俺に舞い戻るわけじゃない。
金が必要なんだ、子供たちのためにな

俺は見た…死の天使と会ったんだ。死の川も見たよ…。ありゃ蛇の目だ
死の天使だよ。ネッド…ネッド…俺は死ぬのが怖い…
クローディアと会った
顔はウジ虫で覆われていた。ネッド、俺は怖いよ…もうすぐ死ぬんだ。
いいか、誰にも喋らないでくれ…子供たちにも言うな
 
殺しは非道な行為だ。人の過去や未来をすべて奪ってしまう

人間はみんな罪深い

ダゲットお前さん、実に卑劣な野郎だ。丸腰の男を撃ったんだ!
マニー銃を持つべきだ、店の前に俺の友だちをさらした以上
ダゲットミズーリのウィリアム・マニーだな、女、子供を殺した…
マニーそうだ。女も子供も殺した。歩いたり、這ったりした者は皆殺しにした
今夜はお前を殺しに来た

俺に銃を向けるやつは殺す。その女房も子どももだ!
ネッドを埋葬しろ!娼婦を人間らしく扱え!さもないと皆殺しにするぞ!
 
イーストウッド渾身の西部劇「許されざる者」。
登場人物の全てが「許されざる者」のこの映画。
筆者、彼を語る言葉が見つからない。

エドワード・カーンビー

ゲーム「アローン・イン・ザ・ダーク」に登場。
 
私立探偵。1924年、ルイジアナにあるデルセトの屋敷で
芸術家のジェレミー・ハートウッド氏が自殺し、その生涯を閉じた。
現地の警察は現状から見て自殺と断定し発表した。
しかしながら、それはあくまで表向きの話で、本当は誰もが
心の奥では感じていた。「あの屋敷には何か恐ろしい事があったに違いない。
何か、とてつもなく恐ろしい事が…」ジェレミー氏の自殺事件から数日後。
古物商のグロリア・アレンから調査の依頼を受けた
私立探偵エドワード・カーンビーは、狂気と呪いに満ちた屋敷へと向かう…
 
不条理なトラップ満載なコズミック・ホラー「クトゥルー神話」を
題材にしたPCゲーム「アローン・イン・ザ・ダーク」。
クトゥルフ神話を題材にしたゲームの中ではなかなか知名度があり
恐ろしいトラップと突如襲い掛かる怪物たちもなかなか怖い。
ただ何よりも怖いのはゾンビでも犬でも鎧でも名状し難い怪物たちでもない。
ムサいオッサンである主人公の顔である

2009年3月28日土曜日

トニー・モンタナ

映画「スカーフェイス」に登場。

コカイン・ビジネスで暗黒街のボスにのしあがった男。
持ち前の鼻っ柱の強さと抜け目なさで金も女も手に入れ、
自らの王国を築き上げた。1980年の5月、キューバのカストロは
反カストロ主義者をアメリカに追放した。アメリカにやってきた
難民たちの中には政治犯や前科者がおり、その中にトニー・モンタナ、
その友人マニー・リベラがいた。入国審査官たちは
二人が前科者だとわかると、マイアミの高速道路下にもうけられた
移民キャンプに送る。3カ月後、キャンプ生活に飽きて来たトニーは
政治犯であるレベンガの殺しを頼まれて実行する。
数週間後、トニーとマニーはマイアミで皿洗いをしていた。
そこにレベンガ殺しを依頼したフランクの部下オマーが、仕事を持って来た。
あるモーテルに行き、コロンビア人からコカインの取引きをしてこいというものだった。
だが相手は金を横取りしようとし、トニーの仲間エンジェルを殺す。
トニーも殺されそうになるが、仲間たちの援護もあって敵を皆殺しにできた。
フランクの豪邸を訪れたトニーは、彼の知己を得て部下になる。
そこで出会ったフランクの情婦エルヴィラにひかれていくトニー。
ある夜、トニーは自分より先に渡米した母親と妹ジーナに会いに行った。
母は息子のヤクザな生き方を嫌うが、妹は兄の派手な世界に関心を持つ。
数カ月後、トニーとオマーはボリヴィアのコチャバンバに行き、
地元マフィアのソーサに会いにいく。ソーサとの交渉はなかなか決まらず、
オマーが殺され、奴は警察の犬だったとソーサは言う。
そしてトニーは独断で高額の取引きに同意した。
一人だけで帰ってきたトニーに激怒するフランク。そしてフランクは
トニーを邪魔者と思うようになる。その夜、悪徳刑事バーンスタインが
賄賂を要求し、ジーナはチンピラと付き合っていた。
ジーナを送るマニーは彼女と仲良くなる。放心したようにクラブで
うなだれていると、そこへ暗殺者の銃弾が襲う。難を逃れたトニーは、
マニーらをつれて、フランクの事務所へ行き、フランクに問い詰める。
自供したフランクとバーンスタインを射殺し、トニーはマイアミのボスの座につき、
豪邸を買い、ジーナに贅沢な暮らしをさせ、エルヴィラと結婚する。
だが、彼の栄光の日々も長くは続かなかった。金が増えるにつれ、
税金が高くなり、銀行でも手数料が多くかかるようになる。
そしてコカインに心身を侵され、金に拘るトニーに愛想を尽かすエルヴィラ。
そしてトニーは脱税すべく、資金洗浄を頼むがそれは警察の罠だった。
摘発され、刑務所行きは逃れられないことに。一方、ソーサの方も
麻薬取締りが厳しくなり、困っていた。ソーサは取締り委員会の
最高顧問暗殺を手伝えば、トニーの脱税問題に手を廻すという。
トニーはニューヨークに行き、ソーサの殺し屋の仕事を手伝う。
しかし、顧問が家族と一緒なのを見て、爆殺に反対し、
殺し屋を射殺してマイアミにもどる。エルヴィラの姿が消え、
ジーナの行方も知れない。母親から妹の所在を聞き出し、
とある家に行く。そこにはマニーがおり、寝間着姿のジーナもいた。
咄嗟にトニーはマニーを射殺する。泣き叫ぶジーナ。
二人は恋仲になっており、トニーを驚かせるために秘密裏に結婚していたのだ。
ジーナを無理やり屋敷に連れ込むトニー。
そこにソーサの放った殺し屋たちが襲撃してくる。
発狂したジーナに殺されかけるが、ソーサの殺し屋に彼女は殺される。
エルヴィラを失い、マニーを失い、ジーナを失った彼には何も残っていなかった。
壮絶な銃撃戦が展開され、屋敷は戦場と化す。
隙を突かれて、銃弾を浴びるが何発銃弾を浴びても倒れないトニー。
しかし後ろから迫ってきた殺し屋の一撃により、死亡するのであった…

食って、飲んで、ヤッて、吸って、50になったら腹が出て、
女みたいに胸が垂れてその先から毛が生える。
肝臓はボロボロ、皮膚には汚いシミ。そんな風になる

何見てやがる、クソどもが…知ってたか?お前らはみんな腰抜けだ。
何くわぬ顔で おれのようなヤツを指さして言う“あいつは悪党だ”。
そういうお前らは何だ、善人か?笑わせるんじゃねえ…
とりつくろい嘘をつく。おれはそんなことはしない。
おれはいつも真実を話す。嘘をつく時もだ

どうだ!かかってきやがれ!!!俺はまだ死んじゃいねぇぞ!!!!!

最も血みどろで最低な形でアメリカン・ドリームを手にした男トニー・モンタナ。
そのプライド、夢高し。その前期はアロハシャツで貧乏で
前科者な典型的キューバ人。常に剥き出しの凶悪さと凶暴さを武器に、
組織のメンバー入り、気に入らん奴は基本ブチのめす。
後期はボスを殺って頂点へ到達、前期と同じようにやっていくが
それが通用しなくなる。ここでコカイン漬けになり、誰もが恐れる男へ変わる。
しかし根本は家族思いの人間であり、幼少の頃から、
父親に捨てられたことにより妹のために父親代わりの人生。
しかし妹はその心底を見抜いており、最低な父親よりも自分の方が
マシだと思いたいが為。それを嫌がる妹。
気づいたら巨大組織に喧嘩売って、妻はいないし、親友殺し、
愛していた親友を殺されて妹は発狂の末に死亡、コカインで最強の体を手に入れた男は一人、
殺し屋どもを八つ裂きにし果てる。滅茶苦茶な人生を歩み、その最期も滅茶苦茶。
だがその意地を貫き通し続けた姿を尊敬する者は多く、私もその一人である。

ドラキュラ(オールドマン)

映画「ドラキュラ」に登場。
 
神への復讐から、血を糧に生き続けたヴラド・ドラキュラ。
15世紀中頃、ワラキアの王ヴラド・ドラキュラ公は
トルコ軍との戦いで奇跡的な勝利をおさめるが
最愛の王妃エリザベータは、ヴラドが戦死したという
誤報を聞き、砦から身を投げた。
自殺した霊魂は神に救われないことに知ったヴラドは
絶望の末、神に背き、神への永世の復讐を誓った。
1897年、英国人の青年弁護士ジョナサン・ハーカーは、
トランシルヴァニア地方にある城へやって来る。彼の前任者の
同僚レンフィールドは、この城で発狂してしまった。
城で彼を待っていたのは、ドラキュラ伯爵という老人だった。
ハーカーが彼を不審に思った時には既に遅く、監禁され、
3人のドラキュラの花嫁たちに血を吸われるが、決死の逃亡を図り、
修道院に保護される。ロンドンでは、ハーカーの婚約者ミナが、
夢遊病を患う親友のルーシーの看護をしていたが、
街中で不思議な男に出会い、心を惹かれる。その男こそ、
エリザベータと生き写しのミナを我がものにしようとするドラキュラ伯爵であった。
ハーカーの無事がわかり、結婚のためヨーロッパに旅立つミナは、
ドラキュラに別れの手紙を書く。絶望した彼は、衰弱したルーシーの命を奪う。
奇怪な影に怯え続けていたルーシーを調べていたヘルシング教授は、
吸血鬼と化したルーシーを退治し、吸血鬼狩りを決行した。
ロンドンに帰ったハーカーは、若返ったドラキュラを見て衝撃を受け、
教授とともにドラキュラの眠る柩の探索を行う。緑の霧となり、
ミナのベッドに入り込んだドラキュラは自分の血を飲ませようとするがためらう。
彼の愛の深さを知ったミナは、自ら血を飲んでしまう。
ドラキュラを倒そうとする吸血鬼狩り一行は、ミナを連れ、
城へ逃げ帰ったドラキュラを追跡する。夜になり、城内で一行とドラキュラは戦い、
深手を負ったドラキュラは屋敷に逃げこみ、その後をミナが追う。
苦しむドラキュラの胸にミナが杭を打ちこむと、息絶えたドラキュラの顔が
平穏な表情に変わっていった。そしてミナは、ドラキュラの首を切り落とすのだった…
 
コッポラ監督、ゲイリー・オールドマン主演映画「ドラキュラ」。
今までのドラキュラ映画よりも原作重視であるが、
主軸は男女の悲しい恋愛劇であり、
こうして血みどろロマンティック・ゴシックホラーとして出来上がった。
魔性の存在となっても妻の影を追う男ドラキュラ。
それを哀れみ惹かれてしまう女ミナ。
筆者が思うのは、男女の仲は非常に難しいということだ。

ドラキュラ(リー)

映画「吸血鬼ドラキュラ」に登場。
 
数世紀にわたって人間の生き血を啜って生きる吸血鬼。
人里離れた邸に住み、人間の生き血を啜る吸血鬼と伝えられる
ドラキュラ伯爵。その正体を探るために、その邸内に司書として住みこんだ
ジョナサン・ハーカーは、広間で美しい女に救いを求められたが、
彼女を抱きよせた瞬間、頚に女の鋭い歯をたてられ、
現れた伯爵に襲われて昏倒した。やがて意識を回復した彼は、
地下のドラキュラ家の墓所に入り、そこで石棺に横たわる女と
伯爵の姿を発見した。ジョナサンは先端を鋭くとがらせた鉄棒をとりだし、
これを女の心臓部に力をこめて打ち込んだ。こうすることによってのみ
ドラキュラの魔力から女を解放し、永遠の安息を死体に与えることが出来るのだ。
しかし暗闇の中で襲いかかった伯爵のために、彼も命をたたれた。
ジョナサンの死体と日記を発見した親友の医師ヴァン・ヘルシングは
その死を知らせるため旧友の婚約者ルーシー・ホルムウッドの病床に訪れたが、
頚すじにある歯のあとから、彼女も又ドラキュラの毒牙にかけられたのを知った。
間もなく彼女は死んだ。彼女の兄アーサー・ホルムウッドはある夜、
墓地で死んだ筈の妹に頚に歯をたてようとされ、医師ヘルシングの言葉が
真実なのを知り、妹の死体の胸に鉄棒を打ちこんだ。
しかしこのころ、アーサーの妻ミーナのもとにドラキュラの手がのびていた。
邸につれ去られた彼女を、生きているうちに救うため後を追った
ヘルシングとアーサーは、ドラキュラを十字架をかざして追い詰め、
朝の神聖な陽光にさらした。数百年の間生き血を吸いつづけてきた
吸血鬼は、太陽の光のもとにみるみる一塊の灰と化し、
ミーナは死の寸前に救われたのだった…
 
ハマー・プロの至極の名作「吸血鬼ドラキュラ」。
ルゴシがドラキュラ像を固めたのなら、クリストファー・リー
それを確たるものにした。どこの国でもドラキュラと言えばリーであり、
映画自体も緊迫感のある脚本がより素晴らしさを感じさせる。
リーのドラキュラはより紳士的に、より獣としての面を強く引き出されている。
あまり関係ない話だが、筆者の母は「吸血鬼ドラキュラ」以降、リーのファンである

ドラキュラ(ルゴシ)

映画「魔人ドラキュラ」に登場。
 
500年前に死去したはずのトランシルヴァニアの貴族。
死んだはずのドラキュラ伯爵はトランシルヴァニアの
彼の古城に夜毎現れた。ドラキュラは恐るべき精気を持って、
死棺の中で生きながらえていたのである。
若い法律家のレンフィールは既にドラキュラの魔気にかかり
彼の古城に招きよせられ、ドラキュラの命ずるままに死棺を
英国行きの漁船に積んだ。途中、洋上で大暴風雨に会って、
船は難破し彼ら2人はウィスピーの漁村に漂着した。
そして近所のカーファックス寺院の地下室にドラキュラの死棺は置かれた。
半狂人となったレンフィールドはドラキュラが命のままに動き、
夜毎ドラキュラは街に現れて若い女の生き血を吸い求めて歩いた。
レンフィールドは遂に精神病院に収容されたがドラキュラはミイラと化し、
ある時は霧となって魔手を延ばした。ドラキュラはミナという美しい女性に近づく。
ミナの恋人ジョン・ハーカーと科学者のヴァン・ヘルシングは
ミナに魔が憑いていることを観破し、そしてドラキュラの挙動を注意していた。
遂にはドラキュラの正体を見極めたハーカーとヘルシングは協力して
カーファックス寺院の地下室を襲い、暁近くドラキュラの生命を
永遠に絶つことが出来たのである。と同時にミナも正気に帰り
ハーカーの胸に抱かれた…
 
その昔一大ブームを巻き起こし、戦前のホラー映画(吸血鬼映画)ブームを
巻き起こした「魔人ドラキュラ」。後の“紳士の顔の裏には獣が潜む”の
テーマの先取りとも言えるだろう。ベラ・ルゴシの演じたドラキュラは
貴族としての上品さが目立ち、後のドラキュラ像を形作ったといえる。
ついでにいうなら“目力”もある。あの目で睨まれながら
「此方へ来い」というんだから堪らない。で、映画の方の出来はというと
別段面白くはない。が、ドラキュラ作品の記念すべきものであることは変わらず、
歴史的価値は十分ある。

2009年3月27日金曜日

リック・テイラー

ゲーム「スプラッターハウス」シリーズに登場。

大学で超心理学を学んでいた男。
「スプラッターハウス」を訪れてしまったために
大きく人生が変わる事になる。ウエスト館、別名「スプラッターハウス」は、
超心理学の権威ウエスト博士の研究室であった。
博士はそこで恐しい研究に没頭し、次々と奇怪な生物を誕生させ、
ついには自らの命までも落としてしまった。
大学で超心理学を学ぶリックと恋人のジェニファー・ウィルスは
ウエスト館に興味を持ち、ある日、館のそばまでやって来た。
が、折しも突然の雷雨に見舞われ、2人は誘われるようにして
館に足を踏み入れてしまう。主なきウエスト館は、既に化物の巣窟と化していた。
不運な2人にたちまち怪物どもの魔の手はのび、
ジェニファーはどこかへ連れ去られ、リックはなす術もなく打ちのめされてしまった。
意識を取り戻したリックの顔には、古びた仮面がはりついていた。
自我をもつ仮面「ヘルマスク」。様々な古代の精霊を宿し、
顔にはめた者の眠れる力を最大限に引き出す能力を持つ。
ヘルマスクは「力を貸してやろう」と語り、伝説の仮面は
リックに力と勇気を、超人的な力を与えた。
そしてジェニファーを救うべくリックの孤独な戦いが始まった…
迫りくる化物たちをねじ伏せ、地下牢、下水路、中庭、鏡の廊下を抜け
ついにウェスト本館にたどり着く。ジェニファーを探しひたすら戦うリック。
ついに再会を果たしたが、ジェニファーは化物へと変貌させられていた。
小さな体を引き裂いて現れたその化物は、長く伸びた鋭利な爪で
リックに襲い掛かる。戸惑いながらも化物へと変わってしまった
恋人と戦うリック。時折見せる本当のジェニファーの顔が
リックの拳を鈍らせる。ジェニファーの「助けて」という声も虚しく、
リックは恋人を自らの手で殺めてしまう。化物に操られていた体から
開放されたジェニファーは、最期に「ありがとう」と言い残し、消え去った。
悲しみに暮れるリックをあざ笑うかのような化物の挑発。
彼の怒りは頂点に達し、ウェスト館の地下へ。館の心臓部であり
化物を生み出す源である母体マザーがいる「胎内洞」へと進んで行くリック。
怒りに身を任せたリックは次々と化物の幼体を根絶やしにしていく。
館の最深部にいたマザーは生命の危機を感じたのか、
たくさんの幼体を産み落とし、リックを倒そうとする。
遂にマザーを破壊したリック。心臓部を破壊された衝撃からか、
館が崩壊し始める。燃える館から避難するリック。
炎に焼かれる化物たちをかわしながら、なんとか館の外へと飛び出した。
その先には小さな墓のようなものがあり、ヘルマスクに宿っていた霊は
墓の中へと吸い込まれていった。その直後、土の下から巨大な顔が現れた。
これがヘルマスクに宿っていた霊の本体だったのだ。
マザーと敵対し、館に幽閉されていた仮面の精はリックに力を貸すことで
利用し自分の肉体を取り戻し、現世へ君臨しようとしていたのだ。
肉体を取り戻すには激しい憎悪の念が必要であり、リックにジェニファーを
殺めさせることで憎悪を館の化物たちに向けさせたことにより
本来の力を取り戻したのだ。仮面の精は用済みになったリックを殺そうとする。
しかし、逆にリックに倒されてしまう。仮面の精が離れたマスクには
何の効力もなく、無力のはずのリック。彼は「スプラッターハウス」の
奇怪な体験と憎悪の念により化物と化してしまったのか。
それとも愛しのジェニファーの魂が彼に力を与えたのか。
精霊は絶叫と共に消え去り、それと同時に粉々に砕け散る仮面。
悪夢が幕を閉じ、燃え盛る館の前で佇むリック。そのとき、砕けた仮面が
元に戻り、不気味な哄笑を上げ続けるのだった…
その惨劇から3ヶ月。リックは恋人ジェニファーを救えなかったばかりに、
悪夢に悩まされ続けていた。そんな彼の目の前に、あの忌まわしき
ヘルマスクが再び姿を現す。仮面は「ジェニファーは死んではいない」と語り、
あの呪われた惨劇の場を再び訪れ、隠された館にある“復活の秘儀”を見つけ出せば、
ジェニファーを助け出すことができるという。
もはやリックにはジェニファーを救い出すことしか考えられず
再び古代の仮面を身に着けた彼は、“復活の秘儀”を見つけるべくウェスト館へ舞い戻る…
ウェスト館の焼け跡にあった地下道を抜け、湖にある島の廃屋。
それこそが“隠された館”だった。そこはありとあらゆる物が生命を持つ魔性の館であり、
リックは“復活の秘儀”の記された書物を探す。膨大な量の書物が貯蔵されている書庫、
無数の化物が培養される実験室を抜けると、全ての元凶であるウエスト博士が姿を現す。
死んだと思われた博士は、自らの肉体をも蘇生し、生き長らえていたのだ。
博士を倒すと、その先には祭壇があった。博士は、祭壇であらゆる実験体に生命を宿すため、
霊魂を召喚していたのだろう。すなわちここが、現世と黄泉の世界をつなぐ場所。
ヘルマスクの話が正しければ、“復活の秘儀”に記された呪文を唱えると
ジェニファーが戻ってくるはず。祭壇に向かって呪文を唱えると
塞がれていた穴の封印が解かれ、中からはジェニファーが姿を現す。
しかし穴から現れたおぞましき手によって穴の中へ引きずり込まれてしまう。
そして中からは肉塊のような怨霊達が続々と飛び出してくる。
それらすべてをなぎ倒すと地響きのような呻き声と共に
「忌まわしき神々のしもべ」が外へと抜け出す。静かになった祭壇で
リックはジェニファーを取り戻すべく、死の世界へと続く穴へ飛び込む。
そこは現世に蘇らんとたくらむ禍禍しき者達の住処であり、
この場所でジェニファーは悪霊の降臨を塞ぐ礎としてウエスト博士に
利用されていたのだ。デスクリスタルに捕らわれたジェニファーを取り戻すため、
クリスタルを破壊するリック。しかしそれは封印を解くことであり、
彼らの束縛をはらうことであり、忌まわしき邪神を復活させてしまうことになる。
ジェニファーを救い出し、怒りに狂った邪神の追跡を逃れ、
現世へと戻ることに成功する。封印の解けた空間の歪みにより館を崩壊し、
館の外へ逃げ出す二人。ボートを発見し島から脱出を試みるが、
後ろから異界の大蛸「ヘルテンタクルズ」が襲い掛かる。
それを突破した2人だが、彼らの前に解き放たれた
「忌まわしき神々のしもべ」が現れる。最後の戦いが終わり、
轟音と共に島ごと館は湖底へと沈んでいく。見つめ合う2人の前に
仮面の精が語りかける。「禁断の封印を解いたことを忘れるな。
また会おう、さらばだ」不敵な笑みを浮かべるヘルマスク。
再びお互いの無事を確認し、再会の喜びに打ち震えるリックの顔からは
ヘルマスクが消えていたのだった。それから5年。
リックとジェニファーの間には、一人の息子が誕生していた。
彼の名はデイビッド。そして、彼らの平和な日々はいつまでも続くと思われた…
しかしリックとジェニファーによって封印を解かれた邪神の一族は、
最終目的である『究極邪神』の降臨をもって、完全なる復活を遂げんと
暗躍を繰り返していた。『究極邪神』復活の鍵は2つ。
その霊媒となる人間と、時である。霊媒にはリックとジェニファーの息子である
デイビッドが選ばれた。時は邪神の祭壇に満月が影を落とすとき、
即ち『月食の夜』が選ばれた。そして、月食の夜、帰宅したリックが
見たものは、おぞましくも変わり果てた我が家だった。建物の全ては、
邪悪なものたちに占拠され、ジェニファーやデイビッドの姿さえ見えない。
リックは茫然と立ち尽くした。「助けなければ…」と、心に誓ったとき、
あの忌まわしき仮面は、三度その姿をリックの前に現す。
「さあ、我が力をお前に貸そう。我が宿敵を破るために…」
不本意だが家族を助けるためにヘルマスクの力を借り、魔窟と化した
我が家に足を踏み入れる。 魔物を倒し、ジェニファーを救出するが
彼女は魔物によって寄生虫を植えつけられていた。
それを取り除き、息子デイビッドを探すリック。復活の儀式が始まり、
邪神の手のうちにある息子デイビッドを取り戻すため祭壇があるという
地下室へと急ぐリック。しかし健闘空しく「究極邪神」は復活を遂げる。
これ以上の惨劇を防ぐべく、邪神に挑むリック。なんとか邪神を倒す
リックに仮面が語りかける。「よくやった・・・リック」またも不敵な笑みを浮かべる
ヘルマスクに困惑するリックをよそに、仮面の精は「究極邪神」の
抜け殻となった体に入り、その力を手に入れてしまう。
古の時代から身につけた者の肉体に力を貸してきた仮面の精。
一度は実体に戻るためリックを利用したが、その野望は失敗に終わった。
しかしより強力な肉体を得るためにリックを再び利用したのだ。
ジェニファーの復活を餌に黄泉の世界の封印を解かせ、
邪神を現世に解放し、解放された邪神は完全なる復活を遂げるために
リックの息子を狙ってくることを予想した上での仕組まれた計画だったのだ。
最後の決着を付けるべく、リックとヘルマスクの異次元での戦いが始まる。
しかし再びリックに敗れ、全ての能力が消え失せ、仮面は絶叫と共に砕け散るのであった…
 
残虐ゲームの怪作「スプラッターハウス」。仮面によって
何度も人生を狂わされる男リック・テイラー。某「13金」の人に
間違われそうなルックスで、化物どもをなぎ払う男。
某「悪いけ」の人とクリソツな化物と戦ったり、邪神と戦ったりと色々活躍する彼。
実際は残虐ゲームには珍しい、普通の苦労人であることは否めない。

ニグロス(ブラッキー)

映画「拳銃のバラード」に登場。
 
黒尽くめの若い賞金稼ぎ。クッドと同じ黄金の拳銃を象ったペンダントを持つ。
西部の町マリンタンを支配する賞金首エル・ベドジャと
その弟キンキたち強盗団。その賞金を狙うニグロスが町にやってくる。
町の酒場に寄ると、殺されかけているクッドを見つけ、彼を救う。
二人は意気投合するが、自分たちの目的が同一であることを知ると対立する。
銃の腕前を競い合い、銃に関して互角の腕を持つことがわかると
協定を結び、ニグロスは賞金の全額を、クッドはベドジャと決闘する権利をもつことに。
かくして二人は手を組み、強盗団ベドジャ一味を追うことになった。
銀行を襲って逃げたベドジャたちを、古い鉱山に追いつめる。
しかし、肝心のベドジャは弟と共に盗んだ金を持って逃亡していた。
悪党どもを蹴散らし、二人はついにベドジャ兄弟と対決の時を迎え、勝利する。
ベドジャを保安官に引き渡したクッドに問うニグロス。
クッドは黄金の拳銃のペンダントをニグロスに見せて父の話をした。
そして二グロスもクッドと全く同じペンダントを見せる。やはり二人は兄弟だった。
兄である男が去り、ニグロスは去り際の言葉「自分の腕に溺れるな」を
胸に刻むのであった…
 
若き賞金稼ぎベテラン中年のガンマンとの友情(?)を描いた
映画「拳銃のバラード」。ときにお互いの腕を競い合い、協力するニグロスとクッド。
そして二人の意外(?)な関係が発露するラスト付近。
この辺の生き別れの兄弟同士の戦いってのが現代のモノにも通じると思う。
まぁ死闘をやるわけじゃないけど、そこがやっぱり非常にカッコいいんだよ!

クッド(ロッコ)

映画「拳銃のバラード」に登場。
 
父親を殺され、その罪を着せられた中年のガンマン。
西部の町マリンタンは暴虐な男エル・ベドジャとその弟キンキたちによって
支配されていた。そこへベドジャに父を殺され、自分もベドジャの偽証により
十五年間牢獄につながれたクッドが復讐すべく町で悪業のかぎりを
つくすベドジャたちの下へと向かった。同じ頃、ベドジャの首にかかっている
賞金をわがものにしようと、ニグロスという若いガンマンも町にやって来た。
町の酒場でカードの勝負のことから危うく殺されかけたクッドを、
ニグロスが救ったことから、二人は知り合い、自分たちの目的が
同一であることを知った。はじめ二人はどちらがベドジャを倒すかで揉め、
銃に関して互角の腕を持つことがわかると一転してニグロスは賞金だけを
自分のものにし、クッドはベドジャと決闘する権利をもつという協定を結んだ。
かくして二人は手を組み、強盗団ベドジャ一味を追うことになった。
このときクッドは、ニグロスが身に付ける黄金の拳銃のペンダントが気になり始める。
銀行を襲って逃げたベドジャたちを、古い鉱山に追いつめた二人は、
得意の銃捌きで一味を倒していった。しかし、肝心のベドジャは
弟と共に盗んだ金を持って逃亡していた。再び追跡を開始し、
二人はついにベドジャ兄弟と対決の時をむかえた。ニグロスの絶妙な
銃捌きがまず弟のキンキを射ち殺し、次いでクッドが宿敵ベドジャの
銃を射ちとばす。自分を守る以外に人を殺してはいけない、
と言った父の言葉が彼の手を止めたのだ。ベドジャを保安官に引き渡した
クッドは黄金の拳銃のペンダントをニグロスに見せて父の話をした。
そして二グロスもクッドと全く同じペンダントを見せる。やはり二人は兄弟だった。
今は弟であることがわかったニグロスに、腕前におぼれるな、
との言葉を残してクッドは再び放浪の旅に出るのだった…
 
拳銃のバラード」。そうバラードなんだよ!
クッドとニグロス、音楽含め全てがカッコいい、それが「拳銃のバラード」!
筆者が観たマカロニ・ウェスタンの中ではなかなか拳銃の撃ち方が
スタイリッシュでしかもビジュアル面においてもカッコいいという、
まっこと素晴らしい!ものだった。どう語ればいいのかわからないのでこの辺で〆。

ガーゴイル

アニメ「ふしぎの海のナディア」に登場。
 
本名ネメシス・ラ・アルゴール。アトランティス人の遺産である
超科学をもって世界征服を目指す秘密組織ネオアトランティスの首領。
尊大にして傲岸不遜、野望達成のためには、自分の部下でさえ
平然と殺す非情さと、狡猾さをもつ仮面の男。
派手な赤いダブルの背広がトレードマークであるが、終盤になると
別の服に着替える。かつてアフリカに存在していたタルテソス王国の宰相で、
タルテソスの国王であるネモに遣えていたが世界征服の野望を抱き、暗躍。
ネモが阻止するため、国を滅ぼして以降は現在に至る。
自らを「アトランティス人の末裔=神」を自称し、地球人を
愚かな下等生物と見下しアトランティス人の下僕という「あるべき位置」に戻そうとする。
しかし、ネモたちによって計画はまたしても阻止され
最後の光を放つブルーウォーターを止めようとアトランティス人以外
その中で生きられない光に触れたとき、自らの体が塩に変わっていったことで
自分がアトランティス人ではなく地球人だったことを知り、驚愕とともに落胆。
ネモに別れを告げながら塩の柱と化した。
 
同士諸君!ついに我らの記念すべき日がやってきた!
我らアトランティスの力の復活である!この計画は十二年の歳月と、
巨額の経費を費やして完成した!この成果を今、ここで皆と共に
分かち合えるのは非常な喜びである!というのも、今日ここに集まって
いただいた諸君の惜しみない協力なしにはこの計画の成功は
ありえなかったからだ!!私は宣言する!!諸君はこれから、
奇跡を、神の光を見ることになるだろう!その光は我らの力となり
世界を再びアトランティスの元に跪かすだろう!
愚かな行いを繰り返す、人間共。ネオアトランティスが正しい道へと導くのだ!
今日はそのための第一歩である!!それでは諸君!実験開始だ!!
 
愚かな人間め…
 
な…何故だ?何故私が塩に!まさか…!
それでは私がやっていたことは全て…
…そうか…さらばだ
 
紳士的悪党の極北、それがガーゴイル様だ。
毛のない猿である人間を見下すのは当たり前、
圧倒的な科学力で相手を屈服させ策略にかけても申し分なく
腐れ縁であるネモに対して一歩も引かない度胸
全てにおいてパーフェクトな悪党。しかし最期になって自分の存在意義を
全否定される出来事が起きる。悲しみと絶望に満ちたかと思いきや、
潔く朽ちるその姿は、悪党ながら漢としてどこか憧れてしまう存在感を醸し出していた。

ポール・カージー

映画「デス・ウィッシュ」シリーズに登場。
 
どこにでもいる極々普通の男だった。しかし妻を殺され、
娘を廃人にされたことから復讐の鬼と化しヴィジランテ活動をするようになった。
妻と娘が入院したと娘婿からの連絡があり、とるものも
とりあえず病院に駆けつけたポール。そして告げられたのは
妻のジョアンナが何者かに襲われて殺されたこと、
キャロルが暴行され廃人同然になったことだ。彼は建築家で、
ハドソン河を見おろすアパートに住んでいた。
彼の豊かな生活が、今何者かの手によって根底から破壊されたのだ。
辛い現実から目を逸らそうとするように仕事に打ち込む
ポールを見た社長は、彼をテキサスへ出張させる。ニューヨークから
テキサスに着くと、現地の開発会社のエイムズに温かく迎えられる。
しかし彼の仕事の打ち込みようは変わらなかった。
ある夜、エイムズは息抜きにと自宅の射撃場へ案内した。
銃を手にしながら、ポールは過去を語る。父が狩猟家で、
鹿と間違われて仲間に射殺されたこと、彼自身は朝鮮戦争に従軍したが、
良心的参戦者として銃はとらなかったことを。エイムズに銃を贈られ、
ニューヨークに帰ってきたポール。やり場のない怒りが彼を
ある欲望に掻き立てる。夜のリバーサイド公園で、拳銃を持った若者から
金を出せと脅される。次の瞬間にはポールの拳銃が火を噴き、若者は倒れた。
彼はその日から、チンピラを殺すために夜の街を彷徨するようになった。
マスコミや民衆はこの正体不明の殺人者を歓迎し、いつしか彼は
全米の期待を一身に集める現代のヒーローとなる。
しかし犯罪者であることに違いはなく、警察は入念な捜査はする。
現場で発見された紙袋や被疑者の血痕、捜査を指揮するオコア警部により
犯人はポールと断定されるが自分たちがやり遂げたいことをする
ポールを捕らえようとは思わない。そして重傷を負ったポールを
見舞いに来たオコア警部は彼の罪を不問にする数週間後、
ポールは足が多少不自由になったが、ヴィジランテ活動をし続けるのであった。
その後、ニューヨークからロサンゼルスに移り住んだポールは
KABCのキャスターで恋人のジェリと共に病院へ行く。
ニューヨークの事件以来、療養生活を続けていた娘のキャロルが
退院するのだ。2人を連れて街をぶらついていたポールは、
5人のチンピラに襲われ財布を奪われる。5人はそのあとも
ポールの家に侵入して、家政婦のロザリオを輪姦し殺害。
家にもどって来たキャロルを誘拐する。彼女は廃屋で犯され、
逃走しようとして窓から転落死した。マンキウィッツ警部の尋問されながら、
彼の頭はチンピラをどうやって殺すかを考えていた。
銃を持つと、下町のホテルを借り、夜の街へと出かけていく。
ある夜、犯人の1人を見かけて尾行、胸に十字架をさげているのを見ると、
「キリストに会いに行け」と言うなり射殺した。昼はKABC新社屋の設計をし、
夜は犯人探しの日々が続く。1人、また1人、犯人は血祭りにあげる。
自衛市民出現と世間の評判が高まり、警察は苦慮する。
そしてポールと面識があるオコア警部が、ロサンゼルスにやってくる。
今回もポールだと確信していたオコアはポールを尾行する。
尾行した先の公園で銃撃戦が始まり、オコアは流れ弾に当たってしまう。
1人逃がしたと聞いたオコアは、ポールに「必ず殺れ」と言い残して息絶えた。
残る1人は警察に逮捕され、裁判の結果、精神病院に収容されてしまうが
医者に変装して病院に入り込んだポールによって始末された。
だが彼の恋人ジェリは、彼の復讐殺人を知って婚約指輪を
置いて去ってしまうのであった。しかし彼はそんなことを気にすることはなく、
チンピラたちを殺すことに純粋な喜びを感じるようになる。
さらにロサンゼルスから、懐かしのニューヨークに引っ越すことに。
かつての友チャーリーに会いにアパートへ出かけるが、
旧友はストリート・ギャングの一団に惨殺されていた。
その場でポールは逮捕され、74分署へ連行される。
署の主任シュライカーは、ポールが10年前、この街の殺人鬼や
レイプ魔を一掃した男であることを知っており、釈放する代わりに
ギャングたちを始末しろと持ちかける。そんないきさつを知らない
官選弁護士のキャサリン・デービスは、警察の不当逮捕に抗議し
人権を主張するようポールに勧めた。しかし彼はそんな二人の対応に
どこ吹く風でチンピラたちをどのように一掃するかを考え始めていた。
ギャングたちは、ニューヨークの一角を完全に支配しており、
レイプ、殺人、強盗と善良な市民を徹底的にいたぶり尽くしていた。
ポールは、チャーリーの親友だったベネットに街の状況を聞き、宣戦布告する。
スーパーマグナム(475口径のウィルディ・45マグナム)を手に、
罠を仕掛けてはギャングどもを有無を言わさず撃ち倒す。
その後、この町を出ようとポールを誘い、一夜を共にしたキャサリンが
ギャングの襲撃を受け死ぬ。激しい抗争のあまり一度は署に保護された
ポールだったが、そこを抜け出しギャングとの闘いに挑んでいく。
最初は温厚で被害者に甘んじていた住民たちも、ついに銃を持って立ち上がる。
ポール、住人、警察が協力してギャングの大群と闘う白昼の市街戦の末、
街は平和を取り戻すのであった。その後、自警団を引退したポールだったが、
親しくしていた新聞記者カレンの娘エリカが麻薬中毒で死に、
その恋人が売人に刺殺されたことで、再び銃を取ることとなる。
売人を射殺、組織に戦いを挑む。そこへ新聞社の主ホワイトから
協力の申し出があり、ポールは街を牛耳る二大組織ザカイラスと
ロメロ兄弟のパーティに忍び込み、両者の動きを探って対立させ、
ついには共倒れに追い込むことに成功する。一方ロス市警のライナーと
ノザキもボールの動きを嗅ぎつけ動き始めるが、その頃ポールは
今まで会っていたホワイトが実は偽者で、全てはポールを使って
組織のつぶし合いを図り、麻薬市場の独占を図るための罠であったことを知り、
誘拐されたカレンを追い巨悪と対決する。しかし非情にもカレンは
ポールの身替わりとなって倒れ、怒りに燃えたポールの銃弾が
偽ホワイトを貫いた。深い絶望に堕ちたポールだったが、数年立つと
その傷も癒え、新しい町で建築学を教える教授になり
ポール・スチュワートと名前も変え、五人目の恋人である
ファッションデザイナーのオリビア・リージェントとささやかだが、
幸せな生活を送っていた。しかし、オリビアの元夫トミー・オシュエが
現れたことからその幸せもすぐに失うこととなる。
トミーは元妻の事業を食い物にするマフィアのボスであり、
過去の罪を暴こうとするオリビアを顔を潰して脅した後、殺してしまう。
そして邪魔になる人物を次々と殺していくトミーの組織的な暴力は
とどまる所を知らず、法の無力さに、再び深い絶望感を覚えるポール。
それがかつての自身の本能を刺激しまたしても銃をとり悪へと立ち向かう。
自警団としてのカンを徐々に取り戻しながら、一人、また一人と
トミーの手下を殺していくポール。しかしトミーがポールに疑いを持ち、
ついにはポールに預けられたオリビアの一人娘チェルシーがさらわれる。
工場に誘き寄せられたポールは卑怯なトミーにより悪戦苦闘する。
だが彼を追っていたキング警部が着いたころには決着がつき、
ポールは勝っていた。「必要なときはよんでくれ」とだけ言い、
ポールはその場を去るのであった…
 
町に住み着くゴミどもを根こそぎぶち殺してゆく男
それがポール・カージー。普通の男が自警団になり、
使い勝手の悪そうな銃を手に取りながらヴィジランテとして
活躍していく男を演じたのはチャールズ・ブロンソン
もう、ひたすらカッコいいオヤジだよ、この人は。
久々に「狼よさらば」を観て以来、近々「デス・ウィッシュ」シリーズを見直したくなった。
ついでにいうと筆者、チャールズ・ブロンソンを知ったのは
そんなに昔ではない。知ったときにはもう、お亡くなりになっており、
もっと早めに彼のことを知りたかったと後悔したことをよく覚えている。

2009年3月26日木曜日

マヌエル

映画「傷だらけの用心棒」に登場。
 
元殺し屋。右手に黒手袋をつけてから拳銃を撃つ癖がある。
とある町で牧場主のロジャース一家が暴虐の限りを尽くしていた。
マリアの夫、ベンも彼らに殺されてしまう。マリアは復讐を誓い、
かつて愛した男、ベンの友人でもあり、元殺し屋であるマヌエルの下へ。
殺し屋家業を引退した彼にマリアは無き無しの金を報酬とするが
マヌエルは「そんなものはいらない。お前のためにやってやる」といい承諾する。
かつて愛した女マリアの願いにより、マヌエルはふたたび銃を取る。
殺されたベンの葬儀を殺した側であるロジャース一家に執り行わせること。
それが彼の果たすことだった。ロジャースの息子たちが
酒場でならず者に絡まれているのを見つけた彼は自身の早撃ちを
ロジャースの息子に見せつけるように披露し、ならず者たちを倒す。
その腕を買われて難なく、ベンの仇であるロジャースの元へ
用心棒として潜入できた。そしてその夜にロジャースの一人娘を
誘拐するマヌエル。可愛い娘を人質を取られたロジャースは
マリアの要求通り、夫の葬式に参列する。しかし牧場主に土地を
奪われたケイン兄弟が自分たちの命と金欲しさにロジャース一家の味方につき、
人質の娘を奪おうとするが、マヌエルに阻まれる。
兄弟はロジャース一家にリンチにされ、兄はもう一度チャンスを与えられるが、
弟は人質に捕られてしまう。兄はもう一度娘を奪還すべく
マヌエルを殺そうとするが、返り討ちに遭い死ぬ。
その次の日娘は解放されるが、それを知らずに業を煮やした
ロジャース一家はマリアを襲う。マヌエルは彼女の下に駆けつけるが
時既に遅く、マリアは重傷を負っていた。最期に自分を殺った
ロジャース一家のこと、マヌエルが殺し屋になって町を去ったとき
自分は捨てられたと思ってベンと結婚したことを告げ、
マヌエルに愛していると呟くと息を引き取った。
彼は復讐を誓い、ロジャース一家と決闘すべくゴーストタウンに行く。
同じ頃、ロジャース一家もマヌエルを殺そうとケインの弟と共に
ゴーストタウンへ。しらみつぶしにマヌエルを探していたが、
そこへケイン兄が馬に乗って現れる。様子がおかしいことに
気づいたロジャースたち。それはケイン兄の死体であった。
ケイン兄が奪還に失敗したとわかり、ケイン弟をリンチに処しながら
マヌエルを探すと、マヌエルが自分から姿を現す。
ロジャースたち三人はゆっくりと歩き、マヌエルは黒手袋をつけながら歩く。
そして一定の距離となったとき、彼らの歩みが止まる。
それからは一瞬であり、マヌエルの早業でロジャースたちは倒される。
手袋を外し、その場を去ろうとするマヌエル。しかしそこへ人質だった娘が銃を携えて現れ、
彼女によって彼もまた倒されるのであった…
 
ダークノワール・ウェスタン映画「傷だらけの用心棒」。
早撃ちシーンと手袋をつけるシーンが印象に残るマヌエルは
女に愛されてなくても(本当は愛していたんだが)女の為に一仕事する男。
この辺の感じが「シン・シティ」のマーヴにも繋がるあたり
「傷だらけの用心棒」はノワール作品として素晴らしいものである。
救いのないラスト、マヌエルのカッコよさの二粒が旨い映画だった。

屋敷女

映画「屋敷女」に登場。
 
名前不明。妊婦サラのお腹の中の赤ん坊を狙う謎の女。
イライラするとタバコを吸う癖がある。 クリスマス・イヴ。出産を間近に控えたサラは
上司に家まで送ってもらい、自宅で一人、孤独に耐えていた。
夫は4カ月前の車同士の衝突事故で亡くしている。
そんな彼女の家を見知らぬ女が訪ねてきた。
不審に思いサラがとりあわずにいると、女は窓を割って進入を試みる。
サラが警察を呼んだことで一時は撤退する。
警察はしばらくしたら家に警官をパトロールさせることを約束し帰る。
深夜、彼女が陣痛で目を覚ますと、そこには自分に馬乗りになって
腹にハサミを突き立てようとしている女の姿があった。
間一髪少し刺されてすんだサラは、浴室に逃げ込む。
女は執拗に襲い掛かるが、そこへサラの上司が訪れる。
上司は女をサラの母だと勘違いし、世間話をするが
そこへサラの本当の母が現れる。サラの母は女を警戒しながら
娘がいる浴室へ向かう。上司は女がサラを襲った女だとわかる。
浴室にいるサラは女だと間違えて母を刺し殺してしまう。
異変に気がついた上司が浴室へ向かおうとするが女に
ハサミで滅多刺しにされてしまう。サラと女との孤独な戦いが始まる。
女は死体を片付けるためにドアの前に家具を置いてドアを塞ぐ。
女が死体を片付けている間にサラは浴室のドアに穴を開け、
穴から手を伸ばしてドアを開けようとするが女に見つかってしまい、
ハサミで手を壁に磔にされてしまう。そこへパトカーに乗った警官が現れる。
女はサラに扮し、二人の警官たちを帰らせようとするが
警官たちは異常に気がつき、一人は女を拘束しようと
もう一人は浴室のサラを助けようとする。しかし女は拘束しようとした
警官を殺し、サラを介抱しようとハサミを抜いた警官を、
殺した警官から奪った銃で射殺する。追い詰められたサラだが、
パトカーにまだ乗っていた残りの警官が別件の容疑者を連れて助ける。
女はその場から消えたように見えたが、突如家の電気が全て消える。
女の仕業であることは明白であり、サラに安全な場所に隠れるよう促し、
容疑者を連れて警官はブレーカーを上げに行く。
しかし闇に乗じた女に警官も容疑者も殺されてしまう。
サラはただ一人戦うことを決意し、女に激しく殴打され気絶しそうになるが
女がタバコを吸おうとした瞬間スプレーを噴射し、女の顔面に
火傷を負わせる。逃げた女を追うべく、サラはカメラのフラッシュを
頼りに家を捜索し、遂に見つける。サラは殺そうとするが
「また殺すの?」という女の言葉に手を止める。女は4ヶ月前の
事故の相手であり、女は事件時に妊娠しており、事故で流産になったのだ。
サラは女が死んだと医者に聞かされていたのだ。
身寄りのない女にとって赤ん坊だけが心のよりどころであり、
それを奪ったサラに復讐すべく、サラの赤ん坊を奪おうとしたのだ。
サラは同情するが、自分と自分の赤ん坊を守るべく女を殺そうと決心する。
突如家の電気が全て灯る。ブレーカーの方を向くとそこには
さっき殺されたはずの警官が立っていた。だが様子がおかしい。
サラは警官に駆け寄るが警官は叫びながらサラを警棒で執拗に殴打する。
サラに襲い掛かる警官を刺し殺す女。瀕死の状態のサラは
階段を上りながら、遂に出産を迎えようとする。しかしなかなか赤ん坊が
産まれない。女はサラの服をハサミで裂き出産しやすくするが
何を思ったか腹にハサミを突き立て、泣き叫ぶサラを他所に
ゆっくりと着実にサラの腹を裂いていく…静けさに包まれたサラの家。
中は死屍累々としている。階段にサラの腹が裂かれた死体がある。
血だらけの部屋で赤ん坊を抱きながら部屋を歩く女。
女は安楽椅子に腰掛け、産声を上げる赤ん坊をあやし続ける…
(名前は私がつけた仮称です)
 
血と悲しみに満ちた映画「屋敷女」。
ユーロホラーの底力を見せた怪作である。
この映画に登場する二人、サラ」と「女」は突然の不条理で大切なモノを失った。
片方は愛すべき夫を、もう片方はかけがえのない小さな「命」を。
自分が失ったモノに生きるべく活力を奪われた二人。
「サラ」は生きながら死に、ただ赤ん坊が産まれることを待つ。
「女」は一人悲しみにくれながら、凶行に走る。
自分から奪ったモノを「取り返す」べく。
「女」を演じるベアトリス・ダルの迫真の演技は
筆者を久しぶりに画面に向かって謝らせるくらい凄まじかった。

トゥッコ

映画「続・夕陽のガンマン」に登場。
 
本名トゥッコ・ベネディクト・パシフィコ・ホアン・マリア・ラミレス。
数多くの犯罪(殺人、強盗、詐欺、強姦、イカサマ賭博etc)を犯した賞金首で、卑劣漢。
賞金稼ぎブロンディーと手を組んで、賞金首であるトゥッコが罪を犯し、
それをブロンディーがとらえて賞金をうけとり、トゥッコが絞首刑に処される瞬間、
ブロンディーが縄を撃ちきって救い出す、といった方法で賞金詐欺を繰り返していたが、
先読みの良いブロンディーによって、一方的にコンビを解消され
荒野に放置された。ブロンディーを恨み、盗んだ銃で脅して、
荒野を歩かせて死なせようとする。そこに南軍の兵士の死体を乗せた
馬車が通りかかり、中に居た瀕死の眼帯の男ビル・カーソンから
水を与えることを条件に隠した金貨の隠し場所の在り処を聞き出そうとする。
トゥッコは隠した墓地を教えてもらったが、水を与える前にビルは死んでしまう。
しかしブロンディーは墓石の名前を聞いており、しかたなくコンビになるしかなかった。
トゥッコはビルの着ていた南軍の軍服と眼帯をまとい、
死にそうなブロンディーにも南軍の軍服を着せ、牧師である兄の下に担ぎ込む。
トゥッコは兄に親しげに話しかけるが、兄は冷徹に彼を撥ねつけ
「もう二度と来るな」といわれる。そんな兄に対してトゥッコは
「兄貴はまだ俺よりマシだと思っているだろう?」と応え兄は彼の頬を引っ叩く。
ブロンディーが全快し、その場を後にするが兄はトゥッコが去ると
「許してくれ」と一人つぶやく。トゥッコとブロンディーの二人は南軍の馬車で
出発するが、北軍の捕虜となり収容所にぶち込まれる。
その収容所には二人よりも先に隠した二十万ドルをさがしていた
セサンテ(エンジェル・アイ)がおり、セサンテによりたまたまビルの軍服を
着ていたトゥッコはリンチにされ、ブロンディーが情報を持っていることをはいてしまう。
セサンテはブロンディーと手下を連れて金貨探しに出発する。
トゥッコはセサンテの部下とともに列車に乗り、そのまま縛り首になるかと
思われたが部下諸共に列車から身を投げ、手錠を切ってセサンテの後を追う。
なんとかトゥッコはブロンディーと合流し、二人はセサンテの手下を撃ち殺すが、
セサンテは逃れる。その後トゥッコとブロンディーは南北両軍が
橋を巡って争う戦場にたどり着き、北軍に捕まる。
トゥッコは咄嗟に北軍の志願兵を名乗り、うまくその場をやり過ごす。
何の因果か延々と繰り返される戦争に厭きた北軍大尉の願いもあり、
二人は橋にダイナマイトを仕掛けて爆破する。
その間際、お互いに墓地の場所(サッド・ヒルの墓地)、
墓石の名前(アーチ・スタントン)を告げる。両軍が去ったあとで
二人は川を渡るが、南軍側の陣地は死屍累々たる有様だった。
若い兵士が瀕死の状態だったのでブロンディーが介抱する隙をついて
トゥッコは先駆けしようとするが、それを見越したブロンディーの
砲撃を受けながらも、なんとか墓地にたどり着く。トゥッコは墓を見つけて
素手で掘り返すが、ブロンディーが銃口を向け、シャベルを投げ
トゥッコが掘ることに。だがトゥッコがシャベルで墓を掘り返しているとき、
そこにエンジェルが現れブロンディーに銃口を向け、
再びシャベルを投げ、ブロンディーにも掘らせるようとする。
しかし、あばかれたアーチ・スタントンの墓には金貨はなく
遺体だけが入っていた。ブロンディーが嘘をついたとわかり、
本当の隠し場所を問い詰めるセサンテとトゥッコ。ブロンディーは、
三人による決闘を提案し、石に隠し場所を書く。勝った者が石に書かれた
墓碑銘が読めるのだ。かくして金貨を巡る三人の男の決闘が始まる。
三人の目線が逡巡し、一瞬で勝負は決まった。ブロンディーの銃が火をふき、
セサンテが倒れた。と同時にトゥッコは銃の引き金を引くが、弾が出ない。
ブロンディーが夕べのうちに弾を抜いておいたとわかり、
また石には何も書かれていなかった。ブロンディーは自分が負けたら、
隠し場所を教えるつもりなどなかったのだ。ブロンディーは
金貨の隠し場所である「アーチ・スタントンの墓の隣にある無名の墓」を告げ、
二人は金貨を手に入れるが、トゥッコは信用ならないということで
ブロンディーはトゥッコに絞首縄で自分の首を吊るよう強制する。
ブロンディーはセサンテの馬に乗り、しばらく離れてから絞首縄を銃で
撃ち抜くというのだ。トゥッコは泣く泣く言うことに従う。
安定の悪い十字架の墓碑を足場に首に縄をかけるトゥッコ。
しばしの静寂の後、足場が遂に危うくなった瞬間、銃声が轟く。
絞首縄は撃ち抜かれ、トゥッコは地面に叩きつけられるものの
命に別状はなかった。そしてトゥッコは立ち上がるやいなや、
去るブロンディーの背中に罵声を浴びせるのであった…
 
世の中には二種類の人間がいるんだ。首にロープを巻かれるのと、
そいつを切るのが商売なヤツだ。オレはよ、ロープを巻かれる方なんだぜ。
命懸けなんだ。今度っから半分以上よこしな
 
出て行く前に一言いわせてもらうぜ兄貴。兄貴はオレよりマシだと思ってるだろ。
…だがな、貧乏からぬけ出すには牧師になるか、ドロボウになるかだ。
兄貴にはドロボウになる勇気がなくて牧師になったんだ、ちがうか?
 
ブロンディ~~~~!!!!!!
うっうっうぅぅ・・・ゴメンナサーイ!
 
おい、ブロンディー!このくたばり損ない野郎!てめえなんか、犬に食われちまえ~!
小悪党されど小悪党。なさけないが魅力に満ちた悪党、それがトゥッコだ。
生きるためならなんだってやる、卑劣漢の名は伊達じゃないが
そんな彼も昔は貧乏で兄貴は牧師なると出て行き、彼一人で
親の世話をしていた過去があり、そして彼は泥棒となり牧師になった
兄貴と再会した時の一言が痛烈だ。腐れ縁ともいえるブロンディーとの
憎しみと親しみが篭ったコンビを組んだりするが結局痛い目見て、
ブロンディーに良いとこ取りされるあたり、憎めない悪党である。

名無し(ブロンディー)

映画「続・夕陽のガンマン」に登場。
 
名無しのガンマン。トゥッコから愛称でブロンディーと呼ばれ、意味はその金髪に由来する。
ジョーやモンコと同一人物かは不明。賞金稼ぎだったが、
トゥッコと出会ってからは賞金詐欺に鞍替えした。
南北戦争末期のニューメキシコ。ブロンディーとトゥッコの二人は
コンビを組んで賞金をかせいでいた。賞金首であるトゥッコが罪を犯し、
それをブロンディーがとらえて賞金をうけとりトゥッコが絞首刑に処される瞬間、
ブロンディーが縄を撃ちきって救い出す、といった方法だ。
これを何度も繰り返すことで賞金は上がり続け、彼らは荒稼ぎしていたのだ。
だが、この商売も次第に先が見えてきた。ブロンディーはこれ以上やっても
賞金が上がらないだろうと言い、トゥッコを荒野に置き去りにして去る。
怒ったトゥッコは復讐を誓い、荒野を生き延びる。
そしてブロンディーを盗んだ拳銃で脅し、荒野を歩かせて死なせようとする。
そこに南軍の兵士の死体を乗せた馬車が通りかかる。
馬車には金貨を隠した墓地を知っている瀕死の眼帯の男ビル・カーソンが乗っており、
隠し場所の在り処を教える代わりにトゥッコに水を求めた。
トゥッコは水を取りに行ったが、戻ってくるとすでにビルは死んでおり
トゥッコは墓地の場所を教えてもらっていたが、どこの墓石に埋めてあるのかを
教えてもらえずじまい。だがブロンディーは墓石の名前を知っているという。
墓地の場所をトゥッコが、墓石の名をブロンディーが知っているということで、
二人は相棒になるしかなかった。トゥッコはビルの着ていた南軍の軍服と眼帯をまとい、
死にそうなブロンディーにも南軍の軍服を着せ、聖職者である兄の下に担ぎ込む。
回復したブロンディーとトゥーコは南軍の馬車で出発するが、
北軍の捕虜となり、収容所にぶち込まれる。その収容所には二人よりも
先に隠した二十万ドルをさがしていたセサンテ(エンジェル・アイ)がおり、
北軍の下士官となり収容所に潜り込んでいたセサンテは
ビルの軍服を着ていたトゥッコをリンチし、ブロンディーが情報を持っていることをはかせ、
ブロンディーと手下を連れて金貨探しに出発する。
収容所から移送される列車から脱走したトゥッコはブロンディーと合流し、
二人はエンジェルの手下を撃ち殺すが、エンジェルは逃れる。
その後トゥッコとブロンディーは南北両軍が橋を巡って争う戦場にたどり着き、
北軍に捕まる。二人は咄嗟に北軍の志願兵を名乗る。
延々と繰り返される戦争に厭きた北軍大尉の願いもあり、
二人は橋にダイナマイトを仕掛けて爆破する。その間際、お互いに
トゥッコは墓地の場所(サッド・ヒルの墓地)、ブロンディーは墓碑の
名前(アーチ・スタントン)を告げる。両軍が去ったあとで二人は川を渡るが、
南軍側の陣地は死屍累々たる有様だった。若い兵士が瀕死の状態だったので
ブロンディーが介抱する。トゥッコは隙をついて先駆けしようとするが、
それを見越したブロンディーの砲撃を受けながらも墓地にたどり着く。
トゥッコは墓を見つけて素手で掘り返すが、ブロンディーが銃口を向け、
シャベルを投げトゥッコに掘らせる。トゥッコがシャベルで掘り返しているとき、
そこにエンジェルが現れさらにブロンディーに銃口を向け、
再びシャベルを投げ、ブロンディーにも掘らせようとする。
しかし、あばかれたアーチ・スタントンの墓には金貨はなく遺体だけが入っていた。
ブロンディーは嘘をついていたのだ。本当の隠し場所を知っているブロンディーは、
三人による決闘を提案し、裏に隠し場所を書いた石を置く。
勝った者が石に書かれた墓碑銘が読めるのだ。トゥッコに銃をかくして、
金貨を巡る三人の男の決闘が始まる。三人の目線が逡巡し、
一瞬で勝負は決まった。ブロンディーの銃が火をふき、セサンテが倒れた。
トゥッコの銃は引き金を引いても弾が出なかった。ブロンディーが夕べ、弾を抜いておいたのだ。そして石を裏返すとそこには何も書いていなかった。金貨の隠し場所は
「アーチ・スタントンの墓の隣にある無名の墓」であったのだ。
残った二人は金貨を手に入れるが、トゥッコは信用ならないということで
ブロンディーはトゥッコに絞首縄で首を吊るよう強制する。
ブロンディーはセサンテの馬に乗り、しばらく離れてから絞首縄を銃で
撃ち抜くというのだ。トゥッコは泣く泣く言うことに従う。
しばしの静寂の後、銃声が轟き絞首縄は撃ち抜かれトゥッコは
地面に叩きつけられるものの、命に別状はなかった。
ブロンディーはトゥッコの悪態を背に、その場を去った…
 
三人による決闘シーン、これに尽きる映画「続・夕陽のガンマン」。
今回の名無しは相棒(?)トゥッコに一杯食わされながらも
最後だけおいしい所をもっていく、一癖ある人物。
(まぁほとんど前作、前々作と変わらないわけだが)にしても
最後のライフルでの狙撃シーン、カッコよかったなぁ!

2009年3月25日水曜日

モーティマー大佐

映画「夕陽のガンマン」に登場。
 
本名ダグラス・モーティマー。エル・インディオを追う賞金稼ぎ。
狙撃の名手であり、インディオによって妹を殺された過去をもつ。
インディオ一味を追う大佐は若い賞金稼ぎモンコと出会い、協力することになる。
インディオは大佐が、モンコは手下たちを殺ると約束し
一人がインディオの仲間に潜入し、手引きをした末にインディオを殺すことにきめた。
そしてモンコが潜入する役を引きうけることになり、手土産として
インディオの仲間を脱獄させ加わらせる。銀行襲撃の日、
正面突破かと思われた襲撃計画は警備の者を先に殺して、
金庫のある部屋の壁を爆破し金庫を奪うものであり大佐の思惑を超えていた。
しかたなくモンコに一味のアジトであるメキシコの小さな村へ潜入し、
大佐は金庫を開ける鮮やかな腕前を見せつけ、一味の仲間となった。
その夜、銀行の略奪品をちょろまかして、一味を疑心暗鬼にさせて内から
瓦解させる予定だったがインディオに気づかれてしまい、二人は捕らえられてしまう。
さらにインディオの策略によりわざと逃がされ、泳がされることに。
大佐とモンコは襲い掛かる悪党たちを次々と倒す。
大佐はインディオを追い詰め、インディオが妹の仇であることをわからせる。
だが逆にインディオに追い詰められてしまう大佐。
懐中時計のオルゴールが鳴りやみ大佐の命は消え、敵討ちができぬまま
終わるかと思われた。その時、モンコがあらわれ、強制的に
正々堂々の決闘が行われることになった。モンコが大佐から盗んだ
オルゴールが鳴り止み、銃声が一つ。倒れたのはインディオだった。
モンコに感謝した大佐は、賞金の山分けを辞退しその場を去るのであった…
 
渋い!渋いぜ!大佐!登場したときは敵討ちなど微塵も思わせず、
淡々としているが、仇が現れると燃える漢!それが大佐だ!
クールなくせにホット!そして何やら普通のピストルに無駄に銃杷をつけて
狙撃するところにも拘りがあり、とにかくカッコいいのである!

名無し(モンコ)

映画「夕陽のガンマン」に登場。
 
若い名無しの賞金稼ぎ。仇名でモンコと呼ばれており、
名無し(ジョー)と同一人物かは不明。モンコ(monco)とは、
彼が銃で撃つとき以外右手を使わず、日常のことを全て左手で
行うことに由来し、イタリアのスラングで「不具者」「片端」を意味する。
凶暴なギャング、エル・インディオを首領とする無法者たちが
インディオを牢獄から出そうと計画を立てる。
それを追う二人の賞金稼ぎがいた。早撃ちの名人である若手のモンコと
狙撃の達人であるモーティマー大佐だ。当初、この二人はお互いを知らなかったが、
共通の目的であるエル・インディオの首。これが二人を出会わせた。
二人はインディオの手下が大勢いることを考え、お互いに協力することに。
インディオの賞金は二万ドル。大佐にインディオはやり、
モンコは手下たちの賞金で山分けだ。このときインディオは牢獄を脱走し、
仲間と一緒にエル・パソの銀行を襲撃する計画をねっていた。
これを知った二人は、一人がインディオの仲間に潜入し、手引きをした末に
彼を殺すことにきめた。そしてモンコが潜入する役を引きうけることになった。
手土産としてインディオの仲間を脱獄させ、うまくインディオ一味に
加わったモンコは内部から、大佐は外からインディオを倒すことに
手はずをととのえた。ところが銀行襲撃のあまりの鮮やかさに計画は失敗。
しかたなく一味のアジトであるメキシコの小さな村へ潜入し、
大佐も一味の仲間になろうとする。銀行の略奪品をちょろまかして、
一味を疑心暗鬼にさせて内から瓦解させる予定だったが
インディオに気づかれてしまい、二人は捕らえられてしまう。
激しいリンチの後、インディオはさらなる策略を練っていた。
二人を逃がし、自分の手で仲間を殺して、二人の所為にし
その上で二人を殺そうというのがインディオの考えだった。
しかし、仲間の一人がその策略に気づき、インディオは捕らえられる。
そして二人を殺そうと一味は襲い掛かるが、二人の銃弾により
片っ端から皆殺しになる。大佐はインディオを追い詰め、
「自分のことを覚えているはずだ」と叫ぶ。インディオは大佐の妹の仇だったのだ。
だが逆にインディオに追い詰められる大佐。懐中時計のオルゴールが
鳴りやめば大佐の命は消える。このときモンコがあらわれ、
強制的に正々堂々の決闘が行われることになった。
オルゴールが鳴り止んだ瞬間、倒れたのはインディオだった。
モンコに感謝した大佐は、賞金の山分けを辞退する。
モンコは望みどおり、すべての賞金を頂だいすることになり、
一味の死体とともにその場を去る…
 
モンコさんカッケェー!「ドル箱」シリーズ第二弾!
脇を占める、クリーフや悪党インディオを含め名優が揃い踏み
そんな中でのアウトローたちの銃撃戦や駆け引きが最高にイケてる!
こんときのポンチョ姿も葉巻を燻らし姿も、カッコよすぎる!
前作と同一人物なのかがわからないところミステリアスで
やはり良すぎる!筆者、「良」の言葉しか出ません!!!!!

名無し(ジョー)

映画「荒野の用心棒」に登場。
 
ジョーと呼ばれるガンマン。ジョーは愛称であり、本名はわからない。
ジョー(joe)とは一般的な男性の名であり、名前のわからない男のことを
呼ぶときに使われる。無法者の横行する一八七二年のニュー・メキシコ。
ある日、腕利きのガンマンである名無しの男が小さな町サン・ミゲルにやってくる。
そこでは無法者のロホス兄弟と保安官のバクスター一家が支配しており
この二つ暴力組織はお互いに支配権を奪い合っていた。
男はバクスター一家の手下を片付け、ロホス兄弟の組織に迎え入れられた。
彼は酒場の主人からニつの勢力が町の皆から煙たがられていることを知り、
両方を始末しようと考えた。一計を案じて両派を反目させることに成功、
ロホス兄弟はモラレス家に殴り込みの準備をした。
兄弟の弟ラモンがマリソルという子持ち女を自分のものにしようと
監禁しているのを知った男は、見張りの手下を始末し、親子を逃がした。
これをバクスターの仕業と見せかけたつもりだったが、ラモンに見破られ、
マリソルの行方を自白させようと激しいリンチを加えられたが、口を割らなかった。
夜、半死半生の男は、隙を見てぬけ出し、棺桶屋の手引で
安全な隠れ家に身を寄せた。その隠れ家に、棺桶屋がロホスの手下を
だまして手に入れた拳銃をもってきてくれた。傷つけられた身体で、
ジョーは拳銃の早射ちの業をみがく。傷ついた左手が利かぬ以上、
右手で勝負するほかない。彼の失踪にあわてたラモンたちは
酒場の主人を捕えて、居所を教えろと迫った。ついにバクスター家に
殴り込みをかけ、不意を襲われたバクスターたちは簡単にやられてしまう。
ラモンは酒場の主人を通りの真中でリンチを加え、男を誘き寄せようとした。
静まりかえった町に姿を現した男は、待ちかまえたラモンから
続けざまに銃弾を浴びた。が、平然としている男に、ラモンはうろたえる。
彼は胸に鉄板を入れていたのだ。ラモン一行を鮮やかな早撃ちで仕留め、
男は再び静かに町を去って行った…
 
ドル箱」シリーズ第一作目。セルジオ・レオーネ監督による
黒澤 明 監督作品「用心棒」のリメイクである「荒野の用心棒」。
アメリカで大ヒットし、アメリカでのマカロニ・ウェスタンの火付け役。
その登場人物であるイーストウッド演じるジョーこと名無しは、
ただのヒーローとは違う、アンチヒーローとしての魅力がたっぷり詰まった
素晴らしい主人公だ。そのカッコよさに筆者はもうベロベロである。

ジャンゴ

映画「続・荒野の用心棒」に登場。
 
棺桶を引き摺ってさすらう謎のガンマン。
この世でただ一人愛した妻を殺したジャクソン少佐を探して、
放浪を続けていた。メキシコとの国境にほど近い小さな村。
この村では、人種偏見にとらわれた元南軍の少佐アメリカ人の
ジャクソン少佐一派と、メキシコ独立運動のウーゴ将軍一派が激しく対立していた。
ある日、国境にある底なし沼でアメリカとメキシコの混血である娘マリアが、
将軍の部下と少佐の部下に相次いで危害を加えられようとしていた。
ちょうどその時、古ぼけた棺桶をひきずり丘の上にたたずむ男がいた。
男は目にもとまらぬ早技でマリアを救った。その男、ジャンゴは
マリアを連れて酒場で休むことにした。ほどなく少佐の部下達が酒場に現れ、
桁外れのショバ代を酒場の主人に強要した。ジャンゴは酒場の主人を助け、
目にも止まらぬ速さで少佐の部下たちを倒す。少佐を見逃し、
マリアがいる二階へ向かうジャンゴ。ジャンゴに何故自分を助けたのか
問うマリア。ジャンゴは訳はないと答えながら自身の悲しみに
満ちた過去を匂わせ、マリアが求めるならと彼女を抱く。
しばらくすると復讐の念に燃えた少佐が四十人の手下を従えて姿を現す。
しかしジャンゴはおもむろに棺桶から機関銃を取り出すと、
彼らを死体の山へと変えた。少佐たちは逃げ出すが、仲間である
ジョナサン神父は逃げ遅れて将軍たちに捕まり、耳を削ぎ落とされた上に
その耳を口に入れられ銃殺される。その後、メキシコ政府軍営舎に
多量の砂金があるとの情報が入った。ジャンゴの腕を見込んだ将軍は、
黄金を折半することで手を握った。襲撃は成功した。
しかし将軍は黄金の分け前を渡してくれぬばかりか、
ジャンゴを邪魔者扱いするのだった。怒ったジャンゴは黄金を棺桶に
詰めこむとマリアと村から逃げだした。ところがつり橋のところで
銃が暴発して馬が暴れ、棺桶はそこなし沼に落ちてしまった。
棺桶を捜しているうちに将軍の追手が姿を現し、マリアは撃たれ、
ジャンゴは捉えられてしまう。将軍は命だけは見逃すといい、
しかし二度と銃を握れぬように馬の蹄でジャンゴの両手をこなごなに
踏みつぶして去った。そしてメキシコに向う将軍達は、待ち伏せた少佐達に、
皆殺しにされてしまう。傷ついた腕とマリアをかかえ、
酒場に戻ったジャンゴは少佐たちを墓場へ呼ぶ。ジャンゴは一人、
墓場で十字架に寄り掛かりながら少佐たちを待つ。やってきた少佐たちは
弱ったジャンゴを見てあざ笑い、彼の為に念仏を唱えてやる。
唱えながら銃撃を加える少佐。激痛に耐えながら、銃に細工して
十字架を支えに狙うジャンゴ。唱え終わった瞬間、その場で倒れたのは
少佐たちだった。ジャンゴはマリアを求めて、よろめきながら墓場を去る…
 
マカロニ・ウェスタン最骨頂!泥臭い、ひたすら泥臭い!
しかしカッコいい!それがDJANGO(ジャンゴ)だ!
筆者!棺桶を引き摺りながらの、あのなんともいえない歌
(ジャ~ンゴ~♪)の旋律に感激!撃滅の早撃ち、皆殺しの機関銃、
必殺の十字架撃ち、どれをとっても最高にシブい!カッコいい!
愛のために生きようと銃を持つ様は今ではない漢らしさ!
また「続~」が公開されて以降、「ジャンゴ」と名がつく亜流映画が
多く作られたのは言うまでもない。

パドック先生

ドラマ「Xファイル」第38話「呪文」に登場。
 
本名フィリス・パドック。高校の生物の教師だが、
その正体は謎に包まれている。ニューハンプシャー州の小さな町で
高校生が殺される事件が発生。黒魔術の真似事をしていた男子高校生が
目と心臓をえぐられて死んだのだ。死亡した高校生の住む町では
悪魔崇拝者が活動しているという噂がたっており、
残虐な犯行から悪魔崇拝者に殺されたと信じる地元警察は
モルダーとスカリーに協力を仰ぐ。さっそく現地にやってきたふたりは、
学内の不穏な空気を感じ取る。というのも悪魔崇拝者は
教師とPTAだったのだ。が、だからといって彼らが生徒を殺害したわけではなく、
不信感が募りはじめる。そんなとき、女性生物教師パドックが
臨時で教鞭をとることになった。パドックは殺された高校生の仲間であり、
悪魔崇拝教師の義理の娘シャノンに近付き彼女の持ち物を盗む。
そしてシャノンは謎の死を遂げた。事件は留まることを知らず、
次々と死者が出る。モルダーとスカリーは事件の被害者が皆、
悪魔崇拝や魔術に加担していることに気がつく。二人は教師とPTAたちに
捕らわれ、悪魔の生贄になりそうになる。しかし、パドックによって
悪魔崇拝者たちは自殺に追い込まれる。全ては悪魔崇拝者の仕業であると
同時に、彼らを始末していたのがパドックだとわかり
パドックの下へ向かうモルダーとスカリー。しかしパドックがいた教室は
もぬけの空で黒板に別れの言葉が記してあった
「あなたたちと一緒に仕事ができてよかったわ」…
 
コワッ!めっさコワッ!不肖、腐肉喰らい。
恐ろしさにかけては右に出るものは居ないパドック先生を忘れてしまっていた。
で、結局この人何者だったんだろう?本物の悪魔?それとも魔女

2009年3月24日火曜日

レイ・ピアース

ドラマ「Xファイル」第170話「救済」に登場。
 
本名レイモンド・ピアース。遺伝子を操作され、スマート金属という
特殊な金属に蝕まれている男。その金属は自己再生能力をもつが、
再生した箇所はスマート金属へと変わってしまう。
とある乗用車が鋼鉄の何倍もの密度をもつ物体に接触し大破した。
さらに現場には足跡があり、物体が人間だった可能性が浮上する。
乗っていた運転手は少し離れたところで、頭部に穴を開けられ死亡していた。
そして容疑者はドゲットの友人である廃棄物処理場に勤務していたレイであり
彼は数日前に死んだはずだった。しかし現場には 彼の指紋が残されており
被害者が生前彼と関わりのあった人間であることがわかる。
後に大企業ハウス・サイド社が 遺伝子に関するプロジェクトを極秘に行ったことがわかり、
それはスマート金属という特殊金属をDNAに組み込むというもので
レイはその実験台にされ、プロジェクトの関係者へ復讐していたのだ。
体が金属化していくレイは、最後の関係者である会計士のハリスを
自分の仕事場である廃棄物処理場で殺そうとするがハリスの息子が現れ、
彼に残っていた人間らしい憐れみの心からハリスを見逃し、どこかへと去った。
懸命な捜索にもかかわらずレイは見つからなかった。
その頃、一台の車が廃棄物処理場で処分される予定だった。
レイは死ぬためにそこに潜み、自分の潜む車が処分されるのを待っていた…
 
外人的には「T-1000」な話だが、私的には「鉄男」な話のこの回。
ドゲットを演じるロバート・パトリックが金属になる人間の話を聞いて
「それは映画の中の話だ」というメタな会話が笑いを誘い
また金属人間レイに人間らしい憐れみの心が残っており
自らの死を望む悲しい話でもある。

トミー・コンロン

ドラマ「Xファイル」第196話「モンスター」に登場。
 
想像力豊かな少年。その想像力によって恐ろしい怪物を生みだせる。
産休に入ったスカリーの代理としてXファイル課担当だった
レイラ・ハリソンが「これはXファイルだ」と事件を持ち込む。
彼女が偶然目を通した猫の奇妙な死骸は、自ら体をかきむしる様にして
絶命しており、さらにその猫がいた山荘に住むコンロン少年の母親が
ナイフを腹に16回も刺して自殺を遂げたことを知り、それで興味を覚えたのだ。
ドゲット、モニカ、レイラの三人でとある雪山の山荘に向かうことに。
そこでトミー少年は夜ごと謎の生物に襲われていた。
しかし彼の父親はそれをひた隠しにしていた。ドゲットたちも謎の生物を目撃し、
射殺するが生物は分裂して逃走。ドゲットたちの車がお釈迦になり、
雪山から降りることができなくなってしまった。一方スカリーは猫の解剖をし、
猫は自分の腹を噛み千切って死んでいたことから
なんらかの寄生虫が潜んでいるのかと思ったが、腹の中は空っぽだった。
猫の不可解な死に疑問を持ち、連絡のとれないドゲットたちの下へ急ぐ。
ドゲットは父親に何を隠しているのか問い詰めた。そして父親は真実を告げる。
トミーは想像力が豊かでどういうわけか想像しただけで怪物を生み出せたのだ。
今度はモニカの腹に怪物が入り込み、ドゲットは怪物に囚われ、
レイラは両目から血が流れはじめる。トミーの父親は息子を手にかけようとするが、
ドゲットに止められる。ドゲットはこれは全て幻であり、彼は幻を信じていないので
生還できたのだ。ドゲットは一計を案じ、トミーの父親やモニカとレイラを
車に残し、山荘の中へガソリンを持っていく。トミーの前でそこら中に
ガソリンを撒き火をつける。家を飲み込む炎を見て、トミーは気を失う。
それによりモニカとレイラは元に戻った。その頃、スカリーが到着し
山荘に入ると気絶したトミーをドゲットが抱えていた。
ドゲットはトミーの想像力を利用し、ガソリンタンクに入った水を撒いて
火をつけ彼に幻の炎を見させたのだ。トミーはその後、精神科の治療を
受けることになり「想像力を破壊する」治療を受けている。
トミーの父親が見舞いに行くと、そこでトミーはTV漬けになっていた…
 
「TVは想像力を奪う」という皮肉なラストを描いたこの回。
驚くべき「イドの怪物」の襲撃を描き、今回ドゲット捜査官は想像力がないゆえに
解決の糸口へ繋がるわけですが、別に褒められたことじゃないよな。

サラマンダーマン(トカゲ男)

ドラマ「Xファイル」第180話「孤立」に登場。
 
本名ハーマン・スタイツ。生物学者で、爬虫類や両生類の遺伝子を研究していた。
新たな種を創り出せると学会に発表し、自身の遺伝子を組み換えて
人間とも爬虫類とも両生類ともいえない奇妙な生物になり、人間を襲うようになる。
特殊な毒液を相手の目にかけて、一時的に目を見えなくさせれる。
モルダーはFBIを去り、スカリーは産休に入り、Xファイル課は
ドゲット一人になってしまう。産休に入ったスカリーと交代で配属されたのは
経理担当の女性捜査官レイラ・ハリソン。モルダーたちの旅費などを
精算していて、Xファイル課に興味を抱き自ら配属を志願した経歴を持つ。
ドゲットは根っからのファンである彼女をパートナーに謎の事件を追うことに。
ニューヨーク州エリコットのアーレン・サックスという男の遺体が
自宅近くの森で発見された。容疑者として挙がったのは息子である
ゲイリーだが、行方が知れない。遺体の目や家の床には粘液が付着していた。
レイラはXファイルを隅々まで読破しており、それがユジーンと同種の
ミュータントによる犯行と推測する。アーレンは生物学者スタイツ博士の
土地を管理しており、偶然にもドゲットとレイラはスタイツの館を発見する。
しかしそこは無人であり、館内の家具にシートが被せられていた。
そこで何かの気配を感じたドゲットはレイラに警戒するように呼びかけるが
彼女は何者かに連れさらわれてしまった。地面に何かが這いずった様な跡があり
それを追跡するが罠であり、彼は穴の中へと落ちてしまう。
消息を絶った二人を捜査官たちが捜索するが見つからず、
モルダーとスカリーは許可を得ずに、独自の捜査を行う。
アーレンの遺体を解剖し、現場で発見された粘液を調べた結果、
アーレンの死因は心臓発作だとわかった。更に遺体の目から
加水分解酵素が検出され、それは爬虫類がもつ毒と同じものだった。
モルダーはドゲットたちを探しに、スカリーはそのまま粘液を調べることに。
その頃ドゲットは自分が落ちたのがただの穴ではなく、
中は地下道になっていることがわかった。地下道を調査していると
何者かに何かを目に吹きかけられる。視界がだんだんボヤけていき、
ほとんど目が見えない状態になってしまった。レイラと再開するが、
彼女も目が見えない状態になっていた。その頃現場でモルダーは
スタイツ博士と出会い、他愛もない話をし別れるが
落ちていたドゲットの私物を発見し、ドゲットが近くにいることに気付く。
ドゲットたちは落ちた穴から脱出を図るがスタイツ博士に邪魔され
犯人はスタイツだと分かる。地下道で行方不明だったゲイリーを発見し、
この地下道がスタイツの館に繋がっていると確信し、二人は脱出の希望を見つける。
モルダーは張り込みを始めると、スカリーから連絡で粘液の正体が
人間の胃液の一種であり、同時に爬虫類の毒を含んだ未知の物質であるとわかる。
更にスタイツ博士が異端的な思想を持ち、学会を去っていることなど知る。
そしてモルダーは森を散策中に、奇妙な生物を発見し後を追うと
スタイツの館に入っていくのを見た。モルダーは館に踏み込むが
そこにはスタイツ博士がおり、何も異常はないと説明し館へ招かれる。
モルダーは地下室へと案内される。そこでスタイツは正体を現し、
異形の怪物となってモルダーに襲い掛かる。モルダーの銃は彼の手から離れ、
そこへドゲットが現れ銃を拾うも目が見えないために撃てず、
声がするほうに撃てとモルダーに言われモルダーはスタイツの体を
自分の前に押さえつけることができスタイツは射殺され、事件は幕を閉じた。
 
またもや役立たずなドゲット捜査官は今回も新米とコンビを組んで
穴に落ちたり目に汚ねぇ液ぶっかけられたりと散々な目に遭う。
今回の怪物であるスタイツ博士は超スピードで駆けずり回り
変な液ぶっかけたり人間に戻ったりとなんだかよくわからん。
しかし、猛然と這いずる姿はなかなかどうして凄まじい。
で、結局このスタイツさんは一体何がしたかったんだろう?

メデューサ・ウィルス

ドラマ「Xファイル」第173話「メデューサ」に登場。
 
微小なクラゲのような細菌。人間が感染すると皮膚の一部が
蛍光色に光り、最終的には細菌の放電により皮膚が焼け崩れる。
一種の生物兵器なのか未知のウィルスだったのかは不明。
ボストンの地下鉄で強盗を捕まえるために潜入捜査中だった警官が
頭部が溶けたような状態で死亡した。調査と犯人確保のため
地下鉄を全面閉鎖し特別チームが調査に向かう。
スカリーは地下鉄の坑道内へと逃げ込んだ容疑者により
被害が拡散することを防ぐため、運行停止の継続を主張するのだが、
一刻も早い運行再開を望む地下鉄警察は4時間の猶予しか与えようとしない。
両者が対立する中、ドゲットは別組織の担当者らとともに、
容疑者を追って地下鉄坑道内へと降りてゆく。
そこで発見されたものは警官と同じように死んでいる容疑者、
シートに包まれた同じような状態の遺体、蛍光色に光る海水の溜まり場だった。
これらの謎を解明しようとするドゲット率いる調査隊。
しかしいつの間にか調査隊全員が皮膚の一部が蛍光色に光り始める。
海水のサンプルやこれらの状態から調査隊全員が
未知のウィルスに感染したことがわかる。次々と調査隊が発症する中、
地下鉄再開が迫る。ドゲットはなんとか残った調査隊を引き連れ、
脱出を図るが意識を失う。その後、病院に訪れるスカリー。
ドゲットは病院で療養中だった。遺体の状態を調べたところ、
細菌がいた痕跡が全くなく細菌が放電すると死滅するとわかり、
スカリーの機転により感染者に電気療法をすることで細菌を除去できたのだ。
だが、細菌が死滅したことにより事件の証拠は全てなくなってしまった…
 
またもやドゲット捜査官が苦労する、この回。
ウィルスパニックな状態で某24時間の人みたく活躍する(嘘)
さらにウィルスに感染し、鉄道が再開しそうな危機的状況。
けどなんだかんだで今回もスカリーに助けられる。
にしてもドゲット捜査官が登場して以来、未解決のまま終わる回が増えたような気がする。

2009年3月23日月曜日

蛍光色の古代虫

ドラマ「Xファイル」第20話「」に登場。
 
自然破壊によって現代に甦ったダニのような古代の虫。
夜行性で、暗闇だと蛍光色に光る。生物の体液を求めて
人間に襲い掛かり、繭の中へ取り込む。ワシントン州の山中で
森林伐採の作業員30人が行方不明になった。
環境テロリストの仕業とみて、FBIが捜査に着手する。
モルダーとスカリーは、森林局の役人らとともに現場へと向かうが、
路上に置かれていた撒きビシでタイヤをやられ、山小屋では
発電機や無線機が破壊されており、前途多難な状況に。
森の中を調査に出かけたモルダーらは、木にぶら下がった
巨大な繭を発見。中からは体液を吸い取られ、ミイラのように
ひからびた人間の死体が出現した。そこへ環境テロリストのひとりが現れ、
自分たちの無実と、彼らもまた犠牲者であることを告げる。
過剰な森林伐採により、古木の中に閉じ込められていた
謎の昆虫が解き放たれたのだ。昆虫は昼間は無害だが、
しかし一行には足がなく、夜までに徒歩で森を抜け出すことは不可能。
深い森の奥に閉じ込められた一行の頼りは発電機のみ。
その燃料のガソリンもついに底をつく日が近づく。
遂には車を無理やり使って脱出を図るが、モルダーもスカリーも
繭に取り込まれてしまう。二人が気づくと病院に入院しており、
あの森から救出されていた。衰弱していたが命に別状はなく、事件は解決した…
(名前は私がつけた仮称です)
 
蛍光色の蟲が群がるシーンが懐かしいエピソード「」。
このエピソードの終盤において、モルダーとスカリーも
また巨大な繭に閉じこめられ一応救出されはするものの、
隔離病棟に収容されてのエンディングには驚いた。
私の記憶が正しければ初の病院行きとなったエピソードだと思うと
いかにこの「蟲」が凶悪なのかがわかる。しかも一見事件は
解決したように見えるが医者の「全て我々に任せておけ」という
言葉がなんともいえない。その「自分たちならなんとかできる」という
傲慢な考えが太古の生物の襲撃に繋がったのだから。

行者(ベガーマン)

ドラマ「Xファイル」第171話「バドラ」に登場。
 
人の体内に自由に侵入したり、相手に自分の姿を別のモノに
見えさせる“シッディの神通力”という特殊な能力を持つ。
自分の住んでいた村をアメリカの企業により滅ぼされ、復讐を行う。
ボンベイ発、ワシントン行きの飛行機を利用した巨漢のビジネスマンが
チェックインした直後のホテルで変死した。検死によれば、
全ての内臓が異常に損傷しており、死亡推定時刻はボンベイを
出発する前だという。インドで同じような事件が起きていることがわかり、
スカリーはモルダーの友人である超常現象研究家のバークス博士に会い、
インド人の行者に中には自分の姿を変えたり人の体内に潜り込むことが
できる者がいると知る。その頃、とある学校の生徒の父親が
ビジネスマンと似たような怪死を遂げた。さらにスカリーが解剖を行ったとき、
遺体の妙に膨れた腹から何か妙なものが出てきたような気配を感じた。
事件を入念に調査するスカリーとドゲット。二人は遂にインドのとある村が、
ある企業の工場から漏れたガスによって被害を被った事を知る。
犯人の魔の手は被害者の子どもにまでまで及び、犯人は少年の姿になって
子どもに襲い掛かろうとしたが、子どもの目を信じたスカリーによって撃たれる。
しかし、インドの空港では同じ行者が物乞いをしている…
 
行者を演じたのは「チャーリーとチョコレート工場」などの
ティム・バートン監督作品でお馴染みのディープ・ロイ氏。
しかしこの行者、侮りがたし。ビジネスマンの体を使って密入国、
アメリカ着いたらドンドン殺しまくる恐ろしい人物。
大人には神通力が効くが子どもの目は誤魔化せず、
スカリーによって殺されたかに見えたが、実はまだ生きているというこの回。
行者が手押し車で迫ってくるシーンが恐怖を誘う。

バット・シング(コウモリ男)

ドラマ「Xファイル」第164話「爪痕」に登場。
 
腕から腰にかけて薄いコウモリのような皮膜を持つ生物。
コウモリが進化したのか、人間が進化してこの姿になったのかは不明。
過去に同じ生物が目撃され、発見者たちに殺されており
それの敵討ちに事件の関係者を襲う。老夫婦が惨殺されるという
殺人事件が発生。遺体には噛み痕や引っかき傷があり、
現場には人間の足跡らしきものが残っていた。
地元警察が獣の犯行と主張する中、ドゲットと共に現場を訪れた
スカリーは、現場に残されていた謎の爪痕を発見する。
検死の結果、人間のものではない酵素が検出された。
それは抗凝血物質で、これはコウモリの唾液にしか含まれていないのだという。
このことから獣でも人でもないものの犯行だという可能性が浮上する。
さらに殺人事件が増える中で、ドゲットは過去のXファイルに
今回の事件とつながりを持つと思われる新聞を発見する。
そこには、コウモリの姿をした謎の半人半獣の化け物を捕獲し
射殺した被害者たちの写真が載せられていた。
全ての事件はその「コウモリ男事件」に関係する者が襲われていたのだ。
まだ殺されていないのはアニーとマイロンの兄弟二人だけであり
さっそくマイロンにアニーの居所を聞くが、彼は答えようとしなかった。
その後マイロンはコウモリ男に殺される。夜の張り込みの末、
アニーを見つけ彼を保護しようとするが夜はコウモリ男が活発になるといい
アニーの家で篭城することに。ドゲットは外へ見回りに行くが
コウモリ男に襲われて、意識を失う。家の外から妙な音が聞こえたので
スカリーが外に向かって発砲し、確認するが手応えがなく
家の中ではアニーがコウモリ男により殺されていた。
スカリーは更に発砲するが、コウモリ男は夜闇へと姿を消すのだった…
 
憎いぞ人間め!とばかりに襲い掛かるコウモリ男。
ドゲット捜査官の初仕事ながら、散々な目にあう、この回。
以降、ドゲット捜査官は常に骨折り損の草臥れ儲けな目にあうのが
通例のようになっていく。意外なことにこのコウモリ男は復讐を完遂する。
今まで「Xファイル」では色々な怪物やミュータントが登場してきたが、
その目的を果たすことが出来ず倒れていった数は多く、今回は異例中の異例といえるだろう。

ロブ・ロバーツ

ドラマ「Xファイル」第142話「ハングリー」に登場。
 
本名ロバート・ロバーツ。生まれつきの突然変異で、人間の脳を
食べたい欲求に苛まれている。普段は無毛の頭に鬘を、
鋭い歯に義歯を、耳がないので偽の耳介をつけてカモフラージュしている。
深夜のハンバーガースタンド「ラッキーボーイ」を訪れた客が
変死体となって発見された。その頭蓋骨からは、脳みそが
吸い取られたように無くなっていた。モルダーとスカリーは
「ラッキーボーイ」のバッジが現場に落ちていたことから
「ラッキーボーイ」の店員たちに疑惑の目を向ける。
同じ頃、そこの店員であるロブは絶望していた。
人間になりすました彼はミュータントであり、人食いの欲求が抑えられず、
特に人間の脳みそに対する欲求が強くなっていた。
彼は空腹感を満たすため様々な努力をしていたが、
遂には殺人を犯してしまったのだ。自分が犯人だとわかるのは
時間の問題かと思われた。その日は無事に帰宅すると
同僚のダーウッドが彼の家に侵入していた。ダーウッドは犯罪歴があり、
それでスカリーに疑われていたのだ。しかしダーウッドは
ロブが犯人である確信しており、さらに証拠の品を入手してロブを脅す。
モルダーもロブを疑い、強烈なプレッシャーが彼を追い詰める。
ダーウッドを殺害し、もう二度と人を襲わないように彼は
摂食障害の会に出席するようになる。そこで女性カウンセラーの
ミンディから温かい言葉を掛けられ、心動かされるロブ。
しかし彼の欲求は治まらない。自分の家を滅茶苦茶にし、
ダーウッドが襲ってきたと嘘の証言をする。そして再度ミンディの下へ。
彼女はロブが犯人だと薄々感づいており、そんな彼を憐れんでいた。
ロブは自分の本当の姿を彼女に見せ、これでも自分に同情できるかと問う。
しかし彼女はそれでもロブを見捨てるつもりはないときっぱり言う。
そこへ駆けつけたモルダーとスカリー。二人は銃を構えるが、
ミンディは「彼を傷つけないで」と止め、彼女はロブが“良い人間”でいたいと
望んでいるのをわかっており、ロブに“良い人間”ままでいてと懇願する。
しかしロブは彼女の願いとは裏腹にわざとモルダーに襲い掛かり、撃たれてしまう。
彼女が「何故?」と問うと「これが自分だ」と告げ、息を引き取った…
 
何と言ってもあの味がたまらない。塩気があってジューシーだ。
ちょっとバターに似てる。噛んだとたん、口の中いっぱいに…
肉汁のトロリとした甘さが…フワーと広がる。そのうまさと言ったら…
我を忘れるほどだ。舌の上で転がしながら…最後の一滴まで 味わいつくす
これが…本当の…僕だから
Xファイルには数多くのミュータントが登場するのは前にも言ったが
今回紹介するロブくん。ユジーンバージルアボアレナードといった
ミュータントは欲望に忠実だったが、彼は己の欲望に苦悩する。
良い人間でありたい、良い人間でありたいと悩みながらも殺人を犯し、
それでまた苦悩する。この回はロブくんの目線から描かれており
モルダーやスカリーが悪人のように見える不思議な回。
人気のエピソードであることは言うまでもなく
ミュータントの孤独と葛藤を描いた至極の一品である。