2009年3月30日月曜日

イドの怪物

映画「禁断の惑星」に登場。

宇宙移民がはじまった2200年代。アダムス機長が率いる
宇宙船「アンドロメダ号」は、20年前に移住し、
その後連絡を絶った移民団の捜索のために、
惑星第4アルテアに着陸した。アルテアには、移民団の生き残りとして、
わずかにモービアス博士と、アルテアで誕生したその娘のアルティラの
2名だけが生存していた。モービアス博士は、アルテアには
先住民族であり大変な進化をとげたクレール人がいたこと、
そのクレール人は解明されていない理由である日突然に滅亡したこと、
移民団は正体不明の怪物に襲われて自分たち以外は
死んでしまったことなどを語った。また、モービアス博士は、
クレール人の遺跡を調査し、残していった設備を使うことで、
モービアス自身の能力を飛躍的に増進させているということも。
そして、おそらくアンドロメダ号も怪物に襲われるだろうと予告し、
早くこの星を離れるよう求める。事実、怪物はふたたび登場し、
アンドロメダ号を襲って、乗組員を殺しはじめた。
しかしアダムス機長は、アルティラと恋仲に陥ってしまったこともあり、
即時の離陸を拒否。モービアスとアルティア、せめてアルティラだけでもと
地球に連れ帰ろうとする。怪物がアダムス機長、モービアス、
アルティラに襲いかかろうとする。そのとき、クレール人の遺跡が
最大出力で動いていた。アダムスは、その怪物の正体が
モービアス博士の潜在意識であり、自我そのものであり、
その怪物は「イドの怪物」とでも呼ぶべきものだということを見破る。
移民団の殺戮も、アンドロメダ号の乗組員の殺害も、
実はモービアスの潜在意識のなせるわざであった。
意識の暗黒面を正視したモービアス博士は、クレール人の滅亡の意味も理解し、
アルテアもろとも滅びることを選ぶ。アダムス機長は、
アルティラを伴ってアンドロメダ号に戻り、アルテアが爆発する寸前に
なんとか船を離陸させたのだった…
(名前は私がつけた仮称です。“イド”とは“潜在意識”の意味)
 
SFに哲学的テーマを入れたカルトSF「禁断の惑星」。
“潜在意識の怪物(イドの怪物)”というなんとも捻くれたテーマの映画。
怪物はチープだが、後の映画に影響を与えたのはいうまでもない。

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