2009年3月26日木曜日

トゥッコ

映画「続・夕陽のガンマン」に登場。
 
本名トゥッコ・ベネディクト・パシフィコ・ホアン・マリア・ラミレス。
数多くの犯罪(殺人、強盗、詐欺、強姦、イカサマ賭博etc)を犯した賞金首で、卑劣漢。
賞金稼ぎブロンディーと手を組んで、賞金首であるトゥッコが罪を犯し、
それをブロンディーがとらえて賞金をうけとり、トゥッコが絞首刑に処される瞬間、
ブロンディーが縄を撃ちきって救い出す、といった方法で賞金詐欺を繰り返していたが、
先読みの良いブロンディーによって、一方的にコンビを解消され
荒野に放置された。ブロンディーを恨み、盗んだ銃で脅して、
荒野を歩かせて死なせようとする。そこに南軍の兵士の死体を乗せた
馬車が通りかかり、中に居た瀕死の眼帯の男ビル・カーソンから
水を与えることを条件に隠した金貨の隠し場所の在り処を聞き出そうとする。
トゥッコは隠した墓地を教えてもらったが、水を与える前にビルは死んでしまう。
しかしブロンディーは墓石の名前を聞いており、しかたなくコンビになるしかなかった。
トゥッコはビルの着ていた南軍の軍服と眼帯をまとい、
死にそうなブロンディーにも南軍の軍服を着せ、牧師である兄の下に担ぎ込む。
トゥッコは兄に親しげに話しかけるが、兄は冷徹に彼を撥ねつけ
「もう二度と来るな」といわれる。そんな兄に対してトゥッコは
「兄貴はまだ俺よりマシだと思っているだろう?」と応え兄は彼の頬を引っ叩く。
ブロンディーが全快し、その場を後にするが兄はトゥッコが去ると
「許してくれ」と一人つぶやく。トゥッコとブロンディーの二人は南軍の馬車で
出発するが、北軍の捕虜となり収容所にぶち込まれる。
その収容所には二人よりも先に隠した二十万ドルをさがしていた
セサンテ(エンジェル・アイ)がおり、セサンテによりたまたまビルの軍服を
着ていたトゥッコはリンチにされ、ブロンディーが情報を持っていることをはいてしまう。
セサンテはブロンディーと手下を連れて金貨探しに出発する。
トゥッコはセサンテの部下とともに列車に乗り、そのまま縛り首になるかと
思われたが部下諸共に列車から身を投げ、手錠を切ってセサンテの後を追う。
なんとかトゥッコはブロンディーと合流し、二人はセサンテの手下を撃ち殺すが、
セサンテは逃れる。その後トゥッコとブロンディーは南北両軍が
橋を巡って争う戦場にたどり着き、北軍に捕まる。
トゥッコは咄嗟に北軍の志願兵を名乗り、うまくその場をやり過ごす。
何の因果か延々と繰り返される戦争に厭きた北軍大尉の願いもあり、
二人は橋にダイナマイトを仕掛けて爆破する。
その間際、お互いに墓地の場所(サッド・ヒルの墓地)、
墓石の名前(アーチ・スタントン)を告げる。両軍が去ったあとで
二人は川を渡るが、南軍側の陣地は死屍累々たる有様だった。
若い兵士が瀕死の状態だったのでブロンディーが介抱する隙をついて
トゥッコは先駆けしようとするが、それを見越したブロンディーの
砲撃を受けながらも、なんとか墓地にたどり着く。トゥッコは墓を見つけて
素手で掘り返すが、ブロンディーが銃口を向け、シャベルを投げ
トゥッコが掘ることに。だがトゥッコがシャベルで墓を掘り返しているとき、
そこにエンジェルが現れブロンディーに銃口を向け、
再びシャベルを投げ、ブロンディーにも掘らせるようとする。
しかし、あばかれたアーチ・スタントンの墓には金貨はなく
遺体だけが入っていた。ブロンディーが嘘をついたとわかり、
本当の隠し場所を問い詰めるセサンテとトゥッコ。ブロンディーは、
三人による決闘を提案し、石に隠し場所を書く。勝った者が石に書かれた
墓碑銘が読めるのだ。かくして金貨を巡る三人の男の決闘が始まる。
三人の目線が逡巡し、一瞬で勝負は決まった。ブロンディーの銃が火をふき、
セサンテが倒れた。と同時にトゥッコは銃の引き金を引くが、弾が出ない。
ブロンディーが夕べのうちに弾を抜いておいたとわかり、
また石には何も書かれていなかった。ブロンディーは自分が負けたら、
隠し場所を教えるつもりなどなかったのだ。ブロンディーは
金貨の隠し場所である「アーチ・スタントンの墓の隣にある無名の墓」を告げ、
二人は金貨を手に入れるが、トゥッコは信用ならないということで
ブロンディーはトゥッコに絞首縄で自分の首を吊るよう強制する。
ブロンディーはセサンテの馬に乗り、しばらく離れてから絞首縄を銃で
撃ち抜くというのだ。トゥッコは泣く泣く言うことに従う。
安定の悪い十字架の墓碑を足場に首に縄をかけるトゥッコ。
しばしの静寂の後、足場が遂に危うくなった瞬間、銃声が轟く。
絞首縄は撃ち抜かれ、トゥッコは地面に叩きつけられるものの
命に別状はなかった。そしてトゥッコは立ち上がるやいなや、
去るブロンディーの背中に罵声を浴びせるのであった…
 
世の中には二種類の人間がいるんだ。首にロープを巻かれるのと、
そいつを切るのが商売なヤツだ。オレはよ、ロープを巻かれる方なんだぜ。
命懸けなんだ。今度っから半分以上よこしな
 
出て行く前に一言いわせてもらうぜ兄貴。兄貴はオレよりマシだと思ってるだろ。
…だがな、貧乏からぬけ出すには牧師になるか、ドロボウになるかだ。
兄貴にはドロボウになる勇気がなくて牧師になったんだ、ちがうか?
 
ブロンディ~~~~!!!!!!
うっうっうぅぅ・・・ゴメンナサーイ!
 
おい、ブロンディー!このくたばり損ない野郎!てめえなんか、犬に食われちまえ~!
小悪党されど小悪党。なさけないが魅力に満ちた悪党、それがトゥッコだ。
生きるためならなんだってやる、卑劣漢の名は伊達じゃないが
そんな彼も昔は貧乏で兄貴は牧師なると出て行き、彼一人で
親の世話をしていた過去があり、そして彼は泥棒となり牧師になった
兄貴と再会した時の一言が痛烈だ。腐れ縁ともいえるブロンディーとの
憎しみと親しみが篭ったコンビを組んだりするが結局痛い目見て、
ブロンディーに良いとこ取りされるあたり、憎めない悪党である。

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