2013年3月7日木曜日

花子さん

ドラマ「学校の怪談 春の物の怪スペシャル
第4話「花子さん」に登場。

赤い服を着た女。自分の顔を無理やり見せようとし、その顔を間近に見たものは跡形もなく消滅する。
キョウコ、アサミ、アベ、コウイチの四人の男女が同窓会間近に、学生時代に通っていた廃校に集まった。
彼らは学生当時、「新聞部」のメンバーであり、学校に集まったのはトイレで花子さんを呼んで
願い事を聞いてもらう、という儀式を行うためだ。トイレの前に刃物と花をばら撒き、個室のドアに向かって
「花子さん、花子さん、私を苦しめる者を消してください。その者の名前は鈴木桜子です」と語りかけ、
トイレのドアにハサミを突き立てた。鈴木桜子という子は、当時の新聞部でいじめられ、
すでに事故で死んだ女子生徒であった。彼らは自分たちが行ったことを忘れ去るために
花子さんを呼び出そうとしたのだ。儀式を終え、ほっと胸を撫で下ろす四人。
しかし昔なじみだけあって、各々語るのは必然的に過去の話であり、いじめについて話が及ぶ。
都合の良い解釈をするものもいれば、絶対に忘れないというものもいる。
そんな重い空気の中、遂に花子さんが現れた。花子さんによって新聞部のメンバーが一人、また一人と消されてゆく。
一人生き残ったキョウコは体育館の倉庫に隠れる。その背後から、桜子の霊が現れる。
パニックに陥り、倉庫から飛び出した先には花子さんが待ち構えていた。
最早なすすべなく、キョウコもまた初めからいなかったように消滅した。
全ては桜子の霊による新聞部のメンバーに対する復讐だったのか。
何を語ることもなく、桜子はトイレへと消えていった。
しかし花子さんは一人、街へと歩を進める・・・・

赤い服(ドレス?)、赤いヒールを履く全く新しい大人な花子さん。
TV番組「学校の怪談 春の物の怪スペシャル」は、ラストが全ての恐怖を持って行った。
当時の映像作品では幽霊に襲われた人間の末路なんてのは、直接的にどうなったかは
わからずじまいが多い。大抵は暗転するか、フラッシュして終わりか、
びっくりさせて終わり。(しっかりどうなったか描くものもあったにはあった)
そんな中、この花子さんに襲われた人間はなんと消滅するという
かなり斬新(手抜きか?)な手法で、被害者の末路を描く。
花子さんの顔自体ははっきりと見ることはできないが、そんなビジュアル的な恐怖よりも、
ゆっくりと歩いて迫る、まるで死神のような雰囲気が怖い。
そしてラストの街へと恐怖が放たれたともいえるシーンは非常に絵的で、
監督(なんと黒沢清)はこれが一番撮りたかったんじゃないかと思う。
ただし、ストーリー自体はなんとも奇天烈で、いきなり現れては消える生徒、
意味深なことを言ってフェードアウトしたアベ、何故か石像を壊すキョウコ、
そして桜子と花子の関係は?と説明不足が多い。
この作品は大人な花子さんのPVと考えてみた方が賢明だろう。

2 件のコメント:

セイ さんのコメント...

「女」の形をした幽霊ないし妖怪ってどうしてこうも怖いんでしょうね。
それは僕が男だからなんでしょうか。男である僕には「女」は根本的に理解が及ばないものであり、そう考えれば「わからない、だから怖い」というある意味当たり前の理屈なのかなぁと思わないでも無いです。

腐肉喰らい さんのコメント...

「女」というものは古来から力ある存在であると、
漫画「フロムヘル」で語られています
「男」はそれを畏怖し、力の象徴としながらも
時にはそれを支配しようとし、意図的に蔑ろにしながらも
根底には恐怖に根付くものがあり、
「男」というものは「女」に対して
言い知れぬものを抱きやすいのは、
そういう部分があるからかもしれません