2009年3月26日木曜日

マヌエル

映画「傷だらけの用心棒」に登場。
 
元殺し屋。右手に黒手袋をつけてから拳銃を撃つ癖がある。
とある町で牧場主のロジャース一家が暴虐の限りを尽くしていた。
マリアの夫、ベンも彼らに殺されてしまう。マリアは復讐を誓い、
かつて愛した男、ベンの友人でもあり、元殺し屋であるマヌエルの下へ。
殺し屋家業を引退した彼にマリアは無き無しの金を報酬とするが
マヌエルは「そんなものはいらない。お前のためにやってやる」といい承諾する。
かつて愛した女マリアの願いにより、マヌエルはふたたび銃を取る。
殺されたベンの葬儀を殺した側であるロジャース一家に執り行わせること。
それが彼の果たすことだった。ロジャースの息子たちが
酒場でならず者に絡まれているのを見つけた彼は自身の早撃ちを
ロジャースの息子に見せつけるように披露し、ならず者たちを倒す。
その腕を買われて難なく、ベンの仇であるロジャースの元へ
用心棒として潜入できた。そしてその夜にロジャースの一人娘を
誘拐するマヌエル。可愛い娘を人質を取られたロジャースは
マリアの要求通り、夫の葬式に参列する。しかし牧場主に土地を
奪われたケイン兄弟が自分たちの命と金欲しさにロジャース一家の味方につき、
人質の娘を奪おうとするが、マヌエルに阻まれる。
兄弟はロジャース一家にリンチにされ、兄はもう一度チャンスを与えられるが、
弟は人質に捕られてしまう。兄はもう一度娘を奪還すべく
マヌエルを殺そうとするが、返り討ちに遭い死ぬ。
その次の日娘は解放されるが、それを知らずに業を煮やした
ロジャース一家はマリアを襲う。マヌエルは彼女の下に駆けつけるが
時既に遅く、マリアは重傷を負っていた。最期に自分を殺った
ロジャース一家のこと、マヌエルが殺し屋になって町を去ったとき
自分は捨てられたと思ってベンと結婚したことを告げ、
マヌエルに愛していると呟くと息を引き取った。
彼は復讐を誓い、ロジャース一家と決闘すべくゴーストタウンに行く。
同じ頃、ロジャース一家もマヌエルを殺そうとケインの弟と共に
ゴーストタウンへ。しらみつぶしにマヌエルを探していたが、
そこへケイン兄が馬に乗って現れる。様子がおかしいことに
気づいたロジャースたち。それはケイン兄の死体であった。
ケイン兄が奪還に失敗したとわかり、ケイン弟をリンチに処しながら
マヌエルを探すと、マヌエルが自分から姿を現す。
ロジャースたち三人はゆっくりと歩き、マヌエルは黒手袋をつけながら歩く。
そして一定の距離となったとき、彼らの歩みが止まる。
それからは一瞬であり、マヌエルの早業でロジャースたちは倒される。
手袋を外し、その場を去ろうとするマヌエル。しかしそこへ人質だった娘が銃を携えて現れ、
彼女によって彼もまた倒されるのであった…
 
ダークノワール・ウェスタン映画「傷だらけの用心棒」。
早撃ちシーンと手袋をつけるシーンが印象に残るマヌエルは
女に愛されてなくても(本当は愛していたんだが)女の為に一仕事する男。
この辺の感じが「シン・シティ」のマーヴにも繋がるあたり
「傷だらけの用心棒」はノワール作品として素晴らしいものである。
救いのないラスト、マヌエルのカッコよさの二粒が旨い映画だった。

0 件のコメント: