2009年3月23日月曜日

ロブ・ロバーツ

ドラマ「Xファイル」第142話「ハングリー」に登場。
 
本名ロバート・ロバーツ。生まれつきの突然変異で、人間の脳を
食べたい欲求に苛まれている。普段は無毛の頭に鬘を、
鋭い歯に義歯を、耳がないので偽の耳介をつけてカモフラージュしている。
深夜のハンバーガースタンド「ラッキーボーイ」を訪れた客が
変死体となって発見された。その頭蓋骨からは、脳みそが
吸い取られたように無くなっていた。モルダーとスカリーは
「ラッキーボーイ」のバッジが現場に落ちていたことから
「ラッキーボーイ」の店員たちに疑惑の目を向ける。
同じ頃、そこの店員であるロブは絶望していた。
人間になりすました彼はミュータントであり、人食いの欲求が抑えられず、
特に人間の脳みそに対する欲求が強くなっていた。
彼は空腹感を満たすため様々な努力をしていたが、
遂には殺人を犯してしまったのだ。自分が犯人だとわかるのは
時間の問題かと思われた。その日は無事に帰宅すると
同僚のダーウッドが彼の家に侵入していた。ダーウッドは犯罪歴があり、
それでスカリーに疑われていたのだ。しかしダーウッドは
ロブが犯人である確信しており、さらに証拠の品を入手してロブを脅す。
モルダーもロブを疑い、強烈なプレッシャーが彼を追い詰める。
ダーウッドを殺害し、もう二度と人を襲わないように彼は
摂食障害の会に出席するようになる。そこで女性カウンセラーの
ミンディから温かい言葉を掛けられ、心動かされるロブ。
しかし彼の欲求は治まらない。自分の家を滅茶苦茶にし、
ダーウッドが襲ってきたと嘘の証言をする。そして再度ミンディの下へ。
彼女はロブが犯人だと薄々感づいており、そんな彼を憐れんでいた。
ロブは自分の本当の姿を彼女に見せ、これでも自分に同情できるかと問う。
しかし彼女はそれでもロブを見捨てるつもりはないときっぱり言う。
そこへ駆けつけたモルダーとスカリー。二人は銃を構えるが、
ミンディは「彼を傷つけないで」と止め、彼女はロブが“良い人間”でいたいと
望んでいるのをわかっており、ロブに“良い人間”ままでいてと懇願する。
しかしロブは彼女の願いとは裏腹にわざとモルダーに襲い掛かり、撃たれてしまう。
彼女が「何故?」と問うと「これが自分だ」と告げ、息を引き取った…
 
何と言ってもあの味がたまらない。塩気があってジューシーだ。
ちょっとバターに似てる。噛んだとたん、口の中いっぱいに…
肉汁のトロリとした甘さが…フワーと広がる。そのうまさと言ったら…
我を忘れるほどだ。舌の上で転がしながら…最後の一滴まで 味わいつくす
これが…本当の…僕だから
Xファイルには数多くのミュータントが登場するのは前にも言ったが
今回紹介するロブくん。ユジーンバージルアボアレナードといった
ミュータントは欲望に忠実だったが、彼は己の欲望に苦悩する。
良い人間でありたい、良い人間でありたいと悩みながらも殺人を犯し、
それでまた苦悩する。この回はロブくんの目線から描かれており
モルダーやスカリーが悪人のように見える不思議な回。
人気のエピソードであることは言うまでもなく
ミュータントの孤独と葛藤を描いた至極の一品である。

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