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2010年3月9日火曜日

ドニー

ドラマ「Xファイル」第37話「フェチシズム
第146話「オリソン」 に登場。

本名ドナルド・ファスター。ネクロフィリアで葬儀業を勤めていたが
埋葬されたばかりの若い女性の遺体から、髪の毛や爪を
奪っていたことがバレ、解雇されてしまう。
以来、彼は自らの欲望を満たすために殺人を繰り返すことに。
連続する遺体の冒涜事件解決のためにミネアポリス署からの
要請により現地に向かったモルダーとスカリー。
異常な状況から宇宙人がこの事件に関わりがあるのではという
疑いからだったがモルダーは人間による犯行だと断定し、
いずれ犯行はエスカレートするだろうと判断する。
モルダーの予想通り、ドニーは家に連れ込んだ街娼を殺害していた。
その次に受講していた成人講座で目をつけた女性に襲い掛かるが、
逃げられてしまい、警察に拘留されてしまう。
そこへモルダーとスカリーが偶然訪れ、拘置室にいた彼は
スカリーの美しい髪に目をつけた。告訴を取り下げられて、
精神鑑定後、釈放された彼。その後、スカリーに不審な電話がかかり始める。
その頃、切断された指のマニキュアから指紋が発見され、
ドニーに容疑が固まり、モルダーはドニーの家へ乗り込むが
犯人は去った後だった。スカリーはワシントンから戻り、
空港から車で支局に向かう途中、ドニーにより拉致監禁されてしまう。
モルダーはドニーの死んだ母親のフロリダの家が怪しいと、急行すると
犯人であるドニーと囚われたスカリーを発見。スカリーを無事救出するのであった。
その後ドニーはイリノイ州の刑務所へと身柄を拘束された。
しかし数年後、あまりに罪深い罪人に自ら裁きを下すことが
神から与えられた義務だと考えているオリソン牧師により脱獄させられる。
またしても犯行を重ねるドニーに、オリソン牧師は裁きを下そうとするが、
ドニーに宿る悪魔の存在により殺されてしまう。
その後、ドニーは彼の手から逃れた唯一の女性、スカリーへと魔の手を伸ばす。
しかしモルダーとスカリーに追い詰められた彼は、スカリーにより射殺される。
皮肉にも犠牲者となるはずだったスカリーによって引導を渡されることとなった…

日常の中の恐怖は、Xファイルのどの事件にも増して恐ろしい
そんなモルダーの言葉で終わる「フェチズム」の回と
再来する悪夢と悪魔な「オリソン」の回。
事件に関わることで日常的に死に触れる機会が多いスカリーが
どうしても我慢ならない相手がドニーである。
死体愛好者であり殺人犯な彼の犯行による犠牲者の姿に
スカリーは猛烈な嫌悪感を抱き、そして自身もその毒牙に掛かりそうになり
モルダーによって助けられるも、彼女のトラウマとなる。
そして前よりも恐ろしい存在となって帰ってきたドニーを
スカリーはなんとか倒すことに成功する。お分かりのように
日常的恐怖の恐ろしさに触れる回と悪魔に憑かれた(?)男の回、
この二つのエピソードはスカリーの成長譚でもある。
悪魔に憑かれたドニーの存在はなんでも殺人事件に巻き込まれた
被害者から見た被疑者の姿は悪魔に見えるとのことで
製作スタッフがそれを擬物表現にして描いたとか。

2009年3月25日水曜日

パドック先生

ドラマ「Xファイル」第38話「呪文」に登場。
 
本名フィリス・パドック。高校の生物の教師だが、
その正体は謎に包まれている。ニューハンプシャー州の小さな町で
高校生が殺される事件が発生。黒魔術の真似事をしていた男子高校生が
目と心臓をえぐられて死んだのだ。死亡した高校生の住む町では
悪魔崇拝者が活動しているという噂がたっており、
残虐な犯行から悪魔崇拝者に殺されたと信じる地元警察は
モルダーとスカリーに協力を仰ぐ。さっそく現地にやってきたふたりは、
学内の不穏な空気を感じ取る。というのも悪魔崇拝者は
教師とPTAだったのだ。が、だからといって彼らが生徒を殺害したわけではなく、
不信感が募りはじめる。そんなとき、女性生物教師パドックが
臨時で教鞭をとることになった。パドックは殺された高校生の仲間であり、
悪魔崇拝教師の義理の娘シャノンに近付き彼女の持ち物を盗む。
そしてシャノンは謎の死を遂げた。事件は留まることを知らず、
次々と死者が出る。モルダーとスカリーは事件の被害者が皆、
悪魔崇拝や魔術に加担していることに気がつく。二人は教師とPTAたちに
捕らわれ、悪魔の生贄になりそうになる。しかし、パドックによって
悪魔崇拝者たちは自殺に追い込まれる。全ては悪魔崇拝者の仕業であると
同時に、彼らを始末していたのがパドックだとわかり
パドックの下へ向かうモルダーとスカリー。しかしパドックがいた教室は
もぬけの空で黒板に別れの言葉が記してあった
「あなたたちと一緒に仕事ができてよかったわ」…
 
コワッ!めっさコワッ!不肖、腐肉喰らい。
恐ろしさにかけては右に出るものは居ないパドック先生を忘れてしまっていた。
で、結局この人何者だったんだろう?本物の悪魔?それとも魔女

2009年3月24日火曜日

レイ・ピアース

ドラマ「Xファイル」第170話「救済」に登場。
 
本名レイモンド・ピアース。遺伝子を操作され、スマート金属という
特殊な金属に蝕まれている男。その金属は自己再生能力をもつが、
再生した箇所はスマート金属へと変わってしまう。
とある乗用車が鋼鉄の何倍もの密度をもつ物体に接触し大破した。
さらに現場には足跡があり、物体が人間だった可能性が浮上する。
乗っていた運転手は少し離れたところで、頭部に穴を開けられ死亡していた。
そして容疑者はドゲットの友人である廃棄物処理場に勤務していたレイであり
彼は数日前に死んだはずだった。しかし現場には 彼の指紋が残されており
被害者が生前彼と関わりのあった人間であることがわかる。
後に大企業ハウス・サイド社が 遺伝子に関するプロジェクトを極秘に行ったことがわかり、
それはスマート金属という特殊金属をDNAに組み込むというもので
レイはその実験台にされ、プロジェクトの関係者へ復讐していたのだ。
体が金属化していくレイは、最後の関係者である会計士のハリスを
自分の仕事場である廃棄物処理場で殺そうとするがハリスの息子が現れ、
彼に残っていた人間らしい憐れみの心からハリスを見逃し、どこかへと去った。
懸命な捜索にもかかわらずレイは見つからなかった。
その頃、一台の車が廃棄物処理場で処分される予定だった。
レイは死ぬためにそこに潜み、自分の潜む車が処分されるのを待っていた…
 
外人的には「T-1000」な話だが、私的には「鉄男」な話のこの回。
ドゲットを演じるロバート・パトリックが金属になる人間の話を聞いて
「それは映画の中の話だ」というメタな会話が笑いを誘い
また金属人間レイに人間らしい憐れみの心が残っており
自らの死を望む悲しい話でもある。

トミー・コンロン

ドラマ「Xファイル」第196話「モンスター」に登場。
 
想像力豊かな少年。その想像力によって恐ろしい怪物を生みだせる。
産休に入ったスカリーの代理としてXファイル課担当だった
レイラ・ハリソンが「これはXファイルだ」と事件を持ち込む。
彼女が偶然目を通した猫の奇妙な死骸は、自ら体をかきむしる様にして
絶命しており、さらにその猫がいた山荘に住むコンロン少年の母親が
ナイフを腹に16回も刺して自殺を遂げたことを知り、それで興味を覚えたのだ。
ドゲット、モニカ、レイラの三人でとある雪山の山荘に向かうことに。
そこでトミー少年は夜ごと謎の生物に襲われていた。
しかし彼の父親はそれをひた隠しにしていた。ドゲットたちも謎の生物を目撃し、
射殺するが生物は分裂して逃走。ドゲットたちの車がお釈迦になり、
雪山から降りることができなくなってしまった。一方スカリーは猫の解剖をし、
猫は自分の腹を噛み千切って死んでいたことから
なんらかの寄生虫が潜んでいるのかと思ったが、腹の中は空っぽだった。
猫の不可解な死に疑問を持ち、連絡のとれないドゲットたちの下へ急ぐ。
ドゲットは父親に何を隠しているのか問い詰めた。そして父親は真実を告げる。
トミーは想像力が豊かでどういうわけか想像しただけで怪物を生み出せたのだ。
今度はモニカの腹に怪物が入り込み、ドゲットは怪物に囚われ、
レイラは両目から血が流れはじめる。トミーの父親は息子を手にかけようとするが、
ドゲットに止められる。ドゲットはこれは全て幻であり、彼は幻を信じていないので
生還できたのだ。ドゲットは一計を案じ、トミーの父親やモニカとレイラを
車に残し、山荘の中へガソリンを持っていく。トミーの前でそこら中に
ガソリンを撒き火をつける。家を飲み込む炎を見て、トミーは気を失う。
それによりモニカとレイラは元に戻った。その頃、スカリーが到着し
山荘に入ると気絶したトミーをドゲットが抱えていた。
ドゲットはトミーの想像力を利用し、ガソリンタンクに入った水を撒いて
火をつけ彼に幻の炎を見させたのだ。トミーはその後、精神科の治療を
受けることになり「想像力を破壊する」治療を受けている。
トミーの父親が見舞いに行くと、そこでトミーはTV漬けになっていた…
 
「TVは想像力を奪う」という皮肉なラストを描いたこの回。
驚くべき「イドの怪物」の襲撃を描き、今回ドゲット捜査官は想像力がないゆえに
解決の糸口へ繋がるわけですが、別に褒められたことじゃないよな。

サラマンダーマン(トカゲ男)

ドラマ「Xファイル」第180話「孤立」に登場。
 
本名ハーマン・スタイツ。生物学者で、爬虫類や両生類の遺伝子を研究していた。
新たな種を創り出せると学会に発表し、自身の遺伝子を組み換えて
人間とも爬虫類とも両生類ともいえない奇妙な生物になり、人間を襲うようになる。
特殊な毒液を相手の目にかけて、一時的に目を見えなくさせれる。
モルダーはFBIを去り、スカリーは産休に入り、Xファイル課は
ドゲット一人になってしまう。産休に入ったスカリーと交代で配属されたのは
経理担当の女性捜査官レイラ・ハリソン。モルダーたちの旅費などを
精算していて、Xファイル課に興味を抱き自ら配属を志願した経歴を持つ。
ドゲットは根っからのファンである彼女をパートナーに謎の事件を追うことに。
ニューヨーク州エリコットのアーレン・サックスという男の遺体が
自宅近くの森で発見された。容疑者として挙がったのは息子である
ゲイリーだが、行方が知れない。遺体の目や家の床には粘液が付着していた。
レイラはXファイルを隅々まで読破しており、それがユジーンと同種の
ミュータントによる犯行と推測する。アーレンは生物学者スタイツ博士の
土地を管理しており、偶然にもドゲットとレイラはスタイツの館を発見する。
しかしそこは無人であり、館内の家具にシートが被せられていた。
そこで何かの気配を感じたドゲットはレイラに警戒するように呼びかけるが
彼女は何者かに連れさらわれてしまった。地面に何かが這いずった様な跡があり
それを追跡するが罠であり、彼は穴の中へと落ちてしまう。
消息を絶った二人を捜査官たちが捜索するが見つからず、
モルダーとスカリーは許可を得ずに、独自の捜査を行う。
アーレンの遺体を解剖し、現場で発見された粘液を調べた結果、
アーレンの死因は心臓発作だとわかった。更に遺体の目から
加水分解酵素が検出され、それは爬虫類がもつ毒と同じものだった。
モルダーはドゲットたちを探しに、スカリーはそのまま粘液を調べることに。
その頃ドゲットは自分が落ちたのがただの穴ではなく、
中は地下道になっていることがわかった。地下道を調査していると
何者かに何かを目に吹きかけられる。視界がだんだんボヤけていき、
ほとんど目が見えない状態になってしまった。レイラと再開するが、
彼女も目が見えない状態になっていた。その頃現場でモルダーは
スタイツ博士と出会い、他愛もない話をし別れるが
落ちていたドゲットの私物を発見し、ドゲットが近くにいることに気付く。
ドゲットたちは落ちた穴から脱出を図るがスタイツ博士に邪魔され
犯人はスタイツだと分かる。地下道で行方不明だったゲイリーを発見し、
この地下道がスタイツの館に繋がっていると確信し、二人は脱出の希望を見つける。
モルダーは張り込みを始めると、スカリーから連絡で粘液の正体が
人間の胃液の一種であり、同時に爬虫類の毒を含んだ未知の物質であるとわかる。
更にスタイツ博士が異端的な思想を持ち、学会を去っていることなど知る。
そしてモルダーは森を散策中に、奇妙な生物を発見し後を追うと
スタイツの館に入っていくのを見た。モルダーは館に踏み込むが
そこにはスタイツ博士がおり、何も異常はないと説明し館へ招かれる。
モルダーは地下室へと案内される。そこでスタイツは正体を現し、
異形の怪物となってモルダーに襲い掛かる。モルダーの銃は彼の手から離れ、
そこへドゲットが現れ銃を拾うも目が見えないために撃てず、
声がするほうに撃てとモルダーに言われモルダーはスタイツの体を
自分の前に押さえつけることができスタイツは射殺され、事件は幕を閉じた。
 
またもや役立たずなドゲット捜査官は今回も新米とコンビを組んで
穴に落ちたり目に汚ねぇ液ぶっかけられたりと散々な目に遭う。
今回の怪物であるスタイツ博士は超スピードで駆けずり回り
変な液ぶっかけたり人間に戻ったりとなんだかよくわからん。
しかし、猛然と這いずる姿はなかなかどうして凄まじい。
で、結局このスタイツさんは一体何がしたかったんだろう?

メデューサ・ウィルス

ドラマ「Xファイル」第173話「メデューサ」に登場。
 
微小なクラゲのような細菌。人間が感染すると皮膚の一部が
蛍光色に光り、最終的には細菌の放電により皮膚が焼け崩れる。
一種の生物兵器なのか未知のウィルスだったのかは不明。
ボストンの地下鉄で強盗を捕まえるために潜入捜査中だった警官が
頭部が溶けたような状態で死亡した。調査と犯人確保のため
地下鉄を全面閉鎖し特別チームが調査に向かう。
スカリーは地下鉄の坑道内へと逃げ込んだ容疑者により
被害が拡散することを防ぐため、運行停止の継続を主張するのだが、
一刻も早い運行再開を望む地下鉄警察は4時間の猶予しか与えようとしない。
両者が対立する中、ドゲットは別組織の担当者らとともに、
容疑者を追って地下鉄坑道内へと降りてゆく。
そこで発見されたものは警官と同じように死んでいる容疑者、
シートに包まれた同じような状態の遺体、蛍光色に光る海水の溜まり場だった。
これらの謎を解明しようとするドゲット率いる調査隊。
しかしいつの間にか調査隊全員が皮膚の一部が蛍光色に光り始める。
海水のサンプルやこれらの状態から調査隊全員が
未知のウィルスに感染したことがわかる。次々と調査隊が発症する中、
地下鉄再開が迫る。ドゲットはなんとか残った調査隊を引き連れ、
脱出を図るが意識を失う。その後、病院に訪れるスカリー。
ドゲットは病院で療養中だった。遺体の状態を調べたところ、
細菌がいた痕跡が全くなく細菌が放電すると死滅するとわかり、
スカリーの機転により感染者に電気療法をすることで細菌を除去できたのだ。
だが、細菌が死滅したことにより事件の証拠は全てなくなってしまった…
 
またもやドゲット捜査官が苦労する、この回。
ウィルスパニックな状態で某24時間の人みたく活躍する(嘘)
さらにウィルスに感染し、鉄道が再開しそうな危機的状況。
けどなんだかんだで今回もスカリーに助けられる。
にしてもドゲット捜査官が登場して以来、未解決のまま終わる回が増えたような気がする。

2009年3月23日月曜日

蛍光色の古代虫

ドラマ「Xファイル」第20話「」に登場。
 
自然破壊によって現代に甦ったダニのような古代の虫。
夜行性で、暗闇だと蛍光色に光る。生物の体液を求めて
人間に襲い掛かり、繭の中へ取り込む。ワシントン州の山中で
森林伐採の作業員30人が行方不明になった。
環境テロリストの仕業とみて、FBIが捜査に着手する。
モルダーとスカリーは、森林局の役人らとともに現場へと向かうが、
路上に置かれていた撒きビシでタイヤをやられ、山小屋では
発電機や無線機が破壊されており、前途多難な状況に。
森の中を調査に出かけたモルダーらは、木にぶら下がった
巨大な繭を発見。中からは体液を吸い取られ、ミイラのように
ひからびた人間の死体が出現した。そこへ環境テロリストのひとりが現れ、
自分たちの無実と、彼らもまた犠牲者であることを告げる。
過剰な森林伐採により、古木の中に閉じ込められていた
謎の昆虫が解き放たれたのだ。昆虫は昼間は無害だが、
しかし一行には足がなく、夜までに徒歩で森を抜け出すことは不可能。
深い森の奥に閉じ込められた一行の頼りは発電機のみ。
その燃料のガソリンもついに底をつく日が近づく。
遂には車を無理やり使って脱出を図るが、モルダーもスカリーも
繭に取り込まれてしまう。二人が気づくと病院に入院しており、
あの森から救出されていた。衰弱していたが命に別状はなく、事件は解決した…
(名前は私がつけた仮称です)
 
蛍光色の蟲が群がるシーンが懐かしいエピソード「」。
このエピソードの終盤において、モルダーとスカリーも
また巨大な繭に閉じこめられ一応救出されはするものの、
隔離病棟に収容されてのエンディングには驚いた。
私の記憶が正しければ初の病院行きとなったエピソードだと思うと
いかにこの「蟲」が凶悪なのかがわかる。しかも一見事件は
解決したように見えるが医者の「全て我々に任せておけ」という
言葉がなんともいえない。その「自分たちならなんとかできる」という
傲慢な考えが太古の生物の襲撃に繋がったのだから。

行者(ベガーマン)

ドラマ「Xファイル」第171話「バドラ」に登場。
 
人の体内に自由に侵入したり、相手に自分の姿を別のモノに
見えさせる“シッディの神通力”という特殊な能力を持つ。
自分の住んでいた村をアメリカの企業により滅ぼされ、復讐を行う。
ボンベイ発、ワシントン行きの飛行機を利用した巨漢のビジネスマンが
チェックインした直後のホテルで変死した。検死によれば、
全ての内臓が異常に損傷しており、死亡推定時刻はボンベイを
出発する前だという。インドで同じような事件が起きていることがわかり、
スカリーはモルダーの友人である超常現象研究家のバークス博士に会い、
インド人の行者に中には自分の姿を変えたり人の体内に潜り込むことが
できる者がいると知る。その頃、とある学校の生徒の父親が
ビジネスマンと似たような怪死を遂げた。さらにスカリーが解剖を行ったとき、
遺体の妙に膨れた腹から何か妙なものが出てきたような気配を感じた。
事件を入念に調査するスカリーとドゲット。二人は遂にインドのとある村が、
ある企業の工場から漏れたガスによって被害を被った事を知る。
犯人の魔の手は被害者の子どもにまでまで及び、犯人は少年の姿になって
子どもに襲い掛かろうとしたが、子どもの目を信じたスカリーによって撃たれる。
しかし、インドの空港では同じ行者が物乞いをしている…
 
行者を演じたのは「チャーリーとチョコレート工場」などの
ティム・バートン監督作品でお馴染みのディープ・ロイ氏。
しかしこの行者、侮りがたし。ビジネスマンの体を使って密入国、
アメリカ着いたらドンドン殺しまくる恐ろしい人物。
大人には神通力が効くが子どもの目は誤魔化せず、
スカリーによって殺されたかに見えたが、実はまだ生きているというこの回。
行者が手押し車で迫ってくるシーンが恐怖を誘う。

バット・シング(コウモリ男)

ドラマ「Xファイル」第164話「爪痕」に登場。
 
腕から腰にかけて薄いコウモリのような皮膜を持つ生物。
コウモリが進化したのか、人間が進化してこの姿になったのかは不明。
過去に同じ生物が目撃され、発見者たちに殺されており
それの敵討ちに事件の関係者を襲う。老夫婦が惨殺されるという
殺人事件が発生。遺体には噛み痕や引っかき傷があり、
現場には人間の足跡らしきものが残っていた。
地元警察が獣の犯行と主張する中、ドゲットと共に現場を訪れた
スカリーは、現場に残されていた謎の爪痕を発見する。
検死の結果、人間のものではない酵素が検出された。
それは抗凝血物質で、これはコウモリの唾液にしか含まれていないのだという。
このことから獣でも人でもないものの犯行だという可能性が浮上する。
さらに殺人事件が増える中で、ドゲットは過去のXファイルに
今回の事件とつながりを持つと思われる新聞を発見する。
そこには、コウモリの姿をした謎の半人半獣の化け物を捕獲し
射殺した被害者たちの写真が載せられていた。
全ての事件はその「コウモリ男事件」に関係する者が襲われていたのだ。
まだ殺されていないのはアニーとマイロンの兄弟二人だけであり
さっそくマイロンにアニーの居所を聞くが、彼は答えようとしなかった。
その後マイロンはコウモリ男に殺される。夜の張り込みの末、
アニーを見つけ彼を保護しようとするが夜はコウモリ男が活発になるといい
アニーの家で篭城することに。ドゲットは外へ見回りに行くが
コウモリ男に襲われて、意識を失う。家の外から妙な音が聞こえたので
スカリーが外に向かって発砲し、確認するが手応えがなく
家の中ではアニーがコウモリ男により殺されていた。
スカリーは更に発砲するが、コウモリ男は夜闇へと姿を消すのだった…
 
憎いぞ人間め!とばかりに襲い掛かるコウモリ男。
ドゲット捜査官の初仕事ながら、散々な目にあう、この回。
以降、ドゲット捜査官は常に骨折り損の草臥れ儲けな目にあうのが
通例のようになっていく。意外なことにこのコウモリ男は復讐を完遂する。
今まで「Xファイル」では色々な怪物やミュータントが登場してきたが、
その目的を果たすことが出来ず倒れていった数は多く、今回は異例中の異例といえるだろう。

ロブ・ロバーツ

ドラマ「Xファイル」第142話「ハングリー」に登場。
 
本名ロバート・ロバーツ。生まれつきの突然変異で、人間の脳を
食べたい欲求に苛まれている。普段は無毛の頭に鬘を、
鋭い歯に義歯を、耳がないので偽の耳介をつけてカモフラージュしている。
深夜のハンバーガースタンド「ラッキーボーイ」を訪れた客が
変死体となって発見された。その頭蓋骨からは、脳みそが
吸い取られたように無くなっていた。モルダーとスカリーは
「ラッキーボーイ」のバッジが現場に落ちていたことから
「ラッキーボーイ」の店員たちに疑惑の目を向ける。
同じ頃、そこの店員であるロブは絶望していた。
人間になりすました彼はミュータントであり、人食いの欲求が抑えられず、
特に人間の脳みそに対する欲求が強くなっていた。
彼は空腹感を満たすため様々な努力をしていたが、
遂には殺人を犯してしまったのだ。自分が犯人だとわかるのは
時間の問題かと思われた。その日は無事に帰宅すると
同僚のダーウッドが彼の家に侵入していた。ダーウッドは犯罪歴があり、
それでスカリーに疑われていたのだ。しかしダーウッドは
ロブが犯人である確信しており、さらに証拠の品を入手してロブを脅す。
モルダーもロブを疑い、強烈なプレッシャーが彼を追い詰める。
ダーウッドを殺害し、もう二度と人を襲わないように彼は
摂食障害の会に出席するようになる。そこで女性カウンセラーの
ミンディから温かい言葉を掛けられ、心動かされるロブ。
しかし彼の欲求は治まらない。自分の家を滅茶苦茶にし、
ダーウッドが襲ってきたと嘘の証言をする。そして再度ミンディの下へ。
彼女はロブが犯人だと薄々感づいており、そんな彼を憐れんでいた。
ロブは自分の本当の姿を彼女に見せ、これでも自分に同情できるかと問う。
しかし彼女はそれでもロブを見捨てるつもりはないときっぱり言う。
そこへ駆けつけたモルダーとスカリー。二人は銃を構えるが、
ミンディは「彼を傷つけないで」と止め、彼女はロブが“良い人間”でいたいと
望んでいるのをわかっており、ロブに“良い人間”ままでいてと懇願する。
しかしロブは彼女の願いとは裏腹にわざとモルダーに襲い掛かり、撃たれてしまう。
彼女が「何故?」と問うと「これが自分だ」と告げ、息を引き取った…
 
何と言ってもあの味がたまらない。塩気があってジューシーだ。
ちょっとバターに似てる。噛んだとたん、口の中いっぱいに…
肉汁のトロリとした甘さが…フワーと広がる。そのうまさと言ったら…
我を忘れるほどだ。舌の上で転がしながら…最後の一滴まで 味わいつくす
これが…本当の…僕だから
Xファイルには数多くのミュータントが登場するのは前にも言ったが
今回紹介するロブくん。ユジーンバージルアボアレナードといった
ミュータントは欲望に忠実だったが、彼は己の欲望に苦悩する。
良い人間でありたい、良い人間でありたいと悩みながらも殺人を犯し、
それでまた苦悩する。この回はロブくんの目線から描かれており
モルダーやスカリーが悪人のように見える不思議な回。
人気のエピソードであることは言うまでもなく
ミュータントの孤独と葛藤を描いた至極の一品である。

タルパ

第132話「スイート・ホーム」に登場。
 
チベットに伝わる偶像。特殊な力で無生物に命を与えることが出来る。
ジェーン・ゴゴラックが住宅地の住人たちを規則で従わせるために
アジアで身につけてきた能力に反応して、怪物が現れる。
サンディエゴにある新興住宅地「アルカディア・フォールス」は、
常に州内の優良住宅地トップ5に選ばれるほど環境の良い地区として知られていた。
住民は契約で厳しい規則を守ることを義務づけられ、
それによって町の美観が保たれているという。
そこの住民であるクライン夫妻が、ある晩突然失踪した。
隣人は失踪当夜に不審な点はなかったと証言する。その7ヵ月後。
空家になっていたクライン宅にロブとローラと名乗る若いピトリー夫婦が越してきた。
彼らはすぐ隣人たちとなじんだように見えたが、その正体は
「アルカディア」で相次いでいる失踪事件を調査する為に
潜入したモルダーとスカリーだった。アルカディアの住人たちは
好意的であるものの、そこの規則に異常なほど執着していた。
さらに住人の一人マイクが姿を消し、モルダーは地底生物がいると
考え始めるが消えた住人たちには繋がりがあり、
皆ゴゴラックという住人と不仲であり、規則を破っていた。
やはりゴゴラックが犯人であり、呪術を使って怪物を操っていたのだ。
モルダーは彼を捕らえスカリーの下へと向かうが、
スカリーは怪物に襲われていた。モルダーはスカリーを助けようとするが、
スカリーは実は生きていたマイクの決死の行動により助かっていた。
ゴゴラックの前に仲間であるウィンが現れ、ゴゴラックはモルダーは
すぐに怪物に始末されるだろうと告げる。しかしウィンの様子がおかしい。
その後、ゴゴラックは怪物によって八つ裂きにされる。
怪物はゴゴラックが息絶えると、土へと返っていた。
事件は解決し、アルカディアの住人は口を揃えてゴゴラックの単独犯であり
自分たちには一切関係ないと証言する…
 
集団の調和のために個人を犠牲にする、恐るべきこの回。
実際はモルダーとスカリーの超熱冷夫婦を楽しむための回であり
怪物に関してはおまけである。にしてもどういう面なのかまったくわからんなこの怪物。

アグア・マラ

ドラマ「Xファイル」第130話「アグア・マラ」に登場。
 
ハリケーンにより何処かの海からやってきた謎の海洋生物。
触手のような姿をしており、人間に寄生する。
海洋生物のため、海水がある場所に潜むが真水に弱い。
とても小さく、水道管などを伝って移動しており神出鬼没。
フロリダ州グッドランドにハリケーン・リロイが接近していた。
嵐の最中、Xファイルの創始者であるアーサー・デールズ老人は
友人のサラ・シプリーから奇妙な電話をもらい、旧知のモルダーに助けを求める。
電話の内容は夫の海洋学者ジャックが「吸盤を持った触手のようなものに
襲われている」というものだった。デールズはジャックを襲ったのは
未知の海洋生物ではないかと考えていた。モルダー、そして半信半疑のスカリーは
シプリー宅へと乗り込む。しかし家の中には誰の姿も見当たらず、
所々にねばねばした液体が付着していた。嵐で帰路を絶たれたモルダーたちは、
何物かに襲われ瀕死の副保安官を発見する。
彼の体内には未知の生物が寄生していた。捜査を進めながら、
二人はとあるコンドミニアムに避難するが、そこにはまだ何人かの住人たちが残っていた。
そんな状況下で謎の生物に襲われながらハリケーンが去るのを待つ一行。
生物の魔の手が妊婦に迫る。しかし冷静なスカリーの判断により
生物の弱点が真水だとわかり、これを撃退するのであった。
 
アグア・マラ」とはスペイン語で「悪い水」という意味で、
さらにいえば「クラゲ」の意味である。つまりこの怪物のことを
指しているわけだがだからどーしたということではない。
今回はモルダーのお父さんの友人アーサー氏が目立ち、
スカリーの冷静な判断力が事件解決に繋がる、
モルダーが怪物に歯が立たないユニークな回である。
嵐によりコンドミニアムで立ち往生し閉ざされた空間で
怪物との対決という密室劇が魅力である。にしてもチャチいなこの怪物。

2009年3月21日土曜日

レナード・ベッツ

ドラマ「Xファイル」第87話「腫瘍」に登場。
 
本名レナード・モリス・ベッツ。またはアルバート・タナー、トゥルー・ラヴ。
全身が癌細胞でできた男。そのため体の一部を失っても、
すぐに作り出すことができる。また自分丸ごとを作ることもでき、
自身の死を偽るのに利用していた。癌細胞を摂取しなけば
ならない特異体質で、他者の癌細胞を奪うべく暗躍する。
病院へ患者を輸送する途中の救急車が交通事故を起こし、
車両後部に乗っていた救急隊員と患者が死亡した。
救急隊員のレナード・ベッツは、頭部と胴体が切断された状態で見つかり、
死体は病院の救急処置室に安置された。だがその夜ベッツの遺体は消失。
後、胴体は行方不明のまま頭部だけが医療廃棄物処理場で発見された。
解剖の結果はおそるべきものだった。頭部の細胞は、通常の人間なら
生存不可能なくらい、くまなく癌に冒されていたのだ。
ベッツの指紋を調べたところ、アルバート・タナーという人物のものと一致した。
しかし母親の話では、タナーは6年前に自動車事故で死亡したという。
タナーは自分の肉体丸ごとを作り出して死を偽り、レナードとして生きていたのだ。
そしてレナードの魔の手は癌を患ったスカリーにも及ぶが、間一髪で倒されるのであった。
 
Xファイルにはミュータントがいっぱいなのが常識だが
一度死亡すると新しい人へ、同じ事を繰り返しながら生き続けていたレナード。
人類が未だ克服できないガンを克服し、あまつさえそれに依存する姿は
人類の未来の姿なのだろうか?

アイザック・ルリア(ゴーレム)

ドラマ「Xファイル」第85話「魂のない肉体」に登場。
 
ブルックリン地区ウィリアムズ・パークで、スーパーの店主が
銃で撃たれ死亡した。人種偏見による事件が多い土地柄、
被害者アイザック・ルリアがユダヤ人であること、
店内から盗まれた物が監視ビデオだけであったことから、
単純な強盗事件ではないと推測された。
二日後、ビデオと共に若者の絞殺死体が発見された。
若者はビデオに映っていた犯人の一人で、不可解なことに
死体からは既に埋葬されたはずのルリアの指紋が検出された。
犯人の目的は復讐なのか?モルダーとスカリーはルリアの妻アリエルと
その父ヤコブを訪れる。アリエルはルリアと入籍を済ませたばかりの新妻だった。
犯人の正体はアイザック・ルリアの姿をしたゴーレムであり、
妻アリエルの祈りに答えて魂が宿るのだった。
しかしそれはアイザックであってアイザックではなく、深い悲しみに
囚われるアリエル。迎えられなかった結婚式を行った後
アリエルの祈りによって元の土へと返るのだった…
 
悲しき土人形の物語「魂のない肉体」は結婚式を迎えられなかった
花嫁の祈りが土人形ゴーレムに魂を宿らせる。
けどそれは彼女の求めた夫の姿と似た別物でしかなく
彼女の祈りによって土へ戻る。あのラストシーンが物悲しかったなぁ。

テリコ

ドラマ「Xファイル」第77話「メラニン」に登場。
 
本名サミュエル・アボア。ホルモンを作り出すことができない
特異体質で人間の脳下垂体を求め、西アフリカのブルキファソから渡米してきた。
フィラデルフィアで、3ヶ月間に4人の黒人男性が失踪。
発見された遺体は髪、肌、瞳の色が脱色し、白人のようになっていた。
外傷がなく所持品も持ち去られていないことから、
CDC(防疫センター)は致死性の未知の病原体に冒され、
死亡したものと推測。専門家として意見を求められたスカリーが事件を担当、
モルダーも協力を申し出た。遺体に付着していた植物の種に
着目したモルダーは、スカリーとは別の可能性を追って捜査を開始する。
種は西アフリカのある地域にだけ生息する「アデニア・ボルカンサイ」という
特殊な植物のものだった。その植物は水を与えると急激成長し、
成長すると先端が鋭利になるのだ。犯人はこの植物を使って
脳下垂体のホルモンを取り出していたのだ。そして捜査線上に、
西アフリカから移民してきたばかりのある若者が浮かび上がった。
さらにブルキナファソの大使はアフリカの民話に伝わる
化け物「テリコ」の仕業だとモルダーに告げる。
民話によると空気の精霊であるテリコは昼は活動せず、
夜になると人を襲い、襲われた者は、全身が白色化して死んでしまうという。
モルダーは民話と現実がリンクしており、アボアが一種の特異体質のミュータントと考える。
そしてアボアがとても普通の人間では入れないような穴に
身を隠していたことから疑惑は確信に変わる。
しかし、検査上アボアには異常が見当たらず、しかもアボアは逃げ出してしまう。
次に移民局の代理人が狙われるが、間一髪でアボアを倒すことが出来た。
 
Xファイルの怪人は穴ぼこに入るのがお好きなのだろうか?
にしてもこのテリコの姿はビジュアルショックだったなぁ。
被害者もこれと似たような姿になるのも色々と嫌だったなぁ。
ホルモンを狙うといえば「レリック」の怪物なんかも
そうだけど怪物はホルモンがお好き(以下略)

プッシャー

ドラマ「Xファイル」第66話「プッシャー」第105話「狐狩り」に登場。
 
本名ロバート・パトリック・モデール。武士道を信奉する殺人犯。
相手を暗示にかけ自殺するように仕向ける特殊な能力を持っており
そこから自身を日本語で「押す者」を意味する「プッシャー」と名乗る。
能力を使うと著しく体力を消耗し、脱水症状を起こす。
とある男が自分は連続殺人事件の犯人だと警察に電話で告白してきた。
モルダーたちは彼を逮捕し、有罪を立証しようとする。
プッシャー=モデールは捜査の結果、彼の脳には腫瘍ができており、
余命いくばくもないことが判明。その腫瘍が彼に特別な能力を与えていた。
モデールはかつてFBI捜査官になる夢を抱いていたが、
それが果たせなかったため、エリート捜査官であるモルダーに
異様な対抗心を燃やしていた。彼を護送中のパトカーが自らトラックに突っ込み、
運転していた警察官は最後の力を振り絞るように
容疑者の手錠を外して逃がしてしまった。事件の数分前、犯人は
警官に意味不明な言葉を投げかけており、暗示で事故を起こさせたのだ。
モデールと対決するため、モルダーは一人で、彼のいる病院に乗り込んでいく。
そこでモルダーは「ロシアンルーレット」をすることに。
明らかに不利な状況の中、モルダーは暗示に耐え、モデールを撃つことに成功する。
その後植物状態になり、ロートン刑務所病院棟に収容されていたが脱走した。
FBIはモデール捜索の陣頭指揮を取ることを決定する。
だがスカリーはモルダーに担当を降りるように忠告した。
もしモデールが復讐を考えているならば、以前彼を逮捕したモルダーを
狙う可能性が高い。果たしてモデールから電話がかかってきた。
モデールの挑戦を受けるモルダー。やがてボウマン検察官が殺され、
現場には日本語で「狐狩り」の文字が残されていた。
しかしモルダーがモデールを追い詰めたとき、「このゲームに乗るな」と
いったことから彼が犯人ではないと疑惑を持つモルダー。
そして真犯人はモデールではなく、先の事件の被害者の妻である
ボウマン未亡人だった。彼女は二卵性双生児として生まれた
モデールの妹であり、兄に代わってモルダーたちに復讐をしようとしたのだ。
兄モデールを安楽死させた彼女は、スカリーに化けて
モルダーに本物のスカリーを殺させようと仕向けるが
モルダーが躊躇した隙に、スカリーによって射殺された。
 
やっぱり外人はブシドー!が大好きだと認識できた「プッシャー」が登場する回。
スクィーズ」のように続編が作られているあたり、Xファイルの
スタッフの気持ちが窺える。モルダーに拘る犯人ってのは
あまりいなかった分、こいつは新鮮だったなぁ。

2009年3月20日金曜日

2shy

ドラマ「Xファイル」第55話「胃液 」に登場。
 
本名バージル・インカント。イタリア文学に精通する翻訳家。
脂肪が急速に無くなっていく特異体質であり、脂肪を大量摂取するために
太った女性ばかりを狙い、ハンドルネーム“2shy”と名乗って
出会い系サイトを駆使して犠牲者を選んでいた。
クリーブランドの埠頭に放置されていた車から女性の変死体が発見された。
被害者はローレン・マッカルビーといい、死体は干からびたようになって、
全身が粘液にまみれていた。モルダーはミシシッピ州で
起きた事件との関連を疑い捜査を開始、スカリーは遺体の検死を行なおうとする。
しかし、まさに作業を始めようと死体安置所のロッカーを開けた瞬間、
骨以外の部分の組織が溶けて流れ出したのだ。スカリーはモルダーに、
遺体のゼリー状の物質からは塩酸と消化酵素が検出され、
これは胃液の成分で、通常の胃液の何倍もの濃度であり、
遺体はそれによって激しく痛んでおり、脂肪成分が著しく減少していたと告げる。
ローレンと失踪した女性達には、新聞の恋人募集欄に投稿していたという
共通点があった。そして「2shy」という人物が彼女らと接点があり、
そこから一人の翻訳家の姿が浮上した。
スカリーが標的にされたが、間一髪のところで逮捕された。
 
「Xファイル」の連続殺人モノでは「スクィーズ」が一番面白かったが、
これも捨てがたい。あっちの殺人鬼はただスカリーの肝臓を狙っただけだが、
こっちのはフェロモンムンムンにしてスカリーを“その気”にさせて狙ってくるのだから、
その点が面白かったなぁ。

超常的存在

ドラマ「Xファイル」第9話「宇宙」に登場。
 
火星の人面岩に似た“何か”。元宇宙飛行士のマーカス・ベルト中佐が
宇宙空間での船外活動中に取り憑かれた。
スペースシャトル打ち上げが土壇場で中止された2週間後、
NASAの女性職員がモルダーに接触してきた。
今回の中止には不審な点があり、次回の打ち上げにも不安がつきまとっているという。
モルダーとスカリーはヒューストンの宇宙センターに行き、
打ち上げの指揮を執るベルト中佐に会う。彼はこの女性職員が言うような
不安材料は全くないと言い切るが、前回の打ち上げはバルブに
傷が付けられていたことから発射3秒前に中止となっており、
問題はバルブに傷を付けるためには、すさまじいまでの熱量が必要となることだった。
誰も傷つけることができないものが傷ついていた。
これがXファイル課の呼び出された理由である。
スカリーは中佐が何かを知っているような予感を抱く。
かつてジェミニ8号で宇宙遊泳した際に“何か”に遭遇して以来、
中佐はその遭遇の記憶を消し去ることができずに苦しんでいたのである。
そして打ち上げの日。モルダーに依頼打ち上げを成功させて
乗組員を無事に帰還させたいと考える一方、人類の宇宙進出を阻む
何者かに操られるように中佐は妨害工作を行っていた。
今回の打ち上げもシリコンタイルを破壊し、危うく乗組員の命が
失われるところだったがその中佐のアドバイスにより、
無事に帰還することに成功した。中佐は“何か”から逃れるべく
自殺してしまい、真相は闇の中へ…
(名前は私がつけた仮称です)
 
今更ながら「Xファイル」の傑作選ならぬ私の好みな怪物でも
纏めようと思い、今回書いた次第である。
この「宇宙」はXファイル中最も酷い話だと言われているが
私はこういう曖昧とした終わり方をするものは好きだ。
この“何か”は人類の宇宙進出を邪魔するかのように
妨害工作を中佐にやらせるわけだがその目的は一切不明、
非常に不気味な存在である。

2009年2月26日木曜日

ユジーン

ドラマ「Xファイル」第3話「スクィーズ」第21話「続スクィーズ」に登場。
 
本名ユジーン・ビクター・トゥームズ。
30年ごとに人間の肝臓を五つ食べて、冬眠を繰り返す不老のミュータント。
冬眠から覚めてもその肉体は若さを保ったままであり、
若者に見えても年齢は100歳以上である。自由自在に関節を外したり、
骨の形を変えることができるため、ほとんど侵入不可能な密室であっても
換気口や狭い煙突などがあれば侵入できる。
人間の肝臓を素手で抜き取ることができ、その目は肝臓に対する欲望を
抑えきれなくなると黄色くなる。殺した相手の持ち物を記念に持ち帰る癖があり
冬眠するための巣を作って、そこで冬眠をする。
最後の犠牲者にスカリーを選ぶが、モルダーによって犯行を阻止され
病院行きとなる。しかし数ヵ月後、モルダーの必死の訴えも空しく
30年前の事件との関連性が低いとされ証拠不十分として釈放される。
その後、自分のカウンセラーを殺害。最後の肝臓を手に入れ、
ショッピングモールのエスカレーター内部に巣を作って冬眠の準備をしていた。
しかしモルダーとスカリーに発見され二人に襲い掛かるも
エスカレーターを作動させられ、ステップに体を挟まれて圧死した。
 
食人鬼ユジーン。Xファイルでは異例の「スクイーズ」「続スクイーズ」と
二話も登場するということもさることながら真っ黄色な目といい、
不気味な軟体といい恐ろしい殺人鬼である。「続スクイーズ」の胆汁で
真っ黄色な姿が今も忘れられない。

フルークマン

ドラマ「Xファイル」第26話「宿主」に登場。
 
チュルノブイリ原発事故で得られた放射性廃棄物から漏れた
放射能により突然変異したミュータント。
噛み付いてウズムシを体内に寄生させることを目的としており、
噛まれた人間は噛まれた時に死ななくても寄生したウズムシが
体を食い破ってしまい、結果的に死に至る。
霊長類と扁形動物の特徴を持っており、どちらから変異したかは不明。
下水道と汚水タンクに潜んでいた。モルダーによって倒されるが
下水道にはまだ生き残りがおり、後にタブロイド紙に
ヤツが帰ってきた!フルークマン、マーサのブドウ園に現れる」と載っている。
 
Xファイルの中で好きな話の一つがこの「宿主」で、
このフルークマンの造形が最高だ!ヌメヌメして気色悪いところが尚良い!