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2010年1月14日木曜日

チャタリー・ティース

映画「クイックシルバー/恐怖の収集家」に登場。

ゼンマイ仕掛けの歩く歯の玩具。
田舎のドライブインで売られていたもので
この種類の玩具の中では一際大きく、歯が金属でできているが
粗末な扱いで壊れてしまい、ゼンマイを巻いても動かない。
セールスマンのビル・ホーガンが息子のために買ったもので
彼はその帰り道、一人の若いヒッチハイカーを車に乗せるが
ヒッチハイカーは強盗で、ビルを殺そうとする。
ビルは機転を利かし、わざと車を横転させることで
ヒッチハイカーの魔の手から逃れようとするが
彼もまた車から出ることができなくなってしまう。
ヒッチハイカーはその間に意識を取り戻し、彼を殺そうと迫るが
その時、動かないはずのチャタリー・ティースが動き始める。
ビルは破れかぶれで玩具にヒッチハイカーを殺すよう命令する。
ヒッチハイカーは噛まれたフリをして彼を嘲笑う。
その直後、チャタリー・ティースが本当に襲い掛かり、
ヒッチハイカーの体のあらゆるところを噛みつき、
噛み切り、噛み裂き、噛み砕く。ホーガンは気を失った時には
玩具とヒッチハイカーの姿はなく、彼は車の外に出る。
そこにはヒッチハイカーの身体を砂漠へと引っ張る、
チャタリー・ティースの姿が…

スティーヴン・キング原作にて描かれる
奇妙な玩具との遭遇と別れ。
歯の玩具がかぷかぷ噛みついて、指を噛み切るシーンなど
このなんともチープな話が堪らない。
この動く歯の玩具は原作どおりといいたいところだが
原作にはこいつのなんともいえない雰囲気というか
出会った瞬間に醸し出す、只者じゃない雰囲気が少し薄い。
また原作では別れの後の再会が描かれている。

2009年11月19日木曜日

アーロン・クイックシルバー

映画「クイックシルバー/恐怖の収集家」に登場。

各地を旅する、奇妙な物語の収集家。
収集した物語を人に語る、興行師でもある。
たまたま出会った新婚夫婦に彼はこれも何かの縁だと
「ゼンマイ仕掛けの歯の玩具」、「肉体に反乱する手」の話を語り始める…

クリストファー・ロイド演じるクイックシルバー老。
これがなかなか良い味出している。どこか卑屈な笑い方が印象に残る。
ちなみに映画はスティーヴン・キングとクライヴ・バーカーの小説を
元に作られており、筆者にとっては堪らない作品である。

2009年6月24日水曜日

グリーンゴブリン・トラック

映画「地獄のデビルトラック」に登場。

アメコミ「スパイダーマン」のヴィラン、
グリーンゴブリンの顔がフロント前面についた黒いトラック。
車種は「ホワイト・ウェスタン・スター4864」。
玩具会社「ハッピー・トイズ」の玩具を運んでいる。
突如として人間に襲い掛かる。
彗星が地球に大接近。ノースカロライナ州ウエリントンの町に
次々に奇っ怪な現象が起こった。
コンピュータ、機械、車が勝手に動き、狂い出す。
やがて人間を襲い次々に追いやっていくのだ。
町はずれのドライヴ・インでも、いままさに人々を
恐怖のドン底へと叩きつけようとしていた。
20台のコンボイがいっせいに始動。周辺を不気味に進行しはじめたのだ。
居合わせた数人の人間が轢き殺されてゆく。
やがて、マシンガンを装備した軍用車がやってくる。
狂気をもったコンボイ軍団が呼びよせたのだ。
軍用車は人間を監視し、一歩でも外へ出れば、機関銃の餌食にする。
恐怖のメカニズムを前にして、一人の若者ビルが決死の脱出行を思いついた。
手に手にショット・ガン、マシンガン、バズーカ砲を持ち、
ドライヴ・インから脱出する人間たち。
生存者たちを引き連れるビル。その先には件の悪魔のトラックが。
人間対巨大トラックの闘いは、ビルのバズーカ砲の一発で決着が着く。
二日後、大型のUFOが宇宙空間で発見され、ソ連の気象衛星が破壊した。
気象衛星にミサイルが積んであったのだ…
(名前は私がつけた仮称です)

キング御大の史上最高のおバカ映画「地獄の~」。
グリーンゴブリンの顔が記憶に残るか残らないかは
さて置き、キング自身も出演しているこの一本。
キングが自身を「ケツの穴」とバカにするのは一見の価値あり?

2009年6月20日土曜日

クージョ(クジョー)

小説「クージョ」、映画「クジョー」に登場。

体重200ポンドのセントバーナード犬。
子ども好きで穏やかな性格をしており、
飼い主に忠実だったが狂犬病により、肉体と精神を蝕まれる。
その名前は「シンバイオニーズ解放軍」の主要幹部に由来する。
メイン州の海辺の町キャッスル・ロック。
ドナとヴィックのトレントン夫妻の一人息子タッドが、
夜中に押し入れにモンスターがいるとおびえる。
両親はなだめるが、タッドの恐怖心は解消されなかった。
ある日、ヴィックは車が故障したので、
妻子をつれてジョー・キャンバーの修理工場へ行く。
キャンバー家の飼犬クジョーとタッドは穏やかな一時を過ごす。
ある日、ドナは夫と息子が出かけた昼間の空虚な時間に耐えきれず、
いつしかスティーヴと浮気を重ねていた。
しかし、それも空しく感じられ、彼に別れを告げる。
妻の情事を知ったヴィックは、うつろな気持ちで
出張のためボストンに出かけていった。
クジョーはジョーの友人ゲイリーを襲ってかみ殺し、
尋ねて来たジョーも同じく惨殺する。
ドナは車がまた故障したのでタッドをつれて、ジョーのところへ行く。
途中、なんどもエンストを起こした車は、
ジョーの家の納屋の前で動かなくなってしまった。
車から出ようとしたドナに、クジョーが襲いかかった。
必死でクラクションを鳴らすが、聞こえる距離には誰もいない。
一夜が明け、朝が来た。強い陽ざしに照らされ、
熱せられた車内では、脅えたタッドが脱水症状を起こした。
ボストンから自宅に電話をしたヴィックは応答がないので、
もどってきて部屋が荒らされているのを発見する。
犯人はドナに振られたスティーヴで、腹いせにやったことを白状。
だが、ドナたちの行方は知れない。
ヴィックは思い当たる節があり、ジョーの修理工場に
パトカーを向かわせた。何も知らぬパトロール警官は
クジョーに襲われて殺されてしまうが、ドナによってクジョーは殺される…

彼は常に愛されるよい犬であろうと努力していた、
 といっても間違いはないだろう。
 彼は「男」と「女」のためなら、とりわけ「少年」のためなら、
 命令されればどんなことでもするつもりだった。
 死ねといわれれば彼らのために死ぬこともいとわなかった。
 彼は誰かを殺したいなどとは一度も思ったことがなかった。
 ただ、何かが、おそらくは運命が、あるいは狂犬病と呼ばれる
 変性神経疾患が彼を襲ったのだった。
 人を殺したのは彼の意思ではなかった。


映画とは雲泥の差とは言わないが
小説の方がクジョーの心理描写を描いて面白い「クージョ」。
クジョーが心ならずも飼い主や気の良い人々に
牙を向ける姿はとても悲劇的であり、
小説ラストにおける、「人を殺したのは彼の意思ではなかった」の一文に
筆者、感動を禁じえない。

2009年6月15日月曜日

マングラー

映画「マングラー」に登場。

正式名称「ハドレー・ワトソン式高速仕上げ・折りたたみ機六型」。
巨大な洗濯用プレス機。処女の血により邪悪な魂が宿り、人間を餌食にする。
アメリカ、ニューイングランドはライカーズバレー。
この小さな町の主要産業は時代遅れの巨大マングル(洗濯用プレス機)が
鎮座するブルーリボン・ランドリー社のみ。
町の実力者にして社長のウィリアム・ガートレーは老齢の上両足が不具。
にもかかわらず、今なお会社を独裁、大半が女性である社員には
暴君として振る舞い、リン・スーという愛人までいた。
そんなある日、作業員の一人ガートレーの姪シェリーが
運搬中の製氷機にぶつかり怪我をする。マングルにしたたる血。
これをきっかけに、非情停止装置が働かず
マングルに作業員が引き込まれ、圧死する原因不明の事故が起こる。
事件を担当するハントン刑事は隣人で義弟でもある
オカルト狂のジャクソンも巻き込み、捜査を続けるうち、
あの日ランドリーから運ばれた製氷機が子供を窒息死させたことを知る。
怪現象に混乱し、製氷機に斧をふるったハントンは
居合わせた老カメラマンとともに、それから怪光が発するのを目撃する。
死期間近だった老カメラマンはハントンに驚くべき事実を遺言に残して死ぬ。
町の近隣の多くの処女たちが16歳の誕生日に失踪しており、
その中には件のガートレー社長の実の娘もいたのだ。
事件の謎を解くためハントンはジャクソンとガートレーの下へ押しかける。
何とガートレーは事業の成功のため、悪魔と取引、
おのれの足ばかりか実の娘まで生贄にささげ、悪魔の魂を持つ
マングルを造り上げたのだった。ガートレーは16歳の誕生日を
迎えたシェリーを生贄に捧げようとするがハントンらに阻まれ、
代わりに自分がマングルに呑み込まれる。
ジャクソンはマングルの悪魔払いをはじめるが果たせず、
突如として床から剥がれ上がり生命を持って動きはじめた
マングルに惨殺され、ハントンとシェリーはからくも逃げのびる。
マングルは外へは出なかった。数週間後。
何事もなかったかのようにマングルが稼働するブルーリボン・ランドリー。
指揮をとるのは悪魔と取引したシェリーだった…

トビー・フーパー先生の素晴らしい映画「マングラー」。
このマングラー。ラストになると
目やら腕やらが生えたりするんだが
そのデザインが、もう奇天烈で、
素晴らしいセンスだとしかいいようがない。
珍作、怪作、名作である。

2009年4月6日月曜日

オリー・ウィークス

映画「ミスト」に登場。
 
スーパーマーケットの副店長。 デイヴィッド・ドレイトンの友人。
射撃の名手で、過去に射撃大会で優勝を飾っている。
霧に包まれたマーケットの外の世界の異常性を デイヴィッドに次いで
いち早く知り、事態の深刻さを重く考える。 常にデイヴィッドを支え、
正確な射撃で怪物相手にも善戦する。 マーケットから脱出し、
車への道を確保することができたが直後、 怪物により頭から喰い千切られた。
その後も、彼の使っていた拳銃が、 生存者たちの運命を分けることになる…
 
今回の惜しい人はオリーだ!
ただのマーケットの副店長のようだが、実は射撃の名手。
要所要所で活躍、観客たちは彼の健気だが頼もしさに
一度は本作の救いのようなものを感じただろう。
しかし後一歩及ばず、パニック映画のお決まり「油断」により
頭からパックンチョという見るも無残な目にあってしまう。
まぁただの副店長がよくギリギリまでがんばったよと褒めたい。

2009年4月3日金曜日

ミスト・ベヒモス

映画「ミスト」に登場。
 
霧の中から現われた生物。
山のような巨体であり、その全貌はほとんどわからない。
その巨大な脚は電柱よりも大きく、広大な背の周りには
無数の触手が蠢き、それに囲われるように巨大な顔がある。
また背には数羽の鳥のような生物が飛行している。
マーケットから脱出したデイヴィッドたちの前を悠然と歩いていた。
霧の中から現われた生物は「アローヘッド計画」という
軍の極秘実験が関わりがあるといわれ、軍事技術の粋を
集めた壮大な実験だったらしい。その内容は「異世界」を
覗き込むため異世界への扉を開けるというもの。
何らかの軍事目的のためらしいが詳細は不明。
霧や生物が現われたのは、実験が失敗し扉から
覗き見るだけだったのが扉が閉まらず(または開けすぎた)、
異世界のモノを招いてしまった所為と思われる…
(名前は私がつけた仮称です)
 
珍妙奇天烈怪物襲撃映画「ミスト」。
ラスト近くを飾るのがこの巨大な生物。
まさに動く山ともいえるこの生物。
こんなモンが出てきたときには、無常感にとっぷり浸かり
ああ、世界は終わったんだ…」と感じてしまうこと請け合いである。
まぁ結局は、主人公はそれ以上の地獄を味わうのだが…

ミスト・マンティス

映画「ミスト」に登場。
 
霧の中から現われた生物。
その姿は蟷螂に似ていなくもないが、ロブスターのようにも思える。
車よりも大きく、霧に隠れていてその実体はわからない。
6本脚で歩き、鎌のように見える鋏で対象を捕らえ、捕食する。
事の真相の一部を掴んだマーケット内の人々は、
責任を負えとウェイン・ジェサップ二等兵を生贄として差出し、
マーケットの外へ放り出した。ジェサップの悲痛な叫びは無視され、
青年はこの生物に喰われた。この異様な状況を打開すべく、
デイヴィッド・ドレイトンを含めた8人は銃を持った
マーケット店員オリー・ウィークスを先頭に、マーケットの外へと脱出する。
オリーが車までの道を確保し、喜色満面に油断したところを
生物が背後から襲撃し、強靭な鋏で捕らえられたオリーは、
生物に貪り食われることとなった…
(名前は私がつけた仮称です)
 
巨大生物の前座であるこの中位の生物。
最後までこの生物がどんな姿をしているのかはわからなかった。
(この後の巨大生物もよくわからんかったが)
原作ではロブスターのような生物らしいが、
映画ではこのように蟷螂のように見えるモノへと変わった。
ゆったりと歩き、その前脚である鎌(もとい鋏)で
相手を捕らえる姿は「ミスト」内の死神といえるだろう。

ミスト・スパイダー

映画「ミスト」に登場。

霧の中から現われた、蜘蛛のような生物。
サイズは中型犬ぐらから小型犬ぐらいと区々である。
蜘蛛とよく似ているが耳障りな叫び声を上げ、
人間の口と似ている顎を持つなど、従来の蜘蛛とは全く違う。
酸性の糸を剛毛の生えた腹部から噴き出す。
群れを成し、獲物を糸で絡みとり捕食するが、
それとは別に幼生を育てるために捕獲し、生きたまま
数百もの卵を寄生させ、幼生の温床にする。
マーケットにいた人々の何人かは脱出の第一歩として、
重度の火傷を負った青年ジョーを救うべく、近くの薬局で抗生物質を探し、
さらに生存者がいるかどうか調べようとする。しかし、たどり着いた薬局は
蜘蛛のような生物によって、恐ろしい魔窟と化していた。
生存者はいないと思われたが、MPのチャールズが糸に絡み取られていた。
抗生物質も見つけ、MPも助けようとするが、彼の様子がおかしい。
始終「俺たちの所為だ」といいながら体が不自然に蠢きだし、
彼の体から無数の蜘蛛のような生物の幼生が飛び出してきた。
それと同時にどこからともなく蜘蛛のような生物が現われ、
彼らに襲い掛かり、結局、薬局に行った人々のうち
ジョーの弟ボビーを含め二人が犠牲になった。
さらにジョーは治療の甲斐なく、息を引き取る。
マーケット内は不穏な空気に包まれ、カーモディの信者が増え続け、
さらにおぞましい生贄により犠牲者が出た。
ついに業を煮やしたデイヴィッドのグループは
カーモディに阻まれながらも、マーケットの外へと脱出を図るが、
群れとなって現われた蜘蛛に似た生物により脱出の鍵である車まで
生き残れたのはデイヴィッドを含め五人だけだった…
(名前は私がつけた仮称です)

「ミスト」の中では一番グロテスクだと思われるのが
この蜘蛛のような生物。人間の顔に似た頭を持ち、
醜い体に生えた剛毛、おぞましい限りである。

2009年4月2日木曜日

ミスト・プテロダクティル

映画「ミスト」に登場。
 
霧の中から現われた鳥のような生物。
毛のない猛禽とも太古の翼竜ともいえる姿をしている。
昆虫のような生物を常食し、これを追いかけてマーケットに襲来する。
四つの翼を使って飛行し、嘴や鋭い爪で対象を捕らえる。
非常に貪欲で狙った獲物にだけ集中し、周りの状況を気にせずに追い続ける。
マーケットの光に集まってガラスに張り付いていた昆虫のような生物を狙って襲来。
ガラスにヒビが入るほどの力で激突しながら昆虫のような生物を捕食し、
遂にはガラスを破り、侵入した数匹の昆虫のような生物を追いかけて2羽が侵入し、
1羽は最終的に昆虫のような生物を捕食し、もう1羽は昆虫のような生物を殺すのに
夢中なトム・スモーリーを背後から襲撃し、首の肉を喰い千切った。
トムを襲った1羽は炎に焼かれた上に、モップで叩き殺され、
昆虫のような生物を捕食した1羽はデイヴィッドの息子ビリーを襲おうとし、
マーケットの副店長であるオリー・ウィークスに銃で射殺された。
(名前は私がつけた仮称です)
 
霧の中から…映画「ミスト」。この鳥のような化物が登場するシーンが、
本作品の一つの見せ場ともいえるだろう。何人かはこれを倒そうとするが、
多くは逃げ回り、また倒す側もドジを踏んだり、殺されたりとこのシーンだけでも
パニック映画としては素晴らしい出来であるといえる。

ミスト・インセクト

映画「ミスト」に登場。
 
霧の中から現われた昆虫のような生物。
光に集まる習性があり、マーケットのガラスに張り付いていた。
この生物が集まると、それを捕食する鳥のような生物も現われる。
尾はサソリのように針があり、刺されると患部が異常に腫れ上がり、
なんらかの病原菌(または毒)に冒される。
これに首筋を刺されたマーケット店員のサリーは何の施しようもなく死亡した。
光に集まり、マーケットのガラスに張り付いていたところを
鳥のような生物に襲われ、そのときガラスの一部が割れてしまい、
数匹の虫のような生物がマーケット内に侵入し、
それを追いかけて鳥のような生物二体もマーケット内に侵入する。
サリーを襲い、ユダヤ教信者ミセス・カーモディにも襲い掛かるが、
何故か刺さなかった。二匹は教師アマンダ・ダンフリーやトム・スモーリーにより
モップで叩き落された上に踏み潰され、もう一匹は侵入してきた
鳥のような生物から逃げ切れず、捕食された。
(名前は私がつけた仮称です)
 
怪獣がいっぱい映画「ミスト」。この昆虫のような生物は
刺してくること以外は然したる問題(十分問題ありだが)はないが
これに付随するものが恐ろしい。まず、鳥のような生物。
これは具体的で姿形のある恐怖だが、もう一つは刺されなかった
一人だけのユダヤ教信者ミセス・カーモディに神のご加護を受けているという
印象を強めさせたことだ。これによりカーモディは神様からの
御墨付きをもらったようなものでそれを見た人々の何人かは
彼女の傘下に入ることになり、これがカーモディが
恐ろしい狂信者としての面を露わにさせる原因となったのだ。
原作とデザインが少し違いがあり、原作はナメクジに翅が
生えたような姿でかなりグロテスクな姿をしている。

ミスト・テンタクルズ

映画「ミスト」に登場。
 
霧の中から現われた触手。ノーム曰く「奴らは大勢いる」。
触手自体が生物なのか、霧の中に本体があるのかは不明。
霧によってマーケットから出ることができなくなった客や店員たち。
倉庫にある発電機が猛烈な悪臭を放って倉庫中を悪臭で満たしてしまい
一旦発電機を止めて、マーケットの店員である青年ノームが
シャッターを上げて、換気しようとしたところを襲い掛かる。
通常は肉太で丸みのある姿をしているが、獲物を捕らえるときになると
丸みのある部分が開いて平べったい状態になり、
中に収納されている無数の吸盤を露わにする。
これを開閉することで相手を捕らえ、また肉が開いた状態の
触手の周りには棘の様なものが生えており、より対象を
捕獲しやすいようになっている。倉庫内に侵入し、手当たり次第に
倉庫にあるものを霧の中へ引きずり込み、ノームも霧の中へ引きずり込まれた。
シャッターが閉められるとわかると霧の中へ退却し、
そのときデヴィッド・ドレイトンにより先端部分を切断され、
マーケットにいる人々に外は危険だと認識させる証拠となる。
その先端部分はモップで突かれると反応し、その後融解した。
(名前は私がつけた仮称です)
 
スティーヴン・キング御大原作作品「ミスト」。
それに登場する触手だが、霧の中から突如として現われ、
吸盤で肉を引き千切るシーンにはなんとも凄まじい。
このほかにも『ミスト』にはオドロオドロしい怪物たちが色々出てくるので、
怪獣ファンにはたまらない作品である。

2009年2月18日水曜日

タック

映画、小説「デスペレーション」、小説「レギュレイターズ」に登場。
 
ネバダ州のデスペレーションという鉱山町に潜む謎の存在。
過去デスペレーションでは19世紀に落盤事故で数十人が生き埋めになった、
「ラトルスネーク・ナンバー1」という古い坑道があり、つい最近それが発見されたばかり。
しかし、そこは邪悪な存在「タック」の根城だったのだ。
そもそも落盤事故の原因は、坑夫たちが「タック」の持ち物である
魅惑する偶像「キャン・タ」を掘り出してしまったことによるものであったのだ。
「タック」は自分の根城からほとんど出ることは出来ず、霧ともガスともいえない奇妙な姿をしている。
しかし獣や人間を容器にして地上に現れることができ、同時に自身の禍々しい能力で獣を自在に操ることができる。
「タック」は太古から存在し、その存在理由は自身の絶えない殺戮欲を満たすためである。
そのために自身に合った人間の体を必要としており、自身に合った体を乗っ取らないと
乗っ取った体は次第に使い物にならないほど腐り果ててしまうのだ。
ある時はデスペレーションの警官コリー・エントラジアンに乗り移り
町の人々を全員殺害、次々に旅行者や町に来たものを拉致監禁し、
自身に合った肉体を探した。またある時は、たまたまデスペレーションへ立ち寄った
自閉症の少年セス・ガーリンがちょうど自分に合う肉体だったことを良い事に
その体を乗っ取り、自身の力を蓄えた。その後、オハイオ州の田舎のポプラストリートという
閑静な住宅街の夏のある日。セスが好んでいた子ども向けのSF番組や
西部劇の登場人物を実体化させ、住宅街を無差別に銃撃する事件を起こす。
更にはポプラストリートそのものを砂漠地帯に変えるという
幻想が現実を侵食させる奇怪な現象を巻き起こした。
 
スティーヴン・キングの十八番「純粋な悪の存在」と
それに抗う人間の戦いを描いた「デスペレーション」「レギュレイターズ」。
筆者は両作とともに大好きでありなんといってもどこまでもしぶとく
人々を絶望へと追い込む謎の存在である「タック」にはとても興味を引かれた。
やはり悪役はこうでなくっちゃ、というまさに王道的な悪の存在故に親しむが湧くのでしょう。
そして今回は「タック」を「タック」たらしめる道具「キャン・タ」も紹介。
キャン・タ
人間と謂わず、ありとあらゆる生き物を魅惑する魔性の偶像。
動物の形をしており、その姿は見る者によって様々な印象を与え誘惑する。
太古の昔「タック」が作った(?)と思われる。
「タック」によれば昔はかなりの数を所有していたようだが、
今は手で数えられるほどの数にまで激減した。
形は様々であり、主にハゲタカ、コヨーテ、蛇、蜘蛛などの
荒涼とした大地に棲む生き物をモチーフにしている。

2009年2月17日火曜日

IT(イット、ペニーワイズ、それ、あいつ)

映画、小説「IT/イット」に登場。
 
子どもたちを次々と手に掛ける不気味なピエロ。
その正体は相手の恐怖心を覚える姿に擬態する超自然的な存在。
人のトラウマにつけこみ、それを栄養にしている。
特定の人物にしか姿を見せず(姿が見えない)、物体を自在に操る、
血を含んだ風船を飛ばすなど人を恐怖させるために何でもする。
1990年のメイン州デリーで、子供だけを狙った連続殺人事件が発生する。
デリーに住んでいたマイクは、一連の事件が自分の子ども時代に
仲間と一緒に撃退したIT(イット、それ)と呼んでいた
奇怪なピエロ・ペニーワイズの仕業であると確信する。
マイクはかつての仲間との約束「あいつ=ITがまた現れたときはみんなデリーに集まる」を思い出し
30年ぶりに仲間と再会することになる…
 
問答無用。その圧倒的な存在感で何もかもが説明される恐るべき存在!

2009年2月16日月曜日

ブラック・ブロブ(黒い何か、または油膜、奇怪な物体)

映画「クリープショー2 怨霊」第二話「筏(いかだ)」に登場。
 
四人の学生が、人里離れた湖へ泳ぎにやってきた。
四人はさっそく泳ぎ始めるが、そこへ謎のタール状の黒い物体が現れる。
油膜や廃液のようだが厚みがあり、ゴミの集積物にも見える“何か”。
一人が危険を感じ、湖の真ん中に浮かぶ小さな筏に皆を乗せる。
“何か”は筏の周りをグルグルと周る。
女子学生が興味本位で“何か”に触れると、突如として“何か”は
彼女の体に巻きつき、彼女を湖へと引きずり込む。
“何か”は液状の生命体であり、明確な知能と攻撃の意思を持っていた。
そして“何か”は間違いなく食べるために襲い掛かっているのだ。
三人は筏に身を寄せ合い、それの攻撃から逃れようとする。
しかし男子学生の一人が筏の小さな切れ目に気づかず、
その小さな割れ目から“何か”は襲い掛かる。
男子学生を助けようとするが、瞬く間に足は割れ目に引きずり込まれ
彼の体が嫌な音を立てながら、全て“何か”に喰われてしまった。
疲労困憊の状態の中、“何か”は食べるごとに大きくなっていた。
そして疲労困憊したところを突いて、もう一人の女子学生が喰われてしまう。
最後に残った男子学生は、彼女が喰われている間に岸へとたどり着く。
安心したのも束の間、“何か”は岸にいる学生に向かって
黒い波のように飛び掛るのだった…
 
いやー、スンバらしい!個人的に一二を争うキング原作の作品なんだが
オチは変えてあるものの、黒い物体の映像表現が
まっこと原作に準拠していることに筆者感動を禁じえない!

2009年2月15日日曜日

ジュディ・ヴェレル

映画「クリープショー」第二話「ジュディ・ヴェレルの孤独な死」に登場。
 
しがない農夫。自分の庭に限石が落下し、それを発見したジュディ。
隕石を売って金儲けをしようと考え、隕石に手を触れると火傷してしまう。
冷やすため水をかけると限石は2つに割れ、中から緑色の粘液が滲み出る。
彼は残念そうに、割れた隕石を家に持ち帰る。
数時間後、ジュディの火傷した指先から植物が生え、全身をゆっくりと覆い始める。
やがて庭中を宇宙植物が覆い尽くした頃、彼自身も植物人間になってしまう…
 
2度と人間へは戻れなかった…。
動物と植物の中間の生命体となり永遠に自分の家から動けないのだ。
そして死にたいと思っても死ねないので―そのうちジュディ・ヴェレルは考えるのをやめた。
 
ネタはさておき、我が崇高なるスティーヴン・キング御大が
自身の脚本で尚且つ主演の本作。
本作が御大のファンだけではなく、HPLファンからも
概ね良好な評価を得られている。「〜孤独な死」なんて書かれているが
それほど孤独ではない(むしろ笑える)のでおススメだ。

2009年1月14日水曜日

ペット・セメタリー

小説「ペット・セマタリー」、映画「ペット・セメタリー」シリーズに登場。
 
死んだ愛すべきペットたちを葬る場所。だが、ここは過去に先住民族の遺跡があり
彼らにとって神聖な場所として崇められていたことがある。
彼らが信仰したものは語ることも出来ない、何か途方も無いものらしく
死者蘇生や一説によると氷を司るウェンディゴに関するものとも言われている。
先住民族たちはウェンディゴに出会うことを恐れており、ウェンディゴに関わったものは
ウェンディゴの化身となり、人を襲うと考えられていた。
何らかの原因で先住民族が姿を消し、以後誰もこの地に近寄るものは
いなくなったが時々ここを訪れる希有な者の多くは、何か途轍もなく大きなものが
歩く音が聞こえる、何か言い知れぬ者の視線を感じる、何か大きなものを見た(感じた)と言う。
ここに埋めた死せる者は全てが蘇り、埋めた者の前に訪れる。
だが、大抵帰ってきたものは生前の者とは似ても似つかぬ言動や行動をとり
(目つきが違う、破廉恥な戯言を喋るなど、凶暴な人格になる)
全く違う精神を持つ通称「性悪な者」として、人々に害を為す存在となる。
(名前の意味はペット用墓地)
 
あなたは愛する人を生き返らせたいですか?
例え愛する人が全く違う存在になっても?という途轍もないことを迫られる
暗い映画「ペット・セメタリー」。S・キングの小説or映画として
なかなかな出来栄えであり、ペット・セメタリーに関わる人の悲劇を描いたものだが、
この墓に関わるものは必ず破滅に至るという
謂わば米版「笑ゥせぇるすまん」みたいな場所なわけだが如何せん、
映画版には小説版の不気味さが足りん。それ以外はバツグンなんだが。