2009年2月18日水曜日

タック

映画、小説「デスペレーション」、小説「レギュレイターズ」に登場。
 
ネバダ州のデスペレーションという鉱山町に潜む謎の存在。
過去デスペレーションでは19世紀に落盤事故で数十人が生き埋めになった、
「ラトルスネーク・ナンバー1」という古い坑道があり、つい最近それが発見されたばかり。
しかし、そこは邪悪な存在「タック」の根城だったのだ。
そもそも落盤事故の原因は、坑夫たちが「タック」の持ち物である
魅惑する偶像「キャン・タ」を掘り出してしまったことによるものであったのだ。
「タック」は自分の根城からほとんど出ることは出来ず、霧ともガスともいえない奇妙な姿をしている。
しかし獣や人間を容器にして地上に現れることができ、同時に自身の禍々しい能力で獣を自在に操ることができる。
「タック」は太古から存在し、その存在理由は自身の絶えない殺戮欲を満たすためである。
そのために自身に合った人間の体を必要としており、自身に合った体を乗っ取らないと
乗っ取った体は次第に使い物にならないほど腐り果ててしまうのだ。
ある時はデスペレーションの警官コリー・エントラジアンに乗り移り
町の人々を全員殺害、次々に旅行者や町に来たものを拉致監禁し、
自身に合った肉体を探した。またある時は、たまたまデスペレーションへ立ち寄った
自閉症の少年セス・ガーリンがちょうど自分に合う肉体だったことを良い事に
その体を乗っ取り、自身の力を蓄えた。その後、オハイオ州の田舎のポプラストリートという
閑静な住宅街の夏のある日。セスが好んでいた子ども向けのSF番組や
西部劇の登場人物を実体化させ、住宅街を無差別に銃撃する事件を起こす。
更にはポプラストリートそのものを砂漠地帯に変えるという
幻想が現実を侵食させる奇怪な現象を巻き起こした。
 
スティーヴン・キングの十八番「純粋な悪の存在」と
それに抗う人間の戦いを描いた「デスペレーション」「レギュレイターズ」。
筆者は両作とともに大好きでありなんといってもどこまでもしぶとく
人々を絶望へと追い込む謎の存在である「タック」にはとても興味を引かれた。
やはり悪役はこうでなくっちゃ、というまさに王道的な悪の存在故に親しむが湧くのでしょう。
そして今回は「タック」を「タック」たらしめる道具「キャン・タ」も紹介。
キャン・タ
人間と謂わず、ありとあらゆる生き物を魅惑する魔性の偶像。
動物の形をしており、その姿は見る者によって様々な印象を与え誘惑する。
太古の昔「タック」が作った(?)と思われる。
「タック」によれば昔はかなりの数を所有していたようだが、
今は手で数えられるほどの数にまで激減した。
形は様々であり、主にハゲタカ、コヨーテ、蛇、蜘蛛などの
荒涼とした大地に棲む生き物をモチーフにしている。

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