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2015年11月30日月曜日

カーンズ(Khans)

ゲーム「Fallout」「Fallout 2」「Fallout:New vegas」に登場。

モンゴル風レイダーの集団。当初はカーンズと名乗っていたが、後にニュー・カーンズに変わり、
現在の名称はグレート・カーンズになっているが、基本的にはカーンズの通称で通っている。
現在、西部のレッドロックキャニオンを拠点にしている。
現存する部族の中でもかなり古い歴史を持ち、暴力的な集団とされているが
実態はヒッピーとアウトローの集団と言った方が適切で、閉鎖的で他勢力を積極的に襲う事は無い。
加入の際には厳しい試練を受けねばならないが、その為もあって各員の戦闘力及びメンバー同士の絆は強い。
その絆はお互いの事を「家族」と呼び合う、仲間の弔い合戦を行う、受けた恩は必ず返す、
決して仲間を見捨てないなどレイダーの中でも倫理を重んじ、掟に従って行動する社会規範を持っている。
エンブレムが入った革のベストを着ており、特殊な格闘術を使う。
ただしこれは現在のグレート・カーンズにいえることであり、新カリフォルニア共和国がない時代では
一つの町を食い物にする、典型的なレイダーだった。
彼らの起源はVault15の住人たちであり、Vaultには異なる信条を持つ人々がいれられており、
後に4つの派閥へと別れることになる。
2097年の春にVault15は開かれ、住人たちは地上へ進出した。
4つの派閥の内、3つはレイダーとなった。その内の一つがカーンズだった。
残り一つの派閥は独自に平和な村を築いたが、その後、皮肉にも同じ先祖を持つ人々から
襲撃されるようになった。2141年の冬に結成されたカーンズは当初、冬の厳しさによる
食糧難からまとまったものだったが、Vault15の元住人あってか
他のレイダーと違い、比較的文化的な生き方をしていた。
彼らの部族名もモンゴル人のチンギス・カーンに由来し、遊牧民的な生き方と
モンゴル帝国のような存在を目指したものだった。
2161年にガルという男が、リーダーだった父を殺してリーダーに収まった。
この残忍な男は仲間を率いて同じVault15の元住人たちが作った村シェイディ・サンズを定期的に襲撃し、
奴隷にすべく誘拐や強盗殺人を繰り返した。また通りすがりの商人への略奪や殺人も行っていた。
だが村のリーダーであるアラデシュの娘タンディを誘拐したのは間違いだった。
たまたま村を訪れた「Vaultの住人」が救出に乗り出し、ガルとその仲間たちはほとんどが皆殺しにされた。
このとき唯一生き延びたのはダリオンという男だけだった。後に彼が第2世代のカーンズの指導者となる。
しかしダリオンが作った、ニュー・カーンズの歴史は長くは続かなかった。
ダリオンは仲間を皆殺しにされて以来、精神を病んでおり、「Vaultの住人」とタンディへの復讐を目論んだ。
当初は生き延びるためにひっそりと暮らしていたが、自分だけ生き残ったことへの罪悪感、
年を重ねる事に被害妄想と強迫観念に駆られた。80年後、人員を集めることだけに時間を割いたダリオンは
遂にニュー・カーンズを結成した。そして新カリフォルニア共和国(NCR)の大統領になったタンディと
「Vaultの住人」への妄執から、より具体的な行動へと移るようになる。
まずNCR議会にファーガスというスパイを置いた。この男は会議内容を報告する役目を担った。
さらにカーンズはNCRやキャラバンを襲うことで水や食料を得て、NCR領内の不法占拠者たちをへと供給した。
不法占拠者たちは見返りにカーンズの住処であるVault15などのアジトを隠蔽した。
そしてNCRが疲弊していく様を見続けるために、高齢のダリオンは誘拐した医師ジョーンズに看護されながら
復讐が完了されるのを待った。しかし運命は皮肉なことに、彼に二度目の悪夢を齎す。
NCR領内の不穏な動きの調査を依頼されて、「選ばれし者」と呼ばれる人物が現れた。
この人物こそ、ダリオンの昔の仲間を殺した「Vaultの住人」の孫であった。
2241年、ニュー・カーンズが結成した年にリーダーであるダリオンは「選ばれし者」によって殺害され、
リーダーを失ったニュー・カーンズもまた、事態解決に動いたNCRにより壊滅させられた。
だが、またしても生き残りはいた。彼らは散り散りになってしまったが時間をかけて力を蓄えた。
自らの生き方を変えることをせず、部族名をグレート・カーンズに改め、
NCRや周辺の人々への襲撃を始め、複数の部落を持つに至った。
新リーダーのパパ・カーン率いるグレート・カーンズは2267年に結成され、
NCR領から離れたモハビ・ウェイストランドに拠点を置いた。
そこで彼らはNCRとは違う、新たな街と勢力に遭遇する。
謎の人物Mr.ハウスと彼の管理するニューベガス・ストリップ地区。
Mr.ハウスは自らの所有する旧時代の技術と文化を提供することを条件に
ニューベガス地区周辺のレイダー三部族を纏め上げ、かつてのラスベガスと同様の街を作り上げようとしていた。
グレート・カーンズもまたMr.ハウスから声をかけられた。
しかしカーンズはすでに得ていた自分たちの土地の権利を主張し、Mr.ハウスからの施しを拒否した。
2274年、カーンズはMr.ハウス率いる三部族によって住んでいた土地を強制的に追い払われた。
それから新たにビタースプリングスに居を構え、いつも通り旅人や村への略奪を行った。
そこへどういうわけかNCRの軍勢が現れた。カーンズがNCR領から離れた後、
NCRは急速にその領土を広げるべく進軍を開始、モハビにもその範囲を広げていた。
NCR軍がMr.ハウスと出会うのは必然と言えるだろう。ここで両陣営はニューベガス条約を締結。
こうしてNCRとMr.ハウスの形だけの同盟が結ばれた。
そしてニューベガス地区の周辺地域にNCRの前哨基地が作られ始めたのだ。
これに対してカーンズはNCRが自分たちの土地を侵略したと感じ、NCR市民や前哨基地を襲撃するようになった。
NCRはこの襲撃者たちに対抗すべく主要拠点を叩こうとした。
2278年。両陣営に深い禍根を残す事件、ビタースプリングスの虐殺が起きる。
事件は、NCR軍はビタースプリングスを静かに包囲したことから始まった。
ビタースプリングスのカーンズは戦闘員のみで、これを徹底的に叩くことで
勢力の弱体化とNCRの武力を知らしめるのが狙いだった。
そのため当時、NCR軍でエリートとされる第一偵察隊も作戦に加わっていた。
だが戦闘員の情報は誤報であり、女子供や老人、怪我人といった非戦闘員しか
ビタースプリングスにはいなかったのだ。誤報であるのが伝わる前に、
NCRの包囲に気づいたカーンズの人々は逃げだそうとした。
当時の指揮官ギレス少佐はこれを戦闘の意思ありと判断。カーンズへの一斉攻撃を開始。
結果、非戦闘員への一方的な攻撃が行われ、誤報が伝わったときにはすでに多くの死傷者を出していた。
この事件は陣営を問わず、その場にいた多くの人に深い心の傷を与えることとなった。
皮肉にも同行していた第一偵察隊の冷静な判断により、一部のカーンズは生き延びた。
カーンズは人目のつかない不毛の地レッドロックキャニオンへの退却を余儀なくさせられた。
NCRはこの予期せぬ事態に、カーンズへの正式な謝罪を行い、生存者への支援提供を行った。
だがリーダーであるパパ・カーンはこれを不服とし、虐殺を行って土地を奪い、
わずかな支援提供で、真実を誤魔化そうとしているとした。
事実、NCRはビタースプリングスから撤退はせず、キャンプ地としていた。
しかしカーンズはNCRを非難しても、ビタースプリングスを取り戻そうとはしなかった。
一介のレイダーに過ぎない彼らにとって、虐殺による痛手を癒す方法はなかった。
怨みと怒りを抱えたまま、それを解消することもできないカーンズ。そこに救いの手があった。
アポカリプスの使徒を名乗る集団は無償でカーンズに支援を施し、さらに医療技術を伝授した。
カーンズはこの善良な組織の支援により、幾許かの力を取り戻した。
だがカーンズは与えられた医療技術を、本来とは違う使い方をはじめる。
支援で得た薬品の知識を応用して、各種麻薬を精製することに成功したのだ。
こうして麻薬分野に秀でるようになったカーンズは、次に取引相手を選んだ。
同じレイダーであり、フィーンドと呼ばれる集団は薬物中毒者で構成されており、
カーンズはニューベガス周辺を根城にするこの集団に麻薬を売りつけ、
生活費を稼ぎつつ、NCRへの牽制とした。麻薬の安定した供給はフィーンドを凶暴化させ、
強化されたフィーンドは麻薬代欲しさにニューベガス周辺を荒らしまわった。
またNCRの物資輸送を担うクリムゾンキャラバン社などの商人とも違法取引しており、
NCR内では麻薬の蔓延が深刻化している。弱体化されても彼らはNCRを悩ますには十分な存在であり、
よりNCRとカーンズの溝は深まるばかりだった。しかしパパ・カーンはNCRへのさらなる報復を与えようと、
NCRと敵対するシーザー・リージョンと同盟を視野に入れている。
カーンズの中ではそれに同調する者や、NCRとの仲を改善すべきとする者とで意見が割れている。
しかしリージョンは薬物の使用と製造の禁止および女性を奴隷としているのだが、
あえてその事実を伏せ、カーンズを利用しようとしている。
2281年、さまざまな問題を抱えたまま存続の岐路に立たされているカーンズは
モハビの「運び屋」の存在により、その運命を大きく左右される…
(画像はカーンズのシンボルと、グレートカーンズのシンボル)

主人公の選択により、死か繁栄が齎されるゲーム「Fallout」シリーズ。
カーンズは最古のレイダー部族にして、とてもユニークなレイダーである。
Vault15の住人だった彼らだが、外に出てから一致団結し、モンゴル民族を基にした
遊牧民ならぬ「遊奪民」として、レイダー生活を享受している。
なお、彼らの中に本当のモンゴル人はいない。あくまでモンゴル風のレイダーなのである。
しかし所詮はレイダー、場当たり的な部分が多く、その場のノリと勢いで
近くの村娘を浚っちゃったがために、第一作目の主人公「Vaultの住人」により
ほとんど皆殺しにされた挙句、生き残りはトラウマを抱えて精神的に不穏な生活を送らせられた。
そこで大人しくすればいいものをトラウマ故に、精神の安寧のため八つ当たりを敢行。
村娘への見当違いな復讐を誓った残党が、二作目に名前を改めて復活。
だが、二作目の主人公にして仇の孫「選ばれし者」によって復活直後に崩壊させられる。
さらに心機一転、新天地を目指した彼らだが、戦前の亡霊じみた資産家の企みにより
その新天地を追い出され、かつての村から国へと育ったNCRにより根絶やし一歩手前という
シリーズを重ねるごとに扱いが酷いものになっていく。
しかし弱者を殺したNCRに復讐したいという熱心な心がけも、そもNCRに手を出さなければ
何もそんな目に会う必要もなく、更にいえば善意の団体から支援と知識を得て、
恩返しするでもなく悪用する、極悪麻薬中毒集団フィーンドにビジネスライクとはいえ
手を貸した時点で、最早彼らに立つ瀬はないのかもしれない。
だがこれだけ酷い目に会ったせいか、一作目に比べてだいぶマトモになってきたのも事実。
フィーンドがとある村を襲うのを見て、トラウマからフィーンドを倒そうとしたり、
不満たらたらでも仲間の窮地を救おうとする、受けた恩は必ず返すなど、
決して非道なだけの集団ではなく、また新たな出会いの度につっけんどんな対応の中、
カーンズは出会ってもかなり友好的な対応をしてくれる。
ピンきりではあるが、科学や商売や文学に長けているなど、かなり理性的な集団になった。
悪事をしない理由にカルマに良くないからという集団はコイツらぐらいだろう。
しかし切羽詰ってる彼らにはシーザー・リージョンの魔の手が。
リージョンに取り込まれた部族は、本来の部族名や習慣を全て失い、
代わりにリージョンの文化を突っ込まれる上、薬物は禁止、女は皆奴隷という、
今まで文化を大切に保持してきたカーンズにとって、天敵といえる存在だ。
もしこの小物染みた勢力に愛着を覚えたら(各種薬物の販売はかなり助かるので利用することは多いだろう)
少しばかり贔屓目にしてもいいかもしれない。ただし薬物の用がなければ別段いなくても
問題ない集団でもあるので、絶滅させるのも良しである。
筆者は程よいお付き合いとリージョンの同盟を破棄させる程度にしている。
ちなみに場合によって、帝国を築くほどの存在になる。

2015年10月5日月曜日

藤島 加奈子(ふじしま かなこ)

映画「渇き。」に登場。

高校3年生。昭和と桐子の娘。成績優秀の優等生。突然、行方不明となる。
周りからの評判は真面目で優しく社交的、誰とでも仲良くなれる良い子だった。
誰もが夢中になる蠱惑さに溢れ、多くの人間を虜にする。
しかしその実態は、「相手が言ってほしいこと」を瞬時に理解し、
それを言うことで相手を惹きつけて破滅させる女。
自らを愛してくれる者を愛すると称して、その相手の人間性を壊すことで
愛を示す異常な恋愛観、愛情表現を持っている。
同時に破滅させた相手を嘲笑し、冷遇するなど、
本当に“恋愛感情”を持っているかどうかもわからない。
父親をも誘惑した過去があり、愛そのものに飢えてようでもある。
中学時代の恋人・緒方が自殺し、その原因が不良グループによって
男娼をさせられていたことから、復讐を決意する。
しかし緒方が自殺するのを黙認、仕向けた節もあり、その真意は不明。
以後、自らの魅力を武器に、不良グループのリーダー松永、地元の実業家チョウ、
ヤクザたちに取り入り、三者が経営していた児童売春クラブで少年少女の供給を担当。
自身が魅了した少年少女たちに積極的に金とシャブと暴力で支配し、破滅させていった。
そしてチョウが街の有力者層を強請るために売春の現場写真を撮っていたことから
ネガと写真を奪い、お客全員に写真を送りつけることで、
不良グループ、チョウ、ヤクザたち、客の有力者たち、さらに客の中にいた警察を
大混乱に陥れ、自身は忽然と姿を消した。不良グループのリーダー・松永は
彼女の真意を知っていたが愛しており、ヤクザと袂を分かち、ヤクザとの抗争へと発展。
チョウは火消しのために子飼いの殺し屋を使って売春の関係者の抹殺を図るが、
殺し屋が好き勝手に殺し始め、止めようとしたチョウ自身も殺されてしまう。
ヤクザは客の有力者たちからチョウの暗殺を依頼されるも、居場所を掴めない上に、
不良グループの相手をしなければならず、さらに殺し屋の暗躍から警察が動き始めたため、
問題を起こす殺し屋の捜索を始める。警察は身内が売春の客の一人だったこと、
さらに身内の中にチョウの殺し屋がいることが発覚し、売春事件と連続殺人両方の隠蔽を図った。
そして加奈子の父親・昭和はこの事態を知らずに、行方知らずになった娘の捜索を始める。
一方この騒動を起こした張本人である加奈子自身は、呆気ない最期を迎えていた。
偶々会った中学の元担任の女教師・東に刺されて、死亡。死体は山中に埋められた。
東の娘が加奈子により売春をさせられており、それを問い詰めた結果、
加奈子が娘が自発的にやっていると嬉々として語ったことに東が怒り狂い、殺害したのだった。

愛する娘はバケモノでした映画「渇き。」。
夫婦そろってクソな藤島家の娘、加奈子。
原作小説では二つの復讐を遂げようとする、
割と(それに至るまでのやり方は最低としか言いようがないが)
真っ当な人物である加奈子さんだが、映画ではまた違った人物像となっております。
回りくどい言い方をすれば、中毒性の高い死に至る薬物
あらゆる人を魅了し、煽り、欲望を炊きつけ、
渇いた心を満たす、そして破滅させるこの娘はヤクザの売り捌く薬物そのもの。
仕舞いにゃ、そのヤクザをも振り回すのだから始末に置けない。
しかも姿を消した瞬間、関わった人間全てが混沌の渦中に叩き込まれる。
まるでヤク切れを起こした中毒者の如く、人々は加奈子を捜し求める。
本作のタイトルの渇きとは、このヤク=加奈子を求める人々の心の渇きを現しているのかと思えば、
加奈子自身も何やら渇いている模様。という形のない快楽を求める姿は
確かに中毒者の求める快楽と同義に思えなくもないが、
それにしてもを求める割には、そこに他の人物のような強い欲求は感じさせず、
を杜撰に扱っており、ある意味シニカルな対応。
彼女の父親は劇中、「幸せをぶっ壊す」ことが自分の夢であることを
カミングアウトしており、おそらく父親と同じようにあらゆる者を不幸にし
破壊することで自分の渇いた心を満たしていた?のかも知れない。
もしかしたら自分と同じ欲求を持つ父親の本性を剥き出しにさせようと仕組んだのかも?

2015年3月8日日曜日

愚か者の偶像

ゲーム「Demon's Souls」に登場。

塔のラトリアにある罪人の教会に現れるデーモン。
目は虚ろで、髪は乱れ、四本の腕で逆さまの経典を持つその姿は
かつてのラトリア女王の悪意ある似姿である。
攻撃は指から放たれるソウルの光、触れると身動きが取れなくなる不可視の魔法陣、
実体を持った分身を生み出す、さらに瞬間移動を行うなど、様々な魔法を使い、教会に訪れる者を翻弄する。
これは女王が優れた魔術師でもあったためである。魔術による攻撃も然ることながら、
さらに一人の小間使いの祈りによって不死に近い存在と化している。
かつて女王が治めた象牙の塔の国であったラトリアだが、国を追放された一人の老人の復讐により
象牙の塔の国は一転、異形が跋扈し、拷問と狂気に溢れる地獄と化した。
このデーモンから得られる「人形のソウル」からは「ソウルの光」という
敵を追尾し対象を貫通する、ソウルの光を放つ魔法を得られる。
これは高名な魔術の使い手でもあった女王の力の一端を示しているのかもしれない。

デモンズソウル」のステージ、血と狂気と拷問に溢れかえった塔のラトリア。
薄気味悪い牢屋地帯を抜け、矢を連続して射出する恐ろしいバリスタを回避したその先にある教会。
そこに待ち受けているのがこのデーモン。ラトリアの女王を模した姿をしているらしいが、
腕は4本、経典は逆さま、目は虚ろ。おそらく黄衣の翁が意図的にこのデーモンの姿を決めたのではなかろうか。
名前も「愚か者の偶像」とあり、翁の悪意が溢れている。「愚か者」とは女王を指しているのか、
それともこんな姿のデーモンを崇める囚人たちや小間使いのことを指すのかはわからない。
このデーモンとの戦いは、邪魔な長椅子と徘徊する囚人たちを避けながら
さらに分身を使いこなすデーモンからの魔法攻撃をも避け続けなければならない。
その間、このデーモンは嘲弄するように笑い声をあげ続ける。
非常に苛立たしい戦いだが、デーモン自体は体力や防御力が高いわけではないため、
焦らずに、本体を見極めて叩き潰してしまおう。しかしこのデーモンにはギミックとして
二階に潜んでいる小間使いがおり、これを倒さないと永久に復活し続けるため、
それだけは忘れないように、デーモンと戦う前に二階へ必ず赴こう。

2014年8月18日月曜日

レイダー(Raiders)

ゲーム「Fallout」シリーズに登場。

ウェイストランドに存在する無法者たちの総称。過酷なウェイストランドで生き残るため
他者に対して略奪、強盗、殺人を躊躇なく行い、ウェイストランドに住む人々の脅威となっている。
ある程度大規模な集団になると部族名を名乗り、中には大戦争(グレートウォー)近くまで遡る歴史を持つものもある。
最も歴史ある部族はカーンズ、ジャッカル、バイパーである。これら三つの部族はVault15の住人たちの子孫であり、
Vault15は50年間閉じたままになるように意図され、全く異なった信条をもつ人々が入れられていた。
Vault15は最終的に4つの派閥を作り出すことでその役目を終えることとなる。
大戦争から20年後、人口飽和により出て行った集団はバイパーとなった。
それから30年後にVault15の扉が解放されたことで住人たちは3つの集団に分かれた。
そのうちの一つがシェイディ・サンズという町を作ったが、残り2つの集団はカーンズとジャッカルになった。
その後、皮肉なことにシェイディ・サンズはレイダーとなった同郷の者たちに襲撃されることとなる。
しかしシェイディ・サンズはレイダーに屈せず、後に新カリフォルニア共和国となり、
レイダーとなった他の同郷の者たちよりも繁栄することとなり、逆にレイダーたちは狩り立てられ、衰退化していった。
逆に歴史は浅いが、繁栄を遂げたレイダーたちもいる。ピットのレイダーやニューベガス・ストリップ地区の3部族とシーザー・リージョンである。
ピットに住むレイダーたちは大量の奴隷を支配下に置き、奴隷たちに武器工場での重労働を強いている。
街全体に充満する濃密な放射能と奇怪な風土病に悩まされながらも、近隣一帯にはない技術力で大量の武器を量産し続けている。
支配する側とされる側、完全に二分化されたこの街の支配構造は元々あったものではない。
レイダーたちはかつてピッツバーグと呼ばれたピットへ、略奪を行うべくやってきたところを
元BoSのイスマイル・アッシャー率いるスカベンジャーの集団によって返り討ちに遭い、吸収合併された。
そのアッシャーによってレイダーたちは統率されており、レイダーたちは奴隷たちの監視役として街の発展に従事している。
ニューベガス・ストリップ地区の3部族は元々ラスベガス跡地のストリップ地区の周辺に住んでいた者たちである。
彼らは小さな部族に過ぎなかったが、突如現れたMr.ハウスにより劇的に変化する。
Mr.ハウスは彼らに新しい名前と服を与えた。3つの部族はそれぞれオメルタ、ホワイトグローブ協会、チェアメンと名乗るようになった。
また彼らはMr.ハウスによってカジノの経営法を教授され、その経営を一任されたことで戦前のカジノ街を復興した。
そうして誕生したのが「ニューべガス・ストリップ地区」である。オメルタは大戦争前のマフィア風になり、退廃的な「ゴモラ」というカジノを経営した。
ホワイトグローブ協会は大戦争前の洗練されたセレブ風になり、高級感溢れるカジノ「ウルトラ・ラグジュ」を経営した。
チェアメンは大戦争前のショーマンシップ風になり、華やかなラスベガスらしいカジノ「ザ・トップス」を経営した。
同じくシーザー・リージョンは元はレイダーながら大国と呼べるほど、大規模な組織を展開していた。
古代ローマを彷彿とさせる服装や名前、君主制が特徴であり、彼らは86の部族からなる複合組織であるが、
組織としての統合の際に元の部族の習慣や生活といったものは全て失っている。
構成員は全て男で、女は所有物という扱いであり、レイダーの残虐性や横暴さが煮詰まった組織ながら
基本的に軍隊のように規律や戒律を順守しており、他にはない統率力がある。
この他にも奴隷商人のレイダーや大戦前から存在する日本人で構成されたヤクザやキャピタル・ウェイストランドの人喰いレイダー、
重度の薬物中毒者で構成されたフィーンド、地下下水道に住むグリーサー、スコルピオン・ギャングなど、
様々なレイダーたちがウェイストランドには存在している。
(画像は一般的なレイダーのシンボル)


世紀末、荒廃した世界、ヒャッハー!という3つの言葉で説明がつく存在、それがレイダーである。
マッドマックスや某世紀末漫画でいうところのモヒカンであり、そもそもraiderの意味は襲撃者や強襲者、侵入者を指し
raid自体が襲うという意味であり、つまるところ映画や漫画、ゲームに出てくる襲ってくる奴らの大半がこの言葉でまとめられるのである。
Falloutに登場するレイダーたちは対外、非生産的(奪えばOK!)な心情の下、日々を過ごす愚か者どもである。
しかし彼らも一応、現代っ子(?)らしくVaultの設備をつかえたり、薬物を作ったりと決してアホではない。
ただ彼らの根っこは「明日のためより、今生きること」なため、後のことなど知ったことではない精神まっしぐら。
それ故に売ってはいけない相手に喧嘩を売ったり、今までの悪行への報いとして根絶されたり、
ともかく後先考えないハイリスクなサバイバル生活を行っている。
一方で他者からの援助ありだが、先進技術をモノに出来れば、一つの街を形成できたりなど
必ずしも繁栄を遂げられないわけではない。というか街一つ作ったり、地域を併合する組織を作るあたり、
BoSやエンクレイヴよりは戦後アメリカ復興に役立ってる。
そういった奴らを除いた極普通のレイダーの場合は、まぁ良くも悪くも、いる時はウェイストランドの日常的風景、
いない時は極端に平和か、極端に環境が劣悪かの二択というウェイストランドの危険指数のバロメーター代わりである。
ただし彼らが現れるということは=そこは人が住める場所であるため、サバイバル的観点からいえば結構重要な存在だったりする。
あと主人公にとっては殺してもケチをつけられない歩くお財布、序盤の金策として丁度いい奴らでもある。

2014年3月4日火曜日

近隣監視同盟(Neighbourhood Watch Alliance)

映画「ホットファズ 俺たちスーパーポリスメン!」に登場。

のどかな田舎町サンドフォードの治安に貢献している近隣住民の寄合。略称はNWA。
フランク・バターマン警察署長を筆頭に、監視役のトム・ウィーバー、
スーパーの店長サイモン・スキナーとその従業員、ホテル経営のクーパー夫妻、
パブのポーター夫妻、農家のジェームズ・リーパーとその母親、
ロビン・ハッチャー医師、フィリップ・シューター牧師、
雑貨店のアネット、学校長のアマンダ、ファウラー夫妻とトリーチャーさんで構成されている。
警官を含む、サンドフォードのほとんどの住人が参加しており、
町中にあるカメラと住民たちの連絡網を通して、町の安全を守っている。
実は町のイメージや公共の利益を著しく損なう人物を殺害している組織。
実情を知っているのは町の有力者と一部の者だけである。
かつてサンドフォードの町で一人の女性が町を立派にしようとした。
警察署の署長フランク・バターマンの妻が町の景観を良くしようと努力したのは
ビレッジ・オブ・ザ・イヤー(イギリス国内最優秀の村)を受賞するためだった。
しかし彼女の健闘むなしく、審査員が町を訪れる前に旅行者たちによって、
町の景観は酷い有り様となり、受賞を逃した。彼女はこれを苦に自殺。
その後フランク・バターマンは妻の願いを叶え続けるために、近隣監視同盟を結成。
毎年ビレッジ・オブ・ザ・イヤーを受賞する為、邪魔者を始末し続けた。
それは例え同じ町に住む住民や同盟員、警官から路上パフォーマー、子どもまで殺害の対象とした。
しかし真実にたどり着いたニコラス・エンジェルと事実を知らなかったサンドフォード署員一同、
そして父の暴走を止めたいダニー・バターマンの活躍により全ての同盟員は逮捕(内一名死亡)。
サンドフォードの町は本当の意味で平和な町になった・・・・
(画像はフランク・バターマン署長)

小さな田舎町の地味な寄合、と思ったら町を牛耳る秘密結社だった!?
映画「ホットファズ」の田舎町サンドフォードは事故死が多いことを除けば、
極普通の平和な町。しかし事故死の多くがあまりにも血生臭い。
それもそのはず。妻の死に狂った署長が住民を率いて町を荒らす人間を内密に処理していたのだから。
ただしその対象の基準は凄まじくアバウト。町の演劇で下手糞な芝居した、
園芸が上手いけど余所に引っ越すから、酷いデザインの家建てた、地元新聞のタイプミスが多い、
ともかく町のイメージを悪くするヤツは片っ端からぶち殺す、というスタンス。
どんな不自然な死に方でも、署長は全て事故死と判断。
犯行は全て交代制なため、全て同一犯と考えていたエンジェル巡査を欺き
怠け者な他の警官たちに、エンジェル巡査の思い違いと判断させる。
長年、町のイメージを保とうとしたことあって、普段の純朴そうな田舎者のイメージとは反する頭脳派な組織である。
一方で犯行がバレると常に武装しているのか、銃やら刃物をすぐに出せるようにしている凶悪なヤツラでもある。

2014年2月27日木曜日

スーパーミュータント

ゲーム「Fallout」シリーズに登場。

スーパーミュータント(以下SMと表記)またはメタヒューマンはFEVの産物であり、人間の変異種でもある。
彼らは人間よりずっと体格が良く、肌は緑、灰、黄からなり、病、放射能に対して免疫を持ち、
そして超人に相応しい怪力と頑丈さを兼ね備えている。またFEVにより細胞が絶えず再生しているため
生物学的に死ぬ事はない、不老不死の体を有する(外傷によるものはその限りに在らず)。
SMの出生はコア・レギオン(西海岸)のマリポサ軍事基地、キャピタルウェイストランド(東海岸)のVault87の二つの場所が確認されている。
二つの母集団はそれぞれの歴史があり、そしてこの二つに接点があった記録は確認されていない。
SMの平均身長は約3.2m(猫背のように背中を丸くしているため、約2.43mほどに見えるが)、体重は約360kgにも及ぶ。
肌の色は主に灰色で緑の体毛を持ち、他にも様々な色をしたSMが存在する。
尚且つ肌はとんでもなく頑丈で、筋肉、骨格も同様に強化されている。
SMは純正であろうが変異であろうが、いずれにせよ人間以外の他の生物では再現できない。
その細胞は高い増加率の細胞分裂をうけている。有糸分裂(染色体、紡錘体などの形成を伴う核分裂)は
通常の人間の+15%のスピードで終了するものの、細胞構造はとても良く似ていると言える。
DNA鎖はほぼ完全で、病に対する劣性遺伝子は組織から除去されている。
この劣性遺伝子は通常の人間から見つけられる“それ”であり、細胞分裂で常に最適な結合になるよう操作されている。
RNAもまた、より最適な情報伝達を行うよう操作されている。しかし突然変異は副作用ももたらし、
第一に生殖が行えない。これは生殖系の配偶子が元々割けたDNAを使用、"半分の細胞"で成り立っており、
これはFEVによる損傷だと考えられ、ミュータントは不妊症であると解釈される。さらに肌の色素の変異も含まれる。
マリポサで生み出されたSMは不妊症ではあるが、生殖器官までは失っていない。
逆に、Vault87のそれはFEVの影響で全くと言っていいほど欠落している。彼らは細胞の老化による死は無いが、ボケに似た症状に罹り易い。
主な死の原因となるのは、人や他種との交戦である。SMは進化実験プログラムの一環であった改良されたFEVにより生み出され、
より強大な存在となり、二通りの結果が出来上がった。西海岸はザ・マスターによって、東海岸はVault87の科学者たちによって生み出された。
西海岸のミュータントはザ・マスターの忠実な下僕であり、マリポサ基地に存在したFEVを利用して生み出された。
西海岸と中西部に生息しており、一部は野蛮かつ原始的であるが、遠縁ともいえるVault87の彼らと比べ、多くは遥かに知性溢れかつ文明的である。
マスターズ・アーミーと呼ばれたこれらのSMは、マスターと共にSMによって統一された世界の実現を目論んだ。
またSMの中でもマスターの近衛兵を務めたものはナイトキンと呼ばれていた。
東海岸のミュータントは進化実験プログラムをテーマにしたVault87で極秘研究から生まれた。
改良したFEVによって歳を取ると共に巨大化し、より凶悪な怪物へ成長する新しいSMが誕生することとなった。
西海岸と違い、性別に関するあらゆる特性は消去され、無性別の状態へ変えられてしまう。
彼らは研究者たちが死亡した後も、仲間を増やすために定期的にウェイストランド人を捕えている。
西海岸のSMに比べ知性に劣り、非常に好戦的な存在であるが、極稀に理性的な者がいることが確認されている。
彼らの行動目的は戦うことに尽き、特に人間を殺すことに終始している。
そのためにより多くの仲間を生み出すべく、領土を増やし、戦前に保管されていたFEVの確保を目指している。
西海岸と東海岸に共通するのは、同じFEVから生まれたケンタウロスという従僕をしたがえていることだ。
彼らはこれを番犬代わりにしており、ペットとして飼っていることが多い。

核戦争により全てが終わった・・・・かのようなゲーム「Fallout」。
スーパーミュータント(以下SMと表記)はかつて人間だったものであり、同時に次世代の新人類でもある。
ザ・マスターと呼ばれるイカれた存在に生み出されたものもあれば、Vaultの実験で生まれたものもおり、
とにかくその存在を一言で言えば、マッチョで危険な生き物である。
マスターが倒されて以降の西海岸のSMたちは散り散りになり、一部は人間との共存を目指している者もいる。
ただし基本的に変わりなく人間を襲っている者が大半のようだ。
一方西海岸はVault101のアイツがどう転ぼうと未だ脅威として残っている。
マスターは自分が生み出したSMに対して、究極的な生物だと自負していた。
しかし、自身の作り出した知性溢れるSMが衰退し、愚鈍なSMが増えているのは運命の皮肉だろう。
両海岸共に生き残っている大半のSMは明らかに知的とは言い難いのだ。
ただ一方で、マーカス、フォークス、アンクル・レオといった理性的なSMも確かに存在しており、
彼らの隆盛はまだまだこれからかもしれない。

2013年11月7日木曜日

グール

ゲーム「Fallout」シリーズに登場。

核爆発による高熱と放射線の影響で、遺伝子が変質したと信じられている人間の総称。
共通して皮膚が焼け爛れたような醜悪な外見となり、肉の腐ったような悪臭に見舞われる。
代わりに肉体的な老化現象が抑制され、寿命が大幅に伸びている(なかには大戦時から現在も生き続けている者もいる)。
基本的にウェイストランド人の間では放射線により変化したと噂されているが、実際はF.E.V(強制進化ウイルス)の影響である。
F.E.Vの影響を受けたものは遺伝子が変化し、必然的に肉体が頑強になる。
しかし放射線を長時間浴びる、または大量の放射線を浴びるとF.E.Vが放射線から肉体を守ろうと
放射線に強い肉体へと変化させようとする。これがグールの成り立ちである。
これにより放射線による害を受けないばかりか、放射線を取り込むことで体力が回復するという副産物が生まれた。
そのため過酷なウェイストランドでの生存能力は著しく高い。ただし生殖能力は失われる。
彼らの多くは人目のつかない場所に住んでおり、これは知性や精神は人間と変わらないが外見のため差別や迫害を受けているためである。
それらの経緯から非グールの人間に恨みを持つ者も少なくない。忌み嫌う者からはその性質も含めてか「ゾンビ」などと侮辱される。
また知性が失われ凶暴化したフェラル・グールも無数に存在し、ウェイストランドに住まう人々の脅威になっている。
これがさらに理性あるグールへの風当たりが強くなる原因にもなっている。
しかしフェラルと通常のグールはもはや別種であり、理性を持った通常のグールがフェラル化することなど無い。
だが理性のあるグールについても「脳が腐りいずれはフェラル化する」という偏見が一部で存在し、
差別どころか問答無用で「害悪」と見なされることもある。これに対してグールたちは自らを「ゾンビ」と呼ぶ、
多くの「普通」のウェイストランド人に対して、皮肉と侮蔑が混じった「スムーススキン」という渾名で呼ぶ。
エンクレイヴやBoSもまた彼らに対して差別的であり、エンクレイヴがウェイストランド全てなのに対し、BoSはデイグローの一件が引き金となっている。
彼らが最も多く住んでいると知られているのは、Vault12と戦前はベーカーズ・フィールドだった都市ネクロポリス。
Vault12の研究テーマは「放射能の人体への影響」であり、本来住人を核戦争から守るはずだったVaultは
意図的に住人が放射能に晒されるよう、Vaultの扉が閉まらないように設計されていた。
これによりVault12の人々は大量の放射能と熱線を浴びることとなった。
しかし本来死ぬだけだったはずの彼らはF.E.V(強制進化ウイルス)によって遺伝子が変化しており、
居住者の一部は耐えきれず死に、一部はグールとなった。グールになって生き残ったVault12の居住者たちだったが、
その後の内乱により更に数は減り、生き残った者は地上へと出て行った。
現在ネクロポリスで確認されているグールはこのVault12の出身者とされている。
こうして悲劇的な結末によって生み出されたVault12のグールたちだったが、
皮肉にもVault-Tec社とエンクレイヴによって意図的に生み出された彼らは特別な存在ではなかった。
彼ら以外にもVault居住者の抽選から落とされた元アメリカ合衆国民の多くは、核の影響により同様の道を辿ったのだ。
グールたちが地上に出た後、自分たちの町ネクロポリスに作るが、ザ・マスターに発見され、Vaultを手に入れるためスーパーミュータントが派遣された。
この襲撃で多くのグールが死んだ。スーパーミュータントは無傷のVaultを発見できなかったことと、
グールの正体がVault12の住人だということに怒り、グールたちを監視し、服従させるために駐屯地を設けた。
その後、浄水チップを求めてやって来た「Vaultの住人」によりスーパーミュータントは倒され、
ネクロポリスのグールたちは別の場所へ移り、デイグローやゲッコなどの町を作った。
ゲッコは比較的に平和だったが、しかしデイグローはBoSの求める戦前の技術がある場所であり、BoSとグールは敵対することとなった。
その後、ザ・マスター率いるスーパーミュータントの軍が敗北して何年も経ち、
スーパーミュータントと人間、そしてグールが共存する町ブロークンヒルズが出来たことで、BoSのグールに対する態度は軟化してきている。
またデイグローのグールたちはハブなど、人間の町との交易を重ねた結果、最終的に2189年にデイグローは
NCR(新カリフォルニア共和国)の領土となった。こういった経緯から、NCR領では比較的グールに対する偏見は少なくなった。
モハビ・ウェイストランドでも同様であり、グールが人間に交じって様々な職業に就いている。
西海岸のグールたちは運があった。しかし東海岸のグールたちには過酷な運命が待っていた。
元ワシントンDCであるキャピタル・ウェイストランドでは、2288年に敵対するミュータントや人間によってグールは地下に追われた。
彼らは自分たちだけの町を作るべく、博物館を利用してアンダーワールドを作った。
彼らの敵はキャピタルの民間人、BoS、エンクレイヴ、レイダー、奴隷商人、タロン社、様々なミュータントや危険なロボットたちである。
キャピタルに平和を与えることを目的としているキャピタルBoSだが、浄水施設を稼働させ、
汚染されていない水の生産に乗り出した現在、グールに対する水の配給は考えられていない。

核の炎に包まれた世界、ゲーム「Fallout」シリーズ。
本作に登場するグールは、所謂肉の腐ったゾンビの様な外見とは違い、基本は普通の人間である。
普通の人間と違い長生きで、放射能に対して強い抵抗力があり、放射能で体力を回復する以外は。
勿論良い奴もいれば、悪い奴もいる。さらにフェラルなんていう殆んどクリーチャー扱いな奴もいる。
しかしその見た目から一概に差別的な扱いを受けている。
放射能に適応した人種と言えば凄いのだが、見た目が見た目だけにそれを考える事は滅多にないのだろう。
NCRでの扱いは割と良い方だが、キャピタルでは歩み寄ろうとする団体自体が皆無なため、致し方なし。
(キャピタルには人造人間の権利を守ろうとする団体がいるが、そんなことより奴隷やグールにどうにかしろと言いたい)
比較的穏健派であるキャピタルBoSでも、グールは心底嫌われている。
おそらくデイグローの件を引きずっているようで、デイグローと全く関係のないキャピタルのグールにはとんだとばっちりである。
ちなみにグールの中には戦前から生きているものもいるため、そういったキャラクターから昔話を聞くと
なかなか面白い、ゲームの設定背景が見える為偶に聞くのもいいだろう。

2013年10月7日月曜日

カタカタ(または赤い服の女)

映画「コワイ女~カタカタ」に登場。

結婚を控えたOL・吉沢加奈子は、前妻と離婚したばかりの婚約者・田崎 晃と会った帰り道で
“カタカタ…”という奇妙な音を聞く。その直後、マンションの上から落ちてきた何かの衝撃に襲われる。
その後、何事もなかったように帰宅した彼女の元に「別れた女房に刺された」という晃からの電話がかかってくる。
そして、加奈子にも外に出ないようにと言って電話は切れる。直後、何者かの視線を感じた加奈子が振り返る。
いつの間にか部屋の中には赤いワンピースを着た女が立っていた。手にした包丁を持って女が襲ってくる。
必死に逃げる加奈子だが、女は恐るべきスピードでどこまでも追いかけてくる。
女の顔は憤怒で歪んでいるように見え、咄嗟に考えたのが晃の妻の存在。
女の正体は晃の妻なのだろう。命からがら逃げ出して交番へ駆け込む。
しかし交番にいるはずの警官の姿はなく、戸惑いながらも携帯電話で友人のみゆきに助けを求める。
電話に出たみゆきによると、晃は加奈子のマンションに行ったが、加奈子に会えず、
みゆきに相談し、二人で加奈子のことを探しているとのこと。
晃が来たという話に疑問を抱き、事情を聞こうとするが電話はノイズ塗れになって不通になる。
絶望的な状況の中、今度は自宅にいるであろう晃に電話をかける。
「加奈子か?」奇跡的に繋がった電話。晃の声に安堵する加奈子。
「加奈子か?」現在の状況を晃に説明しようとするが、そこで奇妙なことに気付く。
「加奈子か?」晃は話し始めてから自分の名前しか呼んでいない。
そうではない。頻りに「加奈子か?」しか口にしていない。
「加奈子か?かなこか?かなこカ?カナコカ?カナコカカナコカカナコカ」
そう言い続けるだけの不気味な晃。異常な状態に思わず携帯電話を叩きつぶす加奈子。
しかし壊れた電話からまだ音声が聞こえる。「カタカタ」という音までも。
何者かの視線を感じた加奈子が上を見上げると、いつの間にか赤い服の女が天井に張り付いていた。
「カナコカ?」聞こえていたのは女の声だったのだ。
加奈子は道路を走りながら、助けを求める。しかし誰もその声に答えない。
奇妙なことに夜中と言えど、人通りのあるはずの町はひっそりと静まり返っていた。
何とか自宅のマンションの前の人だかりを見つけ、助けを求める。
しかし誰一人反応を示すものはいない。人だかりの中心には豹柄の服を着た女の死体。
突然手を掴まれ、振り返った加奈子の目には一人の少女が映った。
パニックになりながら何かを知っているような少女にここは一体何なのか問いかける。
少女は黙って指をさす。その先には倒れた花瓶を見た加奈子は思い出す。
最近、自分が住むマンションで少女が事故で転落死した事、
いつもバルコニーから花瓶を見つめる母親の姿を。
少女の正体を確かめようとするが、突如辺りに「カタカタ」という音が響き渡る。
赤い服の女が加奈子を見つけたのだ。咄嗟にマンションの中に逃げ込み、階段を駆け上がる。
階段の途中で黒服の女性たちを見つけ、助けを求める。
しかし黒服の女性たちには皆生気がなく、誰も加奈子に目もくれず俯いたまま。
もう一度階段を上ろうとすると、また別の黒服の女性が階段前で立ちふさがっていた。
女性の首には痣があり、女性はは女たちの方を指さす。階段の下からはあの女が迫ってきた。
訳がわからないまま指さす方へ向かうと、先ほどの少女がマンションの一室に消えていくのを見る。
遂に同じ階に辿り着いた赤い服の女が黒服の女性たちの前を横切ると、黒服の女性たちは苦しみながら
跡形もなく姿を消していく。迫る赤い服の女から逃げ切り、少女の消えた一室に駆け込む。
部屋の中には異様の光景が広がっていた。部屋中に赤い紐が蜘蛛の巣のように広がり、
赤い紐には玩具が所々に結ばっていた。奥に進むと、写真が壁に貼られた部屋があった。
写真には母親と娘の姿があり、その一室が件の少女とその母親の家だと気づく。
突然部屋が揺れ、倒れこむ加奈子。部屋の扉の前には赤い服の女が立っていた。
「カタカタ」という異様な音と骨が軋む音を響かせながら女が近寄ってくる。
体を強張らせ、首と腕が異様に伸び、明らかに人ではない女の様子に悲鳴を上げながら
カーテンを捲ってバルコニーへ逃げるようとする加奈子。
外は光に包まれ、強い風が加奈子の髪を靡かせる。気付くと加奈子は病室のベッドの中。
自宅のマンション前で加奈子は飛び降り自殺の巻き添えになり、病院に運ばれたのだ。
自殺した女は即死。奇跡的に命を取り留めた加奈子は、落下時の衝撃で女の死体が体に癒着し、
大手術をしなければならなかった。自殺した女は所持品がなく、身元不明のままだった。
一連の出来事は悪夢に過ぎなかったのだ。晃の前妻はその後、別の男性と再婚。
加奈子が考えたような、執拗な女性ではなかった。退院後、加奈子は少女の死んだ場所に花束を置いた。
悪夢の中、助けてくれた少女に感謝をこめて。近所の女性に死んだ少女について聞いてみると
驚くべき答えが返ってきた。死んだ少女の母親は二年前に実家へと帰り、首吊り自殺をしていた。
加奈子は無意識に飛び降りた女が母親だと考えていたが、実際には全く関係のない女だったのだ。
衝撃の事実に戸惑う加奈子の前に、件の少女と母親が現れる。母親の首には痣が。
母親は階段で指さししていた黒服の女性だった。少女の口から「逃げて」という言葉が紡がれる。
突如、少女と母親は苦しみながら跡形もなく姿を消した。「カタカタ」という音が響き渡る。
明るい昼間だった光景は夜の暗闇に変わり、加奈子はいつの間にか何本もの女の手に捕まっていた。
その手を振り払おうとする加奈子だが、抵抗むなしく手すりに押しつけられる。
目の前で異形の顔となった赤い服の女に、絶望に包まれながらその正体を問う。
加奈子に赤い服の女は告げる「オバケだよ・・・」。

カタカタ、カタカタ、カタカタ・・・・
異様な音と共に現れる女の恐怖を描いたオムニバス映画「コワイ女」の一編「カタカタ」。
最初のタイトル表示が行われるシーンを見ればわかるが、「カタカタ」は「女」の字を崩して、
二つに表わされた言葉であり、つまるところ劇中の「カタカタ」は「女」のことを指しているようだ。
幽霊とも殺人鬼ともわからない女の襲撃、徐々にわかる主人公が住んでいたマンションで起きた事件。
序盤まで中々盛り上げてくれるが、ラストシーンは賛否両論である。
筆者自身は偶発的に遭遇してしまった怪異の存在という結末は、
昨今の何かと理由付けする日本のホラー映画の中では異色ながら、シンプルな答えに好印象を抱く。
しかし些か唐突すぎる感じもあるので万人に薦められるかどうか、なんとも言えない。
ちなみに上で書いたラストシーンは一部書かれていない部分がある。
私自身理解できないシーンだったため、意図的に書いていない。
詳しくは本編を見て、自分なりの答えを見つけてほしい。
私としては正直な話、あまり面白くないシーンだ。

2013年3月7日木曜日

花子さん

ドラマ「学校の怪談 春の物の怪スペシャル
第4話「花子さん」に登場。

赤い服を着た女。自分の顔を無理やり見せようとし、その顔を間近に見たものは跡形もなく消滅する。
キョウコ、アサミ、アベ、コウイチの四人の男女が同窓会間近に、学生時代に通っていた廃校に集まった。
彼らは学生当時、「新聞部」のメンバーであり、学校に集まったのはトイレで花子さんを呼んで
願い事を聞いてもらう、という儀式を行うためだ。トイレの前に刃物と花をばら撒き、個室のドアに向かって
「花子さん、花子さん、私を苦しめる者を消してください。その者の名前は鈴木桜子です」と語りかけ、
トイレのドアにハサミを突き立てた。鈴木桜子という子は、当時の新聞部でいじめられ、
すでに事故で死んだ女子生徒であった。彼らは自分たちが行ったことを忘れ去るために
花子さんを呼び出そうとしたのだ。儀式を終え、ほっと胸を撫で下ろす四人。
しかし昔なじみだけあって、各々語るのは必然的に過去の話であり、いじめについて話が及ぶ。
都合の良い解釈をするものもいれば、絶対に忘れないというものもいる。
そんな重い空気の中、遂に花子さんが現れた。花子さんによって新聞部のメンバーが一人、また一人と消されてゆく。
一人生き残ったキョウコは体育館の倉庫に隠れる。その背後から、桜子の霊が現れる。
パニックに陥り、倉庫から飛び出した先には花子さんが待ち構えていた。
最早なすすべなく、キョウコもまた初めからいなかったように消滅した。
全ては桜子の霊による新聞部のメンバーに対する復讐だったのか。
何を語ることもなく、桜子はトイレへと消えていった。
しかし花子さんは一人、街へと歩を進める・・・・

赤い服(ドレス?)、赤いヒールを履く全く新しい大人な花子さん。
TV番組「学校の怪談 春の物の怪スペシャル」は、ラストが全ての恐怖を持って行った。
当時の映像作品では幽霊に襲われた人間の末路なんてのは、直接的にどうなったかは
わからずじまいが多い。大抵は暗転するか、フラッシュして終わりか、
びっくりさせて終わり。(しっかりどうなったか描くものもあったにはあった)
そんな中、この花子さんに襲われた人間はなんと消滅するという
かなり斬新(手抜きか?)な手法で、被害者の末路を描く。
花子さんの顔自体ははっきりと見ることはできないが、そんなビジュアル的な恐怖よりも、
ゆっくりと歩いて迫る、まるで死神のような雰囲気が怖い。
そしてラストの街へと恐怖が放たれたともいえるシーンは非常に絵的で、
監督(なんと黒沢清)はこれが一番撮りたかったんじゃないかと思う。
ただし、ストーリー自体はなんとも奇天烈で、いきなり現れては消える生徒、
意味深なことを言ってフェードアウトしたアベ、何故か石像を壊すキョウコ、
そして桜子と花子の関係は?と説明不足が多い。
この作品は大人な花子さんのPVと考えてみた方が賢明だろう。

2012年12月28日金曜日

ハロルドとモナ

絵本「おぞましい二人」に登場。

子どもばかりを狙う連続殺人犯のカップル。
ハロルド・スネドリーは、5歳にして病気の小動物を叩き殺しており、
成人後は頻繁に本屋で色本を万引きしていた。
モナ・グリッチは酒浸りの両親のもとに産まれ、成人後は装身具売りの職につき、
売り物にすぐ痛むよう細工をしていた。似た者同士のこの2人の男女は出逢い、
犯罪映画を見るなど交際をするようになり、やがて共に暮らし始めたた。
やがて2人は一生をかけた仕事として殺人を計画し、
数か月かけた計画の末、1人の子供を家に誘って一晩かけて殺害し、土に埋めた。
翌朝、慎ましい食事の後、殺した子供の写真をアルバムにおさめた。
その後も2年をかけて3人の子供を殺害した。
後にハロルドが殺した子供の写真を落としたことで罪が明らかになり、2人は裁判にかけられた。
罪状は有罪だが精神疾患と診断され、2人は精神病院に入れられ、別れ別れとなった。
ハロルドは43歳に持病の肺炎で死亡。モナはその生涯を壁の染みを舐めて過ごし、80歳を過ぎて死亡した。

ちょっと変わった「大人向け」の絵本作家エドワード・ゴーリー作「おぞましい二人」。
もう何年も本の中で子供たちを殺してきた」と語るゴーリーが思わず「描かずにいられなかった」作品であり、
1965年に明るみに出た「ムーアズ殺人事件」を基に書いた作品である。
二人の男女が4年にわたり5人の子供を殺して荒野(ムーア)に埋めていた事件に心底動揺させられ、描いたらしい。
登場人物のハロルドとモナの二人が悪行を重ねる理由はよくわからない。
子どもの頃のハロルドを除けば、残虐な素振りはなく、よくもわるくも育ちの悪い貧乏人カップル程度だった。
しかしその後急に殺人計画を練り始め、子どもを殺害。死体の写真を撮るなど
残虐性を現し、些細なことで捕まって裁判を受ける。
笑顔を浮かべる時もあるが、二人は始終淡々としており、
子どもを殺すのも、とくに何かを感じている素振りはない。
徹底的に理解不能、その辺が事件に対する作者の思うところなのだと思う。

2012年10月14日日曜日

アサギ

ドラマ「学校の怪談 春の呪いスペシャル
第二話「アサギの呪い」に登場。

無残な最期を遂げた生徒。生前は暗い性格で友達が少なく、
他の女子によくイジメられていたという。
夏休みが始まる前日に他の女子達に悪ふざけで地下室へ閉じ込められ、
閉じ込めた側がそのことをすっかり忘れてしまい、
一ヵ月以上、閉じ込められため彼女は死亡。
その死体は凄惨さを極め、「部屋中に血を撒き散らしていた」
「壁を掻きむしって爪は剥がれて血で固まっていた」
「全身干からびたミイラとなっていた」という。
とある女子高にて、綾と真由は転校生の杏子を恐がらせるために
旧校舎の地下にある開かずの間となっていた図書室へと連れ込む。
綾の携帯の番号を杏子が盗み見したという口実で一室に閉じ込め、
夜になると気が済んだ綾達は杏子を解放してやる。
当然のごとく怒る杏子は真っ先に帰ろうとするが、入口の扉が開かなくなっていた。
綾達も鍵をかけた覚えがなく、扉を開けようとするがノブが外れ、出られなくなってしまう。
八方塞がりな状況の中、真由はこれを「アサギの呪い」ではとつぶやく。
実はこの地下室の部屋は、かつて「アサギ」という名の生徒が閉じ込められたまま
死体となって発見されたいわく付きの場所だったのである。
携帯電話で助けを求めようにも圏外でないにも関わらず繋がらない。
部屋の隅の天井付近には窓があり、地面すれすれで外に繋がっていたが
小さすぎてここからも出られなかった。地下室を調べているうちに綾が奥の部屋で
床下にさらに地下へと続く階段を見つける。風が吹いているので外へ繋がっていると考え、
行ってみようと誘うが、真由や杏子は警備員がやってくるのを待とうと反対するも強引に下りて行く。
下りた先は古い防空壕だろうか、迷路のような洞窟が広がっていた。
三人はその洞窟を進み、とある通路の壁に血文字が刻まれているのを見つける。
刻まれていたのは『るれらべたなんみ』という不可思議な文字で、
これを読み上げた途端、どこかから何かをひきずるような不気味な音と声が響いて来る。
不安を感じ、逃げ出す三人。しかし杏子が転んで怪我をし、洞窟中をさ迷う。
やがて小部屋を見つけ、そこで隠れていると突如真由は狂ったように地面を指でなぞり続け、
その異常な行動に恐怖を感じた綾が止めようとするが、振り向いた真由は白目を剥き出しにしていた。
真由はおぞましい声で「オマエタチハアサギトオナジ。ニドトデラレナイ」と言った。
直後、正気に戻る真由。そこへ先ほど聞こえた不気味な音が近付いてくる。
綾は懐中電灯を照らして通路に顔を出し、様子を窺ってみると、
そこにはボロボロの服を纏った気味の悪い女、アサギが前のめりの姿勢でさ迷い歩いていた。
この光景に思わず懐中電灯を落としてしまう綾。とっさに身を隠してアサギが通りすぎるまでやり過ごす。
三人は逃げようと部屋から出ていくが、真由は落ちた懐中電灯を拾おうとした途端、
地面を這っていたアサギに捕まり、両目を潰されてしまう。
必死に洞窟を逃げ回る綾と杏子だが怪我をしている杏子は途中で倒れてしまった。
綾は血文字が刻まれている壁まで戻ってきたが、アサギに付け狙われ、
大量の血文字とひっかいた跡が壁に刻まれた、床に無数の骨が転がる小部屋へと追い詰められてしまう。
そこで綾は血文字の意味を理解した。あの文字は逆から読むと「みんなたべられる」だということを。
絶望に包まれる中、アサギが迫り、そして悲鳴が迸る。数時間後、気を失っていた杏子が目を覚まし、
洞窟から地下の図書室まで自力で戻ってきた。外はすでに朝であり、性も根も尽きた杏子は
天井の小窓に向かって必死に助けを求める。目と鼻の先では朝練をしている生徒達がいたが、
いくら助けを求めても誰も気付いてもらえない。その時、異様な音が背後から聞こえてきた。
最早為す術なく、杏子はゆっくりと後ろ振り向いた。
走り込みをしている学生たちが地下の小窓の前を横切って行く。
三人の少女を襲った惨劇は誰に知られることもなく、時は過ぎていく・・・

最近ホラーを主題にしたドラマがめっきり見えなくなり、
非常に残念がっている筆者。そこで過去作を探して良作を探すのが
堅実的だと悟り、久しぶりに見たのがこの「アサギの呪い」。
数話の短編で構成されているドラマ「学校の怪談 呪いスペシャル」の中でも
筆者のかなりのお気に入り一本で、子どもの頃に見たときゃ
そりゃもうビビりまくってたね。一切の救いのない話で
しかもこんな話がゴールデンタイムでやってんだから驚きだ。
息苦しくなりそうな閉鎖空間の中、異形のものに追いかけられるってのは
最高のシチュエーションであり、かつ短い尺の都合上、スピード感ある展開。
何よりも正常な世界が目と鼻のの先にあるのに、そこまで至ることができないという
希望が見える絶望は当時としてはかなり珍しかったなぁ。

2012年5月5日土曜日

ババサレ

アニメ「学校の怪談
第6話「扉を裂く悪魔の手 惨劇の夜」に登場。

鎌を持った老婆のような容姿をしたオバケ。
子供が一人で留守番をしている家に行き、子供を襲う。
声色を変えて相手を欺くこともできる。
「ババサレ、ババサレ、ババサレ」と唱えることで
霊眠させることが出来るが、街の宅地開発により結界の効果が消え、
霊眠させることが出来なくなってしまった。
熱湯をかけられると一時的に消滅するが弱点というわけではなく、
元々子供の恐怖心に付け込んでくるオバケであり、
オバケを怖いと感じない者、その存在を信じない者には見えない。
そのため怖いと思う限り何度でも襲ってくる。
さつき達に襲い掛かったが、父・礼一郎が帰宅すると同時に消え去った。
その後は姿を現さなくなり、レオは「一種の集団ヒステリーではないか」と考えているが…

子ども時代の懐かしい恐怖、アニメ「学校の怪談」。
このババサレ、どこぞのロリコン殺人鬼のように子供の恐怖を食い物にしており
花子さんがきた!」のトンカラトンやさっちゃんと同様
刃物をチラつかせる現代的なオバケである。
本作のオバケや悪霊、幽霊といったものは基本的に
主人公たちによって退治される役柄なのだが
このババサレのみ、明確に倒されたという描写がなく
子ども心に言い知れぬ恐怖を抱かせられた。

2011年11月30日水曜日

さっちゃん

アニメ「学校のコワイうわさ 花子さんがきた!!
第8話「さっちゃんのうわさ」に登場。

童謡「さっちゃん」の噂話をした夜、聞いた(話した)者の枕元に現れる存在。
噂話をした(聞いた)夜、突如現れて相手を金縛りにし
身動きできなくした後、相手の手足を鎌でちょん切ってしまう。
これを避けるにはバナナか、その絵を描いて身の回りに置かなくてはならない。
噂話をした少女は絵を描くのを忘れてしまったが、
母が夜食用にバナナを置いていったため、寸前で助かった。
童謡ではバナナが好きとあるが、バナナを見た瞬間
絶叫しながら逃げ出した様子から、実際にはバナナが苦手なようである。
たまたま件の少女の話を聞いてしまった学校の担任の先生が、
手足を刈り取られて死んだことから、話を聞いたものは無差別に襲うようである。

子供向け番組「ポンキッキーズ」で放送されていた2~3分程度のアニメながら
当時見ていた子どもたちに鮮烈な恐怖を残していった「花子さんがきた!!」。
老若男女問わず、話聞いたやつは皆手足刈り取るオバケなのか
幽霊なのか、妖怪なのかもわからない存在、それが「さっちゃん」。
複雑怪奇な上に、現実的な「手足ちょん切る」という恐怖が合わさるという発想は
いつだったか書いたガメラの「大悪獣ギロン」に通じるものがある。
ちなみに筆者は最近「自分が怖いと思えるのは現実だ。フィクションなんてナンボのもんよ
なんて最近思っちゃったりして世の中を舐め腐った感慨を抱いていた。
けど「本当にそうなのか?」と考えると「そうじゃないだろ」と思え、
「これじゃいかん」と原点に帰るべく童心に返って
自分が怖がっていたものを顧みてみると出るわ出るわ。
この記事を書いたのもそういった経緯で、おかげで現実も怖いけど、
フィクションも怖いと再認識できました。

2011年11月20日日曜日

くま女

WEBショートシネマ「稲川淳二のショートホラーシネマ 伝説のホラー
第三話「くま女」に登場。

巷に出没する怪人物。「熊のぬいぐるみを持った女」から「くま女」と呼ばれている。
長い髪の女性で、ボロのようなものを纏い
そのボサボサの髪から覗く顔の全貌はわからないが、
非常に不気味な雰囲気を醸し出している。
手には名前の由来である熊のぬいぐるみと洋裁鋏を持っており、
出会った相手の体の一部を奪うといわれている。
実際は相手の体の一部が欲しいのではなく、人が身に着けている装飾品
(指輪やネックレス、ピアスやキーホルダーなど)が目的。
指輪なら指を切り落として指ごと奪う、ピアスなら耳ごとなど、
結果的に相手の体の一部を奪うため、間違って伝聞されてきた。
そのため装飾品を身に着けていない人間を襲うことはなく、
また襲われた人間が装飾品を手放せば、危害を加えることはない。
奪った装飾品は全て身に着け、その全てに異様なほど執着しており、
数個落としただけでも全て拾い集めなければ気が済まないほどで、
また相手の装飾品を全て奪うまで執拗に追いかけるなど、
装飾品に対して並々ならぬ執念を持つ。

稲川淳二がストーリーテラーを務め、短いながらもおどろおどろしい怪奇話が
展開されるショートホラーシネマ「稲川淳二の伝説のホラー(ビデオ題)」。
筆者が11歳かそこらでTVでやっていたのを見たのだが、何よりもこの第三話が怖かった。
基本、稲川淳二関連の作品は皆「幽霊をテーマにしたものが多い」と
当時考えていた筆者にとって、衝撃的だった。
「幽霊」という夢現の存在にはまだ「不確かさ」があるが、
「異常者」はそれがない。我々人類がどんな社会を作っても「異常者」は
まるで影のように存在し続けており、現実に則した隣にいるかもしれない恐怖ほど
恐ろしいものはないと考えていた11歳の頃。
今考えてみると、「お前のような異常者がいるか!」と言えるが
やはり「異常者」という存在は、普遍的に怖いものだなぁと常々思う。

2011年9月19日月曜日

メアリー/マリア

ゲーム「サイレントヒル2」に登場。

水没したホテルの最上階で、ジェイムスを待ち受ける。
ジェイムスが求め続けたものであり、同時に認めたくなかった真実。
現実を直視したジェイムスの前に最後に出現する。
激しく罵りながら詰め寄り、怒りが頂点に達した時、
異形の姿へと変貌し、ジェイムスに襲い掛かる。
その姿はジェイムスの記憶の中のベットで寝ている
彼女の姿が具現化したものと思われる。
空中を浮遊しながら追跡し、接近すると首締めや触手で突き刺して攻撃してくる。
また中距離以上だと大量の虫による攻撃を仕掛けてくる。
銃器で攻撃するのが良いが、長期戦になる。
弾がなくなった場合、しばらくすれば自壊する。
ジェイムス・サンダーランドは三年前に病死したと思われた妻メアリーから
「思い出の場所で待っている」という手紙を受け取った。
半信半疑のジェイムスだが、誘われるままに思い出の場所「サイレントヒル」へと向かった。
そこで妻に容姿が似ているが、性格が全く違う女性マリアに出会う。
住人が誰一人としていないサイレントヒルの街を巡っていくうちに、
謎の怪物たちとの遭遇や襲い来る三角頭の存在、
内に闇を抱える人々との出会い、同じくメアリーを探す少女ローラ、
徐々に消えていく手紙の文面、三角頭に殺されては生き返るマリア、
そして穴を潜り抜け、落とされ、自ら落ち、通り抜けていくうちに、
サイレントヒルでの異常な出来事を重ねていった結果、
ジェイムスは自分が忘却した過去へと直面し、それを認めた。
妻からの手紙や妻の病死に関する一連の出来事はすべてジェイムスの妄想であり、
実際には病に侵され、肉体が衰え、精神も荒んでいくメアリーを
見るに見かね、ジェイムス自身が殺害していた。
だがメアリーが残した実際の手紙を読んだジェイムスは
彼女が精神を病んでも自分を愛していたことを知り、
殺したことを後悔、それを認めたくないために
3年前に病死したという偽りの記憶を作り出したのだった。
最期は自分自身と向き合ったジェイムスにより倒され、
ジェイムスは自分自身の妄想の世界に終止符を打った。そして・・・・

あいまいな 眠りの中で
夢見るのはあの町


サイレントヒル


いつかまた 二人で行こうと
約束しておきながら
私のせいでかなわなかった


私は一人でそこにいる


あの思い出の場所で
あなたを待っている




いつかあなたが来てくれるのを
待っている


だけど あなたは来てくれない


寂しさと哀しみの中で
いつまでも待ち続ける


私の許されない罪
あなたを傷つけてしまった私の罰


現実も夢と変わらない


私はいつもあなたを待っている
会いに来てくれることを祈っている


ベッドへ横たわり
変わらない天井を眺めながら
いつもそんなことを思っている




今朝 先生がやってきて
家に帰ることを許してくれた


今は少し落ち着いているけれど
良くなったわけではない


つまりそういうこと


それでも家に帰れることは
素直に嬉しい
それは変わらない


でも 私が家に帰ることを
あなたは喜んでくれるのだろうか?




病室に来るあなたは
いつもどこか苛ついている


私が嫌いなのだろうか
私が疎ましいのだろうか
私が憎いのだろうか


それも仕方ない


自分の未来がないと知ったとき
死にたくない生きたいとあがいた


どうして死ななくちゃ
いけないのかと泣き叫び
自分の焦りのままに
あなたを傷つけた




だから 私を嫌い疎み憎んでも
当たり前だと思う




それでも私は最期だから
ここに書き留めておきたい




私はあなたを愛している




私がこんなになりながらも
何年も側にいてくれたこと
本当に嬉しかった




ただ思いつくままに
言葉にするせいで
とりとめのない手紙に
なってしまってご免なさい


私が死んだら
この手紙をあなたに
渡してくれるように頼んでおいた


だから あなたがこの手紙を
読むときには
もう私はいない


忘れてとは言わない
忘れないでとも言えない


私が倒れ
そして死ぬまでの この数年間
あなたに枷をはめてしまったことが
私はとても哀しかった


あなたには たくさんのものを
もらっておきながら
何一つ返すことができなかった


だからもう あなたはあなたの
生きたいように生きて欲しい
ジェイムス




私は幸せでした」-メアリーからの手紙-

辛い現実を直視し、何度も繰り返すことで
自分自身と向き直り、本当の真実と対決する「サイレントヒル2」。
だが、彼女を再度殺してまで勝ち取る本当の真実は
果たしてそこまでの価値があったのか。
むしろこのまま妄想の世界へ落ちていくべきだったのか。
妻の屍を超えて、ジェイムスは何を想うのだろう。

2011年4月18日月曜日

兵士級(ソルジャーきゅう)

ゲーム「マブラヴ」シリーズに登場。

小型種の1種にして7種中最小の種。
学術名「Venarius:Caput grande(狩りをするもの:大きな頭)」。
通称「ヴェナトル(Venator)」。
全長約1.2m、全幅約1.4m、全高約2.3m。
キノコ状の頭部に穴のような目が二つあり、
側頭部には耳に相当する穴が同じようにある。
人間によく似た筋肉質な上半身とは裏腹に
下半身は巨大な贅肉のようになっており、
8本の脚はその豊満な体に隠れており、非常に短足。
どこか男女性器を彷彿とさせる姿をしている。
対人探知能力は全BETA中で最も高いが、
その戦闘能力は全BETA中で最弱でもある。
腕力は人間の数倍程度で、戦術機や機械化強化歩兵の敵ではない。
1995年頃に初めて確認された新種のBETAであり、
人間に類似する部分が多い外見と出現時期などから、
人類を参考にして生み出されたとされ、
戦闘中に捕獲もしくは捕食した人類を
再利用して生成されていると思われる。
また人類を直接研究しているのも、このBETAである。
多くの捕虜となった人間を実験材料に
最高の快楽を与える、快楽を感じる部分を強化するなど、
人間の快楽に関する研究を行っていた時期があり
(どのような目的を持って実験を行っていたかは不明)、
その際の被験者は最終的に直接快楽を感じる
脳髄のみを残し、永遠に快楽を与えられ続けたという。

モグモグ、グチャグチャでお馴染みのBETA。
BETAといえば、この兵士級。
マヴラヴを知らなくても、このBETAの姿を
一度は見たことあるのでは?
BETAでは一番弱いが、人を殺すには十分過ぎる力があり
某シーンではそれが遺憾なく発揮されており、
多くのプレイヤーの心をへし折った。

2010年8月15日日曜日

蓬莱山 輝夜(ほうらいさん かぐや)

ゲーム「東方永夜抄」に登場。

月に住む人間、「月人」であり永遠と須臾の罪人。
「永遠と須臾を操る」程度の能力を持つ。
月の民の一族であり、月の姫として大切に育てられ
そのため我侭な生活を送っていた。
しかし、不自由のない生活に退屈したため
不老不死となる禁断の秘薬である蓬莱の薬を飲むと
地上へ流刑される事になるのを知っていたため、
流刑される事を望んで自ら蓬莱の薬の作成を薬師・永琳に依頼。
秘薬を服用した罪により処刑されたが、秘薬の力により
死んでもすぐに生まれ変わり、事実上死ぬ事は出来なかった。
その後地上に流刑され、間も無くして、一人の地上人に発見され、
そこで輝夜という名前で暮らす事となった。
暫らくの間、何の不自由も無く生活が出来ていたのが
どんどんと人が寄って来るようになり、地上も生活しにくくなった。
数年後、晴れて輝夜の罪も償われ月に帰る時が来た。
しかしお世話になった地上人への恩と情、心のある地上での生活に未練があり、
月へ帰ることを思い悩んでいた。そこへ月からやってきた使者。
その中には永琳の姿があった。永琳は自分だけ無罪だった事もあり、
輝夜に対し罪悪感を感じていた。そのため輝夜と一緒に地上で暮らすことを決め、
永琳は月の使者を裏切り、これを全て殺害し輝夜と共に逃げた。
二人は人里離れた山奥、「幻想郷」でひっそりと隠れて暮らす様になった。
とても長い年月が経ち、いつしか月から使者が訪れる事はなくなり、
昔の事を忘れて平和に暮らしていたが 幻想郷が人間界と遮断されてから、
もうすぐ百年も経とうとしていた頃。
地上人が月を侵略し、それから逃げてきた月に住む兎「玉兎」である
レイセンが訪れ、これを匿うこととなり、さらに数十年後。
ある満月の夜に、月の民から地上人との戦いのために
レイセンが必要だと連絡が来る。次の満月の夜に迎えに来ると告げられ
輝夜は永琳と相談し、鈴仙を月に返さない事に決めた。
身を隠して暮らす事に飽き、堂々と地上で暮らしたいが
使者を殺せば、また移り住まなければならない。
殺さずに追い返す方法はないかと考えた。
そこで地上から見える満月は、月と地上を行き来する唯一の鍵であり
だから満月の夜にしか使者は訪れないと考え、
地上から満月を無くすことにした。
そして輝夜達は、本物の満月を隠し、地上人が見る空に浮かぶ月を
偽物の月とすり替え、少しだけ欠けさせたのである。
これで、地上と月を行き来する事は不可能になった。
そこへ異変解決に乗り出した博霊霊夢と八雲紫、
霧雨魔理沙とアリス・マーガトロイド、十六夜咲夜とレミリア・スカーレット、
魂魄妖夢と西行寺幽々子らによって、月は元に戻った。
しかしそもそも幻想郷は閉ざされた空間であっため
元々、月からも入ってくる事は出来なかったと言う事を知ることとなり、
以後、 輝夜達は隠れて暮らすのをやめ、普通に永遠亭で暮らしている…

前記事に次いで「月」関係。
とある方からのリクエストに応えてご紹介。
最近、弾幕系STGっといえば、「東方」とまではいかないが
「東方Project」は大変有名になっております。
(私の齢の離れた従兄弟が、私に東方の話をしたときには驚いた)
それはさておき、で。この輝夜さん。自身のためとはいえ
わざわざ茨の道を通る豪気さには「漢ッ!」の心意気ありと見た。
一説によれば「かぐや姫」と同一人物ではないかともいわれ、
絶世の美女に「漢ッ!」の心が宿っているなんて、
そのアンバランスさが実に良い。
ちなみに筆者も恥ずかしながら稚拙な腕でクリア目指しています。

2009年10月4日日曜日

メイター・テネブラルム

映画「インフェルノ」に登場。

本名不明。暗闇の母、影の母(Mother of Darkness/Shadows)と呼ばれる魔女。
三人の魔女“三人の母”、“災いの三母神”の一人で、
最も若く、最も残酷とされている。世界の滅亡を企てる。
彼女の奴隷である建築家ヴァレリにより
三人の魔女の三つの館が立てられ、嘆きの母はドイツに、
涙の母はローマに、暗闇の母はニューヨークに、それぞれ館がある。
女流詩人ローズ・エリオットがたまたま近くの骨董屋で
買った本「3人の母」を読み、彼女の住んでいる建物が魔女の棲む館だと
気づいてしまい、真相を究明しようとするローズを殺害。
しかしローズの弟マークは姉の身に何かあったことが知り、
遂には館に住んでいる老人アーノルド教授こそが建築家ヴァレリだと突き止め、
さらに老人の看護している看護婦こそが魔女だと知られてしまう。
しかし看護婦としての衣を脱ぎ捨てた彼女の正体は
魔女の姿を借りた死神であり、超常的力を行使する。
マークはなんとか館から逃げ出し、館全体が炎に包まれる。
死神は燃える館の瓦礫の下敷きになり、全てを浄化する炎により滅びるのだった…

ますますやってることがセコく、
そしてあっけない最期が目立ってきた映画「インフェルノ」。
挙句はコテコテの死神ルックなケープ姿の骨格標本って
もうなにがなんだか。さらにストーリーの大半がまったく理解できない。
上記の説明も映画の中での出来事をそれなりに書いたモノで
幾分筆者の主観的偏見が入っている。
一応私の想像では話の本筋に関係ないような惨劇シーンは
テネブラルムによる世界崩壊が始まったものだと思いたい。
ただなんだかんだで見入ってしまう映画である。

2009年9月28日月曜日

ダーティ・メリー&クレイジー・ラリー&ディーク

映画「ダーティ・メリー/クレイジー・ラリー」に登場

ストックカー・レーサーのラリー・レイザー、
相棒の機械工のディーク・ソアーズ、
ラリーと一夜を共にした女メリーの三人組。
レース用の車を手に入れるために、ディークと共謀して、
ある町のスーパーマーケットの金を強奪する計画を立てたラリー。
ディークがマーケット支配人スタントン宅に押し入り、
スタントン夫人と5歳になる娘シンディを人質に、
ラリーがスタントンを脅迫する筋書きでまんまと15万ドルを奪い取った。
首尾よく目的を達成したラリーがマーケットから出てくると、
前夜一緒に寝た女メリーが彼の車の中で待っていた。
ディークとメリーを乗せたラリーのブルーの68年型シボレー・インパラが国道を走る。
一方、警察はスタントンの通報で活動を開始した。
担当責任者はフランクリン部長が当たることになったが、
ラリーの車には発信受信兼用の無線機が備えつけられており、
やすやすと捜査の裏をかける仕組みになっている。
だが、車内で3人がトラブルを起こしているうちに
パトカーに発見されてしまう。相手の執拗な追跡を
相手の車に自分の車をぶつけて見事振り切るが、
ラリーが無線機を備え、逐一警察側の動静を知り翻弄、
しかも仮保釈中のメリーが同乗していることを知った
フランクリン部長は、ついにヘリコプターに乗って
空から陣頭指揮にあたることになった。
ラリー一行はやがてある村の露天市に車を乗り入れた。
ちょうどそのとき1台のパトカーが、ラリーたちのブルー・シボレーを
捜しにきたのを目撃し、そこで見つけた黄色い68年型チャージャーを盗み、
車を換えて出発することにした。だが、ラリーの運転ミスで
パトカーに車をぶつけてしまい、またしても別のパトカーに
追われることになったが、巧妙な運転でパトカーに損傷を与え、追跡をあきらめさせた。
数時間後、フランクリン部長を乗せたヘリは遂にラリー一行の車を発見した。
だが、徐々に高度を下げて迫ってくるヘリに対し、
ラリーは無電の送信機を通じて、やがて行手に横たわるクルミ林に入れれば
空からは容易に発見されないし、無数の出口があるから、
どこからでも脱出できるといって翻弄した。
ヘリはぐんぐん高度を下げ、遂にラリーの車に接触して停車を命じたが、
大事なこの瞬間にヘリの燃料が切れて不時着しなければならなくなった。
地団駄をふんでくやしがるフランクリン部長を尻目に、
ラリーの車は40平方マイルもある大クルミ林に入っていったが、
ここでも待機していたパトカーに発見され、追っかけられる。
だがこれをもさんざん翻弄したあげく、クルミ林から抜け出した。
かくしてフランクリン部長の陣頭指揮も空しく、
警察側はラリー一味にかわされたかに見えた。
一方、ラリーたちはしてやったとばかり得意満面であったが、
その一瞬の油断がわざわいしてか、踏み切りを通過する貨物列車をさけきれず、
3人の乗った車は爆発、炎上した…

アメリカン・ニューシネマお得意の若者の逃避行を描く映画。
警察に追われる三人の逃走劇がメインでシンプルな構図だが
カーアクションと飽きさせない演出とスピーディーな展開が退屈させず
チャレンジャーの大破と唐突なエンディングが記憶に残る圭作の一本。
しかし登場人物のキャラクター性が弱いのが玉に瑕。

2009年8月23日日曜日

沙耶(さや)

ゲーム「沙耶の唄」に登場。

事故の後遺症による知覚障害で、風景や人物が肉塊や臓物のように
「世界が狂って見える」ようになった郁紀が「唯一正常に見える」少女。
失踪した父親の奥涯教授を捜しているらしい。
狂って見える世界で郁紀の精神的な支えになる。
正体は他種の文化や知識を乗っ取る異次元から来た知的生命体であり
目標に接触することでその組織を解析し、改造、増殖するという能力を持っており、
その能力を行使することで侵略していく種族。
郁紀以外から見た姿は、正気でいられなくなるほどおぞましい姿をしているらしい。
知能は非常に高く、奥涯教授の下で人類の文化について学習を重ねていたのだが、
知識を吸収する過程で自分の性別が人類における「女性」であると認識し、
本来とは違う、「女性」としての自我を形成してしまった沙耶は
人間として「愛」を求めるようになったのだった。

グロゲー?純愛ゲームです「沙耶の唄」。
種族を超えた愛」を体現している彼女、
本来の目的を考えると「」は邪魔でしかないが
その「」を目的に変えようとする姿は
筆者、泪溢れる思いである。