2011年11月20日日曜日

くま女

WEBショートシネマ「稲川淳二のショートホラーシネマ 伝説のホラー
第三話「くま女」に登場。

巷に出没する怪人物。「熊のぬいぐるみを持った女」から「くま女」と呼ばれている。
長い髪の女性で、ボロのようなものを纏い
そのボサボサの髪から覗く顔の全貌はわからないが、
非常に不気味な雰囲気を醸し出している。
手には名前の由来である熊のぬいぐるみと洋裁鋏を持っており、
出会った相手の体の一部を奪うといわれている。
実際は相手の体の一部が欲しいのではなく、人が身に着けている装飾品
(指輪やネックレス、ピアスやキーホルダーなど)が目的。
指輪なら指を切り落として指ごと奪う、ピアスなら耳ごとなど、
結果的に相手の体の一部を奪うため、間違って伝聞されてきた。
そのため装飾品を身に着けていない人間を襲うことはなく、
また襲われた人間が装飾品を手放せば、危害を加えることはない。
奪った装飾品は全て身に着け、その全てに異様なほど執着しており、
数個落としただけでも全て拾い集めなければ気が済まないほどで、
また相手の装飾品を全て奪うまで執拗に追いかけるなど、
装飾品に対して並々ならぬ執念を持つ。

稲川淳二がストーリーテラーを務め、短いながらもおどろおどろしい怪奇話が
展開されるショートホラーシネマ「稲川淳二の伝説のホラー(ビデオ題)」。
筆者が11歳かそこらでTVでやっていたのを見たのだが、何よりもこの第三話が怖かった。
基本、稲川淳二関連の作品は皆「幽霊をテーマにしたものが多い」と
当時考えていた筆者にとって、衝撃的だった。
「幽霊」という夢現の存在にはまだ「不確かさ」があるが、
「異常者」はそれがない。我々人類がどんな社会を作っても「異常者」は
まるで影のように存在し続けており、現実に則した隣にいるかもしれない恐怖ほど
恐ろしいものはないと考えていた11歳の頃。
今考えてみると、「お前のような異常者がいるか!」と言えるが
やはり「異常者」という存在は、普遍的に怖いものだなぁと常々思う。

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