2009年3月23日月曜日

タルパ

第132話「スイート・ホーム」に登場。
 
チベットに伝わる偶像。特殊な力で無生物に命を与えることが出来る。
ジェーン・ゴゴラックが住宅地の住人たちを規則で従わせるために
アジアで身につけてきた能力に反応して、怪物が現れる。
サンディエゴにある新興住宅地「アルカディア・フォールス」は、
常に州内の優良住宅地トップ5に選ばれるほど環境の良い地区として知られていた。
住民は契約で厳しい規則を守ることを義務づけられ、
それによって町の美観が保たれているという。
そこの住民であるクライン夫妻が、ある晩突然失踪した。
隣人は失踪当夜に不審な点はなかったと証言する。その7ヵ月後。
空家になっていたクライン宅にロブとローラと名乗る若いピトリー夫婦が越してきた。
彼らはすぐ隣人たちとなじんだように見えたが、その正体は
「アルカディア」で相次いでいる失踪事件を調査する為に
潜入したモルダーとスカリーだった。アルカディアの住人たちは
好意的であるものの、そこの規則に異常なほど執着していた。
さらに住人の一人マイクが姿を消し、モルダーは地底生物がいると
考え始めるが消えた住人たちには繋がりがあり、
皆ゴゴラックという住人と不仲であり、規則を破っていた。
やはりゴゴラックが犯人であり、呪術を使って怪物を操っていたのだ。
モルダーは彼を捕らえスカリーの下へと向かうが、
スカリーは怪物に襲われていた。モルダーはスカリーを助けようとするが、
スカリーは実は生きていたマイクの決死の行動により助かっていた。
ゴゴラックの前に仲間であるウィンが現れ、ゴゴラックはモルダーは
すぐに怪物に始末されるだろうと告げる。しかしウィンの様子がおかしい。
その後、ゴゴラックは怪物によって八つ裂きにされる。
怪物はゴゴラックが息絶えると、土へと返っていた。
事件は解決し、アルカディアの住人は口を揃えてゴゴラックの単独犯であり
自分たちには一切関係ないと証言する…
 
集団の調和のために個人を犠牲にする、恐るべきこの回。
実際はモルダーとスカリーの超熱冷夫婦を楽しむための回であり
怪物に関してはおまけである。にしてもどういう面なのかまったくわからんなこの怪物。

アグア・マラ

ドラマ「Xファイル」第130話「アグア・マラ」に登場。
 
ハリケーンにより何処かの海からやってきた謎の海洋生物。
触手のような姿をしており、人間に寄生する。
海洋生物のため、海水がある場所に潜むが真水に弱い。
とても小さく、水道管などを伝って移動しており神出鬼没。
フロリダ州グッドランドにハリケーン・リロイが接近していた。
嵐の最中、Xファイルの創始者であるアーサー・デールズ老人は
友人のサラ・シプリーから奇妙な電話をもらい、旧知のモルダーに助けを求める。
電話の内容は夫の海洋学者ジャックが「吸盤を持った触手のようなものに
襲われている」というものだった。デールズはジャックを襲ったのは
未知の海洋生物ではないかと考えていた。モルダー、そして半信半疑のスカリーは
シプリー宅へと乗り込む。しかし家の中には誰の姿も見当たらず、
所々にねばねばした液体が付着していた。嵐で帰路を絶たれたモルダーたちは、
何物かに襲われ瀕死の副保安官を発見する。
彼の体内には未知の生物が寄生していた。捜査を進めながら、
二人はとあるコンドミニアムに避難するが、そこにはまだ何人かの住人たちが残っていた。
そんな状況下で謎の生物に襲われながらハリケーンが去るのを待つ一行。
生物の魔の手が妊婦に迫る。しかし冷静なスカリーの判断により
生物の弱点が真水だとわかり、これを撃退するのであった。
 
アグア・マラ」とはスペイン語で「悪い水」という意味で、
さらにいえば「クラゲ」の意味である。つまりこの怪物のことを
指しているわけだがだからどーしたということではない。
今回はモルダーのお父さんの友人アーサー氏が目立ち、
スカリーの冷静な判断力が事件解決に繋がる、
モルダーが怪物に歯が立たないユニークな回である。
嵐によりコンドミニアムで立ち往生し閉ざされた空間で
怪物との対決という密室劇が魅力である。にしてもチャチいなこの怪物。

2009年3月21日土曜日

レナード・ベッツ

ドラマ「Xファイル」第87話「腫瘍」に登場。
 
本名レナード・モリス・ベッツ。またはアルバート・タナー、トゥルー・ラヴ。
全身が癌細胞でできた男。そのため体の一部を失っても、
すぐに作り出すことができる。また自分丸ごとを作ることもでき、
自身の死を偽るのに利用していた。癌細胞を摂取しなけば
ならない特異体質で、他者の癌細胞を奪うべく暗躍する。
病院へ患者を輸送する途中の救急車が交通事故を起こし、
車両後部に乗っていた救急隊員と患者が死亡した。
救急隊員のレナード・ベッツは、頭部と胴体が切断された状態で見つかり、
死体は病院の救急処置室に安置された。だがその夜ベッツの遺体は消失。
後、胴体は行方不明のまま頭部だけが医療廃棄物処理場で発見された。
解剖の結果はおそるべきものだった。頭部の細胞は、通常の人間なら
生存不可能なくらい、くまなく癌に冒されていたのだ。
ベッツの指紋を調べたところ、アルバート・タナーという人物のものと一致した。
しかし母親の話では、タナーは6年前に自動車事故で死亡したという。
タナーは自分の肉体丸ごとを作り出して死を偽り、レナードとして生きていたのだ。
そしてレナードの魔の手は癌を患ったスカリーにも及ぶが、間一髪で倒されるのであった。
 
Xファイルにはミュータントがいっぱいなのが常識だが
一度死亡すると新しい人へ、同じ事を繰り返しながら生き続けていたレナード。
人類が未だ克服できないガンを克服し、あまつさえそれに依存する姿は
人類の未来の姿なのだろうか?

アイザック・ルリア(ゴーレム)

ドラマ「Xファイル」第85話「魂のない肉体」に登場。
 
ブルックリン地区ウィリアムズ・パークで、スーパーの店主が
銃で撃たれ死亡した。人種偏見による事件が多い土地柄、
被害者アイザック・ルリアがユダヤ人であること、
店内から盗まれた物が監視ビデオだけであったことから、
単純な強盗事件ではないと推測された。
二日後、ビデオと共に若者の絞殺死体が発見された。
若者はビデオに映っていた犯人の一人で、不可解なことに
死体からは既に埋葬されたはずのルリアの指紋が検出された。
犯人の目的は復讐なのか?モルダーとスカリーはルリアの妻アリエルと
その父ヤコブを訪れる。アリエルはルリアと入籍を済ませたばかりの新妻だった。
犯人の正体はアイザック・ルリアの姿をしたゴーレムであり、
妻アリエルの祈りに答えて魂が宿るのだった。
しかしそれはアイザックであってアイザックではなく、深い悲しみに
囚われるアリエル。迎えられなかった結婚式を行った後
アリエルの祈りによって元の土へと返るのだった…
 
悲しき土人形の物語「魂のない肉体」は結婚式を迎えられなかった
花嫁の祈りが土人形ゴーレムに魂を宿らせる。
けどそれは彼女の求めた夫の姿と似た別物でしかなく
彼女の祈りによって土へ戻る。あのラストシーンが物悲しかったなぁ。

テリコ

ドラマ「Xファイル」第77話「メラニン」に登場。
 
本名サミュエル・アボア。ホルモンを作り出すことができない
特異体質で人間の脳下垂体を求め、西アフリカのブルキファソから渡米してきた。
フィラデルフィアで、3ヶ月間に4人の黒人男性が失踪。
発見された遺体は髪、肌、瞳の色が脱色し、白人のようになっていた。
外傷がなく所持品も持ち去られていないことから、
CDC(防疫センター)は致死性の未知の病原体に冒され、
死亡したものと推測。専門家として意見を求められたスカリーが事件を担当、
モルダーも協力を申し出た。遺体に付着していた植物の種に
着目したモルダーは、スカリーとは別の可能性を追って捜査を開始する。
種は西アフリカのある地域にだけ生息する「アデニア・ボルカンサイ」という
特殊な植物のものだった。その植物は水を与えると急激成長し、
成長すると先端が鋭利になるのだ。犯人はこの植物を使って
脳下垂体のホルモンを取り出していたのだ。そして捜査線上に、
西アフリカから移民してきたばかりのある若者が浮かび上がった。
さらにブルキナファソの大使はアフリカの民話に伝わる
化け物「テリコ」の仕業だとモルダーに告げる。
民話によると空気の精霊であるテリコは昼は活動せず、
夜になると人を襲い、襲われた者は、全身が白色化して死んでしまうという。
モルダーは民話と現実がリンクしており、アボアが一種の特異体質のミュータントと考える。
そしてアボアがとても普通の人間では入れないような穴に
身を隠していたことから疑惑は確信に変わる。
しかし、検査上アボアには異常が見当たらず、しかもアボアは逃げ出してしまう。
次に移民局の代理人が狙われるが、間一髪でアボアを倒すことが出来た。
 
Xファイルの怪人は穴ぼこに入るのがお好きなのだろうか?
にしてもこのテリコの姿はビジュアルショックだったなぁ。
被害者もこれと似たような姿になるのも色々と嫌だったなぁ。
ホルモンを狙うといえば「レリック」の怪物なんかも
そうだけど怪物はホルモンがお好き(以下略)

プッシャー

ドラマ「Xファイル」第66話「プッシャー」第105話「狐狩り」に登場。
 
本名ロバート・パトリック・モデール。武士道を信奉する殺人犯。
相手を暗示にかけ自殺するように仕向ける特殊な能力を持っており
そこから自身を日本語で「押す者」を意味する「プッシャー」と名乗る。
能力を使うと著しく体力を消耗し、脱水症状を起こす。
とある男が自分は連続殺人事件の犯人だと警察に電話で告白してきた。
モルダーたちは彼を逮捕し、有罪を立証しようとする。
プッシャー=モデールは捜査の結果、彼の脳には腫瘍ができており、
余命いくばくもないことが判明。その腫瘍が彼に特別な能力を与えていた。
モデールはかつてFBI捜査官になる夢を抱いていたが、
それが果たせなかったため、エリート捜査官であるモルダーに
異様な対抗心を燃やしていた。彼を護送中のパトカーが自らトラックに突っ込み、
運転していた警察官は最後の力を振り絞るように
容疑者の手錠を外して逃がしてしまった。事件の数分前、犯人は
警官に意味不明な言葉を投げかけており、暗示で事故を起こさせたのだ。
モデールと対決するため、モルダーは一人で、彼のいる病院に乗り込んでいく。
そこでモルダーは「ロシアンルーレット」をすることに。
明らかに不利な状況の中、モルダーは暗示に耐え、モデールを撃つことに成功する。
その後植物状態になり、ロートン刑務所病院棟に収容されていたが脱走した。
FBIはモデール捜索の陣頭指揮を取ることを決定する。
だがスカリーはモルダーに担当を降りるように忠告した。
もしモデールが復讐を考えているならば、以前彼を逮捕したモルダーを
狙う可能性が高い。果たしてモデールから電話がかかってきた。
モデールの挑戦を受けるモルダー。やがてボウマン検察官が殺され、
現場には日本語で「狐狩り」の文字が残されていた。
しかしモルダーがモデールを追い詰めたとき、「このゲームに乗るな」と
いったことから彼が犯人ではないと疑惑を持つモルダー。
そして真犯人はモデールではなく、先の事件の被害者の妻である
ボウマン未亡人だった。彼女は二卵性双生児として生まれた
モデールの妹であり、兄に代わってモルダーたちに復讐をしようとしたのだ。
兄モデールを安楽死させた彼女は、スカリーに化けて
モルダーに本物のスカリーを殺させようと仕向けるが
モルダーが躊躇した隙に、スカリーによって射殺された。
 
やっぱり外人はブシドー!が大好きだと認識できた「プッシャー」が登場する回。
スクィーズ」のように続編が作られているあたり、Xファイルの
スタッフの気持ちが窺える。モルダーに拘る犯人ってのは
あまりいなかった分、こいつは新鮮だったなぁ。

2009年3月20日金曜日

2shy

ドラマ「Xファイル」第55話「胃液 」に登場。
 
本名バージル・インカント。イタリア文学に精通する翻訳家。
脂肪が急速に無くなっていく特異体質であり、脂肪を大量摂取するために
太った女性ばかりを狙い、ハンドルネーム“2shy”と名乗って
出会い系サイトを駆使して犠牲者を選んでいた。
クリーブランドの埠頭に放置されていた車から女性の変死体が発見された。
被害者はローレン・マッカルビーといい、死体は干からびたようになって、
全身が粘液にまみれていた。モルダーはミシシッピ州で
起きた事件との関連を疑い捜査を開始、スカリーは遺体の検死を行なおうとする。
しかし、まさに作業を始めようと死体安置所のロッカーを開けた瞬間、
骨以外の部分の組織が溶けて流れ出したのだ。スカリーはモルダーに、
遺体のゼリー状の物質からは塩酸と消化酵素が検出され、
これは胃液の成分で、通常の胃液の何倍もの濃度であり、
遺体はそれによって激しく痛んでおり、脂肪成分が著しく減少していたと告げる。
ローレンと失踪した女性達には、新聞の恋人募集欄に投稿していたという
共通点があった。そして「2shy」という人物が彼女らと接点があり、
そこから一人の翻訳家の姿が浮上した。
スカリーが標的にされたが、間一髪のところで逮捕された。
 
「Xファイル」の連続殺人モノでは「スクィーズ」が一番面白かったが、
これも捨てがたい。あっちの殺人鬼はただスカリーの肝臓を狙っただけだが、
こっちのはフェロモンムンムンにしてスカリーを“その気”にさせて狙ってくるのだから、
その点が面白かったなぁ。