2013年6月7日金曜日

ヘルツォーク大佐とアインザッツ隊

映画「処刑山 -デッド卍スノウ-」に登場。

かつてのナチス残党兵。山に潜伏していたが、厳しい環境下にて死亡。
山に隠した財宝への執着からゾンビと化しており、
財宝を守るために山を通りがかる人々を見境なく襲う。
ヘルツォーク大佐とその部下たちの物語は、1942年から1945年の3年間に渡る。
第二次世界大戦時にナチスドイツは北ノルウェーを占領した。
ここで彼らの陰惨な歴史が刻まれることとなる。
当時、オクスフィヨルドに駐留していた部隊の名はアインザッツ隊。
敵性分子を排除する悪名高き特別行動部隊「アインザッツ・グルッペン」であり、
ナチス将校であるヘルツォーク大佐とその部下たちが所属していた。
オクスフィヨルドはソ連とイギリスの海上輸送を阻止する拠点としてナチス艦隊の重要な港となった。
当時、アインザッツ隊は地元の人間とは相容れない関係となっていた。
毎日に行われるヘルツォーク大佐による拷問と隊員たちからの虐待。
彼らは駐留中、悪逆の限りを尽くしたことから住民たちに恨まれ続けた。
第二次大戦末期、ドイツの敗戦色が濃厚となった。勿論、駐留中のアインザッツ隊も悟っていた。
そして彼らは悪行の最後の仕上げを行う。敗戦前に逃走を企てたアインザッツ隊は
オクスフィヨルド周辺の村々で略奪を開始した。全ての家という家に侵入し、金品を強奪、収奪。
村人たちから金目の物を全て取り上げようとし、拒む者は容赦なく射殺した。
金、銀、ありとあらゆるものがヘルツォーク大佐の部隊に集まり、財宝と呼べるものとなった。
しかし日々の非道に耐えてきた村人たちは、この時ばかりは抵抗する者も多く、
蜂起した村人たちはありったけの武器を集め、奇襲をかけた。
アインザッツ隊は戦場以外で民間人に殺されるという、ドイツ兵として屈辱的な大敗ととなった。
隊員の何人かは殺されたが、ヘルツォーク大佐と生き残った部下たちは村を脱出。
生き残りの多くは、かろうじて森の中へと逃げ込んだ。
村人は財産を取り戻すべく執念で捜索を行ったが、アインザッツ隊は彼らの追跡の目を逃れた。
彼らは盗んだ金品と共に、人目に付かない山へと逃げん込んだとされる。
毎日雪景色が続くオクスフィヨルドの山は、人が住むには厳しすぎる環境であり、
村人の多くはアインザッツ隊が衰弱して、凍死、餓死のいずれかとなって死亡したと考えた。
こうして“悪魔”と呼ばれた彼らの最期は、非常に呆気ないものとなった。
だがその死体は見つかっておらず、現在でも彼らの生死は不明のままであり、
過去の惨劇を知る者の中で、彼らがまだ生きているという噂が立上り続けている。
そこへウィンターバカンスを楽しもうと、マルティン、ベガード、アーランド、ロイ、
クリス、ハンナ、リヴ、サラのノルウェーの医大生8人が雄大な自然に抱かれた冬山を訪れようとしていた。
サラは一足早く雪山についていたが、夜何者かに追われた果てに、殺害されてしまう。
それを知らない7人は無事にコテージに着き、雪原での楽しい一時を過ごす。
いつまでも姿を現さないサラに、彼女の恋人であるベガードは胸騒ぎを感じていた。
その日の夜遅く、コテージの扉を叩く音が。外には中年の男が立っていた。
若者達が彼を中に招じ入れてコーヒーを振る舞うとアインザッツ隊の伝説を語る。
これを聞いたベガードは、翌朝スノーモービルでサラの捜索に向かう。
途中、簡易テントの中で昨夜の中年男の遺体を発見し、驚いた拍子に雪で隠れていた洞窟へ落ちてしまう。
一方コテージでは、床下から沢山の金貨などが入った小箱が見つけ出され、金貨が1942年製のことから
ナチスの隠し財宝だと多いに喜び、一同はさらに羽目を外した。
途中アーランドが用足しに屋外のトイレに向かうと、クリスがトイレに入ってきた。
一時の情事を楽しんだアーランドはトイレから戻り、クリスは用を足してから戻ろうとした。
しかし何者かの視線を感じ、危機感から急いでトイレから出て、コテージに向かおうとする。
何者かが彼女に背後から襲いかかり、悲鳴が上がるが、コテージの中には聴こえない。
トイレから戻らないクリスを心配するリヴ。窓に人影が見え、一同が注目すると、そこにはクリスの生首が。
直後そこら中から音が鳴り響き、謎の集団がコテージの中へ入ろうとしてくる。
コテージが騒然となる中、窓際にいたハンナは窓から飛び出してきた腕に髪を掴まれてしまう。
それを助けようとアーランド。しかし助けたのは良かったものの、窓から殺到する腕の数に圧倒され、
逆に自分の頭を掴まれてしまい、4人の目の前でアーランドの頭が真っ二つになる。
阿鼻叫喚の地獄の中、コテージに残った4人は何とか一夜を凌ぐのだった。
ナチスゾンビの襲撃におびえながら朝を迎え、4人は2組に分かれて脱出を図る。
囮として山小屋に残るマルティンとロイ、救助を呼ぶため車を探しに出るハンナとリブ。
洞窟の中でベガードは一人、驚愕の物を見つけた。洞窟内にはナチスのマークが掲げられ、
戦時中の小銃が置かれ、そして愛すべき恋人サラの生首が。
怒りと悲しみに包まれるベガードは洞窟から飛び出すと、そこへナチスゾンビ兵たちが襲いかかる。
1体は倒すも、残った2体と格闘した拍子に崖から落ちてしまう。
しかし1体の腸を掴んだお陰で宙づりになり、落下死は避けれたが、
しがみついていたもう1体に首を噛まれてしまう。2体のゾンビ兵を倒したベガードは、
首の傷を針で縫い、スノーモービルに洞窟にあったマシンガンを括りつけ、コテージにいる仲間の下へと戻る。
コテージではマルティンとロイが襲いかかるゾンビ兵に苦戦し、手製の火炎瓶を使おうとするが
誤ってコテージに火を放つ結果となり、最終的にはコテージは全焼してしまう。
破れかぶれで向かった先は、コテージ近くの納屋。納屋にあった斧やハンマー、チェーンソーでゾンビ兵に対抗。
そこへベガードが現れ、3人は次々とゾンビ兵を粉砕していく。
その頃、リヴとハンナは迫りくるゾンビ兵から逃げていた。
道中、二手に分かれたところ、リヴはゾンビ兵に捕まり、気絶した状態で生きたまま食われる羽目に。
しかし意識を取り戻したリヴはゾンビ兵の所持していた手榴弾を起爆させ、諸共自爆した。
一方、ハンナは崖に追い詰められ、身動きが出来なくなっていた。
そこで崖が非常に脆くなっていることに気づいたハンナは、わざと地団駄を踏み、
崖を崩してゾンビ兵と共に落下した。運よく雪に埋まったハンナは雪から抜け出し
埋まって身動きが取れなくなったゾンビ兵を殺し、リヴの手榴弾の爆発を遠くに見て、
助けを求めてコテージへと駈け出した。コテージ付近での戦闘は夥しいゾンビ兵に押され、
ベガードが四肢をもがれて死に、マルティンは片腕を噛まれていた。
残ったマルティンとロイは孤軍奮闘し、あまりの必死さに戻ってきたハンナを誤って殺してしまう。
悲しみにくれる間もなく、なんとか全てのゾンビ兵を倒した二人。
ロイは「お前はユダヤ人だからヤツらの仲間にはならない」と言うが、
マルティンは噛まれた自分の腕を切り落としてしまう。
直後、足元の雪から現れたゾンビに股間を噛まれてしまうが、気にせず最後の戦いに挑む。
残ったのはヘルツォーク大佐と思しきゾンビ1体。しかしヘルツォークは叫ぶ。
「よみがえれ!」その声に反応して、雪の中から次々と現れるゾンビ兵。
精も根も尽きかけ2人はたまらず逃げ出すが、ロイは落としたハンマーをヘルツォークに投げられ、
その拍子に腹に木が刺さり、腸が飛び出し、倒れたところを殺されてしまう。
マルティンは最早これまでと考えたところで、ヘルツォークがロイの死体から何かを奪っていた。
これに気づいたマルティンは全焼したコテージへ。焼け跡から見つけ出した小箱をゾンビ兵に投げ渡す。
彼らの目的が奪われた財宝だとマルティンは直感し、それは的中した。
ゾンビ兵たちが小箱の宝に夢中になる中、マルティンはようやく車を探し当て、車のキーを取りだした。
車内に恋人ハンナがポケットに入れてくれた金貨がこぼれ落ちる。
「しまった!」とマルティンが叫ぶ中、車の外にはヘルツォーク大佐の姿が…
(画像中央がヘルツォーク大佐)

雪山!ナチス!ゾンビ!の3つの趣が揃った映画「処刑山 -デッド卍スノウ-」。
ナチスとゾンビという一度は考えられてそうな(その昔カリブゾンビってのがあったり)なテーマで
面白可笑しく人が!ゾンビが!血みどろの嵐で!血染めの雪景色を作り出す!
とにもかくにもナチス!ゾンビ!という二つが合わさり、最高にB級臭漂ってくる。
ヘルツォーク大佐率いるナチスゾンビ兵団は生前から悪役。
だけど別に反抗した村人たちを怨んでるわけではなく、
自分たちが盗んだ宝を横取りされるのが嫌だから、山に来たら殺してやるという傍迷惑な奴らだ。
しかも知能が退化しているのか、持っている武器は軍用ナイフぐらいで、
ウン百年立っても劣化していないマシンガンが本拠地にあるのに使わない。
ただしナイフを除けば基本的に素手で戦い、相手が武器を使っても、
素手で戦うところに拘りがあり、変なところフェアプレー精神がある。
しかも盗まれた物をとっとと取り返せばいいものを、腹が減っているのかとにかく人を食べるのに夢中。
まぁゾンビの習性としては間違っちゃいないが、一体どっちを優先したいのだろう?
内容はあまり触れたくないが、ナチスの制服とゾンビが好きな人は一度見てみると良い。

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