2009年5月30日土曜日

ダニンスキー伯爵

映画「ワルプルギスの夜/ウルフVSヴァンパイア」に登場。

本名ワルデマール・ダニンスキー。呪われし狼男。
人を殺してしまい、銀の弾丸で息絶えたが
検死医が弾丸を興味本位に摘出してしまい、復活した。
女性記者のエルバイラとジェネビーの二人は、
17世紀フランスにいた伝説の魔女、ヴァンデッサ伯爵夫人の墓を探していた。
伯爵夫人は自身の絶世の美貌を保つため、
処女の生き血を飲んだと伝えられる生ける吸血鬼であり、
その最期は真相を知った愛人たちにより銀の十字架で滅ぼされたと伝えられている。
調査の結果、彼女の墓のだいたいの所在を突きとめ、車で調査旅行をしていた。
ところが道に迷った二人は、たまたま見つけた一軒の建物へと向かう。
そこはダニンスキーという不気味な男の屋敷であり、
気の違った妹の療養の為にそこで暮らしていた。
一泊の許しを得た二人が旅の目的を告げると、ダニンスキーは暗い顔をする。
次の日、周囲に詳しいダニンスキーと共にヴァンデッサの墓探しをする二人。
遂に見つけた墓には墓碑銘の他に只ならぬ言葉が。
「最後の審判まで何者も彼女の眠りを妨げてはならぬ」。
しかし意に介さず墓荒らしにかかる三人。
急にエルバイラは散策しにいき、残った二人は引き続き墓を荒らす。
ヴァンデッサの遺体が暴かれ、その胸には伝説どおり銀の十字架が突き刺さっていた。
不用意に十字架に手を伸ばすジェネビー。十字架を抜くとき、
うっかり手に傷がつき、鮮血がぽたりぽたりと遺体に落ちる。
遺体は一旦埋め戻すことに。一方近くの礼拝堂の廃墟にいた
エルバイラの前に突如現れた黒衣の人物が襲い掛かる。
謎の人物の顔はおぞましくも白骨化したミイラだった。
彼女のピンチにダニンスキーが現われ、ヴァンデッサの十字架を
ミイラを倒し、無事に帰路に着く。
夜になるとヴァンデッサが蘇り、水を飲みにきたジェネビーを襲う。
朝、いつまでも戻ってこないジェネビーを心配したエルバイラ、
彼女を探しに行くと、ダニンスキーの妹の死体を発見する。
どこからともなく聞こえてくる不気味な声から逃れようとするエルバイラ。
そこへ吸血鬼となったジェネビーが現われ、エルバイラに迫る。
彼女を再び救ったのはダニンスキーだった。
彼は件の十字架をジェネビーに向かって突き出し、なんとか退ける。
翌日、ダニンスキーはエルバイラに「吸血鬼が蘇ったのだ」と説明する。
しかも魔が現れる「ワルプルギスの夜」が近く、エルバイラに立ち去るよう勧める。
しかしエルバイラはダニンスキーを愛しており、村へ助けを求めに行く。
一方、残ったダニンスキーは妹の死体を埋葬する前に
妹が吸血鬼として蘇らぬよう、彼女の胸に木の杭を打ち込み、
さらに斧で首をはねる凄惨な儀式を行う。
かつての友人である吸血鬼に阻まれ、エルバイラは村にたどり着けず
屋敷へと戻ると、ダニンスキーの様子がおかしい。
彼は苦しそうに「今夜は満月だ、君はここにいてはいけない」と告げ、
十字架を彼女に渡して近くの小屋へ送り出した後、
ダニンスキーは狼男へと姿を変え、森の付近にいた男を惨殺する。
翌日、ダニンスキーがボロボロの服を纏って帰ってきた。
エルバイラに詰め寄られ、自分は狼男だと告白し、過去を語る。
彼は妹と共ににオーストリア国境近くの村に隠れ住んでいたが、
人を殺してしまい、銀の弾丸で仕留められたという。
しかし狼男の呪いは解けず、彼の呪いを解くためには
あのヴァンデッサの十字架が必要だとわかり、この地を訪れたのだ。
エルバイラに再度立ち去るよう頼むが、エルバイラは拒否し、
二人の愛は燃え上がり、二人で吸血鬼退治を誓う。
ジェネビーを倒すがエルバイラは捕らえられ、ヴァンデッサは魔の儀式を始める。
そこへダニンスキーが現れ、儀式の邪魔をする。
その時、満月の光が彼を照らし出し、狼男に変身するダニンスキー。
吸血鬼と狼男の死闘が始まる。激闘の末に狼男の牙が喉に刺さり、
おぞましい女吸血鬼は溶け崩れ、果てた。
だが、吸血鬼が倒れても暴れまわる狼男ダニンスキー。
縛めから逃れたエルバイラは彼が落とした十字架を拾うと狼男の胸に一突き。
狼男は悶え倒れ、ダニンスキーの姿に戻る。彼の遺体に取りすがるエルバイラ。
呪われし狼男は愛する者の手により永遠の眠りにつくのであった…

スペイン怪奇映画俳優の極北、ポール・ナッシーが演じる狼男。
世間は彼の映画は酷いというが、結構面白かったりする。
それはやはりモダン・ホラーとは違った、ハマーフィルム発祥ならでは、
西洋ならではの古典的雰囲気ある吸血鬼や狼男だからであろう。
P・ナッシー自身、怪奇映画のモンスターたちを好んで演じていることから
その辺の映画よりも愛がたっぷり入っているからかもしれない。
この悲劇的狼男はこれにて永眠したわけですが
実はこれシリーズモノであり、私はこれ一作のみしか観ていませんが
悲劇の狼男の物語はまだまだ終わらないのである。
ハッピーエンド目指して、頑張れダニンスキー!!

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