2009年3月5日木曜日

アントン・シガー

映画「ノーカントリー」に登場。
 
マフィアが奪われた200万ドルを取り返すべく、雇った殺し屋。
圧縮空気を使った圧搾空気銃(スタンガン)や消音器付きショットガンを使用する。
社会病質者で、その思考は予測不能である。
自身の異常な嗜好であるコインの裏表を使って、行動する。
保安官補によって捕縛されていたが、保安官補を殺害し逃亡。
途中、一般人を殺害して車を奪う。その後マフィアの案内人に事情を聞き、殺害。
金の入った鞄についた発信器を元に、独自の行動を始める。
モーテルにて金を盗んだ張本人ルウェリン・モスと接触、
更にメキシコ人たちを含めた銃撃戦となりメキシコ人を殺害、
自身も重傷を負うが、モスに深手を負わせる。
怪我の治療を優先するもすぐに追跡を開始、雇用主が
別に雇った殺し屋カーソン・ウェルズに気づきこれを殺害、
このときメキシコのモスから電話が掛かり、二人の会話が初めて実現する。
モスが自分の手で金を持ってくること、そうすれば妻に手出しはしないと
要求するがモスはこれを拒否し、結果モスはメキシコのエル・パソで死ぬこととなった。
母親の葬儀から帰ってきたカーラ・ジーンは家の中で
待ち伏せていた彼と対面する。モスと交わした会話にもとづいて
彼女を殺害しなければならないと説明するが気を変え、
コイントスでカーラ・ジーンが勝てば命を助けると言い出す。
裏か表か。彼女の答えは「賭けない」であった。
入り口のドアから出てきた彼はブーツの裏に返り血が付いていないかをチェックする。
しかし車で走り去ろうというところを交通事故に遭ってしまう。
左腕を骨折し、頭部から流血しつつも、警察が到着する前に
姿をくらますことに成功するのだった…
 
最近の映画は純粋悪が目立ち、彼もまたその一人である。
何よりもその姿。気色の悪い髪形、ヒューッ!といく空気銃、
デカイ消音器付きショットガン、そして何考えてんだかわからん空ろな目。
彼にとってコインの裏表は絶対であり、その全てにおいて
社会の不条理性を表した男。しかし怪物じみていながら、
結局は彼もまた不条理に晒される人間の一人である。

2 件のコメント:

: さんのコメント...

コインの裏表で選択する殺し屋というので「新宿の狼」というゲームのキム・ジェオンを思い出しました。
このキムというのがかなりの極悪人でチャイニーズマフィアの殺し屋なんですが、命令である日本のビルを爆破、その時、主人公の息子を偶然、殺害。その後、現場で主人公に遭遇し追い詰められるも逃亡。数年後、自分のボスが日本で取引する為に再び日本へ。
そこで主人公と再びであったキムはかつて自分の追い詰めた主人公に対する恐怖をなんとかする為、ボスの命令を利用しながら暗躍。
狙撃できたのにわざと外したり主人公の相棒を殺したり主人公の元奥さんを攫ったりとやりたい放題、また自分のボスが警察に逮捕されても気にしないなど忠誠心も存在しない。まあ、ボスもクズだが。
最終決戦では再び主人公と死闘を繰り広げ追い詰められるがそこで自分の家族はみな殺されたと言う。動揺した主人公の好きを付き、反撃するもやられ、銃をつきつけられる。
そして、プレイヤーは選択しなければならない…キムを「撃つ」か「撃たない」かを。
義手、義眼、声優の演戯によって薄気味悪い雰囲気が漂う獣の様な極悪人。
アントン・シガーはコインで選択を決めますがキムは対してプレイヤーが選択しなければならない。
どちらも命を奪うという殺し屋という不条理な存在でそして、自分の運命もまた自分では選べない不条理を背負った悪役である。
なんか面白いと思いませんか?

腐肉喰らい さんのコメント...

>:さん
運命には敵わないってのは
彼らだけではなく、多くの人々が
背負っているけど、それを強く感じるのは
かなり希少ですね