2010年3月15日月曜日

サイレンス

映画「殺しが静かにやって来る」に登場。

聾唖の殺し屋。かつて賞金稼ぎにより両親を目の前で殺されてしまい、
口封じに喉を切られたことにより、聾唖となった。
それ以来、愛銃モーゼル・ミリタリーを片手に両親の仇を追い求めている。
賞金稼ぎのみをターゲットとし、彼の歩く所に必ず死の沈黙が訪れることから
“サイレンス”と呼ばれ、賞金稼ぎから恐れられている。
1898年、豪雪地帯のユタ州スノーヒル。極悪非道の賞金稼ぎロコと
悪徳判事ポリカットに支配されている町で、
無抵抗の夫をロコに殺されたポーリーンは噂に聞く、
殺し屋サイレンスを呼び寄せた。無償で依頼を引き受けたサイレンスは
酒場で相手を挑発し、銃を抜かせようとする。
彼は殺し屋ゆえに、法から逃れるために相手に銃を抜かせて、
正当防衛で敵を倒さなければならないのだ。
しかし狡猾なロコは銃を抜かず、サイレンスを拳で痛めつける。
サイレンスも負けじと薪で殴りかかる。
ロコを酒場から放り出すと、ロコの仲間が銃を抜く。
サイレンスはこれを早撃ちで全て仕留めるも、肩を撃たれてしまう。
だが、ロコもサイレンスを背後から撃とうとしたため、
新任保安官バーネットに逮捕された。
バーネットは、この無法の町の秩序回復のために邁進していた。
賞金首の悪党たちが山を降りてくるという理由で
ロコを釈放しろと詰め寄る判事ポリカット。
しかしはバーネットは聞く耳を持たず、ロコを護送するという。
悪党たちの正体がポリカットに逆らって追放された、
善良な人間達だと知っていたのだ。一方、サイレンスはポーリンの家で
手当てをうけ、やがて二人は愛し合うようになっていった。
ロコを護送するバーネット。そこへロコを狙い山を下りてきた賞金首たち。
しかし、ロコを殺す事は法の番人として見過ごせないと
保安官は皆を説得し、町外れに食料があると告げ、ふたたびロコを護送する。
護送の途中、ロコが用を足したいというのでバーネットは気が緩んだ。
雪の中に埋めていたライフルを取り出したロコは
保安官を凍った川に沈めるのだった。
その頃、ポーリーン宅では彼女を手篭にしようとポリカットが乱入。
サイレンスは手下に押さえられ、右手を焼かれる。
しかも判事は両親を殺した因縁の相手である事が発覚する。
サイレンスはなんとか手下を倒し、判事を射殺する。
大勢の仲間を連れ、町に引き返してきたロコは
町はずれに集まった賞金首たちを捕らえ、サイレンスをおびきだす。
満身創痍のサイレンスはそれでも愛銃を片手に死地へ赴く。
しかし無情にもロコの銃弾が、サイレンスの命を撃ち抜いた。
その場にかけつけたポーリーンもまた、ロコの銃により命を絶たれ、
無実の賞金首たちもロコとその部下により皆殺しにされた。
賞金稼ぎたちが去り、ゴーストタウンと化した町。
その静寂さえも、無情な雪が包むのであった…

善が死に、悪が生きる無情なマカロニウェスタン。
それが映画「殺しが静かにやって来る」だ。
本作の主人公であるサイレンスの銃はウェスタンでは
珍しくモーゼル銃であり、リボルバーではなく自動拳銃なところが
なかなかどうしてカッコいい上に聾唖ゆえに喋らず
言葉でなく体で表す」ことを体現している辺り
筆者の心をガッチリ掴んでいる。
しかしそんな彼だが無情にも悪によって滅ぼされてしまうのだ。
悲劇的な主人公の死、このエンディングが衝撃的で、
初めてDVDで見たときはなんともいえない無常感のあまり震えましたね。
幻のもう一つのエンディングではハッピーエンドになっていますが
これだと普通のマカロニウェスタンな感じで、
アンハッピーだからこそこの作品は輝くのだと痛感しました。

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