2009年11月12日木曜日

エルマー

映画「ブレインダメージ」に登場。

脳を喰らう奇妙な生物。特に人間の脳が好物だが
自分自身では捕獲することが出来ず、寄生した相手に捕獲させる。
その代償として自分の体から生成される幻覚剤を
寄生した相手の脳髄に注入し、素晴らしい快楽を与える。
寄生された相手はエルマーに奉仕する奴隷と化し、共生するようになる。
十字軍の時代から存在し、時の皇帝や王侯たちの間で愛玩され
主人(奴隷)を転々としてきた、生きる遺物でもある。
エルマー(AYLMER)古い英語で “畏れ多き者”を指す。
大都会ニューヨーク。安アパートの一室で弟と暮らす若者ブライアン。
ある日、彼の首筋から謎の肉棒のような生物が現れた。
生物はこれからブライアンの人生が光に包まれることを確約し、
ブライアンに青い液体を分泌する。
次ブライアンの脳に凄まじい光と音のイメージが溢れ
歓喜に包まれながら彼は夜の町へと繰り出す。
その日以来、仕事にも行かず部屋に引きこもったまま
生物に与えられる快楽に溺れるブライアン。 
ひさびさに恋人のバーバラとのデートを楽しみ、
世間話をしている最中に、強烈な危機感に襲われ、恋人から逃げるように立ち去る。
意識が朦朧とする中、思わずクラブの女に手を出すブライアン。 
お楽しみの最中、女の口腔に突き刺さる生物の姿が。
気がついたときには路地裏にいたブライアン。
その時現れた老人から衝撃の真実-エルマーの出自が語られる。
老人の手をふりほどき、部屋に戻ったブライアン。
エルマーと手を切ろうとするが、彼は快楽の虜となっていた。
そして繰り返される殺し、遂には恋人バーバラをも
自身の快楽のために手をかける。
その帰り道、エルマーを狙って現れた老人に襲われるも
ブライアンの体から飛出したエルマーが
老人の脳髄を抜き取り、勝負はついたかのように思えた。
ブライアンに幻覚剤を与えようと油断したところを
瀕死の老人が最後の力を振り絞り、エルマーを握りつぶす。
握りつぶされたエルマーは死の間際に大量の幻覚剤を分泌。
凄まじい幻覚の力に、脳に多大な圧力がかかる。
脳に負担がかかり、痛みのあまり絶叫するブライアン。
老人のピストルを拾い上げ部屋に駆け戻るや、
その銃口を幻覚剤により変化し膨れ上がった頭部へ。
駆けつけた警官たちがブライアンの弟と共に見たものは、
ブライアンの頭から迸る、光の奔流だった…

悩みや苦しみとサヨナラ、
 色と音楽に満ちた人生が始まるんだ。楽しいぜェ!


これから君の人生は光に包まれる。
 君はその光から目を離さず、ただ耳を澄ませばいいんだ!


持ちつ持たれつ、ギブ&テイクな関係、
F・ヘネンロッター監督によるジャンキー映画「ブレインダメージ」。
このなんとも珍妙な生物エルマーくんは見かけによらず
とても知的で、自家製の幻覚剤で相手をトリップさせ、
俺なしじゃ、生きられねぇ体」にしてしまう、
某踊る花のごとく陽気で気さくなヤクの売人
(しかもお代は脳みそ。お得だねぇ)
映画はヤク中の人生を描いたスペクタクル・ハードゴアであり、
これに人生を狂わされるブライアンくんの転落人生が
面白おかしくも悲哀的なのが、この映画の醍醐味である。
ちなみにこの映画にはカメオ出演で「バスケット・ケース」な男がいる。

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