一攫千金を夢見る偏屈な山師の男。石油を手にしてから、金の亡者となる。
とある場所で男が一人、金の採掘に成功した。この男こそが、後に「石油王」となる
ダニエル・プレインビューであり、これが彼の転機と、その始まりである。
次にダニエルは、採掘した金を元手に石油の採掘に手を出した。
採掘には成功したが、一緒に作業を従事していた同僚が事故で死んだ。
同僚には赤ん坊がおり、ダニエルはこの赤ん坊に「H・W」と名付け、
自分の息子として、ビジネスの「パートナー」として育て始める。
20世紀初頭のアメリカ西部。ダニエルの事業は上々であり、幼い息子のH・Wを伴って、
新たな油田を探していた。 あるとき彼は、見知らぬ青年ポール・サンデーから
青年の家族が住むサンデー牧場に石油が出る兆候があるという情報を得る。
相応の報酬をポールに渡し、現地へ赴くダニエル。サンデー一家から権利を買い取ろうとするが、
ポールの双子の弟と思しき宗教家イーライが現れた。買取には快く応じてくれたものの、
条件としてイーライの属する「第三の啓示教会」への寄付金という思わぬ出費をする羽目となった。
買い取った翌日にはすぐに仲間を呼び寄せて試掘を開始する。周辺地域の住民たちの土地も
買い取るために、得意の話術で説き伏せ、まもなく豊かな油脈を掘り当てる。
だがまたしてもイーライが、油井の公開式には自分を主賓とし、油井に祝福の儀を行わせ、
自身の名を油井に冠すよう言い始めた。このときからダニエルはイーライを敵と見なす様になり、
口約束だけすると、公開式直前にそれを反故にし、イーライの妹でH・Wのガールフレンドである
メアリーを主賓として招き、メアリーの名を油井に冠した。このことからイーライもまたダニエルを
敵と見なす様になった。若き宗教家との確執から数日後、採掘中に事故が発生。
油井が大炎上を起こし、そのとき採掘現場を見学していたH・Wは頭を強く打ったために、
耳が聴こえなくなり、聾唖となってしまう。事故はすぐ治まるものの、これまで最良だった息子との
関係にわだかまりが生じ始める。常に神に選ばれしものを憚るイーライが
いつまで経っても息子を「癒し」に来ないことと、息子への苛立ちが入り混じった怒りを、
金をせびりに来たイーライにぶつける。ついにH・Wとの生活をあきらめたダニエルは、
一人息子をサン・フランシスコの寄宿舎学校に追いやってしまう。一方で石油事業は成功を収め、
ダニエルの名前は新聞に載るまでになった。数日後、腹違いの弟を名乗るヘンリーという男が
ダニエルの前に現れる。金目当てと最初は疑いをかけたが、徐々にヘンリーに信頼を置くようになる。
しかしふとした切欠で、偽者であることを知ったダニエルは偽ヘンリーを問い詰め、
本当の弟はすでに死んでおり、偶々知り合いだった偽ヘンリーが金目当てにその名を騙ったことを白状した。
激昂したダニエルは偽者を殺し、近々自分の土地にする場所へと、死体を埋めた。
しかしそこはイーライの信徒であるバンディ家が所有する土地であり、
ダニエルは買い取ろうとするが、家主ウィリアムの突きつけた条件は
イーライが主宰する教会でダニエルが洗礼を受けることであり、嫌々ながらそれを呑んだ。
そこで待っていたのは屈辱だった。イーライはダニエルを洗礼する際に、「息子を見捨てた罪人」であると
信徒の前でダニエルに認めさせたのだ。その後、H・Wが手話を学んで帰ってきた。
息子が帰ってきたことを機に、自分が認めたことを否定するように息子を大切に扱い
将来は自分の跡を継ぐことを周りに喧伝した。その時ダニエルはライバル会社から
執拗に共同経営の話を持ちかけられるのが目障りだったため、ライバルたちを煙に巻くにも丁度良い機会だった。
その十数年後、イーライの妹メアリーとH・Wが結婚し、ダニエルは事業で大成功を収め、
大きな屋敷で一人さびしく酒におぼれる生活を送っていた。そこへH・Wが現れ、妻とともに
メキシコに移り、起業したいと申し出た。激怒したダニエルは、お前は孤児だから自分とは
血がつながっていないと告げ、H・Wを勘当し、H・Wも「あなたと血が繋がってなくて良かった」と言い、
彼の下から去って行った。そのしばらく後、今度はダニエルの元にイーライが突如現れ、
ダニエルにバンディ家の土地での石油採掘に出資するよう請う。
ダニエルは同意するが、自分はインチキ預言者で神は迷信だと、イーライが宣言することを条件に出す。
かつての屈辱の再現だ。イーライが泣き出すまで宣言させた後、ダニエルはバンディ家の土地には
もはや石油が残っていないことを明かす。ダニエルはバンディ家の土地以外を買い占め、
そこからバンディ家の石油を吸い上げていたのだ。イーライは自分が経済的に困窮していることを
ダニエルに明かすが、文無しで取引するものもない、無価値な男にダニエルが同情するわけもなく、
あのときの屈辱の清算のように自宅のボーリング場のボーリング・ピンでイーライを撲殺する。
騒ぎを聞きつけて駆けつけた執事にダニエルは「もう俺は終わったよ」と言った…
石油が彼を怪物に変えた。
息子を捨て、人を殺すことも厭わなくなったダニエル。
彼の内にあるのは欲望か、それとも狂気か…
アメリカ版「銭ゲバ」であるダニエル。怖いねぇ。銭ゲバもそうだったけど
金を死に物狂いで集めるけど、一体何がそこまで金への執着を
掻き立てるのかわからない。息子を捨て、情も捨てた。
金は溢れるほど手に入れた。だけど満たされない。
採掘には成功したが、一緒に作業を従事していた同僚が事故で死んだ。
同僚には赤ん坊がおり、ダニエルはこの赤ん坊に「H・W」と名付け、
自分の息子として、ビジネスの「パートナー」として育て始める。
20世紀初頭のアメリカ西部。ダニエルの事業は上々であり、幼い息子のH・Wを伴って、
新たな油田を探していた。 あるとき彼は、見知らぬ青年ポール・サンデーから
青年の家族が住むサンデー牧場に石油が出る兆候があるという情報を得る。
相応の報酬をポールに渡し、現地へ赴くダニエル。サンデー一家から権利を買い取ろうとするが、
ポールの双子の弟と思しき宗教家イーライが現れた。買取には快く応じてくれたものの、
条件としてイーライの属する「第三の啓示教会」への寄付金という思わぬ出費をする羽目となった。
買い取った翌日にはすぐに仲間を呼び寄せて試掘を開始する。周辺地域の住民たちの土地も
買い取るために、得意の話術で説き伏せ、まもなく豊かな油脈を掘り当てる。
だがまたしてもイーライが、油井の公開式には自分を主賓とし、油井に祝福の儀を行わせ、
自身の名を油井に冠すよう言い始めた。このときからダニエルはイーライを敵と見なす様になり、
口約束だけすると、公開式直前にそれを反故にし、イーライの妹でH・Wのガールフレンドである
メアリーを主賓として招き、メアリーの名を油井に冠した。このことからイーライもまたダニエルを
敵と見なす様になった。若き宗教家との確執から数日後、採掘中に事故が発生。
油井が大炎上を起こし、そのとき採掘現場を見学していたH・Wは頭を強く打ったために、
耳が聴こえなくなり、聾唖となってしまう。事故はすぐ治まるものの、これまで最良だった息子との
関係にわだかまりが生じ始める。常に神に選ばれしものを憚るイーライが
いつまで経っても息子を「癒し」に来ないことと、息子への苛立ちが入り混じった怒りを、
金をせびりに来たイーライにぶつける。ついにH・Wとの生活をあきらめたダニエルは、
一人息子をサン・フランシスコの寄宿舎学校に追いやってしまう。一方で石油事業は成功を収め、
ダニエルの名前は新聞に載るまでになった。数日後、腹違いの弟を名乗るヘンリーという男が
ダニエルの前に現れる。金目当てと最初は疑いをかけたが、徐々にヘンリーに信頼を置くようになる。
しかしふとした切欠で、偽者であることを知ったダニエルは偽ヘンリーを問い詰め、
本当の弟はすでに死んでおり、偶々知り合いだった偽ヘンリーが金目当てにその名を騙ったことを白状した。
激昂したダニエルは偽者を殺し、近々自分の土地にする場所へと、死体を埋めた。
しかしそこはイーライの信徒であるバンディ家が所有する土地であり、
ダニエルは買い取ろうとするが、家主ウィリアムの突きつけた条件は
イーライが主宰する教会でダニエルが洗礼を受けることであり、嫌々ながらそれを呑んだ。
そこで待っていたのは屈辱だった。イーライはダニエルを洗礼する際に、「息子を見捨てた罪人」であると
信徒の前でダニエルに認めさせたのだ。その後、H・Wが手話を学んで帰ってきた。
息子が帰ってきたことを機に、自分が認めたことを否定するように息子を大切に扱い
将来は自分の跡を継ぐことを周りに喧伝した。その時ダニエルはライバル会社から
執拗に共同経営の話を持ちかけられるのが目障りだったため、ライバルたちを煙に巻くにも丁度良い機会だった。
その十数年後、イーライの妹メアリーとH・Wが結婚し、ダニエルは事業で大成功を収め、
大きな屋敷で一人さびしく酒におぼれる生活を送っていた。そこへH・Wが現れ、妻とともに
メキシコに移り、起業したいと申し出た。激怒したダニエルは、お前は孤児だから自分とは
血がつながっていないと告げ、H・Wを勘当し、H・Wも「あなたと血が繋がってなくて良かった」と言い、
彼の下から去って行った。そのしばらく後、今度はダニエルの元にイーライが突如現れ、
ダニエルにバンディ家の土地での石油採掘に出資するよう請う。
ダニエルは同意するが、自分はインチキ預言者で神は迷信だと、イーライが宣言することを条件に出す。
かつての屈辱の再現だ。イーライが泣き出すまで宣言させた後、ダニエルはバンディ家の土地には
もはや石油が残っていないことを明かす。ダニエルはバンディ家の土地以外を買い占め、
そこからバンディ家の石油を吸い上げていたのだ。イーライは自分が経済的に困窮していることを
ダニエルに明かすが、文無しで取引するものもない、無価値な男にダニエルが同情するわけもなく、
あのときの屈辱の清算のように自宅のボーリング場のボーリング・ピンでイーライを撲殺する。
騒ぎを聞きつけて駆けつけた執事にダニエルは「もう俺は終わったよ」と言った…
石油が彼を怪物に変えた。
息子を捨て、人を殺すことも厭わなくなったダニエル。
彼の内にあるのは欲望か、それとも狂気か…
アメリカ版「銭ゲバ」であるダニエル。怖いねぇ。銭ゲバもそうだったけど
金を死に物狂いで集めるけど、一体何がそこまで金への執着を
掻き立てるのかわからない。息子を捨て、情も捨てた。
金は溢れるほど手に入れた。だけど満たされない。
0 件のコメント:
コメントを投稿