2009年4月11日土曜日

ケニー・ハンプソン

映画「テラー・トレイン」に登場。

医学生たちが火を囲んで大晦日の夜を楽しんでいた。
そんな中で、ドクは、数名の仲間たちと共に内気な学生ケニーに
ある悪質ないたずらを考えていた。美人学生アラナをひきあわせ、
彼に初体験させようというのだ。“キスをして"というアラナの声に
恐る恐るベッドに近づくケニー。しかし、ベッドに横たわっていたのは、
ドクが解剖室から盗んできた女の死体だった。
ショックのあまり、ケニーはカタトニア(緊張病)にかかり、精神病院ヘと送られた。
それから三年後の大晦日。大学最後のパーティを列車で過ごそうと、
学生たちは豪華なSL列車を借り切った。
しかし、それぞれが変装して列車に乗り込む時、
エドが何者かに殺されたことに気がついた者はいなかった。
彼は三年前のケニー事件の仲間の一人だ。
犯人はエドの衣装を奪い、グルーチョに扮した。
列車内では、仮装パーティが行なわれ、マジシャンのショーなどと
共に盛況をきわめた。アラナはモーと、ドクはミッチーと
それぞれカップルを組んだ。アラナとミッチーは親友であり、
いずれもケニー事件の仲間だ。アラナがトイレに入ると
トイレの中で扮装していたジャクソンという男の死体を発見する。
列車内の異様な空気に気がついた車掌カーンは乗客をパニックに陥らせないように
事件を伏せたまま、列車を走らせる。犯人は今度はジャクソンの衣装を奪い、
トカゲの怪物に扮した。カーンは続いてミッチーの惨殺死体も発見し、
騒ぎが大きくなることを恐れて、そのことをアラナだけに打ち明けた。
犯人はミッチーの衣装を奪い、魔女に扮した。
そして、女性奇術師を相手にしたマジック・ショーが最高潮に達した頃、モーが殺された。
乗客がパニックになり、カーンは仕方なく急ブレーキをかける。
次々に起こる殺人事件にケニー事件が関係していると気づいたアラナは
次に自分やドクが狙われると予感した。カーンは全員を外に出し調査したが、
犯人らしき人物は見つからなかった。アラナは、ケニーが奇術に凝っていたことを思い出し、
自分に関心を示している様子だったマジシャンを疑った。
しかし、彼はケニーとは程遠い容貌で、謎は深まるばかりだった。
そしてコンパートメントに戻って恐怖に怯えるドクが惨殺された。
一人個室にこもったアラナだが、ドクの衣装を奪って僧に扮した男に襲われた。
大格闘の末、男を車外につき落とすアラナ。
マジシャンが殺しに来たのだと思った彼女は、彼を倒してほっとするが、
その直後、マジシャンの部屋から彼の死体が発見される。
犯人は誰なのか。恐怖におののく彼女の手をある人物がつかんだ。
それは女奇術師だった。そして、それは、あのケニーが女装した姿だったのだ。
ケニーはアラナにキスを求める。あの運命の夜のときのように。
だがアラナがキスをすると、あの夜のことがフラッシュバックし
狂ったように発作を起こした。そこへカーンが現われ、
シャベルでケニーの首を切断し、今度こそ、彼を車外へと葬るのだった。

怨み骨髄、トラウマ殺人鬼映画「テラー・トレイン」。
列車の中というありふれながらも、閉塞した空間での惨劇。
殺人鬼の悲哀、小気味良いトリックなど、隠れた名作である。
で、これが後の作品に影響を与えたのは言うまでもない。
ケニー君はあの手この手で復讐を行うが
結局自分自身のトラウマに飲み込まれ、やられてしまうのである。
余談だが主演のJ・L・カーティスはこれ以外の二本のスラッシャー映画に主演し、
スクリーミング・クイーン」の異名を拝命することとなる。
あとディヴィッド・カッパーフィールドがマジシャン役で出ている。

0 件のコメント: