2009年4月9日木曜日

ユダの血統

映画「ミミック」シリーズに登場。

近未来のアメリカで、ゴキブリを媒介とする「ストリックラー病」が蔓延し
多くの人命が失われた。それを撲滅すべく、スーザン・タイラー博士と
ピーター・マン博士が全米遺伝子研究所の協力の下、
シロアリとカマキリのDNAを配合し誕生させた、
ゴキブリの人工的な天敵(シロアリもカマキリもゴキブリの近隣種であるため、
遺伝子操作によって新種のゴキブリを生み出したとも言える)。
本来ならば、ゴキブリの駆除が終わり次第、自滅するよう
寿命を半年と短命に設定した上、メスに不妊処置を施し外界に解き放った。
ところが、オスの一匹に偶然産卵能力を持った事で生き延び、
繁殖を開始。更にゴキブリ対抗する為に代謝を活性化させた事で
繁殖のサイクルを何十、何百世代と加速した結果、
僅か3年の間に本来ならば昆虫には決して存在しない臓器である肺が生まれ、
それにより成人男性と同程度の体格、人間はおろか他の動物と比較しても
桁違いに高い身体能力、生命力(首を切断された後10日程で死亡。死因は餓死)、
抜群の殺傷能力と社会性、高い繁殖能力、人間への擬態能力を持つに至った。
メスの個体は、こげ茶色の体色で、カマキリのように中脚・後脚で立ち、
鎌のような前脚で人を襲う。飛行も可能であり、
また頭部には人の顔の模様がついた器官を有し、それで顔を覆うことによって人間に擬態する。
夜などは黒いフード付きのコートを羽織って、人間に紛れることもできる。
また、群れでただ1匹のオス個体は、メスより一回りほど大きく、
体色も灰色で、翅が退化している。より進化した個体は人間との交配が可能であり、
襲った人間の顔をコピーし、脱皮を繰り返すことで肉体も顔と同じようにコピーでき、
さらにその人間の記憶、思考までもを行動パターンに組み入れることができる。

個人的に許せるのは二作目まで映画「ミミック」シリーズ。
原作はドナルド・A・ウォルハイムの「擬態」。
原作は数ページで終わる短編なので、ここまで大きく作れりゃたいしたもんだ。
人間社会に溶け込もうとする昆虫「ユダの血統」の設定はとてもユニークだ。
ただ、回を重ねるごとに劣化していくような感じも否めない。
しかしこんなユニークな怪物を作ったギレルモ・デル・トロ監督には
盛大な拍手を送りたい。

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