2012年5月3日木曜日

ヒシュル・トリ(ハカ・アラカウ)

映画「チート」に登場。

日本人(ビルマ人)の資産家であり、骨董商(象牙王)。
自らの所有物には必ず『鳥居』の焼印を押し、
自分の『所有物』であることを示すことに異様な執念を持つ。
ニューヨークの投資家ディック・ハーディの妻イーディスは
社交的な女性であり、浪費家であった。投資が不調のハーディは妻に
浪費を慎むようたしなめるが、イーディスにはその気はなかった。
彼女は赤十字の寄付金収集にも協力していたが、知人の投資家から
もたらされた有望株の情報に飛びつき、預かっていた寄付金1万ドルを
投資に流用してしまう。骨董商のヒシュル・トリはかねてよりイーディスと
親しくしており、邪な好意を持っていたが、当然彼女はトリを快く思ってはいない。
イーディスの行った投資は失敗してしまい、途方にくれたイーディスは
トリの元を訪れ、トリから1万ドルの借金をしてしまう。
トリは喜んで金を貸すが、その条件はイーディスを愛人とすることであった。
ハーディが株で大もうけしたため、イーディスは夫に嘘をつき1万ドルを得る。
彼女はトリの屋敷を訪れ借金を返そうとするがトリは受け付けない。
トリはイーディスに迫るが、必死に抵抗するイーディスに激怒したトリは
イーディスを押さえつけ、その肩に自らの所有物である旨の『鳥居』の焼印を押す。
ショックを受けたイーディスは、そばにあった拳銃でトリを撃ってしまう。
妻の不審な行動を心配したハーディはトリ邸に侵入し、
イーディスがトリを撃ったことを知る。妻を守るべくハーディは逮捕される。
イーディスはトリの元を訪れ、必死に真実を明かすよう懇願するが、
トリはイーディスとは目も合わさず、追い返す。
裁判が始まるも、正当防衛を主張するだけのハーディには有利な条件がない。
証人であるトリも『撃ったのはハーディである』と証言する。
ハーディの有罪が宣告されたそのとき、イーディスは法廷で肩をあらわにし、
自らがトリを撃ったこと、焼印を押されるに至った経緯を叫ぶ。
傍聴人は激怒し、トリは身の危険を感じて逃げ出す。
ハーディの容疑は晴れ、妻イーディスとハーディは、
傍聴人の拍手の中、揚々と法廷を後にする。
()は1981年の設定

公開当時波乱を呼び、国辱といわれた俳優・早川雪州の代表作「チート」。
この映画に登場する悪役トリ(鳥居なのか?)さんは現代にも通じる悪辣さが実に良い。
女に焼印を施すという、明らかに骨董商というよりも奴隷商人然として
好色、残虐非道、東洋の神秘、美男」が合わさって、キャラが立っている。
しかし「東洋の神秘、美男」は良かったが「好色、残虐非道」が当時の日本人には
受け入れられず、早川雪州個人の演技力は注目されず、
そのキャラ故に、早川雪州は国辱と呼ばれることとなった。
これを考慮してか、後のリバイバル上映とDVD版はビルマ人の象牙王で、
名前もハカ・アラカウに変更となっている。
ちなみに私が大学で学んだことの中で良かったことの一つが
この映画に出会えたことである。見た直後に思ったのは
「何処のどいつだよ、初めて海外進出したのは渡○謙って言ったヤツ!」で
心の中で一つの革新が起きましたね。

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