2010年1月19日火曜日

ハンク“ランキー”フェロウズ

映画「さすらいの一匹狼」に登場。

本名ハンク・フェロウズ。
望遠照準器付きウインチェスターを持つ賞金稼ぎ。
ランキーは渾名であり、“ひょろ長い”を意味する。
賞金稼ぎであるランキー・フェロウズは
ただおたずね者を探しあてて、射殺し、賞金をいただくというのではなく、
銀行から銀行へ移される金を護衛して、護衛した見返りの報奨金、
そして駄賃に賞金首の懸賞金も頂くのであった。
今日もまたお得意の照準付きウィンチェスターで
騎兵隊を護衛し、山賊を全滅させていた。
ある日、彼は盗賊ケネベック一味が金塊を狙っていることを知り
テキサスとメキシコの国境に近い小さな町オマハの銀行へと向かう。
ケネベックはかつて兄弟を殺した憎い仇だったのだ。
盗賊たちは金塊を強奪したが、フェロウズにより邪魔をされ
金塊を奪還されてしまう。盗賊たちは二の足を踏むが
ケネベックには妻子がおり、引くわけにはいかなかった。
フェロウズはオマハに住む女が怪しいと見て、見張りを立たせ
妻子の安否を確認しに来たケネベックの手下を捕らえ、
ケネベックとの関係を聞き出すため、拷問に掛けた。
事情を理解したフェロウズはケネベックの息子を誘拐する。
一計を案じたフェロウズは金塊と息子を餌に、町ぐるみで
ケネベックらを迎え撃った。金塊を運び出したことを
知らない盗賊たちは金庫室に仕掛けられた爆薬で全滅する。
隠れ家に戻ったケネベックは、手下の全滅を知る。
ただ一人生き残ったケネベックは怒りに震え再びオマハへ赴き、
フェロウズに1対1の決闘を挑んだ。お互いの得物を交換し、
ケネベックはフェロウズの銃が高性能で早撃ちの腕は
それほどではないと高を括り、ハンクのウィンチェスターを拾った。
スコープを覗いたケネベックの右目を、ハンクの銃弾が射抜いた。
フェロウズは去り、死体となった盗賊の頭に縋る、妻子の姿が残る。
銀行の石段に偽装した金塊を、到着した輸送部隊が無事運び出した。
その道中、再び山賊が襲撃を仕掛ける。その姿を捕らえたフェロウズは
不敵な笑みを浮かべ、お得意の得物を構える…

冷血非道情け無用、金のためなら親でも殺す
それが賞金稼ぎであり、「さすらいの一匹狼」に登場する
ランキーはリアルな賞金稼ぎといえる。
主題歌でも「残酷鬼畜」と歌われるだけあって
金になること以外容赦ない辺り、実に現実的だ。
「荒野の用心棒」では一文の得にもならないことをイーストウッドが行い
ドラマに彩りを持たせたが、こちらの賞金稼ぎは悪党を拷問にかけ
盗賊の頭の息子を誘拐し、おまつさえなんらかの救いがあるかと思いきや
さっさと復讐して、報酬もらって、はいさよなら。
残された妻子は悲観に暮れるだけなのだから、なんとも後味が悪い。
だが、大抵の作品で主役の賞金稼ぎが英雄的扱いを受けることに対して
この作品では「金のために人殺しをする」現実的な賞金稼ぎが
描かれていることがユニークであり、貴重だと思う。
ちなみに「さすらい~」は「700㎜ズーム殺法」でも有名である。

0 件のコメント: