2009年3月18日水曜日

ウィッカーマン

映画「ウィッカーマン」に登場。
 
ウィッカーマンとは、ガリア戦記に記述されている
柳の枝で編まれた巨大な人型の檻で、ドルイド教徒が生贄となる
人間を入れて燃やすものである。スコットランド・ハイランド地方西部の
警察に勤める巡査部長ニール・ハウイーはヘブリディーズ諸島の
サマーアイルという孤島で行方不明になった少女ローワン・モリソンを
探してほしいという匿名の手紙を受け、捜査に来た。
彼が見たものは、一見普通に見えた島民が、生まれ変わりを信じ、
太陽を信仰する、大地豊穰と男根崇拝が基本の原始宗教が
生活の隅々までに染み渡っている奇妙な島だった。
子供たちに生殖と豊作を願うための性的なまじないを教え、
大人たちは裸で性的な儀式に参加する。島の領主サマーアイル卿のもとで
キリスト教宣教以前のケルト的ペイガニズムが復活していた
異様な光景を目の当たりにし、彼は非常に厳格なキリスト教を
信仰しているため、これらの風習に衝撃と嫌悪を隠せなかった。
宿では、宿主の娘ウィローが艶かしい踊りと歌でハウイーを誘惑し、
彼を悶々とさせる。「五月祭」の近づく中、島民は準備や儀式に忙しく、
彼の捜査は進まない。教師や役人も含め、
島民は「ローワンという少女はここにはいない、最近死んだばかりだ」と口をそろえる。
ハウイーは島の権力者であるサマーアイル卿のもとへゆくが、
そこで彼はサマーアイル島の物語を聞かされる。
サマーアイル卿の祖父の世代、凶作が続いたためにキリスト教を捨てて
古い宗教儀式に戻ったところ島は豊かになり、リンゴの名産地になれたという。
ハウイーは次第に、少女は人身御供として殺された、
あるいは翌日の豊作祈願の祭で生贄とされるのではないかと推測する。
やがてローワンの墓を暴くと中には野兎しか入っていなかったこと、
ローワンが昨年の感謝祭の主役であったこと、凶作の年の五月祭は
生贄が供えられることを知り、今年のリンゴの凶作だったことにより、
疑惑は確信に至った。飛行艇の故障で応援の呼べず、少女を救うべく、
五月祭の主役である愚者パンチを演じる予定の宿のあるじを昏倒させ、
自らがパンチの扮装をしてサマーアイル卿が先導する五月祭の行進に紛れ込む。
ハウイーを含めた島民の行進は、町外れの海辺の丘に立つ、
柳の枝で出来た巨大な「ウィッカーマン」の像へと向かう。
祭りが始まり現れたローワンが生贄にされかけたところを
ハウイーは救うが島民に取り押さえられ扮装を暴かれる。
そこでサマーアイル卿は予定している生贄はローワンではなく
ハウイーであり、今までの全ては彼をこの島へ招きよせて
生贄にするための罠だったことを明かす。五月祭で燃やされる生贄は
少女ではなく、愚者パンチのように童貞で、賢くかつ愚かな者でなければならず、
しかも王の代理として自由意思で来なければならない。
ハウイーは信仰のために童貞であり、女王の政府の警官=代理として
自ら島へやってきて罠にはまった、ということで生贄の条件を
全て満たしたのである。全ては異教の神を信奉する村人たちの
思惑通りであり、サマーアイル卿は島民たちの信仰の主宰者として
ハウイーを豚や鶏とともにウィッカーマンの中に閉じ込め、火を投じる。
死の恐怖に直面したハウイーが聖書の詩篇23章を絶叫するなか、
サマーアイル卿やローワン、島民らは来年の豊作を祈って、
燃えるウィッカーマンの周りで中英語の歌『夏は来たりぬ』を歌う。
そして五月祭は最高潮を迎えた…
 
別に木の人形は動きませんよ?映画「ウィッカーマン」。
もうね…ここまでね。犯人が寄って集って探偵役をボコる映画ってないと思うのよ。
極上のカルトホラー(音楽とか雰囲気も含めてカルト)である。

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