2013年3月20日水曜日

トッサーラッド

映画「トロール・ハンター」に登場。

森の中に潜んでいたトロール。3つの頭を持っているように見えるが、
本当の頭は真ん中の目が一つだけの頭であり、残りは頭のように見える突起物である。
生まれたときは頭は1つしかなく、成長に伴い増えていく。
この頭の数を使って、雄を威嚇したり、雌の気を引く。
トロールは北欧で昔から語り継がれている伝説の妖精として知られており、
人の言葉を理解し、ときに話し、悪戯好きな小人とも、悪意を持った巨人ともされる。
実際のトロールはノルウェーに棲み、人間の言葉を理解するような知性は持ち合わせておらず、
巨大な体躯を持った哺乳類の一種であり、雑食性。人、山羊、牛、草木など、目につくものは何でも食べ、
車のタイヤが好物という悪食な性質を持つ。寿命は1000年から1200年であり、子どもは一匹づつしか生まない。
紫外線に弱く、これは紫外線によるビタミンDの生成をすることが出来ないためであり、
紫外線を浴びると肉体のコントロールを失って、生体組織が著しく衰弱していく。
結果、若いトロールは血管にガスがたまり爆発。高齢のトロールは身体が骨化することで石のようになり、死に至る。
大きく分けて山トロールと森トロールの2種類が存在し、全個体に共通しているのは
同族以外の体臭に敏感で、特に人間のキリスト教徒の匂いを嗅ぎつけると襲いかかってくる。
また讃美歌や祈りなど、キリストにまつわるものにも強く反応する。
ノルウェー政府はその存在を隠蔽しており、トロールによる被害は熊のものとし、
トロールのエサとするために牛などの動物を放し、送電線を張り巡らすことでテリトリーの外に出るのを防いでいる。
テリトリーから出たトロールが人間に近づいた場合、トロール保安機関(TST)は事態の隠蔽のため
トロール・ハンターを送り出し、トロールの抹殺を図る。
熊の密猟事件を調査する3人の学生トマス、ヨハンナ、カッレ。
彼らは怪しい男ハンスを密猟者と推測、尾行する。
しかし深夜森の中で何者かに襲撃され、ハンスに助けられる。
ハンスによると、襲ってきたのはトロールで、自分はトロールの存在を隠蔽するために
トロールを狩っているトロール・ハンターだという。
国に雇われてトロールを狩っているハンスだったが、トロールの扱い方、
自分自身への政府の待遇に対して疑問を持っており、トロールの実在を公表するために
学生たちに取材を許可する。同行する際にはハンスの言うことを必ず守ることを条件に取材する。
同族以外の体臭に敏感なトロールを欺くために、ハンス特製のトロールの体液を全身に塗り、
半信半疑ながらもハンスについていく学生たちだったが、やがて彼らの前に本物のトロールが姿を現した。
トロール・トッサーラッドは学生たちを執拗に追い回し、学生たちはハンスの誘導の下、
車へと戻ることができた。そこでハンスは車に積んでいた強力な紫外線照射装置を
トッサーラッドに浴びせた。紫外線を浴びたトッサーラッドは石になり、
最期はハンスによってハンマーで粉砕された。

トロールだあああぁ!とばかりにトロール大暴れ(?)映画「トロール・ハンター」。
タイトル的に配給会社が「○ンスター・ハンター」的なパチモン売り込みかと思ったが、
原題もノルウェー語でトロールハンターになっている。
ありがちなPOV映画で、トロールなんて嘘っぱちなものを扱うが、これがなかなか面白い。
ジャンルはダークファンタジーとなっているが、実際はホラー映画類であり、
気を抜いて鑑賞していた筆者をたまげさせ、物語へと没入させた。
このトッサーラッドくんの登場から一気に怪獣映画のような勢いに変わっていき、
劇中登場するトロールは対して多くはないが、それでも飽きさせない、
傑作とまではいかなくても、良作である。

2 件のコメント:

セイ さんのコメント...

こういう、色んな設定が盛り込まれてるモンスターっていいですよね。
きっと企画段階とかすごく楽しかったんだろうな、と想像してしまいます。日本だとあまりトロールって馴染みがない(RPGに出て来たりとか、あとは「となりのトトロ」はトロールみたいですね)ですけども。

腐肉喰らい さんのコメント...

いいですよね。紹介甲斐があるってもんですよ
日本でいえば一部の鬼、デイダラボッチあたりですかね