2009年9月3日木曜日

イーマ

映画「地球へ2千万マイル」に登場。

金星に生息する生物で、ゼリー状の卵から孵化する。
探査ロケットXY21により地球に移送途中、
事故に遭い、封じられたカプセルが漁村に打ち上げられる。
地球の大気下では異常成長し、急速に巨大化するのが特徴。
地中海シシリー沖の海中に墜落した米国の金星探査ロケット。
唯一の生存者となったカルダー大佐は、
金星から持ち帰ったカプセルの行方を探すよう訴える。
カプセルは漁村の少年に拾われてゼリー状の中身が取り出され、
獣医レオナルド医師の手に渡り、中から未知の生物が孵化した。
金星生物は急速に成長し、医師と孫娘のマリザが
ローマの動物園に運ぶ途中で檻を破って逃走。
軍によって一度は捕獲され動物園に収容されるが、
研究所での事故により解き放たれ、動物園の巨象との戦いの末、ローマ市街地に逃走。
遂に軍隊が出動し、怪物が占拠する円形闘技場コロッセオへと攻撃を始める。
コロッセオの頂上に上ったイーマは、機関砲やバズーカ砲の威力の前に
闘技場の破片とともに路上に落下し、ついに絶命した…

金星竜イーマ(またはイミール、イーミア)。
イーマの羊との会合シーンやラストのコロシアムのシーンは
フランケンシュタインの怪物」や「キングコング」を思わせ、
ハリーハウゼンのモンスターへの愛が滲み出ている。
それにしても劇中でのイーマの境遇は酷い。
ただ逃げ出したというだけで、銃で撃たれ、火で追い回され、
鎖に繋がれて囚われの身、電流を流され、なんとか逃げ出したと思ったら
軍隊の砲撃を受けて絶命する…この一連の人間の行いは
人間の内にある醜悪さを表しているようだ。
動物や人間の殺し合いを見世物にしていたコロッセオで
イーマが容赦ない攻撃に曝されるのも、何か意味深である。
そして何より酷いのは最後近くの台詞。
そりゃ一方的な人間側の都合だろ。金星から引っ張ってきた生物殺して、
貴重な文化遺産を壊して何を言うかと思えば
いつの時代も進歩への道はとてつもなく険しい・・・」。
キレイな言葉で締めくったようだが、これだけのことをして
そんな台詞が吐けると思うと、人間て嫌な生き物だなと改めて思う。

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