2009年7月25日土曜日

蝿男(はえおとこ)

映画「蝿男の恐怖」に登場。

本名アンドレ・デランブル。カナダ人の物理化学者。
ある日、上半身を潰された死体でアンドレが発見される。
その後、アンドレの妻ヘレンがアンドレの兄フランソワに
「私がやりました」と自供した。
夫婦仲は非常に良く、二人に問題はなく見えたが
不審な行動が目立っており、フランソワがカマをかけると
ヘレンはフランソワと警部に信じられない話を語り出す。
物理化学者のアンドレは物体を瞬時に別の場所に移動させる
物質電送機を発明した。失敗もしたが、電送実験を見事成功させる。
そして自身で電送の人体実験を行うことを決意し、
これが悪夢の始まりだった。
なんと実験中に機械の中にハエが紛れ込んでいたため、
電送の最中に両者が交じり合い、アンドレは頭がハエで体は人間、
ハエは頭が人間で体がハエになってしまう。
頭がハエの人間になってしまったアンドレは
ヘレンに頭が人間のハエを捕まえて再度物質電送機にかけて
元に戻すよう懇願する。ヘレンはまだ幼い息子フィリップと共に探すが、
頭が人間のハエはなかなか見つからない。
そのうちに、頭がハエとなってしまったアンドレは、
自分の人間の意識がハエの意識になってくることに危機感を抱きはじめた。
彼は研究をすべて破棄した。自身もまた痕跡の残らないよう、
妻に懇願し上半身を圧搾機で潰させ死を選んだというのだ。
しかし警部もフランソワも信じられず、警部は逮捕状を取りに帰る。
警部が戻ってきたとき、フィリップが母に伝えにきた「変な蝿がいるよ」。
言い知れぬ焦燥感に駆られたフランソワが強引に警部を連れて
フィリップが見つけたという、庭の白いベンチの横の蜘蛛の巣を見る。
そこには衝撃的な光景があった。甲高い声で助けを求める
頭と腕だけ人間のハエが、蜘蛛に喰われようとしていた。
蜘蛛がハエに襲い掛かったところで警部は耐え切れず、
岩で蜘蛛の巣ごと叩き潰した。
フランソワと警部はこのことを内密にするよう取り計らい、
ヘレンは逮捕されなかった。
その後、フランソワはヘレンとフィリップの下を訪れる。
フィリップは伯父フランソワに父親の死を尋ねる。
フランソワは「お父さんは誰も知らない科学の真理を
さぐろうとした探検家だったのさ。もう少しで発見しようしていた。
ただ、その時に少し油断したのさ…真理を求めるのは危険なことだ」。
フィリップは「僕も探検家になりたい」と語り、
三人は動物園に向かって歩いていった…

元祖電送機の恐怖、映画「蝿男の恐怖」。
リメイク版「ザ・フライ」も名作だが、
こちらも名高い傑作である。
黒い布を被ってミルクを啜るアンドレ
顔を露わにしたときの複眼から見えるヘレンの顔
段々と蝿に意識を奪われ、自ら死を選んだアンドレ
そして蜘蛛の巣で絶叫する…
また行過ぎた科学への警告、ヘレンの奇妙な愛情、
ラストは一種ファンタジーのようにも感じる。
これを見ると元祖あってのリメイクともいえるだろう。

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