2008年12月1日月曜日

バブ

映画「死霊のえじき」に登場。
 
生きる死人であるバブは生前のことをいくつか記憶しており、
音楽や読書を楽しむこともあり基本的な感情もあり、生前は軍人で
銃の扱いにも慣れている。ゾンビによって人類が絶滅に瀕しているアメリカ。
数少ない生き残りの軍隊と科学者と民間人たちが共同で暮らしていた。
科学者にローガン博士という男がいた。
彼は軍人たちに命じて、ゾンビを捕獲して研究している。
彼は半ば狂気に犯されながらゾンビについていくつかの研究成果を上げ
遂にはゾンビを飼いならそうと考えた。その研究の成果がバブだった。
博士はバブを飼いならすために褒美として軍人たちの死体を使って
餌付けしていたがそのことがバレてしまい、
軍人たちのリーダー・ローズ大尉によって射殺される。
バブは博士の死体を見つけると激昂した。
彼は博士から父親が息子に対する温情のようなものを感じ取っていたのだ。
彼は銃を手に取りローズ大尉を射殺し、何処へと消えていった。
 
ロメロ監督「ゾンビ・サーガ」第三弾!「死霊のえじき」に登場するバブは
今までのゾンビとは違い、知性があり、なんといっても感情があることだろう。
そのユニークな存在もさることながら、当初本編は「軍人と科学者、一般人たちのいがみ合い」という
「人間」の話のなか、彼の登場により一気に「ゾンビの愛と悲しみと復讐」という
「ゾンビ」の話へと変わる。そして「人間」たちと「ゾンビ」たちの顛末。
当初は醜い怪物、脅威の存在、物語の添え物程度でしかなかった
彼ら「ゾンビ」が、主人公たる「人間」と同格に扱われ
尚且つ「人間」と同じようにその顛末さえ、用意されたのだ。
もしゾンビの「殿堂」があるなら、彼はそこに在るべき存在だろう。
これが後に「ランド・オブ・ザ・デッド」のアンチヒーローへと繋がるのだからなんとも興味深い。
ついでにいうと名前はローガン博士の叔父の名前に由来し、
ここでは字幕表示に従い、「バブ」にしているが
劇中の正しい発音を参考にするなら「バブ」ではなく「ボブ」だろう。

0 件のコメント: