2024年7月24日水曜日

トラッパー

ゲーム「デッドバイデイライト」に登場。

本名エヴァン・マクミラン。
骨でできた奇妙な笑顔にも見えるマスクを被った、大柄で筋肉質な白人男性。
父の言いなりになって大量殺人を犯した後、謎の存在「エンティティ」によって
霧の森へと召喚されて以来、数え切れないほどの生存者たちを餌食にし続けている。
大きな肉包丁とトラバサミを使って、生存者を追い詰める殺人鬼。
何故か体に肉鉤が突き刺さっており、突出したそれでオーバーオールを支えている。
非常に痛々しいが、彼にとっては怒りを引き起こさせるだけでしかない。
腕は包丁についた血を拭うたびに傷つき、赤く染まってしまっている。
彼の出自はアメリカのワシントン州、鋳造と採鉱で有名な「マクミラン・エステート」。
そこを所有するアーチー・マクミランの一人息子だった。
エヴァンは、父親アーチーとその会社の経営手法を崇拝していたとされている。
アーチーは従業員を最低賃金で危険な場所で働かせる、冷酷な人間であった。
当初エヴァンは父の方針に反し、従業員たちに歩み寄り、友人として接していた。
しかし、ふとした時に相手を罵倒したくなる、理不尽な暴力を振るうなど、
内には非常に残忍な暴力衝動を抱えていた。趣味はスケッチを描くことで、
父親からは禁止されていたが、父親からの激しい暴力や叱責に対する
反抗心から続けていた。憎しみから父の殺害を考えることもあったが、
愛情から実行に移せないでいた。父の残虐性を理解してるため、
熊に殺された叔父や溺死した母は父が殺したものと考えており、
その光景を想像して絵に描いたこともあった。
彼は父親に従順な自分にうんざりしており、友人である労働者たちが労働組合を作り、
反乱を起こして労働環境を改善することを望んでいた。
しかしある日、自分の絵がバラバラに引き裂かれているのを見つけた。
そして母親が溺死させられる絵だけがないことに気づいた。
父親に絵が見つかったと思い、殴られるか怒鳴られるか覚悟したが、
その代わりにアーチーは、友人たちが数ドルのためにエヴァンを裏切ったことを明かす。
以来、エヴァンは父親への尊敬と称賛を強め、友人のふりをして
裏切った労働者たちを憎むようになった。
父親の庇護の元、エヴァンは厳格に労働者を管理した。
生産高はいつも好調で、マクミラン・エステートは父子経営のもと成長していった。
やがてアーチー・マクミランの精神状態はゆるやかに乱れていったが、
エヴァンは財産のおこぼれを狙う者たちから父を守った。
エヴァンは父親の言うことなら、どんなことでも行った。
ついにアーチーは完全に錯乱し、エヴァンは父親の意思のもと、
近代史における最悪の殺人鬼と化すこととなった。
エヴァンが100人を超える労働者を暗いトンネルに入らせ、
入り口を爆破して永遠に閉ざした。マクミラン・エステートの物語は、
富と権力が非常に間違った方向に使われた例として語られるようになった。
噂では溶鉱炉で労働者が焼かれたとも言われ、父子により犠牲となった
人たちの具体的な数は不明である。またその後のエヴァン・マクミランの消息も
不明のままである。もう1つ不明なことは、彼の父親が倉庫の地下室で
死体として発見されたことだ。死体は足の骨が粉々に打ち砕かれており、
膝の上に採掘用ハンマーが置いてあった…

死に救済はないゲーム「デッドバイデイライト」。
生死をかけた鬼ごっこを繰り返し、無事逃げ出すか、何人抹殺できるかが
テーマである本作。その記念すべきゲームのキラー側のプレイアブルキャラクターの
一人目がこのトラッパー。彼のトラバサミに捕まったサバイバーは行動不能になり、
自力で逃げ出すか、他者に助けてもらうしか術はない。
トラッパー側のプレイヤーは捕まったサバイバーをトラバサミから
そのまま抱きかかえることもできるが、あえて鉈の一撃を食らわして這いずらせるのも
プレイヤー次第だ。トラッパーの人物像に関してだが、見ての通り一見単純に見えて
複雑な内面を抱えた殺人鬼だ。当初は父親の威光を笠に着た残忍な男と思われた。
学術書の伝承が明かされると、本来は父に逆らう意思を持ち、絵を描くことを好む
孤独だが優し気な好青年の姿が出てきた。しかしその内には残虐な暴力性を秘めており、
苦しんでいる人々の命と父から受けた恩を天秤にかける、一方から見れば親思い、
もう一方は今苦しんでいる人々よりも父を優先する薄情者の姿が見えてくる。
富める者ゆえの無意識の傲慢、それともただ考えなしの純朴な孝行息子か。
どちらにせよ、今や霧の森へ住人と化した彼は父と袂を分かっており、
より凶悪な存在“エンティティ”に仕えるようになった。
しかし最初は嫌がっていたらしく、これは彼の体に突き出ている肉鉤が
どうして付いているのかに対する答えであり、エンティティによる拷問の後だとされている。
上からの支配から逃れたようで、逃れきれない姿は哀れである

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