2024年7月24日水曜日

トラッパー

ゲーム「デッドバイデイライト」に登場。

本名エヴァン・マクミラン。
骨でできた奇妙な笑顔にも見えるマスクを被った、大柄で筋肉質な白人男性。
父の言いなりになって大量殺人を犯した後、謎の存在「エンティティ」によって
霧の森へと召喚されて以来、数え切れないほどの生存者たちを餌食にし続けている。
大きな肉包丁とトラバサミを使って、生存者を追い詰める殺人鬼。
何故か体に肉鉤が突き刺さっており、突出したそれでオーバーオールを支えている。
非常に痛々しいが、彼にとっては怒りを引き起こさせるだけでしかない。
腕は包丁についた血を拭うたびに傷つき、赤く染まってしまっている。
彼の出自はアメリカのワシントン州、鋳造と採鉱で有名な「マクミラン・エステート」。
そこを所有するアーチー・マクミランの一人息子だった。
エヴァンは、父親アーチーとその会社の経営手法を崇拝していたとされている。
アーチーは従業員を最低賃金で危険な場所で働かせる冷酷な人間であった。
当初エヴァンは父の方針に反し、従業員たちに歩み寄り、友人として接していた。
しかし、ふとした時に相手を罵倒したくなる、理不尽な暴力を振るうなど、
内には非常に残忍な暴力衝動を抱えていた。趣味はスケッチを描くことで、
父親からは禁止されていたが、父親からの激しい暴力や叱責に対する
反抗心から続けていた。憎しみから父の殺害を考えることもあったが、
愛情から実行に移せないでいた。父の残虐性を理解してるため、
熊に殺された叔父や溺死した母は父が殺したものと考えており、
その光景を想像して絵に描いたこともあった。
彼は父親に従順な自分にうんざりしており、友人である労働者たちが労働組合を作り、
反乱を起こして労働環境を改善することを望んでいた。
しかしある日、自分の絵がバラバラに引き裂かれているのを見つけた。
母親が溺死させられる絵だけがないことに気づいた。
父親に殴られるか怒鳴られるか覚悟したが、その代わりにアーチーは
友人たちが数ドルのためにエヴァンを裏切ったことを明かす。
以来、エヴァンは父親への尊敬と称賛を強め、友人のふりをして
裏切った労働者たちを憎むようになった。
父親の庇護の元、エヴァンは厳格に労働者を管理した。
生産高はいつも好調で、マクミラン・エステートは父子経営のもと成長していった。
やがてアーチー・マクミランの精神状態はゆるやかに乱れていったが、
エヴァンは財産のおこぼれを狙う者たちから父を守った。
エヴァンは父親の言うことなら、どんなことでも行った。
ついにアーチーは完全に錯乱し、エヴァンは父親の意思のもと、
近代史における最悪の殺人鬼と化すこととなった。
エヴァンが100人を超える労働者を暗いトンネルに入らせ、
入り口を爆破して永遠に閉ざした。マクミラン・エステートの物語は、
富と権力が非常に間違った方向に使われた例として語られるようになった。
噂では溶鉱炉で労働者が焼かれたとも言われ、父子により犠牲となった
人たちの具体的な数は不明である。その後のエヴァン・マクミランの消息は
不明のままである。もう1つ不明なことは、彼の父親が倉庫の地下室で
死体として発見されたことだ。死体は足の骨が粉々に打ち砕かれており、
膝の上に採掘用ハンマーが置いてあった…

死に救済はないゲーム「デッドバイデイライト」。
生死をかけた鬼ごっこを繰り返し、無事逃げ出すか、何人抹殺できるかが
テーマである本作。その記念すべきゲームのキラー側のプレイアブルキャラクターの
一人目がこのトラッパー。彼のトラバサミに捕まったサバイバーは行動不能になり、
自力で逃げ出すか、他者に助けてもらうしか術はない。
トラッパー側のプレイヤーは捕まったサバイバーをトラバサミから
そのまま抱きかかえることもできるが、あえて鉈の一撃を食らわして這いずらせるのも
プレイヤー次第だ。トラッパーの人物像に関してだが、見ての通り一見単純に見えて
複雑な内面を抱えた殺人鬼だ。当初は父親の威光を笠に着た残忍な男と思われた。
学術書の伝承が明かされると、本来は父に逆らう意思を持ち、絵を描くことを好む
孤独だが優し気な好青年の姿が出てきた。しかしその内には残虐な暴力性を秘めており、
苦しんでいる人々の命と父から受けた恩を天秤にかける、一方から見れば親思い、
もう一方は今苦しんでいる人々よりも父を優先する薄情者の姿が見えてくる。
富める者ゆえの無意識の傲慢、それともただ考えなしの純朴な孝行息子か。
どちらにせよ、今や霧の森へ住人と化した彼は父と袂を分かっており、
より凶悪な存在“エンティティ”に仕えるようになった。
しかし最初は嫌がっていたらしく、これは彼の体に突き出ている肉鉤が
どうして付いているのかに対する答えであり、エンティティによる拷問の後だとされている。
上からの支配から逃れたようで、逃れきれない姿は哀れである

2024年5月24日金曜日

Gジャン


映画「NOPE/ノープ」に登場。

カリフォルニア州アグア・ドゥルセ。
映画製作のための馬の牧場を経営するヘイウッド一家がいた。
ある日、ラジオでは行方不明になったハイカー集団がニュースになっていた。
その時、牧場主であるオーティス・ヘイウッド・シニアは運悪くも、
空から降ってきた5セント硬貨が直撃し、死亡した。
原因は飛行機からの落下物によるものと判断された。
その6か月後、彼の子供OJことオーティス・ジュニア、
エムことエメラルドの二人の兄妹はとある撮影現場で解雇されて、途方に暮れていた。
馬のラッキーが特殊効果用のVFXボールに映った、自分の目に驚いて暴れたためだ。
OJは牧場を維持するため、リッキー・“ジュープ”・パークに馬を売りに行く。
“ジュープ”は、かつてチンパンジーが主役のシットコム・ドラマ「ゴーディズ・ホーム」という番組で、
子役としてパーク演じていた役名に由来している。あるエピソードの撮影中、主役のチンパンジー・ゴーディが
風船が弾ける音に激しく反応し、共演者のほとんどを殺したが、奇跡的にジュープは無傷のまま、ゴーディは警察に射殺された。
過去のトラウマをバネに、ジュープは「ジュピターズ・クレイム」という西部劇のテーマパークを経営していた。
ジュープに売った馬はラッキー含めて10頭になり、ジュープは経営が苦しければ牧場を買い取ろうと
OJの父が生きてた頃から声をかけていたが、OJはこれを断った。
その日の夜、帰宅したOJとエムは思い出話をしていると、白馬のゴーストが何故か牧場の外へ抜け出ていた。
OJは宥めて連れ戻そうとした時、雲の上で何かが動くのを感じ、直後ゴーストは走り去ってしまう。
馬を追跡したOJは、「ジュピターズ・クレイム」の方角でゴーストの悲痛な鳴き声を聞いた。
そして一瞬だけ、何かが雲の上へと飛び去るのを目撃する。
同時刻、エムがいる自宅では短い停電が発生していた。
兄妹は馬を連れ去ったのが、エイリアンとそれが乗るUFOであると確信し、それを撮影して売ることに決めた。
電気量販店の従業員エンジェル・トレスに依頼して、監視カメラ2台を設置する。
片方が停止すると、もう片方が停止した方角の空を撮影するように設定した。
エンジェルは兄妹がUFOを撮ろうとしていると推測し、密かにカメラ映像を中継して監視する。
エムは囮として「ジュピターズ・クレイム」の等身大の馬の置物を盗み、牧場に設置した。
次の日の夜、馬舎のドアが開いたままになっているのに気づいたOJは、中で何者かが潜んでいることに気づく。
しかしその正体はジュープの3人の子どもたちであり、置物を盗んだことの仕返しに一頭の馬クローバーが外へ出されてしまった。
一方、映像を盗み見ていたエンジェルはカメラの1つが停止したことをエムに伝えるが、
その時もう1つのカメラにはカマキリが張り付いて、決定的な証拠が撮影できない状態に陥ってしまう。
クローバーを捕まえOJだが、家の明かりが一部消えたことに気取られて、クローバーは何かに怯え逃げてしまう。
同時に、OJの背後では囮の置物が静かに上空へと消えた。
それに気づいたOJは、置物についていた連続旗が雲の塊からぶら下がっている様を目撃する。
外へ様子を見に来たエムもその光景を見つめていた。それが“雲の中にいる”ことに気づいたエムは「逃げて」と叫ぶ。
OJが走ると、雲もまた動き始める。雲の中の“それ”は更に上空へと昇っていく。
不気味な黒い影が雲越しにOJを追い始める。OJが間一髪建物に逃げ込むと、円盤状の何かが雲間を通り過ぎる。
“それ”は走り続けているクローバーに狙いを変え、クローバーは突如発生した竜巻に巻かれ、悲鳴を残して消えた。
命の危険を感じたエムは逃げ出そうとするが、OJが牧場から離れる気がないことを知ると、自身も牧場に残ることを決める。
翌日、エムは有名な撮影監督アントレス・ホルストにUFO撮影の協力求めるも、富と名声を求めるエムの姿勢を理由に断られた。
そこへエンジェルが突然やって来た。監視カメラの全映像に、「微動だにしない雲」があることを兄妹に伝えに来たのだ。
OJも半年前から同じ形の雲を毎日見てきたことに気づき、そこがUFOの潜伏先だと推理するエンジェル。
しかしOJは、今までのUFOの動きと行動に違和感を感じていた。
その頃、ジュープは新たなショーを開催しようとしていた。ラッキーを餌に、UFOを誘き出すという。
彼はこの数か月間、買い取ったヘイウッドの馬をUFOに提供し、信頼を得たと妄信し、飼い慣らしたつもりだった。
彼は“それ”が生物だと気づき、かつてゴーディが自身を襲わなかった様に、動物とは心が通じ合うと思い込んでいた。
予定よりも早くやって来た“それ”は、ジュープとその家族、パークのスタッフ、観客全員を吸い上げ、食い尽くした。
ラッキーを取り戻そうとしたOJが見たのは、無人と化したテーマパークと、そこで佇むラッキーの姿だった。
そして“それ”はまだそこにおり、捕食した人々の叫び声を響かせながら漂っていた。
“それ”が去ると、OJの違和感は確信に変わった。“それ”が実際には縄張り意識のある捕食生物であり、
生物の視線を感じ取り、襲い来るのだと。ラッキーやOJを襲わないのは、“それ”に視線を向けなかったから。
ラッキーを運搬車に乗せたOJは、すぐさま自宅にいるエムに電話で伝える。
しかし“それ”は既にヘイウッド牧場の真上にいた。牧場一帯を自身の縄張りと認識しており、
電話は妨害されてしまった。“それ”は嫌がらせのように、食べた人間の所持品などの
消化できないものや血液を兄妹の自宅に吐き出した。ついでとばかりにエンジンが停まっている
OJの乗る運搬車に馬の置物を吐き捨て、日が昇るまで周辺に留まり続けた。
エンジンの復旧を確認してOJが頭上を覗き見ると、“それ”はまだ上空に待機していた。
自宅にいるエムとエンジェルに呼びかけ、車に乗り込む。幸い“見なかった”ことで事なきを得た。
OJは“見た”ものを襲う習性を利用して、撮影を続行しようと意気込むが、
捕食者の恐怖を間近に感じたからか、エムとエンジェルは躊躇う。
その数日後、撮影監督のホルストがテーマパークの集団失踪事件のニュースで興味を持ち、
エムに連絡を取ってきた。ホルストに事情を説明し、撮影の協力を取り付ける。
牧場に集まった4人は、撮影の計画を立てる。“それ”に便宜上の名前をつけることにし、
かつて子供時代にヘイウッド家の厩舎にいた野性的な馬に因んで、「Gジャン」と名付ける。
「Gジャン」はエムが最初に調教するはずだった馬であり、OJはエムの手柄にしたかったのだ。
作戦は電気機器の影響を考えて、ホルストが持参した手作りの手回し式IMAXフィルムカメラで撮影を行い、
Gジャンの位置は牧場内に設置したバッテリー式チューブマンの停止で推測することになった。
エムは自宅で注意を惹くためのスピーカーと監視カメラの監視、エンジェルはホルストのサポート、
OJはラッキーに乗って囮を担当することになった。
またOJは馬の置物とそれについていた連続旗はもう食わないだろうと推測し、
食われるギリギリになったら、旗を展開して追い払う算段をつけた。
実行当日、腹を空かしたGジャンは姿を現した。
途中、電動バイクに乗ったパパラッチがGジャンに食われるアクシデントに見舞われたが、
OJの作戦通り、旗に拒否反応を示し、その全身像が撮影できた。
だが捕食シーンに魅了されていたホルストは、3人の静止を振り切り、
太陽が出てベストショットが撮れると言い、カメラと共にGジャンに飲み込まれた。
その場に残っていたエンジェルが次に襲われ、防水シートと有刺鉄線に絡まることで
無機物と誤認させ、難を逃れた。エムもまた襲われ、自宅を破壊され、隠れ場所を失う。
度重なる捕食の邪魔に、Gジャンは円盤型からクラゲを髣髴とさせる形態へ変化する。
逃げ場がないエムに迫るGジャン。妹を助けるべくOJは敢えてGジャンの目を直視し、
エムに電動バイクで逃げるように促す。電動バイクの起動は妨害されており、
OJはラッキーに乗って、バイクを妨害しないようにGジャンを誘導する。
ラッキーの悲鳴が微かに聴こえる中、エムはバイクで走り出す。
猛追するGジャン。テーマパークに逃げ込んだエムは、妙案を思いつく。
テーマパークの巨大風船マスコットを空へと解放し、井戸型アナログカメラで
捕食シーンを撮影しようとする。人形のウィンクする目に“見られた”と判断したGジャンは
本能から捕食するが、自身と同じくらいの大きさのものを食いきれる訳もなく、
吐き出すこともできず、人形が破裂すると身体が張り裂け、呆気なく絶命した…

怪奇!円盤生物襲来!映画「NOPE/ノープ」。
公開前、海外では映画のタイトルは「Not Of Planet Earth 」の略だと
言われたりしていたらしいが、日本じゃ関係ねぇ!
UFO大暴れ映画だ!と思いきや、実際はウルトラQやXファイルな映画でした。
作品自体は「見るものと見られるもの」への批判や風刺が多く見られ、
それが説教臭くならずに、作品のシリアス度を上げる演出になっていて
大変良かったです。新たなモンスター映画史に残る、良い悪役でしたGジャン。
以下、Gジャンの詳細表記。

仮称Gジャン、ジーン・ジャケット。未確認飛行物体(UFO)。
または未確認空中現象(UAP)。観察者。
「Gジャン」という名称はOJが、「観察者」はジュープが名付けた。
学名「Occulonimbus edoequus(オキュラニムバス・エドゥエクス)」。
意味はラテン語で「暗い雲に隠れて、種馬を食べるもの」を意味する。
アグア・ドゥルセのヘイウッド牧場周辺に出没する「円盤状の怪生物」。
光沢のない滑らかな皮膚を持つ円盤であり、出自や起源は一切不明。
肉食性の生物であり、不気味な脈動音とも、鳴き声とも言える音を発し、
空を自由自在に飛行しながら獲物に襲い掛かる。
クラゲが海水で漂うのと同じ原理で、身体を空気と同程度の密度にすることで
空を飛ぶ方法を身に着けている。またどういった原理か不明だが、
雲に擬態する、周辺の電磁波を妨害するなどの能力も持つ。
形状は円盤といっても、実際にはテンガロンハットに近い形である。
一か所だけ縁にスリットのような窪みがあり、そこが感覚器官であり、
周辺の状況はそれで確認しつつ、下部にある穴の中にある目で獲物を観察する。
この穴は同時に捕食するための口であり、地上の「獲物」を上から捕食する。
捕食方法は対象を小規模な竜巻が発生するほどの凄まじい吸引力で吸い上げ、飲み込む。
歯がないため咀嚼せず、消化器官へ直に獲物を丸のみにし、
溶かしながら、体内で押しつぶし体液を啜る。
常に口は開きっぱなしなため、飲み込まれた獲物の悲鳴が響き渡る。
長い時間をかけて生きたまま獲物を消化するが、気まぐれか好みなのか不明だが、
一瞬で体内を圧縮することで獲物の命を奪い、消化する方法もある。
消化後、しばらくすると消化できなかった無機物や体液を口から吐き出していく。
主に音を頼りに獲物を探し、地上にいる生物の「視線」を認識して襲い掛かる。
正確に言えば、目のようなものが二つあるものを「視線」と認識しているため、
生物ではない置物や人形の目、二つの丸い模様のようなものにも反応する。

形状変化
捕食を邪魔されたことへの怒りからか、円盤形態から変化した姿。
どうやら円盤形態は飛行形態のようで、この姿だと飛行形態より移動速度が落ちる。
どこかイカやクラゲを彷彿とさせる姿であり、異形の天使とも言える。
布のような質感の体表は常に蠕動し、まるで幌が風で羽ばたくように動く。
周囲に繊毛のような触手を付けた正方形の目を持ち、それで視線を認識している。

2024年5月22日水曜日

マンイーター


ゲーム「Demon's Souls」に登場。

塔のラトリア上部にて待ち受けるデーモン。
緑色に輝く目を持つ老人の顔を頭に、身体は毛深い獣、
委縮した巨大な蝙蝠の翼と異常に発達した指、蛇の頭の尾を持つ。
翼と尾の付け根には溶接したような跡があり、本来は別々のモノだと推測できる。
人間を改造して生み出したデーモンであり、黄衣の翁は狂気の実験によって
独自にデーモンを生み出そうとした。これはその産物である。
尾の蛇が本体であり、人間の部分は尾から流れ込む魔力に
未だ馴染めず悲鳴を上げているという。
攻撃手段は拳による叩きつけと翼を利用して繰り出すタックル、
口から発射する魔法属性の衝撃波、飛行中に発射してくるソウルの矢。
また、尾の蛇が自身の頭部に噛みついて攻撃力を一定時間上昇させる能力を持つが
尾を切断すれば無力化できる。このデーモン2体を倒すと得られる
「混成のデモンズソウル」からは「終わり無き苦悩の針」という
大きく湾曲した、逆棘を持つ巨大な針が得られる。
これは対象を刺し、肌肉に引っかけ、僅かずつソウルを削りとる。
マンイーターにおける宿主と蛇の関係を象徴しているのだろうか。

囚人たちの寄る辺だった偶像が祀られた教会から上った先には
当然のごとく儚い望みを裏切るものが待ち受ける。
デモンズソウル」の塔のラトリア第二ステージは
人によく似た顔の悍ましい敵キャラが跋扈し、
恐ろしい看守やガーゴイルを避けながら進んだ先に待つのがこのデーモン。
拳、突進、魔法攻撃を避け続けながら戦うが
このボス戦の本当に恐ろしいのは地形。篝火囲んでの落下死不可避の柵なしデスマッチ。
慎重さが求められる戦いだが、デーモン自体は体力や防御力が高いわけではなく、
焦らずに、時に飛行する相手を見定めながら戦おう。
ただし一定時間、もしくは体力が半分以下になると二体目のデーモンが現れ、
更なる地獄と化す。

2024年5月17日金曜日

新カリフォルニア共和国

ゲーム「Fallout」「Fallout 2」「Fallout:New Vegas
ドラマ「フォールアウト」に登場。

西アメリカ、カリフォルニアを勢力下に置く、西ウェイストランド最大勢力とされる組織。
通称NCR(New California Republicの略。以下NCR表記)。
首都は組織名と同じNCRだが、以前はシェイディサンズとして知られていた。
荒廃したウェイストランドでは珍しい現代的な勢力であり、常備軍を有しており、人口は約70万を超える。
国章や国旗として双頭の熊が描かれており、カリフォルニア州旗がモチーフになっている。
NCRはアメリカの民主主義、個人の自由、法の支配という戦前の価値観の継承者であると考え、
ウェイストランドにおいて秩序と文化、民主主義、自由、法治といった旧世界の理念を敷くべく追求している。
そのため帝国主義的で膨張主義な側面があり、近隣地域を「文明化」するために植民地化や軍事遠征を行っている。
これらの政策は内外ともに批判されており、また土地の有力者による議員に対する賄賂や買収などの政治的な腐敗も進行している。
それらの問題点から敵対する勢力も多い。その起源はVault15の住人たちが小さな集落、シェイディサンズを築くまで遡る。
かつてVault15は様々な主義思想を持った人々が暮らしていた。
しかし年々、人口増加によりVault内は過密状態となり、環境は最悪なものとなった。
主張の違いから、住人たちは4つの派閥に分かれ、2097年の春にVault15は開かれた。
派閥はVault15を離れ、内一つはVaultから持ち出したG.E.C.Kを使用して、シェイディサンズを作った。
シェイディサンズ(公的な設立は2142年と記録)は牧畜と農業を主産業に発展していった。
それから月日が経ち、2161年頃。当初シェイディサンズは、あまり開放的なコミュニティではなく、
他の商人や他の町との交易は最小限であった。これは当時の村長アラデシュの考えであり、安全を懸念してのことだった。
同年に同じVault出身のレイダー、カーンズにアラデシュの娘タンディが誘拐される事件が発生する。
また野生動物ラッドスコルピオンの脅威が激化、村は疲弊していた。
そこへVault13からVault15にウォーターチップを探しにきた「Vaultの住人」が訪れた。
「Vaultの住人」はラッドスコルピオンを退治し、さらにタンディを救い、カーンズを壊滅させる。
思わぬヒーローの登場に、シェイディサンズはその功績を称えてVaultの住人の像を建てた。
この時村長アラデシュがヒーローに影響されたかは不明だが、娘タンディが前々から薦めていたこともあり、
シェイディサンズをより大きな町にすべく、>他の町との交易を活発化させることとなった。
「Vaultの住人」によりザ・マスターの脅威が取り除かれた後、数年に渡る貿易ルートの拡大化、町同士の合併、文化の交流が続き、
シェイディサンズはウェイストランドで最も有望なコミュニティの1つとして繁栄した。
そして村長アラデシュは2186年初めて、共和国の構想を提案した。
シェイディサンズの町は名前を「NCR」に変更し、憲法起草のために仮の政府を樹立した。
NCRの理想はカリフォルニア全土に広がり、多くの町がこれに賛同した。
3年後の2189年、ザ・ハブで行われた住民投票の結果、NCRが正式に結成された。
初代大統領はアラデシュが就任した。その後、彼と彼の娘はNCRに尽くした。
2196年、Vault13を求めたアラデシュが遠征中に亡くなると、娘タンディがNCRの市長兼二代目大統領に就任した。
彼女が就任して2年で、シェイディサンズは更なる発展を遂げ、NCRの最初の首都に選ばれた。
その後43年間、シェイディサンズは拡大、発展し、共和国の主要都市であり続けた。
シェイディサンズの名前は歴史に残ったが、頻繁にNCRと呼ばれることとなった。
2241年までには、共和国は5つの州を設けたNCR 、ロサンゼルス、マクソン、ザ・ハブ、デイグロー。
それまでのNCRにおける文明の推移は著しく、戦前の世界に近い、質の高い生活が提供された。
NCRにおける近代的生活の魅力の前に、厳しい自給自足のウェイストランドの日常を捨てるのに戸惑う者はいなかった。 最盛期のNCRにおいては、全国民が幸せになる夢のような生活が待っていた。
しかし安定した民主社会にも陰りはあった。
NCRの主な資源は大量の家畜バラモンの群れとその牧場であり、それで財を成す農民、バラモン長者たちが現れた。
この成金たちの政府への影響力は、タンディの在任期間中は制限されたが、遅くなるか早くなるかの違いだけだった。
2248年にタンディが亡くなった後、生存よりも個人の幸福度が重要視され、集団的福祉の問題、
個人の繁栄に対する懸念、資本主義経済の歪み、様々な問題が現れてきた。
2241年から2281年にかけて、NCR本来の共同体精神は失われていき、無料の奉仕といった活動を目にすることはなくなった。
生きるためのサービスを受けるには労働が必要不可欠になった。
そして工場や農場には雇用主がおり、時に互いに互いの不幸を願った。
有力者たちによる圧力は、軍や警察での賄賂や汚職の原因となった。
NCRが巨大になればなるほど、国民の生活は幸せからかけ離れていった。
国民たちに共通した想いは、“国内ではチャンスがない、本当のチャンスは東にある”ものだった。
領地拡大に伴う資源に対する飽くなき飢えは、更なる領地拡大へ駆り立てた。
そして2281年。かつてネバダ州と呼ばれ、今はモハビ・ウェイストランドと呼ばれる場所。
この頃、NCRはアーロン・キンバル大統領に率いられており、彼らは旧ラスベガス市(現在ニューベガスに改名) を発見する。
そこにはまだ稼働中の大規模水力発電施設フーバーダムが存在した。
比較的核の影響を受けていない、水と土地、そして電力が目の前にある。
NCRは即時占拠を画策した。しかしニューベガスの土地、フーバーダムの水は
Mr.ハウスのセキュリトロン軍と3つの部族によって管理されていた。
両者は短い睨み合いの末、ニューベガス条約を締結。
条約の内容はNCRがフーバーダムの管理、生み出された電力の95%を共和国の中核地域に送ること。
同時にNCRは軍をニューベガスの地に配備する。
またNCR市民はストリップ地区を干渉なく訪れることが許された。
条件としてニューベガスの独立を認め、残りの5%の電力をストリップ地区に供給すること。
NCR政府は条件を呑んだが、モハビ・ウェイストランドの完全支配を諦めたわけではなく外交と武力を振るう機会を伺った。
だが、ここにきて新たな問題が発生した。ブラザーフッド・オブ・スティール(Brothehood of steel=B.O.S)だ。
B.O.Sはテクノロジーを地元民から強引に取り上げるなど、NCR領内で度々問題行動を起こしており、遂には全面戦争に繋がった。
この戦争は結果的にB.O.Sが敗者となり、少なくともB.O.Sの所有する6つの支部とバンカーが失われた。
しかしNCRも大きな痛手を負った。2276年のモハビ、集光型太陽熱発電施設ヘリオス1でのサンバースト作戦。
NCRはヘリオス1を掌握していたB.O.Sを襲撃、最終的に施設を奪取し、B.O.Sを撤退させた。
この時の勝利はモハビ支部B.O.Sをバンカーに引きこもらせるほどの戦果であった。
しかし勝利のために支払った代価は、経済だった。
NCRの経済は金本位制であり、B.O.Sはその保証元である金鉱を破壊した。
新しい金を鋳造できなくなったことで、NCRの貨幣は価値が暴落。NCR領内の経済はパニックに陥った。
モハビにおいても例外ではなく、ニューベガスのストリップ地区ではそのほとんどの価値を失った。
NCR政府は経済崩壊を免れるために金本位制を捨て、貨幣はそのまま「価値を保証する」という口約束の元、続投した。
保証を裏付けられない貨幣が辿る末路は、避けられないインフレであり、多くのウェイストランド人の信用を失った。
これに対して、NCR領のザ・ハブでは水本位制を導入、同時に独自通貨としてボトルキャップが復活を遂げた。
経済の痛手が治る前に、新たな脅威が迫った。86の部族をまとめた巨大組織、シーザー・リージョンの軍勢だ。
リージョン軍はフーバーダムに押し寄せ、かくして第一次フーバーダムの戦いの火蓋が落とされた。
当初は練度で勝るリージョン軍が優勢だったが、NCRの巧妙な作戦の結果、フーバーダムの東側コロラド川にまで押し返した。
以降、両陣営はコロラド川を挟んだ睨み合いを続ける。また2278年ビタースプリングスにて、NCRはモハビのレイダー、
グレート・カーンズの非武装民に対して一方的な虐殺を行い、報復としてカーンズは
同じレイダーのフィーンドを間接的に支援することで、NCRの脅威となった。
さらにNCR矯正施設の囚人たちが暴動を起こし、ニューベガスへの直通道路インターステイト15の脅威となった上、
この騒動が原因で凶悪な獣デスクローを招く結果となった。
災難の連続により補給路は使用困難、人員と物資の不足が加速し、
NCRは迂回路としてハイウェイ93からのルートを選ばざる得なかった。
2281年において、NCRはリージョンとの戦争を目前に控えていた。
そしてモハビの「運び屋」の存在により、その運命を大きく左右される。
第二次フーバーダムの戦いの直後、首都シェイディサンズはVault-tecの理想に反するとして、
Vault-tec社員のある人物によって核爆弾によって攻撃された。
幸運にも生き延びた者は近くの町、居住地、Vault、さらにはB.O.Sに保護された。
戦前の科学者リー・モルデイヴァー率いるNCR残存勢力はグリフィス天文台に
新しい軍事本部を設立した。この部隊は、2296年のグリフィス天文台の戦いで
B.O.Sと交戦し、最終的にはB.O.Sによって全滅させられた。
(画像はNCRのシンボル)

アメリカの復興はまだまだかかりそうなゲーム「Fallout」。
新カリフォルニア共和国はそんな世も末なウェイストランドで文明的勝利に王手がかかっている組織。だった。
作中で描かれるように一集落から国家に至る過程はちょっとしたサクセスストーリーである。
しかし歴代の主人公が介入するかしないかで命運が決まるというと、ちょっと綱渡り感が強くなる。
牧歌的な集落から近代的な都会の姿へと様変わりし、裏表ある民主主義の街へと変わる姿は
正当な進化の過程だが、賄賂や買収、強引な領土拡大、負の部分が見え始めるのは少し悲しい。
もしNew Vegasをプレイして、この勢力に何某かの思いを抱いて対応する場合は二択を迫られる。
外交的手段をとるか、それとも武力で黙らせるのか。
どちらをとっても、プレイヤーはNCRが他勢力に取る手段と同じように対応せざる負えない。
そう考えると、非常に人間臭い勢力だと筆者は思う。
ドラマ版の内容については、シーズン2が放送されるまで確定した情報とは言い難い。
なので手短に記した。これから更なる情報が公開されるのを待とう。

2024年5月9日木曜日

幻獣666(げんじゅうとりぷるしくす)

ゲーム「R-TYPEⅢ:THE THIRD LIGHTNING」に登場。

「第三次バイドミッション」にて遭遇するバイド。
リクジオネータ撃破後に、崩壊する自動兵器工房を遡った先にある、謎の空間で待ち受ける。
空間移動後の実体化時に、機動砲台と原子レベルで融合した異次元獣がその正体。 
無機物と有機物が混合した姿をしており、巨大なトゲ付きの殻をもつ虫のようにもみえる。
中央にある目がR戦闘機を常に捉えており、4つの砲台は射線上に入るとレーザーを発射する。 
また4つのスラスターを駆使して高速突進を仕掛けてくる。
しかし直線的な動きしかできないため、突進されても避けるのは簡単。 
その弱点をカバーするように、空間に敷かれた線路上を移動する破壊不能な3つのプラズマ球と
空間そのものが回転するため、繊細な操作が要求される。
さらに幻獣がダメージを受けると幻獣の突進速度と空間の回転速度が上昇するため、
より難易度が上昇する。 R戦闘機との戦闘の末、撃破された。
 
暑苦しい工場を逆走した末に、待っていた更なる地獄。
ゲーム「R-TYPEⅢ」の第四面の真のボス、それが幻獣666。
ゲートキーパー(中ボス)であるリクジオネータを破壊してからが本当の地獄であり、
逆走しながらの敵とステージギミックを踏破すると、待っていたのはよくわからない何か。
待て待て、さらっと幻獣とか異次元獣とか説明されても、何が何だか。
だが、ボスは待ってくれない。まさかのステージ大回転と破壊不能ギミック、
怒涛の攻撃がプレイヤーを追い詰める。
逆戻りステージ道中の発展系、もとい進化系ともいうべき難関ボス。
もれなく画面酔いがセットになって、プレイヤーの操作ミスを誘う。
唐突に現れ、わけもわからず撃破するが、異次元獣という存在の説明は劇中特にない。
R-TYPEの世界には異次元で活動する生命体がポピュラーであるということなのだろう。
実際後々の作品で、そういった存在が出てきてはいる。

2016年11月3日木曜日

フレッド・ニューマン

ゲーム「デッドヘッドフレッド~首なし探偵の悪夢~」に登場。

小さな田舎町ホープフォールズの私立探偵。
何者かに殺害され、死体を狂った科学者の手により改造され蘇った。
緑の液体に包まれた脳と目玉の入ったビーカーを頭代わりに、頭部を交換することで使用できる特殊能力を駆使し、
自身の死の謎を解き明かし、犯人への復讐を誓う。死人になってから毒舌に磨きがかかった。
ある日目を覚ますと、私立探偵フレッドは一切の記憶と、自分の頭をなくしていた。
目覚めた場所は大きな城の中の研究所であり、そこはマッドサイエンティストのドクタースタイナーものだった。
スタイナーはフレッドを実験材料に特殊な体に改造したのだという。
実験は成功し、フレッドは頭を交換して特殊能力を使う不気味な体へと変貌したのだ。
何故本当の頭の代わりに脳と目玉の入った大きなビーカーを使ったのかスタイナーに問い詰めると、
スタイナーの元雇い主である実業家ユリシーズ・ピットをフレッドが調査していたこと、
実験する前からフレッドが死んでおり、残された体のパーツで実験を行ったこと、
フレッドの死と奪われた頭に、ピットが関係している事しか知らないと言う。
何故自分が死んだのか、自分がピットの何を調べていたのか、全て謎の解明と、
自分自身の仇を取るため復讐の鬼となる決意を固めるフレッド。
そこへピットが現れ、スタイナーは拉致されてしまう。
フレッドは自分の頭を取り戻すべく、ピットを追う。
ホープフォールズの町はピットが来て以来、酷い有り様となっていた。
ガイコツ頭のマフィアやゾンビが幅を利かせ、新たに建てられた原子力発電所の放射能が町を汚染し
住人の突然死やミュータントの発生が顕著になっていた。
本来、ホープフォールズの実権はマフィアのドン、ヴィニ・ロッシーニが表と裏の権力を纏めていた。
しかしヴィニは最近、行方不明になったのだ。探偵の生存を知ったピットによる奇妙な化け物や刺客たちとの戦いを越え、
生前自らが追っていた真実をフレッドは知ることになる。
実業家としてのピットは裏の顔も持っており、自らの権力を確実なものにするため、
邪魔なヴィニ・ロッシーニを殺害。その後釜になったピットは町を力で支配したのだ。
そしてフレッドはヴィニの娘ジャンヌからの依頼でピットの調査を行い、ヴィニ殺害の決定的な証拠を入手しようとして
ピットの片腕レフティに殺されたのだ。全てを知ったフレッドは自身の殺害の実行犯であるレフティと戦う。
最終的にピットの事務所で放射能で異形と化したレフティに勝利し、ピットは負けたレフティを罵った結果、生きたまま食われた。
復讐を果たしたフレッドは、良い仲になっていたジャンヌと結ばれる。
一方取り戻したかった自身の本当の頭は事件のドサクサに紛れ見失い、人知れずマンホールから下水へと落ちていくのだった。

俺の頭を返せ!というどこぞのスリーピーでホロウな騎士みたいなことが目的の
アクションゲーム「デッドヘッドフレッド」。
主人公であるフレッドは、物語開始直後、“頭”を失ってしまう。
比喩表現ではなく、物理的に、完全にないのだ!
ビーカーに浮かぶ脳みそと目玉だけの自分の頭。
失ったもの(自称ハンサムな俺様の顔)は大きいけれど、代わりに、自分の頭をいろいろな頭に交換し、
多彩な能力を発揮できる特殊な体を得た!悲惨な境遇を打ち払うようにブラックジョークと
毒舌交え、自分の頭を求めて、敵の頭を引っこ抜く血みどろアクションを展開する。
明らかに人外の力を発揮することに一切の戸惑いはなく、どう考えても「もう元には戻れないよなぁ」と考える猶予も一切無い。
そんなポジティヴなのか一度死んで破れかぶれなのかわからない主人公フレッドは
透明になれ、電撃を放つ力を持つデフォルト“ビーカーヘッド”、超重量級の怪力無双“ストーンヘッド”、
見たまんまだけど汎用性高し“ゾンビヘッド”、骨強しスピーディーな攻撃が得意“ボーンヘッド”、
限りなく人間に近い外見で探偵の交渉力の見せ所“マネキンヘッド”、何故か小さくなれる多分干し首“シュリンクヘッド”、
ポリネシアパワーで活躍!別に魅惑ではない異空間へ出入り可能“チキヘッド”、
唐突な和名と燃えても平気でカラスはトモダチ“カカシヘッド”、放射能汚染も何のその。サイキック族“ミュータントヘッド”。
全9種類のヘッドを駆使して、自分の頭を奪った悪党のピットを追い詰めるのだ!
ちなみに本作のジャンルというか世界観はダシール・ハメットの小説にポール・バーホーベンをぶち込んだ
退廃的SFハードボイルド探偵グロテスクアクションというごった煮具合である。
(むしろポール・バーホーベン成分しかないような気がする)

2016年5月24日火曜日

リクジオネータ

ゲーム「R-TYPEⅢ:THE THIRD LIGHTNING
R-TYPE TACTICSⅡ」に登場。

「第三次バイドミッション」にて遭遇する、
完全自動兵器工房を支配するバイド。
工房の中心制御装置であり、工房の最奥に設置されている。
工房全体がバイドによって空間ごと取り込まれており、
元々は人類側の兵器開発を担っていたと思われる。
バイドによって支配された工房はそれ自体が悪意の塊であり、
全てを押し潰すように迫る圧搾機、流体と化した熱硬化性素材が
炎となって回廊を走り、障壁が退路を塞ごうとする。
このバイドは本体であるリクジオネータ・コアと
コアの防衛装置であり、レーザー砲台のリクジオネータ・サテライト2機で構成されており、
さらに3枚の障壁がコアへの直接攻撃を防ぐ。
天井と床にあるサテライトは左右に移動しながら攻撃を繰り出し、
並大抵の攻撃では破壊できないが、コアを破壊することで
サテライトも連鎖的に破壊されるようになっている。
しかしコアは3つあり、1つ破壊するとその後ろから新しい3枚の障壁と共に現れる。
さらに自壊したサテライトとは別種のサテライトも同時に出現するため、
益々激しくなる攻撃をかわしつつ、計3回コアを破壊しなければならない。
サテライトの攻撃パターンは1つ目のコアでは垂直方向に弾を撃つ。
2つ目ではR戦闘機を狙って弾を撃つようになり、
3つ目では3方向に広範囲に撃ってくるようになる。
出撃したR戦闘機により破壊され、兵器工房もまた沈黙するかと思われたが…

湿った獣の体内を抜け出た先は、暑苦しい工場だった。
ゲーム「R-TYPEⅢ」の第四面はボスにたどり着くまでが大変。
いきなり押し潰そうと迫る床と天井はまだ安全地帯がわかるのでいいとして、
後半の障壁と流れる熱硬化性素材のコンボは酷い。安全だと思った場所が障壁が閉じる場所だったり、
ここは流れが来ないと思った場所も、障壁によって進路変更した熱硬化性素材が流れ込んできたり、
そんな中雑魚敵の攻撃にも気を配らなければならない。
前の三面ボスと同じように、道中のステージがキツイのでボス自体はそこまで強くない。
上下のサテライトの動きに注意すれば、問題なく倒すことが出来る。
しかしこいつは通称ゲートキーパー。まさかのボスBGM付の中ボスである。
真の四面ボスを倒すために、道中を逆戻りしてからが本ステージの本番である。
ちなみにTACTICS版のコイツのコアは、強力な広範囲射程の光学兵器を引っさげており、
迂闊に近寄ればサテライトの索敵範囲の広さもあって、障壁ごとぶち抜いて致命的な一撃をかましてくる。