2010年12月22日水曜日

狼男(ハル)

映画「倫敦の人狼」に登場。

人跡未踏の地を訪れたウィルフレッド・グレンドン博士が
狼憑きによって人狼となった姿。
グレンドン博士は英国に於ける著名な植物学者で、
特に草花培養の研究の権威者であった。
彼の植物採集の中でも最も欲しいと思うものは
世界の屋根といわれるチベット高原にのみ咲く
奇草「狼草」である。この草は不思議にも
月光に育まれて花が咲くという珍奇なもので、
しかも古来世人の恐怖する「狼憑き」を治癒する
唯一の奇効ある薬草なのである。
ところでこの「狼憑き」とは伝わるところによると、
この病気に侵される者は半人半狼となり、
満月の夜になると平素とは似もつかぬ
凶暴な性質と変じ、人の血を吸うのである。
血を吸われずともこの「狼憑き」に噛まれると、
傷口から「狼憑き」の血が進入して、噛まれた者も
たちまち「狼憑き」となるのである。
さて、グレンドン博士はこの奇草「狼草」を求めて
はるばるチベット高原に来たり、
その群生しているという幽谷へと赴いた。
ところが、目的地に近づくと、雇ってきた労働者たちは
魔性のものが出るという伝説に恐れをなして逃げ帰ってしまった。
グレンドン博士はやむなく恐れ脅える
助手のレンウィックを促しつつ、ついに魔の谷に到着した。
そこには月の光を浴びて奇草は美しい燐光を発して咲いていた。
グレンドンは歓声を挙げてこの一株を採取しようとした。
その途端一匹の古狼が駆け寄りざま
博士の右腕に噛みついて逃げ去ったのである。
グレンドン博士は痛さを耐えて採集し、
数カ月後ロンドンの邸で、植物展覧会を開いた。
その日、席上に東洋から来たという不思議な学者が現れた。
それはヨガミ博士と名乗る男。
彼はロンドンに「狼憑き」患者が居るから
薬草を貰いたいと申し出た。しかし、数日後の満月の夜、
グレンドンも精神異常を呈して「狼憑き」症状となり、
助手の伯母エティを襲った。博士は妻リサを欺いて家出し、
自縛しえる様な隠れ家を求めてロンドンの貧民堀を
転々していたが、満月の夜には定まって残忍な行動に移った。
博士は己が実験室の「狼草」が咲くのを待つほかはなかった。
咲いた筈だと思う頃、博士は実験室へ赴くと
ヨガミが奇草を自分に使っているのを目撃。
彼こそがチベットの魔の谷で
グレンドン博士を襲った狼、「狼憑き」だった。
博士はたちまち狼の形相となってヨガミを殺した。
しかし「狼憑き」事件の捜査中だった
フォーサイス大佐の弾丸がグレンドン博士に命中。
夫であり人狼である死体の前で泣き崩れるリサ。
大佐は「博士は怪物から妻を守ろうと戦っているところを
私が誤って撃ってしまった」ということにするとリサに語る。
二人の前で死んだ博士の狼面は苦痛にゆがんでいたが
やがて平素の温容なものへと変わって、息絶えたのである…

現存する限りで最古の狼男映画「倫敦の人狼」。
最初期あって、人狼メイクはそれほどではないが
毛むくじゃらじゃないこの顔はこれでおどろおどろしい。
内容は現在考えられている狼男のプロットとは
少し違う辺り、時代を感じさせる。
しかしラストはやはり知人から惜しまれつつ
命を落とすという展開であり、
この辺は現在でも脈々と受け継がれている部分である。

3 件のコメント:

セイ さんのコメント...

今はあまり狼男って出てこなくなっちゃいましたね。
(ヴァン・ヘルシングに出てきてたかな?)
やはりパンチに欠けるんでしょうか・・・・

本題とは関係ないのですが、紹介して欲しいな~と思う悪人・怪物キャラクターがいくつかあるので書き留めておきます。
いつか気が向いた時に書いて頂けたら感無量です。

●漫画
「夜神月」(デスノート)
「脳噛ネウロ」(魔人探偵脳噛ネウロ)
「ゾルフ・J・キンブリー」(鋼の錬金術師)
「キング・ブラッドレイ(ラース)」(鋼の錬金術師)
「ヒソカ」(ハンター×ハンター)
「フリーザ」(ドラゴンボール)
「麒麟」(地獄先生ぬ~べ~)

●ゲーム
「王様」(塊魂)
「ダンテ」(デビルメイクライ)
「本多忠勝」(戦国BASARA)


これからも面白いレビュー楽しみにしてます!

黒羊 さんのコメント...

新年明けましておめでとう御座います。
本年も宜しくお願い致します。

腐肉喰らい さんのコメント...

>セイさん
そうですね。
やはりありきたりといえば
そうなりますかねぇ。
最近は「ウルフマン」で
盛り上がったと思ったんですがね

わかりました。
ぜひともご紹介させていただきます

>黒羊さん
あけましておめでとうございます
今年もよろしくおねがいします