2010年5月2日日曜日

マジカント(MOTHER)

ゲーム「MOTHER」に登場。

クイーン・マリーが統治する幻想的な世界。
一面にピンク色の大地が広がる。防具が買える唯一の場所。
女王であるクイーン・マリーは大切なことが思い出せず
体の具合も悪く、ニンテンに世界中に散らばっている
メロディーを集め、それを聴かせてくれるよう頼んでくる。
マジカントに住む人々はニンテンたちに、優しさを持って接してくれる。
マジカントにはクイーン・マリーの住む城だけではなく
テレパシーを使うとおじさんが現れるクイーンマリーの泉、
地下には元の世界への出口がある地下大河があり、
6つ目のメロディーが書かれた楽譜を守るドラゴンや
「おれのことは忘れろ」という問いをかける忘れられた男がいる。
またこの地にはニンテンを守るために
生まれたフライングマン五人兄弟が住んでおり、
フライングマンの家に行けば仲間になってくれるが
マジカントの外へ彼らを連れ出すことは出来ない。
普通の世界とは少し違うマジカントの国。
その正体は最後のメロディーを集め、クイーン・マリーに聴かせることでわかる。
実はクイーン・マリーはニンテンの曾祖母マリアであり
死して尚、彼女の思いはなおも生き続け
曾孫であるニンテンや勇気ある子どもたちを助けるため、
ひいては実の子どものように可愛がったギーグを止めるために
クイーン・マリーとして、現世に留まり続けた。
メロディーを聴いたことで全ての記憶を取り戻し、
自分を取り戻したマリアは夫ジョージの待つ天国へと旅立った。
マリアが去ると、マジカントの国もまた消えてしまう。
マジカントはマリアの意識が生み出した幻だったのだ…

エンディングまで泣くんじゃない」のコピーが
心に響くゲームMOTHER。今回久しぶりに場所の紹介である。
一作目のマジカントと二作目のマジカントは
別の場所なのでここでは一作目のマジカントを紹介します。
一作目のマジカントはプレイヤーの心に
安らぎを与える空間として登場し、衣食住には困らず
住人には優しく接してもらえ、安住の地といっても過言ではない。
だがこの世界は理想の世界であるが、理想ゆえに手に入らない。
理想は手に入れられるものではなく、想うものだからこそ理想である。
それを突きつけるように理想の世界は一人の女性が
世界を救うために生み出したものであり、
マジカントの消滅が、それは現実には存在しないことを我々に伝える。
筆者はこの消失感が堪らず、なんともいえない複雑な心境になる。
理想の世界は存在して欲しいけど、理想は所詮理想であり、存在し得ない。
人間は「どこかに理想が存在してほしい」という、ジレンマを抱えているのかもしれない。

0 件のコメント: