2008年11月8日土曜日

ハンニバル・レクター

映画、小説「レッドドラゴン」「羊たちの沈黙
ハンニバル」「ハンニバル・ライジング」に登場。
 
精神科医にして連続猟奇殺人犯。
殺害した人間の臓器を食べる異常な行為から「人食いハンニバル」(Hannibal・Cannibal、ハンニバル・カンニバル)と呼ばれる。
高度な知的能力を持ち、専門の精神科以外にも高等数学、
理論物理学、古文書学などに深い造詣を見せる。
対面している人物の普段使用している香水を
嗅ぎ分けるほどの動物的嗅覚を持ち、また非常な美食家でもある。
1938年リトアニア生まれ。父方の祖先はイタリアの名門貴族、
フィレンツェのマキャヴェッリ家とミラノのヴィスコンティ家の
血を受け継ぐジュリアーノ・ベヴィサングエという12世紀トスカーナの人物に遡る。
また母方もやはりヴィスコンティ家の末裔。
スイスの高名な画家バルテュスとは従兄弟の関係である。
先天的に多指症という障害があり、指が6本あった。(映画では一切描かれていない)
第二次世界大戦中の1944年、ドイツ軍に家族を惨殺され、
最愛の妹ミーシャを敗残のドイツ兵たちによって殺され食料にされた。
ハンニバルは高名な画家である叔父ロベール・レクターとその妻紫夫人の元に生活を始める。
レクター夫妻がハンニバルの失語症を治療するために門をたたいた
医学博士はハンニバルに対し催眠治療を試みるが、催眠はかからず治療は果たせなかった。
しかし博士は治療の過程でハンニバルが同時に複数の思考を行う能力を持つ事を見抜く。
ロベールはレクターにアトリエを与え絵画の手ほどきを加え、紫夫人は日本語や和歌など
日本文化の素養を身につけさせた。ある日ハンニバルが紫夫人と市場で買い物をしていると、
肉屋が紫に対し野卑な言葉をかけたためハンニバルは肉屋に暴行を加えた。
この一件が叔父の耳に入り激昂、肉屋を杖で打ちつけている最中に持病の心臓発作を起こし死亡。
ハンニバルは報復の為に紫が所有していた日本刀を持ち出し肉屋を殺害、更にその頬を食する。
これが彼が犯した最初の殺人になる。この事件を境にハンニバルは失語症から回復するが、
同時にパリ市警の警視、ポピールがハンニバルの怪物性と紫夫人の魅力に注目する契機ともなった。 叔父亡き後、未亡人となった紫と暮らすことになったハンニバルは医科大学へと進み、解剖学を学ぶ。 ハンニバルは自身の類まれな才能を遺憾なく発揮し始める。精巧な解剖図によって解剖学教授の信頼を、
スケッチを販売することで生計手段を獲得。さらに幼少期に会得した記憶の宮殿による
記憶術が彼の学習を助けた。ハンニバルは失われた記憶を取り戻すべく、入手した薬物と
音楽による自己催眠によって別荘の惨劇の記憶(の一部)を甦えらせ、妹ミーシャを殺害し
食した一味達の顔を完全に思い出した。ハンニバルは報復、復讐へと行動を移し連続殺人を犯す。
首謀者殺害時にミーシャに関する記憶の最後の部分を取り戻し、これが後の人格形成に
決定的な影響を与える事になる。事件後肉屋の殺人事件からハンニバルをマークしていた
警察により逮捕、拘留されるが、この連続殺人が「戦争が生んだ悲劇」と大々的に報道され、
運よく世間の同情を惹く事もできたハンニバルは釈放。残り一人の行方を追ってフランスを離れ
単身アメリカへと渡る。成人後アメリカに渡り医学を修得。しばらくは病院の救急外来嘱託医などをしていたが、
1970年ごろに独立、精神科を開業した。その治療手腕は評判となり、多くの有名人や上流階級の人間が患者となった。
彼らとの享楽的な付き合いや非常識ぶりが、彼の眠っていた欲望や凶暴性を目覚めさせ、
自分の患者を殺害してはその肉を食うという連続猟奇殺人が始まる。
1975年3月22日、患者であったボルティモア・フィルハーモニック・オーケストラのフルート奏者、ベンジャミン・ルネ・ラスペイルを殺害した際には、彼の臓器を調理して、
ゲストとして招いたオーケストラの理事たちに振舞った。
1978年、FBIの捜査顧問であったウィル・グレアムに犯行を突き止められたが、グレアムに瀕死の重傷を負わせて逃亡。
それからの9日間で更に3人を殺害している。1979年、ようやく逮捕され9人に対する第一級殺人罪で起訴された。
ところが拘置されていた精神病院で、拘束を解かれた一瞬の隙を突いて看護婦に噛み付き、その顎を噛み砕いた。
あまりの凶暴かつ異常な行動に、裁判所はチェサピーク州立病院ボルティモア精神異常犯罪者診療所への終身拘束を決定。
狭い独房に閉じ込められることになったが、料理書からファッション誌まで多数の書籍を購読、
最厳重監視病棟の囚人の身ながら、臨床精神病理学会誌や精神医学会誌に論文を発表するなど、世間に影響を与え続けた。
1981年、グレアムは連続殺人犯(通称噛み付き魔)フランシス・ダラハイドの捜査協力を
レクターに求めてきたが、レクターは逆にダラハイドをけしかけてグレアムと家族を襲わせた。
命は助かったものの、グレアムは顔をズタズタに切り刻まれる重症を負った。
このように、レクターには他人を心理的に操作して犯罪を犯させる驚異的な能力があるとされる。
1983年、連続誘拐殺人犯(通称バッファロー・ビル)ジェイム・ガムに対する捜査協力を求めてきた、
当時FBIアカデミーの学生であったクラリス・スターリング捜査官の訪問を受ける。
ガムに娘を誘拐されたマーティン上院議員への情報提供の見返りとして条件の良い特殊監房に移ったが、
2人の看守を殺害して逃亡。クラリスが事件を解決する頃には南米にまで逃れた。
行方不明の逃亡期間中、ブラジルでバカンス中だった州立病院のチルトン院長を殺害した模様。
また原作では多指症を手術し6本目の指を取り除いている。
1990年、レクターはダンテ研究者のフェル博士という偽名でフィレンツェに現れる。
この時は峻厳をもって鳴る専門家連中を満足させるほどの深い知識を披露していた。
パッツィ刑事は彼をハンニバル本人ではないかと疑い捜査していたが、ヴェッキオ宮殿で
先祖の例に倣って殺害され、ツアー旅行者にまじってアメリカに帰国する。
ところが、被害患者だった大富豪のメイスン・ヴァージャー一味に拉致される。
レクターの趣味嗜好から高級奢侈品に網を張っていたクラリスの捜査はレクターを寸前まで追い詰めたが、
メイスンらに囚われていたレクターを助け出すことになってしまう。
レクターはヴァージャーを間接的に殺害、次いでクラリスのライバルである司法省のクレンドラーの頭を切り開き、
脳みそのスープと脳みそを喰わせる(原作ではレクターとクラリスが食す)。
クラリスに手錠を掛けられるも自分の左腕を切断、逃走する。
原作ではクラリスと共にアルゼンチンのブエノス・アイレスに瀟洒な館に住んでおり
二度目の手術で更に顔を変えて、静かに仲良く暮らしている。

もはや説明(省略)!天才的犯罪者!
どうしようもないほど悪人なのに、今じゃスーパーヒーローようなレクター博士。
彼の明日は(省略)!

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