2024年11月19日火曜日

ABCロボット


映画「ジャッジ・ドレッド(1995)」に登場。

錆色をした戦闘用ロボット。両手に機関銃が内蔵されている。
犯罪者リコが訪れた武器屋に安置されていた。
核戦争後、全て機能不全になったとされたが、
武器屋の店主曰く「探せば手に入る」という。
製造から50年、60年近く経っていたがリコが修理したことで活動を再開。
リコを主人と再認識させ、リコらと共にメガシティで暴れまわる。
その後ファージーを負傷させ、ハーシーを人質に取り、
彼女の首をへし折ろうとしたが、負傷したファージーの決死の行動によって、
背後を取られ、首周辺の動力ケーブルを引きちぎられてしまう。
最終的に前のめり倒れ、活動を停止した…

映画「ジャッジドレッド」に登場する戦闘ロボット。
映画の出来については触れずに、この唐突に登場したロボットについて。
人間的な顔の造形と赤い目、マッシヴなボディ。
一発で悪役かつ、力自慢であることを表現できているのは
素晴らしい。原作コミックには登場しないロボットであり、
元ネタはイギリス・コミック「ABC warriors」からであり、
本作では何故かカメオ出演という扱い。

2024年11月10日日曜日

ディーラー

ゲーム「Buckshot Roulete」に登場。

浮遊する2つの手と、人間とは思えない異常に鋭い歯の生えた丸顔で構成された存在。
正体不明、本名も不明。ナイトクラブを思わせる建造物の一室で待ち受けており、
ショットガンを使ったロシアンルーレットに興じる。
撃たれると出血し、しかめ面や苦痛の表情に変わる。
少なくとも生き物のようだが、何度撃たれても既定のライフ数と勝負が続く限り、
何度でも起き上がるため、不死に近い存在なのかもしれない。
過去に「神」と名乗る者と勝負したことが示唆されており、
プレイヤーがゲームに使用するアイテムを箱から取り出す際、
稀に血塗れの免責同意書が出てくるときがあり、署名に「神」と記されている。
ゲームの開始時に必ず免責同意書に署名させるところや、
弾の装填は不規則、ルールを都度説明するなど、
律儀な性格をしており、フェアなゲームを楽しんでいるが、
それは同時に、命を賭けたゲームを純粋に楽しんでいる狂人の側面でもある。
最終ラウンド以外ではプレイヤーが死んでも、
何度でも除細動器で甦らせることから、ギャンブル依存症の疑いがある。
ゲームは署名後に開始され、横のモニターに電源が入り、
3ラウンド続くことを示す。第一ラウンドは純粋な確率での勝負であり、
運が悪くなければ、勝ち抜くことができる。
第二ラウンドは新ルールとして「アイテム」の使用が導入される。
戦略性が増し、理詰めで運をモノにする面が強くなる。
第3ラウンドでは4つのライフ数以下になると除細動器が使用不能になり、
この状態で撃たれると、文字通り本当の死が待っている。
プレイヤーが死んだ場合、銅で出来た門がある謎の空間へと飛ばされ、
(死後の世界と推測されるが、詳細不明)無情にも、「死亡」と推定される。
プレイヤーが勝った場合、ディーラーは死亡。
勝利した褒美として、賞金7万ドルとショットガンが贈られる。
プレイヤーは車の助手席に現金の入ったアタッシュケースとショットガンを乗せ
車でその場を後にする。しかしディーラーが本当に死んだかは不明である。
ルールに従ったのか、無力化されたのか、続行する気を失くしたのか。
現金を受け取る際に一瞬現れる、赤く光る眼のようなものが意味するのは…

装填中の沈黙がたまらない。ゲーム「Buckshot Roulete」は
謎の建物で、謎の存在と、謎のギャンブルを繰り広げる。
目的と理由も謎である。ただ、恐ろしい見た目のディーラーから
賞金と自身の自由を勝ち取らなければならない。
このディーラー、明らかに人ではない挙動をする。
薬室を覗かずに、割った虫眼鏡で装弾を確認する、
金属でできた銃身をノコギリで一瞬で両断する、
その両断した銃身をまた生やすなど、
異常なアイテムの力といえばそれまでだが、
プレイヤーが除細動器で甦るのに対して、
一切それを使う様子がないのが恐ろしい。
しかしビールや煙草は普通に使用し、
何故か律儀に手錠を手首にかけるなど、どこか人間臭い。
製作者のQ&Aによれば、彼の体は実際に「頭部と手が浮いてるだけ」であり、
人外であることは確かなようである。

2024年11月2日土曜日

ビートルジュース


映画「ビートルジュース」「ビートルジュース ビートルジュース」に登場。

死者の世界で600年以上生きている、いたずら好きな悪霊。
別名ベテルギウス。自称だがジュリアード音楽院に通い、
ハーバード大学ビジネススクールを卒業。
世界中を旅行し、ペストの時代を楽しく生き抜き、
エクソシストが見る度面白くて167回ほど観たらしい。
生前はペスト全盛の時代、墓荒らしを生業にしていた。
その後ドロレスという女性と結婚したが、彼女の正体がカルト教団の指導者であり、
人の魂を奪うことで不死を目指す彼女の目的は、彼の魂であった。
ドロレスが毒を盛ってきた仕返しに、斧で彼女を斬殺。その後死亡した。
現在はバイオエクソシスト(人間驚かし屋)事業を展開し、マネージャーとして活躍している。
常に下卑た笑みを浮かべ、慇懃無礼な態度を崩さず、よくジョークを口にする。
一見すると軽薄だが、悪霊としての実力は本物であり、
自由に空間や時空を歪曲させるなどの現実を改変する事ができ、
物体や人物のテレポートや変身、念動力、腹話術と人の声真似ができる。
冥界に来てからは、冥界ケースワーカーのジューノの助手を務めていたが、
自身の力と野心からか、バイオエクソシストとして独立を画策。
ジューノによって呪われた上に追放され、「ビートルジュース」の名を3回唱えなければ、
現世に干渉できなくなってしまった。
1988年、ビートルジュースはアダムとバーバラのメイトランド夫妻に召喚され、
ディーツ一家を殺そうとしたが、夫妻によって阻止される。
しかしディーツ家の娘リディアと結婚することで、現世へと復活を遂げようと画策。
最終的に夫妻の活躍により、冥界へ強制送還された。
その後36年間は、事業を拡大しつつ、リディアへストーカー行為を働いていた。
いつしか冥界で幽霊相談コールセンターを開くほどになる頃には、本当にリディアに恋していた。
しかし復讐に燃える元妻ドロレスが出現。行方を眩まそうとした時、リディアに呼び出された。
娘アストリッドを命を救うことを求められ、対価として結婚する契約を結ぶ。
娘が助かると、すぐに結婚式を挙げようとする。怒れる元妻を倒し、冥界の警官隊も無力化。
結婚は秒読みだったが、自身が助けたアストリッドに冥界の法を犯したことを指摘されてしまう。
これにより契約が無効化され、またしても結婚を阻止されてしまうのだった…

ティム・バートン監督の初期作にあたる映画「ビートルジュース」。
その当該人物であり、マイケル・キートンが演じるビートルジュースは
主役であり、同時に悪役でもある。常に下卑た笑みを浮かべ、
慇懃無礼な態度を崩さない、ポジティヴ精神の塊であり、
悲劇を喜劇に変え、下品なジョークを口にし続ける。
そんな彼が、生前は一目惚れした相手と即結婚、しかし双方の死により物理的に破談。
その後は死を求める少女リディアと出会い、利害の一致から結婚承諾。しかし即破談。
そして月日が流れ、またしても結婚、またしても破談。
3度もスピード結婚&離婚を繰り返す、最早お家芸である。

2024年10月10日木曜日

サンタクロース


映画「バイオレント・ナイト」に登場。

クリスマスイヴの夜に、酒場で飲んだくれるサンタ姿の老人。
実は正真正銘のサンタクロースである。
オモチャが欲しい、ゲームが欲しい、金が欲しいと
年々物を欲しがるだけで、クリスマスの奇跡を信じなくなった子どもたちに
愛想を尽かしており、今年で引退を考えながらプレゼントを配っていたのだ。
かつてサンタになる前は人間であり、人々から恐れられた凶悪なヴァイキング。
人間時代の名前は「赤いニコムンド」。愛用の大槌「脳天潰し(クラッシャー)」で、
相手の頭をかち割るのが得意だった。今では人間的にだいぶ丸くなり、
妻とは仲睦まじく、1100年連れ添った仲である。
酒場で飲みすぎた後、空飛ぶソリから吐瀉物をまき散らし、プレゼント配りを再開する。
大富豪であるライトストーン家の屋敷に舞い降りたサンタ。
プレゼント配りのささやかな報酬としてクッキーやミルク、酒などを摘まみ食いしつつ、
のんびり仕事を終えようとした。しかしそこへ武装した強盗団が現れ、屋敷を掌握。
強盗たちの目的は屋敷の地下金庫に隠された3億ドル。ライトストーン家の人々は囚われてしまう。
使用人を殺す際の銃声に驚き、屋根からソリごと飛び去ってしまうトナカイたち。
立ち去る手段を失ったサンタは、仕方なく襲い掛かる強盗一人を叩きのめす。
強盗が持っていた無線を奪い、どうするか思案に暮れるサンタ。
偶然にもライトストーン家で一番幼い娘トルーディと通信が繋がった。
トルーディは昨今では珍しい純粋にサンタを信じる良い子であり、
サンタは彼女のために強盗たちと対峙すること決断する。
持ち前の驚異的な戦闘力で強盗たちを一人一人片付けていく。
そしてライトストーン家の活躍もあり、無事強盗たちを壊滅させた。
自身を最後まで信じてくれたトルーディに感謝を告げ、
クリスマスの奇跡を信じようとしてくれたライトストーン家の人々を見直した。
そして自分の使命と最近の人々も満更でないことを再認識したサンタは、
置き去りにしていった薄情なトナカイたちを許しつつ、
世界中の子どもたちへプレゼントを配りに、夜空へと飛び立っていった…

サイレントナイト♪ホーリーナイト♪バイオレントナイト♪
映画「バイオレント・ナイト」を一言で説明するなら
サンタ風ダイ・ハード」と言えるだろう。
実際に作中で「ダイ・ハード」が言及される一幕がある。
後はひたすらにヴァイキングなサンタによるバイオレンスアクションが炸裂!
ついでにトルーディちゃんのホームアローン風のトラップも爆裂!
頭と言わず体と言わず、いろんな部分がエグい描写がたっぷり。
もちろん「赤いニコムンド」のキャラも濃く、何より同じ北欧が出自である
ヴァイキングとサンタクロースを合わせるとは、目から鱗である。

2024年10月7日月曜日

ピラニア(リメイク)


映画「ピラニア3D」に登場。

学名「パイゴセントラス・ナッテリー」。
アメリカのアリゾナ州ビクトリア湖の地底湖に生息する
超攻撃的な古代のピラニア。
先史時代におけるピラニアの祖先にあたり、
200万年以上前に絶滅したと考えられていたが、
共食いによって生き延びたと推測される。
その凶暴性は共食いによって、より先鋭化され、
数秒で獲物を喰らい尽くすことができる。
突発的な地震によって湖に亀裂が入り、地底湖から解き放たれた。
地元の漁師を皮切りに、地震を調査しに来た地質学者、休みに浮かれた大学生など、
春休みを利用して湖にバケーションしにきた観光客が次々と犠牲になる。
湖を閉鎖することも検討されたが、観光で収入を得る町にとって死活問題であり、
既に観光客で溢れている時点で、後の祭りだった。
最終的に難破した船に積まれたプロパンタンクを爆発させることで、群れのほとんどは爆死した…

ジョーズ」の正統な姉妹篇ともいえる映画「ピラニア」を
リメイクした映画「ピラニア3D」。
オリジナル「ピラニア」が公開されてから、30年の月日を超えて
しかも3D映画として復活させた結果、興行収入は公開3日で1000万ドルを超えた。
それはさておき、本作のピラニアはロブ・ボッティンのデザインした
オリジナルを現代的にブラッシュアップさせた非常に凶悪な姿で、
オリジナル同様、本編内で全容をバッチリ映している。
しかも鰓がまるでエリマキトカゲのようにおっぴろげて、威嚇するという
目に映るもの全てに襲い掛かる凶暴性が、より分かりやすく表現されている。
ちなみに学名である「パイゴセントラス・ナッテリー」は本来、
よく知られているピラニアの品種の名前であり、古代種は映画の独自設定である。

2024年9月16日月曜日

ノーティー・ベア


ゲーム「Naughty Bear」に登場。

クマのぬいぐるみたちが住むパーフェクション・アイランドに住む、
いたずら好きな(Naughty)クマのぬいぐるみ。
茶色の身体は所々ボロボロで、片耳が欠けており、
頭部、背中、腹部に傷跡がある。
基本的に喋ることができず、威嚇するように唸るだけ。
その様子からか、周りに住む他のクマたちから嫌われており、
恐怖や軽蔑、侮蔑の対象となっている。
彼自身は他のクマたちと楽しいゲームやパーティーに参加し、
仲良くしてもらいたいだけなのだが、理解されない。
そして爪弾きにされたお返しに、復讐を図る。
1980年代、パーフェクション・アイランド。
そこに住む、ノーティー・ベアは孤独だった。
島一番の嫌われ者の彼は、常に除け者にされた。
今日はダドルズの誕生日会なのに、自分は招待されなかった。
ノーティーは皆に受け入れてもらいたくて、とにかくいい子になろうとした。
ダドルズと友達になることが、その近道だと思い、お手製のプレゼントを作る。
プレゼントを持って誕生日会に向かう途中、チャビーとギグルズに出会う。
二人はノーティーの小さくて歪なプレゼントを見て嘲笑う。
ショックのあまり、意気消沈して家に帰るノーティー。
遂に彼は我慢ができなくなった。クマたちに復讐することを決意し、
パーフェクション・アイランドの住人を殺戮するのだった…

悲鳴と綿(!?)が舞い散るゲーム「Naughty Bear」。
主人公のノーティー・ベアは一体何故そんなに嫌われているのか
特に説明なく、除け者にされ、蔑まれている。
だが、そんなことはどうだっていい。
可愛い顔してエグいことしてくるクマたちに、復讐するときがやってきた!
鉈、バット、トラバサミ、銃、冷蔵庫、トイレ、あらゆるモノを駆使し
時には発狂させ、自殺に追い込み、今までの鬱憤を晴らすのだ。
しかし、どんなに残虐な行動をとっても、彼の本心は変わらず、
仲間に受け入れられる」こと。色々とはっちゃけてしまったが、
相手がその望みを叶えてくれれば、疎外されたことを許そうとする辺り、
意外と彼の内面はナイーブなのかもしれない。

2024年9月6日金曜日

コカイン・ベア

映画「コカイン・ベア」に登場。

コカインの大量摂取により、ハイになりすぎたクマ。
食事することよりも、コカインを摂取することにこだわる。
通常のクマとは違う、異常行動を取るようになり、
凶暴性が増して人を襲うようになった。
ただし、コカインが最優先ではある。
1985年、麻薬密輸人のアンドリュー・C・ソーントン2世はハイになっていた。
飛行機から取引先のコカインが入ったダッフルバッグを次々と投げ捨てた。
そして自身もパラシュートで飛び立とうとして、誤って落下死する。
一方、チャタフーチー・オコニー国立森林公園では
アメリカクロクマがそのコカインを見つけて食べてしまった。
非常に攻撃的になったクマは、自分を観察していたハイカーの男女に襲い掛かった。
ジョージア州チャタフーチーのブラッド山で、ディーディーとヘンリーの子ども2人が
コカインの包みを見つけ大興奮しているところに、コカインベアが出現し襲いかかる。
ヘンリーは木に登って逃れるが、ディーディーは連れ去られてしまう。
彼らを探しにきたディーディーの母・サリは、同行するパークレンジャーと
動物管理官が襲われるのを見て、恐怖するも娘を探しに更に森の奥へ進む。
その後クマがメスであり、その子どももコカイン中毒になっており、
住処にしている洞窟にコカインを隠していることが発覚。
洞窟に隠していたコカインをギャングのボスが発見するが、戻ってきたクマに襲われる。
手下のギャングとヘンリー、ディーディー、サリは滝壺に飛び込み難を逃れる。
母クマはボスに打ちのめされ、死んだかに思われたが、コカインを摂取したことで
強靭な生命力を発揮し、ボスを倒したのだった…

ラリッたクマに襲われる映画「コカイン・ベア」。
古き良きパニック映画「グリズリー」以来、目立ったクマ映画はあまりない中、
突如として登場したニューカマー、もといニュークマー。
映画自体はストーリーや演出が手堅くまとまっており、
弾けた部分があまりなく、ちょっと凡作。
クマ自体は暴れているが、表情がどこか柔和なため、可愛らしさが勝る。
無論ゴアな演出はあるが、クマの剽軽さが清涼剤になっている。
ちなみに実話が元になっているが、現実のクマは過剰摂取で
すぐに死んでしまったし、人を襲ったりもしていない